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プロフィール
コメント数 3870
性別 男性
年齢 53歳

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61.  シャドー・チェイサー いかにも低予算な感じのアクション映画ですが、久しぶりに木曜洋画劇場っぽいテイストを堪能できました(え、いい意味に決まってるじゃないですか)。なかなか魅力的な作品だと思うのですがいかがでしょうか。バカンス先で家族が行方不明、父は何かを知っているらしいが、何者かに命を奪われる。父親役はブルース・ウィリス、大物が少し顔を見せて早々に退場してしまうあたりがまた低予算臭のするところですが、本作、謎の事件に巻き込まれるというサスペンスであるとともに、「父の知られざる一面」を追うという副主題があるため、少しの登場でもインパクトを残す俳優がこの父親役には必要だったともいえます。そして、謎の女性シガニー・ウィーバーが登場、そのモンスターぶりも堂に入ってるし、クライマックスのカーチェイスも派手ではないけど見応え十分(というか、最近、打ち上げ花火みたいなムチャクチャなカーチェイスが多い中、こういう泥臭い感じのチェイスは大歓迎)。主演はこの後スーパーマン役を射止めたヘンリー・カヴィル、メリハリに乏しい演技といわれりゃそうかも知れないけれど、いつも苦悶に満ちたような険しい表情をしていて、これが実にサマになってる。この顔だけでも、作品に相当のスピード感をもたらしてるんじゃないでしょうか。銃で撃たれても「弾は貫通してる」と荒療治を受けたらそのあとピンピンしているってのも、まあ、この顔を見れば納得か。イキの良い作品で、大いに楽しませていただきました。[DVD(字幕)] 8点(2015-02-27 11:58:21)

62.  十兵衛暗殺剣 本作の倉田準二監督という方、すみません存じ上げませんでしたが、ああ、『恐竜・怪鳥の伝説』の監督さんだったのですね。なるほど、道理で(笑)。将軍家指南役の柳生十兵衛に対し、我こそは真の新陰流継承者なり、とライバル心をむき出しにし、彼を付け狙う幕屋大休。道場破りなどの嫌がらせを繰り返した挙句、竹生島での決闘を挑んでくる。どんな汚い手を使っても十兵衛を倒すべし、とばかり、現地の湖賊(琵琶湖版の海賊みたいな連中)とタッグを組んで、十兵衛を待ちかまえる。という、非常にワカリヤスイ展開なのがうれしいですね。船で湖を進む十兵衛一行に対し、水中から攻撃を仕掛ける湖賊たち。ここでは、時代劇なのにまさかまさかの水中撮影。サンダーボール作戦もびっくりですな、これは。きっとこの撮影が、『恐竜・怪鳥の伝説』でも多少は生かされた、のだかどうだか。それはともかく、敵役の幕屋を演じるは大友柳太朗、泰然とした彼と、すぐに地団太踏むような表情がすぐ顔に出てしまう近衛十四郎では、どちらが「剣豪」のイメージにふさわしいかと言えばもう聞くまでもない訳ですが、門弟や湖賊の戦いを交えて引っ張って行って、ラストの対決はそれなりに盛り上げてしまう、この勢い、大したものだと思うのですが、いかがでしょうか。ロケーションも魅力的。[CS・衛星(邦画)] 8点(2015-02-09 14:08:03)

63.  仁義なき戦い 文太さん追悼放送で久しぶりに観ました、昔はゴールデン洋画劇場なんかでやってて、あの頃は正直、この“乱暴な”描写が、何というか一種の安っぽさのように感じられて、少々苦手だったりもしたのですが(あと、早々に主人公が小指を詰めちゃうシーンがあって、この後映画が終わるまで小指がカメラに映らないように、うまくできるんだろうか、とかいうどうでもいい心配をしてしまったりもしたのですが)。しかしいいなじゃい、“乱暴”で。このむせ返るようなエネルギー。あと、学生の頃見るのと違って、社会人になってから見ると、活き活きと暴れまわった連中が次から次からドンドン死んでいって、その一方で金子信雄演じる山守がしぶとく生き残っていく姿、ってのが、どうにもこうにも、身につまされちゃうのよね。[CS・衛星(邦画)] 8点(2015-02-02 23:03:00)

64.  ジェロニモ(1993) 《ネタバレ》 白人への抵抗を続けたアメリカ先住民の勇者ジェロニモの物語。いきなりジェロニモがとっつかまり護送されるところから始まるもんで、オイオイと思う訳ですが、心配ご無用、ちゃんと盛り上がります、ウォルター・ヒルらしい鮮烈なアクションもあります。先住民の物語、と言っても、『ダンス・ウィズ・ウルブズ』みたいに白人も自らの理不尽な歴史に目を向けましょうというような苦みを伴うものではなく(いや、そういう要素も勿論あるけれど)、あくまで白人の軍人の目を通して語られる物語であって、かつ、この作品には、白人であれ先住民であれ(あるいはその両者の間に位置するロバート・デュヴァルであれ)、人種を問わず「勇者」がいて、そして最後には彼らは皆、歴史の中に静かに埋もれていく。ジェロニモを乗せ、どこへともなく走り去っていく汽車のラストシーンが余韻を残します。反省ばかりが歴史じゃない、郷愁と云う名の歴史だって、ある訳です。[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-12-25 23:44:40)

65.  紳士は金髪がお好き(1953) マリリン・モンローの赤い赤過ぎる唇。アレは男を取って喰う口です。ジェーン・ラッセルも相当なもんだけど(オリンピック選手団のムキムキ男をみんな喰ってしまいそうな)、いやむしろコチラの方がオソロシゲなんだけれど、ブルネットの彼女よりは、ブロンドのマリリン・モンローの方が、赤い唇のインパクトが強く、福笑いの顔みたいに唇が浮かび上がってます。で、二人が身も蓋も無い内容の歌を歌いまくり踊りまくり、彼女たちの前には現実もひんまがってひれ伏すしかない、まさにハチャメチャミュージカル。[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-11-09 09:26:36)

66.  ジャッカルの日 《ネタバレ》 私の場合は、映画を最初に観たのは随分昔で、かなり後になってから原作小説を読んだのですが。いやあビックリしました、面白いの何の、この小説(笑)。映画の方は、どっちかとうとドキュメンタリータッチの抑えた表現で、劇中で実際に背景に聞こえてくるBGM以外、音楽も無し。原作小説も、ノンフィクション小説風(現実の事件の関係者に取材し、そこにフィクションが織り交ぜられる)ですけれども、後半の盛り上げ方がとにかくスゴい。一気に広がる捜査網と、それを掻い潜ってターゲットに迫るジャッカル。追うルベルの焦り。ジャッカルの暗殺失敗からルベルとの対決に至る場面なんて、映画の方が実際の時間の流れに忠実なところがあって、小説の方がむしろ映画的とも言える、一瞬時間が止まったような緊張感あふれる筆致なんですね。こういう、原作と映画化作品との、不思議なアプローチの差異が、意外性があって面白いところ。映画の方が小説よりも一見地味なんですけれども、これは、映画でも小説と同様に煽るような描写に走ってしまうと、オーバーになってかえってシラケかねない、ってこともあるだろうし、それだけじゃなく、つまり映画が単に地味路線なのではなくって、映画ならではの緊張感がここにはあります。冒頭の暗殺未遂からOAS幹部の処刑に至る、畳み掛けるようなスピーディーな描写。中盤はジャッカルの行動と捜査側の様子がじっくり描かれますが、各エピソードが(特にジャッカルの行動にまつわる部分が)、あと数秒ないしあとワンカットあるのが普通かな、というタイミングで切れて、次のエピソードへ移行していき、小説とは異なる形でのテンションが維持されています。そしてクライマックスのパレードの場面、集まった群衆の光景と軍楽隊の音楽とが、もうどうにも引き返せない、どうにも止められない焦燥感に繋がって、小説とは異なる形での盛り上がりを見せます。実際、今回久しぶりに観て、というかかなり記憶が薄れていたので初見のつもりで観ていたのですが、それでもこのクライマックスシーンは強い印象が残っていて、懐かしき興奮を再び味わうことができました。[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-11-03 10:32:32)(良:1票)

67.  女王陛下のダイナマイト リノ・ヴァンチュラ演じる元ギャングのコワモテ男、ひょんなことから、とある小心者の男と腐れ縁になり、彼を狙うイギリス金髪ギャング軍団と戦うオハナシ。ははは、意味不明ですね。隣国をここまでおちょくって許されるなんて、東アジアの某諸国間ではなかなかマネできません……。前半はそれなりにノワール調、とはいっても線が一本抜けちゃってる感じですが、後半に至るともう何本の線が抜けたのやら、ハチャメチャな脱調ぶり。敵味方、ひたすらダイナマイトの応酬、マンガのようなウソ臭いミサイルも登場し、(テレビ番組のコントみたいな)爆発また爆発。映画のストーリーまでもがどこかに吹き飛んじゃいます。それにしてもあの橋のシーンはビックリ。『TAXi』ってなツマラナイ映画があって、基本的には『フェラーリの鷹』のパクリだと思ってたのだけど、こういう映画にも元ネタがあったんだなあ、と。しかしバカバカしさへの徹底ぶりはこちらが数枚上。[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-01-04 09:37:28)

68.  シェナンドー河 《ネタバレ》 『馬上の二人』で、さらわれた人々の救出に向ったジェームズ・スチュワート。今回もまた、同様のテーマですが、作品の中に見られる対立軸は、さらに厳しいものとなっています。今回の彼は、妻を亡くした身とは言え、6男1女、さらに息子の嫁もいて、まさに“大家族スペシャル:アンダーソンさん家が大変だ”状態(ああいうTV番組、観たことありませんが…)。家族というより、プチ国家なワケで、南北戦争時代、南軍にも北軍にも与せず、教会とすらもやや距離をおいて“独立”を保っている。いわば、家族vsそれ以外、という対立軸の中で、末っ子がたまたま南軍兵士の帽子を拾ってかぶっていたもんだから、北軍に捕えられ捕虜になってしまう。で、息子たちとともに、末っ子奪還を目指すのですが、映画に「捜索モノ」というジャンルがあったとして、こんな切り口があったのか、と思わせるテーマです。「内部」から「外部」へと連れさられたとは言え、「内部」とはあくまで家族という極めて小さな世界、それに対し「外部」とは社会そのものとも言える訳で、絶望的なほどに明確な「周囲との対立」が描かれています。アンダーソン家は国家であり、息子たちは国民であるとともに兵士であって、それがアンダーソン家のアイデンティティであると同時に、悲劇の始まりでもある。家族のあるものは暴漢に襲われて命を落とし(犯人は逃亡)、またあるものは戦死するも殆ど事故死に近いもの。勧善懲悪や因果応報とは無縁の、無念の死としか言えないもので、まさに、独立するということが内在的に抱える悲劇性そのものの表れでしょう。そう言う訳で、ともすれば暗い展開に流れるのですが(息子たちを軍隊になぞらえた時点で予想された展開とは言え)、最後は、教会に突然、末息子が帰ってくる、という奇跡にが起こり、今まで不信心だった主人公が積極的に讃美歌を歌う姿で、映画は大団円を迎えます。ただし、コレ、周囲との和解というよりは、神との和解、というラストですから、私のような不信心者にはちょっとピンとこない部分もあるのですが。[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-09-29 09:48:58)

69.  次郎長富士 大映が贈る、オールスター娯楽超大作時代劇。いや実際、大映作品だか東映作品だかよくわからない出来栄えです(一応、褒めているつもりなのですが…)。日本の誇るゴッドファーザー・清水の次郎長親分と、次郎長一家の面々の活躍活躍大活躍を、これ以上詰め込みようのないくらいぎっしりと詰め込んだ細密充填構造、呆れる他に無いくらい楽しい作品です。どっしり構えた長谷川一夫の次郎長に、やんちゃぶりが乗りに乗ってる勝新石松。雷蔵の神妙な顔もあれば、仇役はタッキー黒駒、そしてその側近である好敵手・小岩には、帰ってきたウルトラマンの2代目隊長(すみません、あの特徴のある声を聞くと、伊吹隊長を思い出してしまうのです)。さあ、この映画を楽しまずして、何を楽しむというのか? え? 展開が早すぎてついていけない? 大丈夫大丈夫、ついていく必要はありません、どこからでも楽しめる映画です。ラストの富士をバックにした戦争映画のごとき闘争絵巻! 最高ですな。[CS・衛星(邦画)] 8点(2013-08-12 14:44:19)

70.  ジャッカー 本作、公開時に雑誌の「今月の封切り作品」コーナーで紹介されてたのを読んで、妙に気になってたものの観る機会が無いまま二十数年、このたびツタヤの発掘良品コーナーにてようやく出会えました。その感慨を差し引いても、この作品、面白いです。難点は、夜の自動車内でのやりとりを中心としたこの作品、窓外の景色の描写を手抜きして、クルマが走っているのやら殆ど止まりかけているのやらよくわからんシーンがあることですね(窓外に微妙な光の点が微妙な速度で流れている…)。物語の背景など、余計な説明は一切省略し、衝撃的な幕開けから、夜の道をひた走る車の中を舞台に、犯人2人と人質の少年、3人の間の危ういバランス関係にとことん主眼を置いて描かれており、緊張感のある作品になってます。物語のスパイスとして途中、警官など、3人以外の人間も登場しはするものの、中心は3人の間に働く力学。一見、短絡的暴力的で一番アブナそうな犯人役のアダム・ボールドウィン。冷静で話が通じそうながら、いざとなると実はコイツが一番冷酷でアブナイかも知れない、もう一人の犯人役、ロイ・シャイダー。しかし非力でベソかいて何とも弱々しい存在のようでいて、実は最も何をしでかすかわかならいコワい存在、それが、子供、なんですね。だから、「いたいけな少年は、凶悪犯たちの手から無事助かるのか」というサスペンス映画だと思って観始めたら、最終的にはバカな大人が身につまされるような作品でもあるのです。実際、子供にゃ、かなわない。ラストでも物語の背景はサッパリ明らかにされない代わりに、子供が「まだたったの9歳だった」ことだけが明らかにされる、こんなに気の利いた、しかし考えようによっては残酷なラストも、珍しいのでは。[DVD(字幕)] 8点(2013-01-06 16:04:18)

71.  シノーラ 《ネタバレ》 ジョン・スタージェス作品ながらカラーはイーストウッド調、マカロニっぽいノリの作品。一匹狼の主人公、冒頭から何をやらかしたのか、禁漁区で鹿を撃ったとか何とかヤヤコシイことになっていて、「とにかく一筋縄で行かぬ、なかなか言うコトを聞かぬヤツ」という設定。ついでにオネーチャンに手が早かったりもして、どこまでもアナーキーな男。いったんは断った“人間狩り”の仕事を引き受けたかと思えば、雇い主に反発してアッサリと敵側についたり。雇い主のロバート・デュヴァルは確かに悪人として描かれてはいるけれど、勧善懲悪の物語ではなく、あくまで作品の基調は、アナーキズムであり、反骨精神。シノーラの町に戻り、機関車を建物に突っ込ませ、ラストは判事席に座ったイーストウッドがデュヴァルを仕留める、「オレが法律だ」と言わんばかりに。荒削りでワイルド、それが本作の魅力。[DVD(字幕)] 8点(2012-05-13 09:13:05)

72.  シルバラード 出演者たちが皆、「やった~西部劇だ~」と楽しくノリノリに演じてる(ように見える。気のせいかも知れないけど)のが、イイですね。拳銃をクルクル回す練習、かなりしたんじゃないですかねえ、そりゃ西部劇に出演させてくれるなら私だって練習しますぜ。製作側もノリノリ、詰め込めるだけ詰め込んで(銃撃戦の充実ぶり。登場人物の多彩さ。ちょっと欲張り過ぎてまとまらない面も?)、これぞまさに娯楽大作、愉しいこと愉しいこと。善玉4人が集まるべくして集まり、一方の悪玉はいかにも悪玉で、恨みだの復讐心だのを過度に強調することなく、内面より行動、ただ戦う。理屈っぽくないのがまたよろしい。要するに、西部劇って面白いんだよ、ということを言わんとした映画で、その目的は十二分に果たされた訳です。[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-12-10 09:37:23)(良:1票)

73.  シンシナティ・キッド 後半、ひたすら描かれるポーカーの勝負が、何と言ってもみどころ。闘いとは言ってもテーブル上の闘いなので、こう言っちゃなんだけど、地味な闘い。これを、“じゃあ無理矢理盛り上げてみよう”的な奇抜な演出に走ることなく、抑制のきいたクールな描写、これがイイのです。BGMも抑えており、紙幣のスレ合う音なんかが聞こえてくる。そんな中で、プレイヤーの顔を正面から捉えるショットが挿入されると、グッと緊迫感が出て盛り上がるんだなあ。⇒役者の立場からすりゃ、自分の顔をメインに捉えるカットなんだから、何がしか演技しなきゃいけないところ、しかしこれはあくまでポーカーゲーム、従ってポーカーフェイスを貫かなきゃいけない。これはジレンマ。かどうかは知らんけど、表情を出してしまった役者はゲームから下りてゆき、ついには1対1のタイマン勝負へ。ここでちょっと気になってくるのは、何で主役がマックィーンなんですかねえ。ちょっと飄々とし過ぎ、こういうクサい役はもっとクサい俳優にやって欲しいかな(=個人的にはレッドフォードのイメージです、ハイ)。⇒と思ってたらラストで疑問が氷解。このラストの余韻、まるで『大脱走』そっくりじゃないですか。はーん、だからマックィーンなんだね。⇒とかいう変な連想をしてしまうのでやっぱり他の俳優が良かったんじゃないのー。・・・あと、この映画の照明さん、ちと役者の顔を照らし過ぎじゃないですかー。[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-07-26 23:40:00)

74.  忍びの者 手裏剣やら、マキビシやら、これぞ忍者の教科書、といった感じの作品。だったら城に忍び込む時は堀を潜って渡るのではなく、水グモを使って欲しかったけど。そういう悪ふざけをしないのが本作の良いところ。巻物咥えて忍術を使ったりはせず(そりゃそうだ)、ひたすら忍者のキビしさにスポットが当てられていきます。主人公の忍者、その名は石川五右衛門。演じるはもちろん市川雷蔵。とても五右衛門には見えないね、ははは。で物語は、五右衛門伝説に『屋根裏の散歩者』を絡めつつ(?)、忍びの者の暗い宿命を描きつつ、クライマックスはまるで戦争映画のように盛り上がっちゃったりして、いやなかなかスゴい作品でした。それにしても雷蔵はサワヤカ過ぎる。岸田今日子とのカラミって、どうなのよ、コレ。[CS・衛星(邦画)] 8点(2011-07-09 00:40:55)

75.  ジャスティス(1979) 裁判制度のいい加減さ。そのために人生を狂わせ、破滅する人がいる。そういう重いテーマを、コメディタッチで軽妙洒脱に描いた手腕が見事。脇を固める様々なキャラクターと、彼らが織りなすエピソードの数々が、時に重く、しかし基本的には楽しく映画を盛り上げながら、物語をクライマックスへと導いていきます。それが実に上手い。まあ、クライマックスの法廷シーン(のアル・パチーノ)には、賛否両論あると思いますが(そんなオチでいいのか~との声も多いでしょうが)、この辺りはもはや、勢いでイッチャエ、てな感じですね。[DVD(字幕)] 8点(2010-12-20 23:15:51)

76.  ジュリア 《ネタバレ》 原作は、リリアン・ヘルマンの短編集『ペンティメント』に収録されている『ジュリア』。大学の英語の授業のテキストが、この『ジュリア』でした。この映画のビデオを少しずつ観ながら進められた授業が、思い出されます。もっとも、原作を翻訳で読みなおしたのも、映画をちゃんと通しで観たのも、実は最近だったりするんですけれど。で、この『ジュリア』という作品ですが、『ペンティメント』収録作品に共通の、時間の流れを超越した自由な回想による独特の詩情、これに加えて、反ナチ活動の友人のためにベルリンへ現金を運ぶ、という劇的な内容を孕んだ、スリリングな作品でもあります。と同時に、「実はこの作品は“創作”であって、ジュリアという女性は実在しないのではないか」ということで物議を醸した作品でもあるのですが・・・。さて久しぶりに本作を観てみて、やっぱり面白いなあ、と。回想によって時代を自由に行き来し、幼少時代にジュリアと野山を駆け回る自然児としてのリリアン。劇作家としてタバコをスパスパ吸いながらタイプライターを叩く都会人のリリアン。タバコの吸う姿が、この映画では強調されてますね。ある時はダシール・ハメットとくつろぎ、またある時は危険な現金輸送の役目を引き受ける。この映画中盤のスリリングな場面、現金輸送作戦の全貌を彼女だけが知らないまま(そして我々にも明かされないまま)、何やら意味ありげに、作戦が進められていくところが面白いですね。そう言えば、列車で同室のオバチャン、リリアンがタバコを吸おうとするとゴホゴホ咳き込むもんだから、リリアンはタバコを吸うのを断念するのだけど、無事に国境を過ぎると、オバチャンもちゃっかりタバコを吸っているのが、意味がありそうで無さそうで、面白いところ。そしてついにジュリアとの再会。二人とも嬉しそうには違いないのだけど、リリアンの再会の嬉しさのみに舞い上がっている姿と、ジュリアの「この現金で仲間が助けられる」という喜び。二人の異なる情熱の表現、であると同時にそこには、異なる世界に住む二人の、すれ違いもまた内包されている訳で。ジュリアはドイツで命を落とし、リリアンはアメリカのダシールの元へ帰る。でも彼女は闘わなかった訳ではない、後にダシールと共に、赤狩りへの闘いを挑むのだから。でもそれは、映画とは別のオハナシ。[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-10-04 23:13:38)

77.  ジャガーノート 某レンタル屋を覗いてみると「面白くなかったら返金します」キャンペーンをやっていて、その対象作品が、よりによってこの『ジャガーノート』とは。ちょっと心配、でもニコニコ。逢坂剛『百舌鳥の叫ぶ夜』なり、藤原伊織『テロリストのパラソル』なり、野沢尚『魔笛』なり、爆弾モノにハズレ無し、と個人的に思い込んでいるのですが、その原点ともいうべき作品ですね。豪華客船に仕込まれた爆弾と、それに立ち向かう爆弾処理専門家との、静かで息詰まる死闘。「ナンボなんでもこんな手の込んだ大量のドラム缶爆弾を誰にも気づかれずに船に積み込むのは無理やろ」とか「犯人は、船が嵐に巻き込まれて乗客が逃げられなくなることまで予想していたのか?」など、しょーもないツッコミをしてはいけません(そういうケチをつけてレンタル屋に返金を要求してはいけません)。ただただ、緊迫感に満ちた爆弾処理が微に入り細に入り描かれる過程の、そのサスペンスを堪能すべし。配線を切断する瞬間の恐怖。爆弾に仕込まれた数々のトラップの不気味さに対して、それに立ち向かうのは、無機質な工具の数々。それらを操り冷静に作業を進めるリチャード・ハリスが、めちゃカッコいい。最後に行きつくのは、『魔笛』でも語られていた通り、赤か、青か。まさに永遠の課題、永遠のスリル。ところでどうでもいいことだけど、犯人の“ジャガーノート”の電話の声を聞くと、正体は“まんが日本昔ばなし”の常田富士男としか思えないのですが。[DVD(字幕)] 8点(2010-08-15 22:37:39)

78.  G.I.ジョー(2009) クライマックスは完全にスターウォーズのパクリと化しており、非常にイタダケナイのですけれど、でも予想以上に楽しめました。というか、一般に、最近よくある“コミックの映画化”というヤツにあまり期待しなくなってきているので、こういうコミックっぽいノリの映画(実際は本作の元ネタはコミックではなくてアニメですね???)は、我々の予想を良い方向に裏切るのにまさにうってつけ(「次回に続く」的な終わり方まで、コミック映画化作品のパロディのよう。これは少々、トホホ)。さすがはスティーブン・ソマーズ、いつも目の付けどころがよろしい。カーアクションも、「どーせCG使いまくってるんでしょ」と思いつつ、どこまでが実写でどこからがCGか、もはやよくわからず、はい、ワタシの負けです。バカバカしくもカッチョよいアクションシーンを、十分に堪能いたしました。[DVD(字幕)] 8点(2010-03-24 22:30:55)

79.  シンデレラ(1950) タイトルは『シンデレラ』で内容的にも確かにそうなんですけれど、映画の半分は“トムとジェリー”。ネズミ対ネコの死闘(?)が見どころ。ウチの子もノリノリで観ておりまして、ネズミが抱えたチーズを落としそうになると、つい画面へ手をのばしたり、ポケットのカギを盗もうとするシーンでは怖がって自分も逃げ回ったり。映画を観ても楽しめるし、子供を観てても楽しめる。そんな作品。[DVD(吹替)] 8点(2010-01-03 08:44:52)

80.  不知火檢校 立身出世を目指し、勝新演じる盲目の男が、ひたすら悪知恵と非道の限りを尽くす。出世のためには悪を辞さない。出世さえすれば、悪は悪で無くなる。その狡猾さたるや、高木彬光の『白昼の死角』に匹敵、いやそれを凌駕するほど。「盲目」を表現せんとする勝新の芸の細かさ、細か過ぎるまでの細かさが、主人公のヤな感じをますます醸し出し、見事なまでの“得体の知れなさ”を表現しておりますな(最早、「得体が知れない」のは、主人公なのか、勝新なのか、区別がつかない)。この主人公、いつかはしっぺ返しを食らって没滅して欲しい、だけどその「いつか」ってのはもっと後でいい。主人公が危機を乗り切るたびに、ええい畜生、と思いつつも、どこかホッとしたりもする。主人公の成功は、ひとつの“夢”ではあるけれど、主人公の没落は・・・結局は、次の「悪」が現れるだけなのであって、所詮我々は、常に現れ続ける「彼ら」に利用され踏み台にされ続けるしかないという“現実”。時々は良心ぶって、狂ったように「彼ら」に石を投げつけてみるしかない、という“現実”。[CS・衛星(邦画)] 8点(2009-11-15 08:35:47)

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