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21.  その前夜(1939) 《ネタバレ》 幕末の京都、池田屋の近所、大原屋の物語という設定がアイデアの基本。市中を威張って歩いている新撰組に対し、絵描きら町人が「そういう時代なんですよ」と息を殺している気分は、映画製作時の軍部と重なって見えてくる。原作の山中貞雄は前年に死んでいる。でも、勤王が善で新撰組が悪という単純なものでもないところが、この映画のいいとこで、どちらかというと、政治的なものと政治的でないものとの対比なのじゃないか。絵描きが勤王派の妻をかくまうのも、ある種の親しみの感情からで、「どうも政治向きのことは…」と自分でも言っている。新撰組を狙う河野秋武(当時は山崎進蔵)も、別に長州脱藩でなくイデオロギーとは無縁、個人として辱しめられた怨みによって行動している。新撰組にも加東大介(当時は市川莚司)のような気のいい奴はいるのであり、しかし「イデオロギーなんか関係ないっすよ」というようなことを飲み屋で他藩の人間と語り合ったために切腹させられる者もいる。中村翫右衛門は、とにかく働いて上昇するためなら新撰組にだって取り入る、という町人気質の人物、川原で染めものの水洗いをしているとき、加東大介と話し合うあたりのノンキな気分がいい。別にリアリズム狙いの映画ではないが、とかくピリピリと張りつめて描かれる幕末の京都に、案外こんな気分もあっただろうなと思わせる手応えがあった。[映画館(邦画)] 7点(2009-06-06 12:03:56)

22.  争闘阿修羅街 《ネタバレ》 最近何かと注目を浴びている戦前のB級量産会社、大都映画の一本。アクションスター、ハヤフサヒデトの最盛期のサイレント映画は現在これしか残っていないそうだ(監督の八代毅というのはハヤフサ本人)。博士の新発明とスパイ、それにオキャンな博士の娘が絡むという、後の子ども向けテレビドラマにつながっていく定番の世界。前半の主人公は三枚目のサエない速記記者で、編集長に怒鳴られてばっかり。事件は夜、博士の別荘番のせむし男がモゾモゾ動き回り、女中の大山デブ子が悲鳴を上げ、博士がさらわれて、突然ヒーローになる。煙突の上のロープから滑り下り、ビルからビルへ跳んでは悪漢の車を追う。『ロイドの要心無用』といい、ビルが映画の文法の発明に果たした役割りは大きい。舞台の芝居では演出できない“高さ”というものをドラマの中に導き入れ、アクションに上下のスリルをもたらした。映画の時代とビルの時代が重なるのは当然のことだったのだろう(このロープでの滑り下りが彼のウリらしく、今世紀に入って発見された戦後の作品『怪傑ハヤブサ』でも、必然性を無視してやたらビルから滑り下りていた)。そして主人公は走る車の下に張り付いたりして、悪をやっつけるのだった。活劇の精神は古びることを知らない。いつの時代でもかっこいいものは同じようにかっこいい。もっとハヤフサの映画を見たいものだが、新たに発掘される可能性はあんまり高くないだろう。[映画館(邦画)] 7点(2009-05-08 12:06:19)

23.  孫悟空 前後篇(1940) 日中戦争下で、中国を題材にした物語を扱っているのに、全然時局に絡んだ気分がなく、全編圧倒的にバタ臭い路線。音楽もディズニーを含めアチラものが平気で鳴りまくる。中国風ではなくアメリカ風。三人の従者がいれば、時局がら「桃太郎」を連想させてもいいのに、これは「オズの魔法使い」のほうだ。衣装もキンキラのだったり、金角銀角はSF風。とにかく戦争の緊張とは遠く離れた世界が展開し、笑いもヒステリックではない。悟空が美女に変身しても声はエノケンのまま、なんてのがおかしかった。高勢実乗の魔ものたちの踊りもよかった。変身競争でカニになる。でフィナーレだ。美貌が戻った高峰秀子はニッコリと笑い、ハイホーハイホーに、ソードレミー、ファーラーレー、ソーシドレーミレ、ドーラーソーのメロディが重なって、賑やかに歌いつ踊りつの場になると、なぜかグッときてしまった。日本人てこんなにいい人たちなのに、と、これからの5年間の苦難を思ってしまう。山本嘉次郎監督はこの後『馬』を挟んで戦争三部作に向かい、エノケンとの映画はもう戦争中は作られない。[映画館(邦画)] 7点(2009-04-18 11:58:06)(良:1票)

24.  そよかぜ 戦争終わって、さてなんか映画撮ろうというとき、軽音楽バンドの話にしよう、ってなった気分は分かる。あの戦争時の固い気分の正反対といったら軽音楽であろう。禁止されるちょっと前までは盛んだったわけだから、勝ったアメリカに迎合するというより、元に戻れたって感じ。上原謙がトランペット、佐野周二がトロンボーン、斎藤達雄がサックスという楽団。上原が「花も嵐も…」を吹く場面もある。照明係からスターになっていくという戦前パターンの踏襲も、とにかく元に戻れたって感じだ。けっきょく戦争の数年間が異常な時間で、昭和ヒトケタと戦後は気分としてつながっている。戦争を思い起こさせるものは壊れた橋が出るくらいで、中盤は戦災のなかった田舎に話が移る。都会の観客には、傷ついていない田舎の風景が希望に見えたのではないか、ちょっとの妬みも含んで。舞台で並木路子が「リンゴの唄」を歌うところ、「り~ん~ごの気持ちは~」ってとこで、テンポを落としてゆっくりになるのが、正調らしい。軽音楽の響きに、時代のホッとした気分が満ちている。まだアメリカの検閲や指導は本腰を入れてないころで、かなり正直な反映と思っていいだろう。人々はついに吹かなかった神風のかわりに、そよかぜを求めたわけだ(新聞の検閲が始まるのが10月9日、映画の検閲もそのころに始まったらしい。翌年になると佐々木監督が『はたちの青春』でキスシーンを入れるように情報局に強要されるまでにうるさくなる)。[映画館(邦画)] 6点(2009-01-27 12:17:21)

25.  育ちざかり 内藤洋子って映画から出た正統アイドルの最後の人かなあ(突然変異的な角川娘はいたけど)。と言っても微妙なところで、たしかにデビューは『赤ひげ』と映画だが、名前を売ったのはテレビの「氷点」で、そういう面では過渡期の人。映画ではさかんにおでこを強調して、アイドルとしてのセールスポイントにしている。でもこういう「愛くるしい系」の時代は終わりつつあり、次は秋吉久美子のようなちょっとスネた不良性を漂わす感じが70年代の主流となっていくのだった。時代に間に合わなかった哀しみが、この人にはある。一生懸命プロモーション映画としていろいろやっている。乗馬姿あり、水着姿あり、テニスもやって、レモンもかじるし、定番中の定番、海岸をスローモーションで走ったりもする。こういう不良性のないアイドルは、次からは完全にテレビへと、たとえば天地真理にバトンされていったのだろう。[映画館(邦画)] 6点(2009-01-05 12:10:09)

26.  続・悪名 《ネタバレ》 脚本は依田義賢。勝新てのは実に上方の匂いを漂わせている男だなあ、と思う。錦之助は上方でも江戸でも通るが、勝新の江戸っ子は似合わない。映画としては、正編の後始末めいて焦点が定まらなく感じる面もあるけど、「戦争いうたらナワバリ争いやんけ」というやくざの発想が、面白い戦争批判になっていた。「ごっつい出入りやなあ」という目で戦争を見てるの。金取ったぶん守ってやる、というやくざのナワバリの発想と、税金で戦争する国家の発想とどこが違うんじゃ、って感じ。こういう話には必ずダメ男がチョロチョロし、関西だと南都雄二がその役。田宮二郎のモートルの貞が殺される雨の俯瞰シーンがいい。[映画館(邦画)] 7点(2008-12-21 12:22:39)

27.  その名にちなんで 《ネタバレ》 人が異文化に溶け込んでいくさまを、ビーカーの水にたらしたインクが拡がっていくのを観察するように見つめていく映画。アメリカに渡ってもベンガル人だけのつきあいで閉じていた母の世代。でも子の世代になると、金髪娘とつきあい、親の決めたベンガル生まれの妻の心はフランス人に流れ、妹はアメリカ人と結婚、とゆっくり拡散していく。アメリカの寒さに震えた親の世代に対し、子の世代はインドの暑さがこたえる。アメリカ‐インドを両極とする軸に、もうひとつロシア人作家の名が絡んでくるところが膨らみになっていて、血でなく精神の受け渡しが描かれる。自分のアイデンティティを、血や土地と関係のないよその国の昔の作家に求めてもいいんじゃないか、と思えば、なんとなく気持ちもほぐれていく。見ている間は、ちょっと話があちこちしてダラダラしてるかな、という印象だったが、終わってみれば、言うべきことを言い尽くしていたのかも知れない。[DVD(字幕)] 6点(2008-11-03 12:12:27)

28.  それでも生きる子供たちへ 私は一番最初のアフリカの少年兵の話が良かった。たとえば青空の下の畑(?)での大人の敵兵との撃ち合いなんか、そこが遊ぶにふさわしいような場所だけに、その唐突さ・非現実感から現実感が生まれてくるジワッとした感じなどが迫ってくる。破壊するために訪れた教室で、学ぶ夢に誘われる少年を、スニーカーを脱いだ足で見せた。言葉は寡黙で映像が雄弁という理想的な作品だった。“学校の夢”はラストの中国篇とも呼応している。また中国篇は“ゴミ拾い”でブラジル篇と、アフリカ篇は“戦争”でイギリス篇とつながり、“盗み”でジプシー篇とイタリア篇が通じ合っている(あのイタリア篇、夜の遊園地が夢のようにきれいだと思ったら、カメラがヴィットリオ・ストラーロだったのか)。いま世界での苛酷な子供の状況を多元同時進行的に捉えることが出来るオムニバスでもある。[DVD(字幕)] 6点(2008-05-22 12:21:40)

29.  その場所に女ありて 《ネタバレ》 私にとってこれは「はばはば」の映画である。ラスト、退社時の原知佐子が司葉子に「はばはば」と言うのである。そんな言葉聞いたことないから私はうろたえた。なのに周囲をうかがうと、お年を召した観客の方はうろたえず泰然とスクリーンを見ている。さらに退館時に「はばはばかあ」などと懐かしがってさえいる。ある世代にとっては謎の言葉ではないらしい。後で調べたら大きい字引になら載っている言葉だった。「ハバハバ『感動詞』早く早く。相手に対して促して言う語。第二次世界大戦後、駐留軍のアメリカ兵が伝えて、流行したもの」。勉強になった。その後、戦後のラジオ番組「日曜娯楽版」で使われていたのも耳にした。それはともかく、これ働く女性群像ものの映画。アネゴ肌の大塚道子、男に貢いで身を滅ぼす水野久美、金貸しやってる原、主人公の姉森光子は嬉々として男に尽くす古風なタイプ。こういった群像を散らしておいて、主人公の司が、接待マージャンでも本気で勝ちにいくシャープな性格。かっこいいんです。昭和30年代の風物も味わい。銀座には線を引いただけの横断歩道に、まだあるゴミ箱。御茶ノ水では花屋の移動屋台が出ていた。[映画館(邦画)] 7点(2008-04-27 12:25:14)

30.  ゾディアック(2007) 《ネタバレ》 主人公の漫画家ギレンホールの言う「とにかく犯人の目を見てこいつだと確信したい」っていう気持ちに、こちらも同化する。最初の事件のなんともいやらしい車の動きぶり、あれだって覆面しているようなもので、それ以来ずっと、こういうことする奴はどういう顔してるんだろう、いう興味がつのっていく。容疑者リー・アレンに警察が会うシーンが、この映画で一番ドキドキした。やってることはどうってことないんだけど、こいつかもしれない、こいつでないかもしれない、そういう宙ぶらりんの気持ちのまま、こいつかもしれない容疑者の顔を見つめることの緊迫。こういうシーンで映画としての充実を覚えたのは珍しい。この映画、犯人の分析や事件の社会へ与えた影響などにはあまり関心を示さず、犯人に関心を示した人たちへの関心を持ち続ける。ラストに主人公が犯人(というか濃厚な容疑者)の目を見つめるシーンが置かれるのも、その流れだろう。首尾一貫してはいるが、これだけの長尺を持ちこたえるには、ちょっと物足りなくもあった。[DVD(字幕)] 6点(2008-02-05 12:23:35)(良:2票)

31.  それでもボクはやってない 《ネタバレ》 ひとたびベルトコンベヤーに乗せられると、もう執行猶予付きの有罪へ向けて一直線に進む安定したシステムが出来あがっているのが怖い。みんながよってたかってそのシステムに奉仕していて、それにちょっとでも抵抗すると、ほら反省してない、という証明になってしまう。この映画が現実をリアルに反映しているのなら、日本の裁判は証拠主義とは言いながら、かなり心証の勝負で決まっているようだ。より雰囲気づくりに成功したほうの勝ち。ならば、最初は乗り気でなかった女性弁護士瀬戸朝香の心証が変化していくあたりを、もっとくっきり描いてほしかった。具体的な証拠が彼女の心証の変化を導くさまを、一つ一つ対照できるように描くことで、裁判それ自体を実証的に裁いてほしかった。[DVD(邦画)] 6点(2007-11-09 12:13:44)

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