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プロフィール
コメント数 487
性別 男性
ブログのURL //www.jtnews.jp/blog/23806/
年齢 41歳
自己紹介 多少の恥は承知の上で素直に書きます。

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1.  ダーティハリー 《ネタバレ》 気の滅入るような陰惨な犯罪と、捜査のためなら手を汚すことも辞さない刑事の一騎打ち。人間の最も醜悪な部分に向き合わざるをえない刑事の悲哀が表れている。無駄を削ぎ落としたハードボイルドな作りで、かなりいい味出している。連続殺人犯スコーピオンを徹底的に卑小な男として描いたのは正解だろう。劇場型連続殺人犯としてはちょっと不自然なパーソナリティなのだが、時代を考えれば仕方がない。 事件は一応の解決を迎えるが、終始トーンは暗い。モデルになったゾディアック事件は映画以上の犠牲者を出し、迷宮入りした。当時のサンフランシスコを知っているわけではまったくないが、おそらくは陰鬱な時代の雰囲気を反映しているのだろうと思う。井戸から全裸死体を引き上げる描写など、生々し過ぎて驚くほどだ。 惜しかったのは最後にスクールバスの屋根に飛びついた場面。それまでストイックなアクションばかりだったのに、このジャッキー・チェンばりの行動で一挙にリアリティが薄まった。というか飛びついてどうする気だったんだろう?[DVD(字幕)] 6点(2009-09-05 23:45:01)《改行有》

2.  第三の男 《ネタバレ》 完璧であることが欠点、というとあまのじゃくに思われるかもしれない。けれども構造として合理的で無駄が無いことと、物語として完成されていることは別の事柄だ。チャンドラーの小説に似たプロットのものがあるが、この映画とは対照的に寄り道が多く、しかしそのことが作品の豊かさでもある。今でも新鮮さを失っていないのは、どちらかというと無駄だらけのチャンドラーの方だ。 もっとも、充分見応えのある作品ではある。オーソン・ウェルズが登場したときは普通のおじさんという印象だったが、観覧車でホリーに悪の論理を語りかける、あの声音には惹きつけられた。話の内容そのものはありがちな理屈でしかないが、まるで女性を口説くようなロマンチックな状況と洒落た言い回しで幻惑する、あの手管がハリーという人物をよく表しているように思う。 ハリーは冷酷で自己中心的な男だが、どこまでも自由で、あらゆる縛りから逃げおおせている。ときには法や倫理に反するとしても、頭の硬いホリーのような凡人の目には魅力的に映ることもあるだろう。 ハリーが地下水道で追い詰められ、銃を持って近づく親友に決断を促がす場面では、ちょっと泣きそうになった。恋人すら密告したハリーが、「信頼できる仲間がほしい」、と罠の可能性も顧みずのこのこやって来たのは、ホリーがハリーの自由さに惹かれたように、ハリーもまた友の実直さ、鈍重なまでの誠実さを求めたからじゃないだろうか。ホリーは刑務所暮らしには耐えられないハリーの性分をよくわかっていて、自分の手を汚す。二人は正反対の気質を持ちつつ、互いを認め合っていた。 対してアンナは、最後までハリーに尽くしたにも関わらず、ほとんど気にかけてもらえない。恋人を放置したハリーも、親友の前には姿を現した。ラストは主人公の失恋と観るのが本来だが、どうだろう。筆者には男同士の絆に立ち入る隙を見つけようとして敗れ去った、可哀そうな女性の姿にも思える。自分の命を断つのに他人の手を恃むのは、ある意味では究極の信頼関係だろう。アンナは恋人をホリーに奪われたのだ。 それも二重の意味合いで。[DVD(字幕)] 7点(2009-07-01 14:31:47)(良:4票) 《改行有》

3.  ダーウィン・アワード 《ネタバレ》 原作はちゃんと読んだわけではありませんが、ある程度内容を知ってました。それでちょっと、期待しすぎたのかもしれない。非常に努力の感じられる脚本で、さまざまなエピソードの寄せ集めである原作を一本の映画にまとめたのは評価できる。温かい視点にも好感が持てました。しかし……。 元心理分析官で保険調査員というところまでは文句なしに秀逸な設定だけど、素人カメラマンの視点というのはさすがに詰め込みすぎなのでは? やりたいことはわかるんだけど、いろんなアイディアを使ったせいでごちゃごちゃしてるというか。コメディに突っ込みたくはないが、あまりにぎこちない展開も目に付いた。 ちゃんと笑えるのは確かで、クオリティも高く、手抜きが感じられない。とりわけ役者がよかったと思う。もっともよくできていたのはロケットエンジンで吹っ飛ぶ男のエピソードで、単に笑えるだけでなく、じんときた。短い登場ながらジュリエット・ルイスの演技が印象深い。メタリカの出演にはびっくり。 ただ、最後のシリアルキラーとの対決がそれまでに比べて面白くないというか、そもそもあんまりテーマに沿っておらず、ちぐはぐに感じた。主人公が〝バロウズ〟で事件にもビートニク文学が絡んでいるのは、作り手の趣味だろうか。尺が短いのだから、本編であるダーウィン賞のエピソードをもう一つくらい付け足してもよかったと思う。[DVD(字幕)] 5点(2009-06-23 13:03:52)《改行有》

4.  大日本人 《ネタバレ》 同じくお笑い出身の北野武も自身が主演する場合が多いが、あちらがあからさまにナルシスティックなかっこいいキャラクターであるのに対し、松本人志は徹底的に情けないオッサンであるというのが面白い。なんだあの変な長髪は。 エッセイを読んでも感じたけれど、やっぱこの人相当孤独感が強いんだな、寂しいんだろうなと思う。みんなから蔑まれつつも「大日本人なんだよっ」と強がる姿は、天才を自負しつつ(いや、実際そうだと思いますが)大衆からはとやかく言われてしまう自身と重なって見える。シャイで悪ぶってるから、こんな形でしか孤独を表現できない。というより、苦悩すらも笑いにせずにはいられないという、松本人志の業なのだろう。 公開当時の舞台挨拶で、松本は「今の日本、そして自分もがんばれと常々思っていますよ」と発言していた。それを聞いたときはなに言ってんだろと思ったが、映画を観て納得。日本人を風刺しつつ、自分自身も風刺している。 あと、これは考えついた自分でもアホらしいとは思うんだけどせっかくだから言わせてもらうと、『大日本人』と『松本人志』、共通する字を抜き出すと、『本人』ですよね。この映画は監督『本人』の話なんですよ、とそういうメッセージが読め――ああ、書いてて変な汗出てきたからやめます。まあそれはともかく。 終始かみ合うことのないインタビュー、そして飲み屋でいい気分になっている場面の物悲しさといったらなかった。大佐藤は見るからに滑稽で笑いを誘う主人公だが、その一方で、これ以上ないほど壮絶な孤独を抱えている。この映画はドキュメンタリー風のフィクションに見えるが、その実真逆で、フィクションを通して語られたドキュメンタリーなんじゃないだろうか。 ただ、高得点はつけられないというのが正直な感想。別にコントのエッセンスを映画の枠組みに持ち込むのは構わないが、コントの枠組みで映画を撮ってしまったせいで、単に安っぽさともの珍しさが際立つ結果になっている。序盤までは普通に上手かったと思う。いかにも映画的な長回しをさらりと使いこなしていたし、原付バイクのシーンで主人公を取り巻く状況が徐々にわかっていく演出は素晴らしかった。しかし中盤以降急速に半端が目立つようになり、最後はさすがに、やっちゃった感が否めない。 次作は挽回してくれるものと期待しております。[DVD(邦画)] 6点(2009-06-16 01:21:39)(良:2票) 《改行有》

5.  ただ、君を愛してる 《ネタバレ》 キャラクターはデフォルメが効き過ぎているし、演出はベタ、脚本はくどい……でも、駄作と斬り捨てるのも可哀そうな、微妙な出来。 悪い意味でマンガっぽく、もっとリアリティに気を遣うべきだったと思う。難病ネタを出すなとは言わないけれど、せめてもっともらしい説明をしてくれないと。あんな奇抜な設定には、クライマックスでさらっと種明かしされるだけでは乗り切れない。 それにいくら演技力があっても、美男美女が冴えないタイプを演ずるのは無理がある。主演の二人は努力していたけれども、冴えない人ってもっと瑞々しさがないっていうか、自信のなさが立ち振る舞いに滲み出ている(端的にいえば、身にまとうオーラからして冴えてない)もので、それを玉木宏や宮崎あおいが演じるのは至難の業だろうと思う。[DVD(邦画)] 6点(2009-02-15 14:50:26)《改行有》

6.  ダークナイト(2008) 《ネタバレ》 何より脚本が素晴らしい。第一級のエンターテインメントでありながら重いテーマに繋がる流れには淀みがなく、完成されている。 ジョーカー対バットマンの人知を賭した戦いは目が離せず、理屈ぬきに面白かった。ジョーカーの病的なまでに狡猾な策と、バットマンの取る破天荒かつ大胆な手段との対決には、アクションの爽快さと頭脳戦のサスペンスの両方が盛り込まれている。意表を突いた展開の連続はよくできたミステリーのようだし、アクションシーンの凄まじさはハリウッド映画の真骨頂といっていいだろう。 ジョーカーというキャラクターの魅力はこれまでのどんな悪役も及ばない“わけのわからなさ”、予測不可能の狂いっぷりにあるように思う。カリスマ性であればレクター博士などにはもちろん劣るが、しかしバットマンに蹴りつけられながらけたたましく笑い転げるあの底知れない不気味さ、予測不可能の恐怖は前代未聞だ。いたずら好きの残酷な子どもをそのまま大きくしたような純粋な悪意と、実は相当に理性的な知性の同居。これが怖い。 バットマンに関していえば、今回“財力”という要素を特徴的に扱っている点がユニークだったと思う。とくにアリバイ作り、スカイフック作戦の下りはほとんど『おぼっちゃまくん』『富豪刑事』レベルで、ちょっと笑えた。 しかしこれまでのアメコミヒーローとの決定的な違いは、自らを“必要悪”として認識しているところだろう。初めから、本来なら自分はいない方がいい存在であると考えていて、あくまでも主役は司法、自らは補助役に回る。 人が怒りや憎しみ、恐怖を抜きにして正義を為すことの難しさを真正面から描いている点は、アメリカ映画としては稀に見る誠実な作品だと思う。同じ立場にあって、自分はトゥーフェイスではなくバットマンでいられる、と言い切れる人がどれだけいるだろう?(しかもそのバットマンも、愛する人に選ばれなかったという真実は知らない上での、強さなのである)。後味は重苦しいが、しっかりとテーマに向き合っているからこその結末だろう。 これだけの要素を盛り込みながら二時間半、中だるみは一切なし。少なくとも娯楽作に限っては、おそらく2008年のベストじゃないだろうか。[映画館(字幕)] 9点(2008-08-15 18:37:27)(良:4票) 《改行有》

7.  ダイ・ハード 《ネタバレ》 新作公開とはいえ、またTV放映かよ(笑)とバカにしつつ最後まで観てしまって、なんだか悔しい。初めての出会いがたぶん小学生に上るか上らないかという歳だったので、懐かしさすら感じた。 昔はそんなに意識してなかったけど、改めて観ると敵役のハンス、すごいキャラクターだ。凶悪さと上品な物腰という組み合わせだけなら他のアクション映画にも大勢いる。しかしこのハンス、なんと中盤でドジを踏んでマクレーンに捕われてしまう。こんな隙だらけのボス役なんて他にいるか?  しかもそこでとっさに機転を効かせて人質を演じ、情けない命乞いまでして危機を切り抜ける。すぐにマクレーンの罠に引っ掛かって尻尾を出すものの、結果的に窮地を脱し、おまけに新たなガラスの作戦を考案してマクレーンを苦しめる。肉体派のマクレーンに対し、精神力、知力で対抗するハンス。このコントラストは上手い。 そしてハンスがビルから転落する場面、久々に再見して、強烈に記憶に焼きついていることに気がついた。何がすごいってこいつ、自分が死にかけてるのをわかっていて銃を向けてくるのだ。死への恐怖よりも道連れにしてやるという悪意が勝る。アクションなら主役が落ちかけてピンチってときに手を踏みつけるのが悪役の定石だけど、こいつはある意味さらに怖い。情けないようでいて、とことん邪悪。 ある漫画家が魅力的なキャラクターを作るコツを訊かれて、「まず最初に欠点を考える」と答えていたのを思い出した。普通なら長所ばっかり考えてしまうところを、短所を加えることで人間味がぐっと増すのだそうだ。この映画の製作者達はそこのところをよくわきまえている。主役はもちろん、悪役も。弱さを見せることで、弱さを乗り越える強さもまた引き立つ。そういう強さは、とても人間臭い。 『ダイ・ハード』の面白さはそこにあると思う。派手なドンパチである以上に、人間と人間との対決なのだ。銃撃戦も大爆発も装飾でしかなく、核にあるのは人間同士が肉体と精神を限界まで振り絞ってぶつかり合うドラマだ。これで面白くないはずがない。[地上波(吹替)] 8点(2007-06-25 01:41:43)(良:1票) 《改行有》

8.  007/カジノ・ロワイヤル(2006) 《ネタバレ》 できの悪い『ルパン三世』の域を出ていないように感じた。最初の三十分は面白かったけど、空港でのどこかで観たようなアクションシーン以降は眠くて眠くて……もっと後半に見せ場を持ってくるべきじゃなかったの? ホールデム・ポーカーでの対決という重要な下りにまったく迫力がないというのも痛い。冒頭のヤマカシとジャッキーとカリオストロを足したようなユニークな追跡劇や、リアルで血生臭い暴力描写には(おおっ)と思ったけど、クライマックスには普通のアクションに戻ってしまった。ボンドガールの死も、さもありなんと冷静な目でスルー。これがシリーズの最高傑作だというのなら、自分は007とは相性が悪いのだろう。退屈だった。[DVD(字幕)] 5点(2007-06-12 00:02:54)

9.  タクシードライバー(1976) 女性心理を繊細に描く作品は多々あるけれど、これはプライドの生き物である男性の心理を丁寧に描いた作品。職場の先輩に「俺たちのような負け犬に何ができる」と諭される場面はなかなか痛い。社会的な敗者になることへの強い恐怖は多くの男性が理解できるだろうと思う。そしてそれに妥協して生きていくだけの強さ(?)を持ち合わせておらず、たまりにたまったフラストレーションを上手く発散させることができない場合は、危険ですらある。暴力という最悪の手段をもって自己実現を図ることがあるからだ。 美しいが、あくまで硬質で冷たいニューヨークの街並みは『グロリア』を思わせる。なんともいえない寂しい雰囲気とともに、鮮烈に脳裏に焼きついた。[DVD(字幕)] 7点(2006-04-12 08:56:15)《改行有》

10.  タンゴ(1993) 《ネタバレ》 爽やかな映像に『紅の豚』でも始まったかと思いきや、その後のブラック過ぎる展開に口があんぐり。それ以降は笑いっぱなしだった。ただし、途中までは文句なく面白かったのが、最後で少々拍子抜けする。終盤は気の利いたギャグがなく、ついつい悪乗りを期待していた自分には物足りなかった。ブラックコメディとして中途半端な終わり方なので、殺人犯と殺人未遂犯たちが仲良くハッピーエンドという流れには抵抗を覚えた。よくできた脚本だが、個人的には最後までテンションを下げない方が好きかもしれない。  ところで、ルコント監督作品では他に『仕立て屋の恋』を観たが、やっぱりこの人の恋愛ものって変態なんだなと思う。女性に対する憧れと崇敬と恐怖の念が強くて、同じ人間というよりは一種の女神様みたいに見做している。偏執的な愛は、一歩間違えばストーカーを扱ったサイコホラーになりかねない。しかしホラーというのはさらに一歩間違えばコメディになるわけで、本作はその絶妙な路線を狙って成功している。  ルコントの精神の中核に偏執的なものがあるのは間違いないが、こうしてコメディにまで活かせるところを見ると、恐ろしいほど客観性の強い人なんだろう。変態には違いないが、変態である自分をはっきりと自覚しているのでまともな人間でいられる。本当に危険な人間は自分を冗談にして笑い飛ばしたりできない。『仕立て屋の恋』が嫌悪感ではなく憐れみと共感を持って迎えられたのは、この優れた現実感覚のおかげなのだろう。[ビデオ(字幕)] 6点(2006-02-24 14:52:52)《改行有》

11.  ターミネーター2 《ネタバレ》 その昔、何度も観たのにテレビで放送されるたびについつい観てしまったこの映画。先がわかっていながら楽しめるというのは、娯楽作としての骨格がよほど安定していることの証拠。  とくに功を奏しているのがターミネーターの絶妙な設定だ。  シュワルツネッガー演じるT-800の、サイボーグという設定を逆手に取ったキャラクターがすごい。本当なら人間味の無い恐ろしい存在になるはずが、頼りがいがあるのはもちろん、無骨で純粋な愛すべきキャラクターとなっている。  第一、けっして人を殺さない。この決まりごとは少年マンガではよくあるけれど、ハリウッドのアクション映画ではまずありえない、あっては物語が成立しないものだった。それが嫌味なく、偽善臭漂わせることなく実現されている。  しかも戦闘マシンとしては優秀なのに、ある意味ではすごく無知で純粋ですらある。だから庇護する対象であるジョンを子供扱いすることなく、あくまでも対等に接する。これが普通の大人の男であれば、ジョンとの間にあそこまでフェアで隔ての無い信頼関係を築くことはできなかったはず。あれだけ強いのに、怖いどころかとても親しみやすいヒーローだ。  そして敵役のT-1000は逆の意味で設定を上手く生かしているだけでなく、液体金属という素晴らしいアイディアのおかげで、単なるサイボーグを超えたとんでもない怪物と化している。冷酷かつ邪悪、無敵の殺人機械。シュワルツネッガー演じるT-800のキャラクターと見事にコントラストを為しているので、銃で撃たれようが何をされようが後味の悪さはゼロ。  メリハリをつけながらもラストに向けてだんだんテンションを上げていく脚本も素晴らしい。ハッピーエンドに切なさをトッピングするというのは、観客の心を動かす最高のテクニックなのかもしれない。CGを使いながらもB級映画的な創意工夫を凝らした特殊効果もまた作品に魂がこもった理由の一つだろうと思う。最初から最後まで独創的なアイディアがこれでもかと盛り込まれている。 文句のつけようがない、傑作中の傑作だと思う。娯楽作品としては、ひとつの頂点ではないでしょうか。[地上波(吹替)] 10点(2006-02-09 05:33:02)(良:5票) 《改行有》

12.  タワーリング・インフェルノ やや冗長ではあったが、クライマックスの救出シーンの迫力と容赦のない展開に縮み上がった。ぼろぼろぼろぼろ人が死ぬ。ほんとうにもう、ゴミのように死んでいく。善良で勇敢な人たちも残酷な死を遂げたのにはさすがに涙腺が緩んだ。それぞれに愛する人、それぞれの人生があることを示し、命の重さを伝えた上でそれらがいかにたやすく奪われていくかを見せる。ある意味ではこれこそが災害の怖いところであると思う。たとえばニュースで数十人、数百人が死んだと知らされてもすぐにはぴんと来ないけど、一人一人の顔を想像しようとすれば気が遠くなってくる。失われたものが大きすぎて、把握することすら不可能なのだ。まさにインフェルノ(地獄)の名を冠するにふさわしい、凄まじい作品。[DVD(字幕)] 7点(2006-01-31 05:11:37)(良:1票)

13.  誰も知らない(2004) 「誰も知らない」――鑑賞中、この題名を何度も頭の中で呟いていた。 来るはずのない母親を駅まで迎えに行く二人の姿、モノレールの光。援助交際で得た金を受け取ることができず、街を駆け抜ける明。暗い飛行場で穴を掘るガリガリという音。暗い道を子供だけで歩く場面を観ていると、子供の頃に迷子になってしまったときの心細い気持ちを思い出す。  あの頃は、ちょっと親とはぐれてしまっただけで、もう二度と会えないんじゃないかとパニックになって泣いていた。この映画を観ている間、ずっとそんな心細さが胸を占めていた。子供たちはこんなにも危ういのに、「誰も知らない」。哀しく、辛い題名だ。呟くだけで、寄る辺ない感じ、どうしようもない心細さが襲ってくる。安心できる居場所、守ってくれるものが何もないという途方もない寂しさ。痛みに満ちた映画だ。この痛みは決して忘れることができないと思う。8点(2005-03-20 10:06:05)(良:2票)

14.  太陽がいっぱい これまでこんなに魅力的な犯罪者がいただろうか? アラン・ドロンはただ顔立ちが整っているだけじゃなくて、その眼に野生動物のような凶暴な光がある。その光に惹きつけられて、観ているうちにいつのまにかトムを応援している自分に気づく。あれだけ巧妙な計画が実は最初から破綻していて、すべて無駄だったなんて……。眩しいくらいに明るい日差しと、青年の暗い心。光と闇のコントラストが鮮烈でした。[映画館(字幕)] 9点(2005-03-13 00:25:31)

15.  箪笥 《ネタバレ》 どこのレビューを見てもそこそこ評価の高い映画なのに、自分には全然つまらなかった。まず多重人格ネタには呆れるしかない。優れた前例がいくらでもあるのにどうしていまさらやらなきゃいけないのだろうか? 何の驚きもない。また、最後に悲劇的な過去が真相を明かす仕掛けは、映画でこそ前例がない(?)ものの、非常にメジャーな推理小説のパターンで新鮮味がなかった。 よく「ミステリー好きにおすすめ」と言われているが、むしろミステリーが好きであればあるほど先行例がわかるのでつまらない(少なくとも、推理小説をよく読む人には勧められない)。すべて意識的に盗用しているのかどうかは知らないが、既存の作品のパッチワークであることに変わりはない。 何でもこの映画は制作方法が変わっていて、インターネットでエピソードを募集したり伝承を基にしたりしたそうだが、それも独自のストーリーを考える力がないからやったんじゃないかと思えてくる。どうりで、新鮮味が皆無だ。貞子系の幽霊ももういい。[ビデオ(字幕)] 4点(2004-12-28 04:13:53)

16.  007/ゴールドフィンガー 一番好きなシーンは抱き合っている女の瞳の中に敵の姿を見つけるところ。あれだけでかっこいいなあ、と感心してしまった。でもその直後のまったく迫力のない格闘には笑ってしまう。あと、ハロルド坂田の帽子は確かにすごいが、絶対普通の銃の方が怖いと思う。5点(2004-07-29 02:55:57)

17.  大脳分裂 なぜこんなものを妹と一緒に観てしまったのか。妹のセックスを覗く変態兄の第一話を兄妹で観たときのきまずさといったらなかった。でもキリストのくだりがちょっと好きなので三点。3点(2004-05-02 13:45:37)

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