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プロフィール
コメント数 202
性別 女性
自己紹介 閲覧&良票を入れて頂いた皆様ありがとうございます(*^-^*)
良票を頂けると励みになります!作品に対する意外なヨミと、読んでいて楽しいレビューを心がけています。楽しんでいただければ幸いです☆

ジャンルを問わず鑑賞していますが、ホラーを観るときは手で目を覆って指の隙間から観ますw

★好きな俳優★
M.ファスベンダー、E.マクレガー、J.ロウ、D.クレイグ、O.ブルーム、ジョナサン・リース=マイヤーズ・・・・・はい、そうです。イギリス俳優好きですw
さらには、ドナルド・サザーランド、S.ブシェミ、M.フリーマン、フランコ・ネロ、B.ウィリス、H.ジャックマン、C.イーストウッド、女性では、ユマ・サーマン、M.ジョヴォビッチ、C.セロン、A.セイフライド・・・などが好きです。

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1.  1922 《ネタバレ》 なんで主人公の男がここまで不幸にならなくちゃいけないの? 妻めちゃくちゃワルもんだよ。 父から引き継いだ土地は私のもんだと。 その態度がイライラ。 父の土地なんて、お前が苦労して築いた財産じゃないだろう。 それをたまたま偉そうに、それを武器に、土地も貯金もない夫をナメまくってる。 だから、 「土地を売るわ。その金で都会に行くの。洋服屋さんを開店するわ。あなたがついてきたくないなら結構。離婚するわよ。 金ならあげる。でも息子は私が連れてくからね・ え?息子が近所に彼女ができたから、別れたくないから都会には行きたくない? 冗談じゃないわよ、そんなことに私を巻き込まないで。 彼女なんてどうでもいい。それより、できちゃった結婚とかしないようにね。あんたの父親みたいにね笑」 なんてことを、勝ち組の表情で言い放つ。 最低女。 夫の気持ちも、息子の気持ちも、自分中心の思考で聞く耳すら持たない。 さらに息子の前で父親を侮辱。 100回死んでも許されないタイプの女。 いや、ほんと、あなたは死にふさわしい。あなたみたいな自己中人間は死んだほうが世のためだ。 私ははっきりそう思った。 殺人は悪い。 でも殺人まで追い詰める悪人は殺人者よりもっと悪い。 この妻はまさにその悪者。 彼が手を下さなければ、この悪妻は、土地を売り、金と息子を連れて好きなように人生を生きちゃう。 夫は何も悪いことはしていない。 愚直に畑を愛し、息子を愛し、息子を立派に農民に育てるために汗を流して頑張ってきた。 息子もそうだ。 まじめに働き、この土地で骨をうずめる気持ちで、地主の娘とも仲良くなれて幸せの渦中にあった。 それをすべて自分のエゴで、奪おうとしてる。 自分の努力で築いたものではない、土地と金で。 なんてごう慢な女。死にふさわしい。死んだあと井戸でネズミに食われてきたなくなるのにふさわしい。 それなのに、なぜこの主人公がここまで苦しまなくてはいけないのか。息子も苦しめられるのか。不条理すぎる。 息子の彼女シャノンの家庭では、逆に夫が金があるせいか傲慢で、まさに主人公の妻の逆。 主人公のようにシャノンの父に従わされてガマンしている。 だから最終的には、家を出ることで、シャノンの母は夫に復讐したのだ。 主人公も長年、金と土地をふりかざす妻に従わされたのだから、復讐して何が悪いというのだろう。 私は金と土地を持っている配偶者に、金と土地がないゆえに、ナメられるという状況が本当に許せない。 主人公、がんばれ、悪い妄想に悩まされずに、逃げきり、がんばって生きてほしい。 当時のことを紙に書いて、カタルシスして、悪夢から目覚めてほしい。 ネズミ恐怖症も治りますように。そう願うばかり。[DVD(字幕)] 4点(2021-05-28 09:51:48)《改行有》

2.  インベージョン 《ネタバレ》 若いニコールも良かったが、私は女なので若いダニエル・クレイグも良かったと言っておきたい笑 宇宙人に感染して、世界中が大騒ぎになると、戦争のない平和な世界になるっていうのは、面白い考え方だと思う。 実際今、コロナで大騒ぎになってからというもの、中東系のテロが起きてないし。 北朝鮮もミサイルばんばん日本海に落とすこともないし。 あながち間違った方法論ではないと思う。 でも、その代わり感情を失うので、感動を呼んで笑わせたり泣かせたりしてくれる映画の需要がなくなってこの世から消えたら困る笑[インターネット(字幕)] 5点(2020-10-30 07:58:23)《改行有》

3.  1917 命をかけた伝令 《ネタバレ》 長廻しは面白いが、内容は普通っていう意見をしてる人が、なぜ6点以上の点数をつけてるのか謎… 現時点で7点になっていますが、いやいや、こちらのレビューサイトは7点ももらったら相当傑作の部類ってことなんですから、へたに高得点あげるのやめてほしいです。点数を参考にして見るか見ないか決める人たちもいるんですから。 さて本題。 長回し撮影がこの映画のウリなのだが、実際に見てみると、シューティング・ゲームをやってるみたいな感覚になってしまった。 撃ったり撃たれたりすながら進むにしたがって場面はずっと続いて、ときどきドラマっぽいことも入れてきたりして、そういう全てのものがゲームっぽい。 「バードマン」のように、戦争モノでなければいいのだろうけれど、目的地に向かって道に迷いながら進むとか、どこから敵が襲ってくるか分からないとか、迷路のような戦地とか、そういうすべてのものが、ゲームに求められている要素なので、それを全部包括しているこの映画は、ただのゲームに見えてしまった。 たとえば「戦火の馬」のように、馬をめぐる幾人もの人達のストーリーがあるわけでもなく、ただただ、戦地で起こりそうなよくあること(泥道でトラックがハマるとか、危なっかしい橋を渡るとか、戦友が死ぬとか)をつなぎあわせて、”ミッション”をクリアするのを見ているだけの映画は、正直退屈だった。 ゲーム好きならそれなりに没入感があったかもしれないが、ゲームに興味がないというかむしろ好きじゃない私にとっては、冗長な作品でしかなかった。[インターネット(字幕)] 1点(2020-09-10 14:27:46)《改行有》

4.  愛しのローズマリー 《ネタバレ》 ジャック・ブラック目当てで鑑賞。 ネットであらすじを軽く把握して「見た目より内面が大事」っていうテーマだと思って見ていた。 ところがビックリ! その見た目っていうのは、一般的なスタイルの良さとか顔のデキを越えて、 「顔面ヤケドや、肢体不自由等、身体障害者も受け入れて下さい」的な、すんごいハードルの高い価値観を押し付けてきた。 え?そうくる? だったらそれはもう、性格イケメンのエレファントマンを彼氏にしないような人は人間じゃないというようなもの。 私も見た目では男は選びませんが、四つん這いで歩いてるあの男性は、結婚を見据えた真剣な交際ができるかと言われたら、仲良しの男友達にだったらなれても、それはさすがに…ですよ。 ていうか、身体的な問題を問題とせず愛せよというならば、じゃぁ知的障害者はどうなんですか?と。 うちの長女が知的障害で、成人していますが、正直、知的障碍者の恋愛や結婚は本当に不可能に近いものがあります。 (障害レベルにもよりますが) 娘が障害があっても仲良くしてくれていた女友達でさえ、人前で普通なら恥ずかしい行動に分類される”奇行”に耐えられず、LINEをブロックされてしまったくらいですから。 同じ障害でも、就職率は身体障碍者のほうが圧倒的に高く、知的障害が雇ってもらえるのはほんのわずか。 障碍者でも愛せよと説いて、良い作品に仕上げたつもりだろうけれど、知的な障害者は一切登場させず、その置き去り感すごい。 障碍者まで話を広げず、単に見た目のスタイルや顔の良しあしで判断しちゃだめだよっていうラブコメで留めておけばよかったものを。 ヘタに正義ぶったメッセージ性を持たせようとして、かえって失敗している作品。 (ジャックブラックは、相手の容姿は気にしないって成長したことになってますけど、 彼の男友達は、自分の障害を受け入れてくれる女性を求めながらも、結局”ただし見た目のいい女性に限る”っていうオチになっちゃってるのも失敗。) 見終わって気分が悪くなった。[インターネット(字幕)] 2点(2020-09-01 15:04:54)(良:1票) 《改行有》

5.  イレイザーヘッド 《ネタバレ》 よくもまぁここまで気持ち悪いシーンのオンパレードを作れるなと感心してしまうほど、気持ち悪い。 こういう気持ち悪いシーンの絵コンテをひたすた毎日書き溜めてるリンチ、まぢ変態。 一人で脚本も特撮も美術も音楽も監督もやったオナニー作品。 変態オナニープレーを見て興奮できる人と、できない人の差が、評価の分かれ目だろう。 「エレファントマン」が気に入ってリンチを知った人間だが、「イレイザーヘッド」を見ると、エレファントマンという題材を選んだのは、イレイザーヘッドで描いた”奇形”、”皮膚病”という彼好みのモチーフを、万人受けするものに昇華させて、今後の作品の製作費を手に入れるためだったのではと思ってしまう。 「エレファントマン」は人間性とか、死生観とか、偽善と善意とは…とか、考えさせられることが多く滋味深い作品だった。 しかし「イレイザーヘッド」は、ただただキモイ。 あの奇形の赤ちゃんの包帯を切って内蔵をぶちゅぶちゅ潰すシーンとか、ほんと記憶に残っちゃって、慰謝料くださいっていうレベル。[DVD(字幕)] 0点(2020-08-23 22:35:00)《改行有》

6.  イングリッシュ・ペイシェント 《ネタバレ》 この映画がアカデミー賞に値するかという意見については「当然」と主張したい。 なぜならほら、よく思い出してほしい。 戦争という背景、そして夫のいるヒロイン・・・夫とは燃えるような愛情ではなく情の延長線上にあるような関係、ヒロインに恋するアウトサイダーな香りのする男・・・ そう、あのハリウッドの不倫映画の名作「カサブランカ」臭がするのだから。 カサブランカの舞台は北アフリカのモロッコ。 そしてそのモロッコは、マレーネ・ディートリッヒ主演の不倫要素も含んでいたハリウッドのレジェンド的作品「モロッコ」の舞台でもある。 今やアカデミー会員の中身も、多様性を主張する声に押されて女性や有色人種の割合も増え、新しい価値観の風が吹き荒れている。 しかしちょっと前までは、大多数派である高齢の白人の男たちが牛耳る、高齢の白人の男たちのお祭りであった。 となれば、今から20年以上も前のこの「イングリッシュペイシェント」という往年の名作の香りを漂わせる不倫映画が、不倫のひとつやふたつはしてそうな昔のアカデミー会員のオジサマ&オジイサマ達に 「なんて懐かしい世界観!ワンダホー!」 …と思わせ、彼らの心にロックオンしても何の不思議もない。 アカデミーでこのような古典的な香りのする不倫映画がオスカーを受賞できたのは、まさに当時の”時代がそうさせた”ともいえよう。 そして「不倫なんてけがらわしい!作品にするなんてありえない!」と頭ごなしに否定しそうな、厄介すぎるフェミニストの人数が増えた現代のアカデミーにおいては、もう二度とオスカーを受賞することはないであろう(ゆえに、作ろうとする監督やプロデューサーもいないであろう)、貴重な類(不倫)の作品でもある。 劇中でアルマシー伯爵は、ひとりの女性を愛したことで、結果的には仲間をピストル自殺においこみ、あるいは飛行機での無理心中においこみ、さらに無関係だった人間でさえ敵軍にとらえられ指をはねられる運命へと引きずり込んでしまう。 「彼女以外の事はどうでもよかった」と、関係者だろうと無関係者だろうと彼らが死のうが体の一部を失おうが、彼女のもとに行くための飛行機とガソリンを手に入れるためだけに敵国に味方の地図を渡すアルマシー伯爵。 そこまでしても彼女を死なせてしまい、一番の目的であった彼女を手に入れることはできなかったアルマシー伯爵。 彼女に指輪を贈りたくても、彼女の左薬指にはすでに別の男の指輪。 でもシンブルなら贈っても夫の目に不自然ではない。 バザールでボッたくられながら買って彼女にプレゼントした、それはとても何気ないものだったけれど、彼女にとっては指輪以上の意味を持っていたのだろう。 アルマシー伯爵が瀕死の彼女の胸にペンダントにして身に付けられたシンブルを見つけて、初めて堰をきったように泣き崩れた場面では胸がどうしてもしめつけられた。 洞窟で死んでしまった彼女の、彼が好きだったという首の付け根(アルマシー海峡)に、そのシンブルの中にあるサフランの粉をこぼし、それで彼女の顔に化粧をほどこして、彼女を白い布で覆いお姫様だっこで洞窟から現れた彼は、まるで教会の中から花嫁を抱いて出てきた花婿のように錯覚した。 しかし彼女は死んでいて、彼女を飛行機に乗せて死に場所を求めてふたり旅立つ光景は、未来のない新婚旅行に見えてやるせなくなった。 どんなに愛しても、結婚して祝福されることのない関係・・・。 不倫は、愛情の深度と現実に起きる出来事とのギャップが 通常恋愛よりも大きいからこそ、見るものに、人間のやるせなさや、もどかしさ、やりきれなさ、どうにもならい閉塞感と悲壮な感情をこれでもかというほどに、かきたてる。 そういう意味で、けして映画のテーマとして否定してはならない、外せないカテゴリーであることは間違いないと思う。 (エロシーンばかり売りにした安っぽい不倫映画はダメだけど) アルマシー伯爵の不倫からの安楽死という悲しい結末(闇)の後に、”私と関わった人は必ず死ぬ”というジンクスを破ったインド人彼氏との未来に希望を抱くジュリエット・ビノシュや、 積年の恨みを手離し恋人との未来に心弾ませるウィレム・デフォーというサイドエピソード(光)を描くことで、 「闇のあとには光が現れる」「闇夜の後には必ず夜明けが訪れる」 というイメージが、往年の名作のオマージュに感じられるこの北アフリカの自然と溶け合い、これだけアルマシー伯爵を起点に大勢のひとたちが悲しい運命をたどったというのに、最後はなぜかすがすがしい気持ちにさせる・・・ 不倫のように複雑な味わいのある映画であった。[CS・衛星(字幕)] 8点(2019-02-07 11:10:33)(良:1票) 《改行有》

7.  イングロリアス・バスターズ 《ネタバレ》 最後のほうで、ヴァルツとブラピの取引条件について了解する、電話ごしの司令部の人間の声(チョイ役)が、ハーヴェイ・カーテイル。ほんのちょっとだけ声の出演だなんて、なんてシブイんだ。そしてなんて贅沢なんだ。 「ゼロ・グラビティ」で宇宙飛行士が通信するNASAのひととのやりとりの声(チョイ役)がエド・ハリスだっていうことくらい贅沢だ。 あと心ひきつけられたのは、ショシャナがレストランに呼ばれて席についたときにグラスにつがれたもの、あと酒場でスバイ女優と落ち合ってた場面で、お店の人がグラスについだのが、ペリエのシャンパンだったってこと。 あのシャンパンの瓶、フランスのアール・ヌーボの時代にエミール・ガレがデザインしたアネモネが描かれてるんですがとっても美しくて、以前オークションでその瓶(カラの瓶のみ)を落札して家に飾ってあるくらい好きだったので、「あ、うちにあるのと一緒じゃんよ!」ってなんかうれしかった。 3デイズでワルのボスの家んちの壁紙がうちの居間のカーテンの柄と同じ、イギリスのアーツアンドクラフツ運動を牽引したウィリアム・モリスの「コンプトン」柄だったが「あ、うちにあるのと一緒じゃんよ!」ってうれしかったのと同じくらいうれしかった。 話を戻すと、最後の映画館焼却場面で、スクリーンが燃えきってなくなっているのに、火炎の煙が白くもくもくたちあがってて、その煙に、まだ映写機から送られてきているショシャナの顔が、煙に写り込んでたシーンは、いやもう、かっこよすぎる。タランティーノのセンスすごすぎる。 煙は不安定だから、映った顔があやしげにゆがむ、で、そのままヒトラーの顔面をドニーがうちまくって顔が崩壊していく画面にきりかわるんですが、不安定な煙にうつされて歪むショシャナの顔と、連射されて顔が崩壊するヒトラーの顔のリンクが最高に素敵。 映画館でナチス焼却計画実行する直前、ショシャナがドレスを着て赤い塗り頬紅をグイっとほっぺたに塗るシーンも好きです。 ちなみに「ショーガール」のノエミも、復讐に出かける前にドレスを身につけ鏡に向かって赤い口紅をグイっと塗りますが、赤は復讐の象徴なんでしょうか。 ショシャナの真っ赤なドレス、真っ赤な口紅。真っ赤な頬紅。それらの真赤な色は、彼女に想いを寄せる軍人に返り討ちにあって射殺されて倒れたときの顔に真っ赤な血ともリンクする。 血の魔術師タランティーノ、素敵すぎるセンス。 そして忘れてはならない、クリストフ・ヴァルツの存在。彼が登場人物とからむシーンはいちいち緊張感でいっぱいです。 フランス人農夫とのからみ、レストランでショシャナとのからみ、映画館でのアルドら4人とのからみ、そしてハマーシュマルクとのからみ・・・ そう、ハマーシュマルクの”靴が合えば疑いはない”の状況は、まるでバッドエンド展開のシンデレラてな具合で、さぐったポケットの奥に自分の靴を手の先に感じた彼女の悲壮感あふれる顔が忘れられません。 でも一番この映画を魅力的にしているのは、英語、ドイツ語、フランス語・・・が、登場人物の国籍そのままに使い分けられているところではないかと。 アメリカ映画においては、ナチを描く作品のほとんどが、ドイツ人でも普通に英語でしゃべるため、「イングロリアスバスターズ」のようにとことん登場人物の国籍と母国語をセットにした脚本は、この映画の設定や内容があまりにもブっとんでリアルさが時として失われがちなところに、みょうなリアリティを与えてくれる効果を有しているといえそう。 またこうした言語の使い分けがあるからこそ、冒頭のフランス人農夫とランダ大佐のフランス語→英語→フランス語のやりとりの面白さや、酒場でドイツ仕官に扮したイギリス人のドイツ語なまりがバレたなんだのシークエンスの緊張感、さらに映画館でランダ大佐とイタリア人に扮したアルドらのやりとりの滑稽さが描けるわけで。 ここまで各国語を玉手箱のようにちりばめた映画は、タランティーノ作品では類をみないし、また世界の映画作品全体をみても例がないのでは。 そういう意味では「イングロリアスバスターズ」は非常にユニークで、レアな作品だといえる。[CS・衛星(字幕)] 10点(2017-06-20 14:14:46)《改行有》

8.  イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密 《ネタバレ》 中学時代に母親にシネスイッチ銀座へ連行されてイギリスのホモ映画「モーリス」を見て以来、イギリス人のホモ文化には違和感のない私。 いやそれ以前に、小学生からリアルタイムファンだったボーイジョージもジョージマイケルも同性愛だったし(ファンとまではいかないがクイーンのフレディもエルトンジョンもそうだし)大学の卒論でとりあげた英文学者モームも同性愛(厳密に言えば両性愛だが)だし(ついでにオスカー・ワイルドも同性愛だし、「モーリス」書いたE.M.フォースターも同性愛だし)とにかくイギリスは同性愛者で成り立ってるんじゃないのかとさえ思うほどにイギリスの同性愛に違和感のない私。 そんな私から見ると、この映画は、”叶わぬ初恋を引きずり、亡き恋の相手の後を追ったホモ男の生涯”という見方もできる。 学校で初恋をした、暗号が得意な男子生徒クリストファーは心打ち明ける前に病死 ↓ そのトラウマを引きずりながら大人になると、手がけた暗号解読マシンに亡き初恋のクリストファーと名づけ彼の幻影を復活させる ↓ 戦後にそのマシンが極秘作戦の証拠として残らぬよう破壊を命じられたが「ボクのクリストファーを殺さないで!」と言わんばかりにコッソリ自宅保管 ↓ ホモ有罪判決を受け「服役で部屋にいるクリストファー(というマシン)と離れるのイヤ!」と言わんばかりに、服役代わりのホルモン治療の刑を受け入れる。 ↓ でもやっぱりホルモン療法で同性愛癖が消されたとして、それでクリストファーへの想いまで消えてしまうなら、「今クリストファー(というマシン)と共に命を絶つほうがマシ!」と言わんばかりに自殺し、天国にいるクリストファーのもとへ昇天 といった流れである。 この物語は 「へー、エニグマ解読マシンてのがあったんだー」 「へー、開発して有効利用されるまで紆余曲折があったんだー」 という表面的な”しらなかったー”、”おもしろかったー”だけではすまさせない、開発者が同性愛であるがゆえの、もうヒトヒネリなドラマ性が、単調で終わらない面白さを生み出していると思う。 この映画がただの暗号解読マシン開発者の奮闘話だったら5点だったけれど、同性愛要素が入ってひねりがきいていたので7点である。 ちなみに映画冒頭で盗難にあった彼の部屋で彼が青酸カリを掃除してる場面があったので、ひょっとして自殺は青酸カリかな?と思って調べてみると興味深いことにやはり青酸カリで、しかもベッド脇にかじりかけのリンゴがあったことや、彼が「白雪姫」の毒リンゴを模した自殺をほのめかしていたことから、リンゴに塗った青酸化合物を口にしたのではという分析があるらしい。 とすれば、彼は同性愛の男としては”女役”(同性愛でもやはり男役と女役の役割分担がある)として、自分をいじめから守ってくれた”男役”クリストファーを愛していたのだろう。 「リンゴをかじって死んで、次に目覚めたときには目の前に王子様(クリストファー)がいるはずだわ」なんて、乙女な思考だったに違いない。 アランはリンゴを口にする前に、暗号解読マシン(クリストファー)にそっと最初で最後のキスをしちゃってたかもしれない。[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-02-22 14:17:04)(良:1票) 《改行有》

9.  インターステラー 《ネタバレ》 娘の部屋の本棚にある本の奥はブラックホールの中でしたってのは、のび太君の部屋の机にある引き出しの向こうはタイムマシンでしたっていうのと同じくらい、奇想天外な世界観。 本棚の裏からトンツートントンツーも面白かったが、それ以外に面白かったパートは2つ。 マット・ディモンが来ていた星は住めない星なのに、無駄に信号を送って呼び寄せたあげく、マコノヒーを殺して生き延びようとするという、まさかの展開と NASAの偉い人による「ゴメン…住める星なんてないんだ」発言からの、ラストでアンハサウェイがたどりついた星でヘルメット脱いで普通に呼吸しちゃって重力も通常な感じでトコトコ歩いてるっていう「えっ…ここに住めるやん笑」というまさかの展開である。 ただ、地球を救う系の作品って、小惑星がドーン!とか派手な理由が多いが、こちらは地球環境変化というリアルな理由で、年を追うごとに悪くなる一方…ってところは、昨今の海水温度の上昇で日本列島に強烈な破壊力の台風が必ず規模の大きさを毎年更新しながらやってくる…っていういやぁな現実と重なって、地味に暗い気持ちにはなる。 とはいえ、地球救済映画は、だいたいにおいて主人公は死ぬのだけど、この映画では死なないっていうところはスゴイ。 娘はおばあちゃんになったがギリギリ生きててマコノヒーと再会できちゃったし。 アンハサウェイに至っては、成り行きでカレシが先に行っていた星でカレシと再会できてるっていうオチだったし、しかも立派ななコロニーまでちゃっかり出来てる景色のシーンを見せて終わるものだから、ここまでハッピーエンド祭りな地球救済映画はなかなかないと思う。[DVD(字幕)] 7点(2015-10-19 11:41:23)《改行有》

10.  インサイド・ヘッド 《ネタバレ》 【1】キャラがシンプルすぎる点について☆ 映画観る前は、ヨロコビやカナシミなどのキャラが、これまでのピクサーみたいにグッズ売れるぞ~みたいな個性がないので大丈夫かと心配した。でも実際見てみたら、あの感情5人衆は、どの人物の脳内にもいて、しかもそれぞれの特徴がオプションでくっつけられているのだ。パパの脳にいる感情たちはヒゲ顏。ママの脳には、メガネ顏。他にも、ピアス顏や、髪染めてる顏とか。なるほど、だからあえて没個性にしてオプションつけやすくしてるのね。極力シンプル化されているわけなのね。(ちなみに、ライリー脳はヨロコビがリーダー格なのに、パパ脳ではイカリがリーダー、ママ脳はカナシミがリーダーやってるのも、ピクサーさん考えましたねw私はあの家族ゲンカの脳内のやりとりで大爆笑しましたwあれだけでレディースデイ1100円払った価値が見えたw)  【2】ヨロコビの成長について☆ライリーが生まれた瞬間はヨロコビ一人しかいないのね。そのあと他の感情たちがやってくる。成長するにつれ感情表現が増えるっていうのが可視化されて面白い。そして、「ヤラレター!」と思ったのは、ヨロコビの成長過程。彼女はライリー脳においてリーダー格で「私がすべてを解決できる!」「私がいればライリーを幸せにできる!てゆか、私一人に任せてくれていい!」って言わんばかりの、ワンマンで鼻につく”自信過剰女”なのである。ネガティブ思考でウザったいカナシミを邪魔もの扱いし排除しようとしたりするなどの、カナシミいじめがひどい、いや~なタイプなのである。ある時には「おいおい、脳内の主人公がこれでいいんかい」と思ったり、ある時には「なにしろ、バックリとした思考と、ひたすら明るいのがヨシとされるアメリカ映画だからこうなるんかいな」なんて思ってた。しかしピクサーはそんな無責任じゃなかったのだ。ヨロコビはいくつかの経験を経て成長する。その最初は、ビンボンがカートみたいなのをゴミ捨て場に落とされて「うぇーん」と泣いている時だ。ヨロコビは「そんなの気にしないいいよ~さ~いこ~!」と明るさマックスで励ますが、ビンボンには効き目がない。しかしカナシミがそっと彼のそばにきて「そうだよね、悲しいね」と声掛けすると、ビンボンはすぐに立ち直る。おお!これぞまさに心理学でいう”傾聴”と”共感”による癒し効果ではないか。人間世界でもいるよね、一度も挫折した事なくて、明るくて、落ち込む相手がいれば背中をばんばん叩いて「飲もっ!歌って、遊んで忘れよ!」とか、全然わかってない感丸出しな人がw でも悲しい思いした人は同じ体験してるからこそ、落ち込んでる人に寄り添い、傾聴と共感によって相手の気持ちを全部吐き出させてクリアにさせられるのね。ヨロコビは「どうやってビンボンを立ち直らせたの!?」と不可思議そうな顔するけど、あそこでカナシミの存在価値は示されていた。 で、その後もすったもんだありで、ヨロコビは「カナシミあってこそ、ライリーは幸せになれるんだ」と気づく。かくして、思い出ボールは、それまでは感情ごとに5色のボールだったのが、”うれし泣き”なんかがあると、金色と青のミックスカラーのボールとか、他にも緑と赤のミックスとか、色(=感情)が複雑化するのね。そうか、人間は成長すると幼児期みたいに分りやすい感情表現じゃなくなるのって、こういう5つの感情がミックスされていくからなんだね。恋人がずっと連絡くれなくてしばらくしたら謝ってきて抱きしめてきたときなんて、5色全部混ぜのボールだろうしねw ピクサーの人達、ほんと想像力豊かだわ・・・【3】ビンボンの最後について☆ はい、泣きました。号泣。あれね、たとえ彼が助かったとしても、消えゆく手が治ったとしても、ライリーが大人になればいずれは忘れ去られてしまう自分をわかっていたのね。彼はピーターパンみたいなもの。子供の脳にしか生きていけないの。遅かれ早かれいずれは消えゆく存在。そうやって死期を察して、どうせ死ぬなら人のために命捧げましょう的な展開、もう、泣かずにはいれません。(なので、善玉キャラは全員生還ってのがお決まりのディズニー映画において珍しく復活しないキャラです)そういえば・・・ビンボンの泣きの場面は「グラントリノ」のクリントに泣けた時と同じツボだ。   ピクサー何周年かの記念作品だそうですが、地味に素晴らしい作品です。ピクサーは金あるから、あえていつもの手堅い子供ウケ路線でいかず、何周年かの記念だからこそ、こういう笑えて泣ける哲学映画をドロップしたんじゃないかな。   【短編について】ディズニー映画お約束の、本編前の短編作品。今回は太平洋を舞台にした恋する活火山の物語。こちらも10点!これ、数年前に76歳の高木ブーが26歳差の女性と結婚したニュースを映像化したんじゃないかと推測。[映画館(吹替)] 10点(2015-08-21 18:23:25)

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