みんなのシネマレビュー |
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2. その男ゾルバ 《ネタバレ》 アンソニー・クインの存在感がすごい! 三船敏郎の野性味に並ぶ俳優はいないと思っていたけど、ゾルバもなかなかの野人っぷり。自由奔放でバイタリティにあふれ、でたらめなんだけど女には優しく、憎めない。半分は素でやってるんじゃないかというくらい自然な演技だった。 家を飛び出て駆けながらすっぽんぽんになる場面や、ラストの場面の能天気さは最高だ。林業計画の失敗(オチが『こち亀』並み)からダンスに至るまでの流れは文句なしに爽快だった。 ただ、脚本はもっとタイトにできたのではないかと思う。全体的にテンポがゆったりしているが、この内容なら二時間以内で充分まとめられるだろう。その割に若い未亡人のキャラクターはなおざりだし、エピソードとしてもやや陰惨に過ぎる。佳作だけに、そうした欠点が非常に惜しいと感じた。[DVD(字幕)] 6点(2009-01-20 00:43:00)《改行有》 3. ZOMBIO(ゾンバイオ)/死霊のしたたり 正直ものたりないが、B級ホラーの典型みたいな作品で好感が持てた。やる気がなくてしょぼくなったB級ではなく、全力で頑張ってなおB級、というのが素晴らしい。製作側のエネルギーを感じる力作だった。(主人公を別にして)役者陣も頑張っていたのが印象に残る。お茶目なのがマッド・サイエンティストのウェスト君で、びっくりするほど学習能力がない。毎回死体を甦らせては襲われているのに、なぜか予め死体を縛っておこうという発想がない。蘇生薬を過剰摂取すれば死ぬはず!といってパワーアップ(?)させる。確実にバカだ。敵役のヒル博士は無駄な名演技を披露している。変態エロストーカー兼自分の首を持ち歩くゾンビ科学者、という欲張りすぎる役回りを見事にこなしていた。もっと出演作を選べばよかったのにと思う。そしてヒロイン役のバーバラ・クランプトン、二十年経った今からみても充分かわいい。男の裸もたくさん見せられて(←なにが狙いなのか?)気持が萎えたが、彼女に免じて6点献上します。[ビデオ(字幕)] 6点(2006-01-28 00:30:09) 4. 双生児 感激した。江戸川乱歩という異世界を自分のものにして、原作に負けないくらいの映像にできる才能が存在するとは思わなかった。俳優、映像、メイク、美術、音楽、すべての要素において優れ、さらに全体として調和している。中でも美術班の功労は大きく、ねばりつくような耽美の世界を完璧に作り上げていた。本木雅弘がこんなに細やかで迫力のある演技ができる人だとは知らなかったし、眉毛を落としてもまったく見劣りのしないりょうの美しさには驚嘆した。浅野忠信も、ちょっと顔見せしただけなのに瞼に焼きつくくらいのかっこよさ(これも美術班の力かな?)。音楽は大好き。個人的にこういうぎゃんぎゃんしつつも綺麗な音、好きです。気持ち悪いような、心地良いような、日本的な妖しさ。だけど不思議に新しい感じもする、アヴァンギャルドな江戸川乱歩。素晴らしい。人を選ぶだろうが、選ばれた人にとっては最高の映画だ。[DVD(字幕)] 9点(2006-01-06 04:33:02)(良:2票) 5. ソウ サプライズはかなり成功しているとは思うが、脚本以外にあまり見所がないのが残念だった。その脚本もよく考えると無理があるし。雰囲気も既存の作品に似ていて、どこかで観たような感じ。小道具に人形を使うところなんかは『ゲーム』を思い出す。脱出のヒントが少しずつ見つかっていくのは、『CUBE』か。撮影に一ヶ月もかけていないそうで、もう少し丁寧に作ってくれればよかったのにと思う。どんでん返し以外の部分にも力を入れてほしかった。もっとも、暇つぶしに観る程度には文句なしの出来ではあります。7点(2005-03-18 01:05:42) 6. 空の大怪獣ラドン もちろん「空想科学読本」みたいに厳密に考えればラドンのような生物はありえないのだろうが、その怪物の存在をいかにもリアルに思わせるのが上手い。卵の殻からラドンの体長を推測するシーンなど、細かな取材と考証に基づいているのがわかる上質のSF作品である。たとえ特撮技術が現在のそれからすると見劣りするものだとしても、戦闘機との空中戦、衝撃波で吹き飛ぶ市街地、そして阿蘇山での徹底的な爆撃のシーンはかなりの迫力を感じた。製作者の気迫も伝わって来たように思う。ときには明らかに着ぐるみであるラドンに恐怖すら感じた(さすがにメガヌロンは可愛いだけだったが)。ラドンたちが死んでいく場面も哀れまずにはいられない。 努力と工夫次第でアナログな方法でも優れた表現ができることを知った。7点(2005-01-31 04:28:19)(良:1票)
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