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21.  鉄の男 《ネタバレ》 まさに現場という異様な興奮がある。どうしても撮っておきたいという切実さが感じられる。作品の構成は驚くほど『大理石の男』を踏襲していて、部外者の人間が一人物を取材してしだいに引き込まれていく、といったもの。このTVマン、裏切り者はこうなるのだ、という見せしめとして描かれていたとするならば、あんまり面白くないのだが、それにしては当局に引きずり込まれていくところを丁寧に描いていた。“連帯”の高揚に対する、なにか醒めた暗部をここに設定したことで、作品は深みを得たと思われる。興奮しているヒーローたちよりも、この男にこそ「自分だったらこうなるのではないか」というものを観ながら感じてしまうし、少なくとも批難する気にはなれない。ラストは何を言おうとしているのだろう。記者は最後、個人として連帯に加わろうとして拒絶される。自分から当局に免職を申し渡したのに、連帯はその勇気を認めてくれない。そして勝利の興奮に酔っている。ここにある苦み、真の連帯への道の険しさを感じたのは深読みのし過ぎだろうか。[映画館(字幕)] 7点(2010-02-02 11:58:46)

22.  デスペラード かっこいいということがおかしくもある、ってことを知ってしまった者が、開き直って半分コメディとして活劇を仕立てるスタイル、っていうののハシリのころか。撃ち合いの果て、手近の銃を拾っては撃つが、カラ、カラ、カラ、とか。第一、撃って人が飛んじゃうってのがもうユーモアだわな。派手であるってことは、それだけでもうおかしい。ラテン音楽にそもそも似たユーモアがあるのかも知れない、やたらかっこつけ過ぎるおかしさ。タランティーノがいい顔していることに、この映画で初めて気がついた。[映画館(字幕)] 7点(2009-11-15 11:56:10)

23.  天国の門 《ネタバレ》 冒頭の卒業式は見事だった。リパブリック賛歌がんがん鳴らして。『ディア・ハンター』もそうだったけど、今は消えた“いい時代”を描くとこの監督は熱がはいるらしい。仲間うちの、何の陰りもなかった祝祭気分。ただそうして過去から見て裁くってのは、どうしても弱く、保守的になる。あんないい時代だったのに、階級差が生まれて争いになってしまった、昔のほうがいい、という具合に建設的なヴィジョンが出てこない。それがラストの弱さにもつながったんじゃないか。主人公はこの虐殺を止めることが出来なかったことよりも、妻の死のほうによりマイってしまう。それは個人として当たり前なんだけど、監督の目もそれに寄り過ぎてしまい、虐殺そのものへのアプローチが甘くなってしまったように思った。もっとも劇場公開時の短縮版の印象だから、アレなんですけど。クリストファー・ウォーケンの控えめな愛(新聞を張った室内)の描き方などよかった。[映画館(字幕)] 7点(2009-09-14 10:12:10)

24.  ディープ・ブルー(1999) 《ネタバレ》 『ポセイドン・アドベンチャー』に『ジョーズ』をミックスしたような映画で、ただ基本のモチーフはしっかりSFを守っていて、予想していたより面白かった。アルツハイマー治療の目的で鮫の脳を膨らませたら鮫が高度な知能を持ってしまい、医薬品の材料にされてたまるかと鮫が自由を求めて反乱するって話。SF小説の古典「脳波」にも通じていく設定で、自然界で人間が優位に立っていられるその基盤の脆弱さ、ってなことに思いがいく。ただ肝心の発達した鮫の知能ってのが、強化ガラスを割るために“道具”を使ったりするぐらいで、もっと被実験物が何かを考えているという不気味さを、手を替え品を替え押し出してもらいたかった。けっきょく元からある鮫の原初的な獰猛さが恐怖のメインになってしまっていたような。半分水に浸かった部屋ってのが怖い。下半身が未知の世界に浸かっている、部屋の半分が確認できない、っていうどこか異次元につながっていくようなブキミさ。そして人があっさり死んでいくその唐突さ。ヒロインは償わねばならなかったからなあ。実業家ってのは食われてもいい部類に入るらしい。[映画館(字幕)] 7点(2008-11-07 12:15:05)(良:1票)

25.  天然コケッコー ヒロインそよちゃんにとって東京は大沢君が暮らしていた場所でしかなく、それ以上でも以下でもない。そりゃ人混みに身はすくむけど、別に卑屈感なわけではない。ルーズソックスを買ってくるぐらい。新宿の街も耳を手で囲えばゴウゴウと山と同じ音をたてている。「行って帰ります」だ。この映画がいいのは、田舎の舞台を、都会人のユートピアとしての自然賛歌や人情賛歌として描いたのではなく、べつに都会と関係なくちゃんとやってま~す、っていう地方賛歌にしているところ。学校の将来はちょっと心配だし、借金自殺の「名所」もあるけど、ここで生まれたんだから、ごく自然にここにいる、って感じのヒロインなの。ここからがいいとこじゃけー、とやたらお神楽の解説をして引き留めたがる郵便局のアンちゃんが、土地の人のよさを代表する。話の区切りごとのフェイドアウトに安定感。ラストに、ワンカットの中で時間が跳ぶ、映画ならではのマジックがあった。[DVD(邦画)] 7点(2008-06-27 12:14:49)

26.  Dear Pyongyang ディア・ピョンヤン 《ネタバレ》 自分もマンギョンボン号に乗って北朝鮮に向かっているようなワクワク感が生まれた。ニュースなどでもよくピョンヤンは目にするが、それはあくまでも特異な国の首都としての映像で、本作のように日本から連続して今現在存在している街という実感がなかった。おそらく息子や兄や姪や甥に会いに行く家族の目を通しているからだろう。もちろん船中では例のごとく不自然に美人な歌手たちが将軍様をたたえる歌を歌ったりして、すでにあっちモードなのだが、それとても気色悪さよりはご愛嬌といった感じ。ピョンヤンへ向かうバスから見える索漠とした風景、広告のない殺風景な街路、広場では花束行進の訓練をしているが、意外とユルめの指導だったりと、なんか観光客のようにキョロキョロ見回す映画の視線が、こちらの好奇心と心地よく一体化する。かわいい甥や姪見ていればごく普通の日本家族の風景と同じ、しかし夜に甥がピアノを弾くときは停電時間らしくロウソクがともされる。ふとピョンヤンと地方ではまた違うんだろうなあ、などと窓の外の暗闇の果てを想像させる。お父さんはなにしろ大阪朝鮮総連の支部長までやった人、誕生パーティーの挨拶では勲章をたくさんつけて将軍様への恩をとうとうと語る。あの政府の機構の末端をになったものとして、あの国や在日帰還者の悲惨への責任はあるだろう。でもこの映画で綴られる愛すべき家長としてのお父さんの姿もまた真実。政治ってものはどうしてこう世の中をややこしくしてしまうのか。[DVD(邦画)] 7点(2007-12-26 12:23:15)

27.  デリカテッセン 《ネタバレ》 音が面白かった。ベッドのきしる音のギャグ、普通同じネタを二度やると駄目なんだけど、これは二度目も笑えた。ハワイアンでしたか、ベッドの修理のリズムとミュージカル的に合わせてた。亭主の奥さんと踊るのはチャチャチャ。この手の話には陽気なラテン音楽が似合う。それに対して水のイメージがある。カタツムリの部屋とか、ラストのタワーリングインフェルノ的洪水まで、そういう世界観。タイトル、ゴミの中から文字を順に拾っていくのがよろしい。裏返しの文字が鏡に映ってたりとか。個々の趣向は凝ってるんだけど、何か物足りないのは、話としてもっと住民とのカラミがあってもよかったんじゃないか。地底人は要らない。この建物のなかだけに絞ってくれてたほうが好みだ。この作者の狙いはカフカ的よりもルイス・キャロル的な、キジルシのお茶の会の世界だったのかな。だとするともっと無意味な具体物がほしかったところ。あのカタツムリのような。カフカとキャロルの間で、どっちつかずの宙ぶらりんに置かれてしまった感じもある。自殺願望マダムはあっさり事故死するかと思ったけど、それはナシ。[映画館(字幕)] 6点(2012-10-23 10:17:25)

28.  帝銀事件 死刑囚 事件や裁判を再現した部分はおおむね面白いんだけど、おまけの部分がつまらない。イライラした新聞記者同士が殴り合ったあとで、笑ったり。731から占領軍にという部分で告発があるんだけど、弱いんだな。漠とさせたまま、「俺は怒ってるんだ」という姿勢を見せただけで満足してしまっている。本気で詰めようとしてない。ま、警察の捜査方針が変えられていったとこなどを具体的に見せただけ、社会派映画ではいいほうかもしれない。元731の手紙を途中で中断し、これは書けない、と額にしわを寄せるような思わせぶりの新聞記者の正義感はヤだった。もちろんドキュメンタリー映画ではなく、原作があるものをドラマ化してるだけなんだから、そういうことに文句を言うのは筋違いかもしれないが、映画人としてそういう広報係に自分を固定しきってしまっているのが、なんかもどかしい。[映画館(邦画)] 6点(2012-09-06 10:30:18)

29.  ティファニーで朝食を 《ネタバレ》 不幸の影のある過去、離れた家族(弟)への愛情、囚人の連絡係に知らずになってしまうお人よしというか少々オツムの弱い「可愛い女」、といったもろもろは、どちらかというとモンローの世界だった。モンローが亡くなるのはこの翌年。なんか時代が決定的に移ろったことを思わせる作品だ。一番それを感じたのはファーストシーン。早朝のニューヨーク、ひとけのない街角に車から降り立つオードリー、開店前のティファニーを覗きながらパンをかじる。まだ名前のつけられていない野良猫のようなヒロインを画面に収めながら、ムーンリバーが流れていくあのシーンで、アメリカ映画は60年代に入っている。このトーンは70年代にもつながっていく。しかしモンローの50年代とははっきり質が変わったように思う。都会生活者のコメディってのはずっとあったが、人間主体でどこの都市でもかまわないようなものだった気がする。しかし60年代になって都市そのものにも重心が掛かってきたんじゃないか。これはニューヨークの安アパートが舞台でなければならない映画だ(『アパートの鍵貸します』も60年)。相手役のG・ペパードってのがつまらないとか、M・ルーニーの“ゆによし”さんが一人で40年代やってる、とか不満はいくらもあるが、時代が変わったことを告げる冒頭シーンの抒情は捨て難い。それと猫で収めていくラストの情感、きっとあの猫にも名前がつけられることだろう。[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-07-31 09:44:38)

30.  鉄道員(1956) 《ネタバレ》 一家の亀裂がくっきりする散々なクリスマスで始まり、みんながよかったよかったと祝福しあうクリスマスで幕を閉じる構成。その祝福の日がお父さんの最期なんだけど、みんな笑顔で終われる。そのあとの朝のシーンがなかったら、孤独なお父さんの最後の夢だったのかも、と思ってしまうぐらい「夢のような好転」なんだな。どういう努力があって一家に幸福が戻ったのか、という経過をドラマにしようという意志はあまりなく、「人生楽ありゃ苦もあるさ」という達観を提示するだけでうなずいてしまう。そこらへんイタリアと日本は似ている。状況を変えようとする努力より、その中で耐える人々に共鳴してしまう。ファシズムが起こりやすい国民性だが、戦後の復興に気合いがはいる国民性でもある。だいたいが家族のドラマだが、鉄道の仕事仲間の部分もあって、そこらへんのほうが今見て新鮮だった。スト破りをして「組合仲間」からは白い目で見られるが、それと「仕事仲間」とは違うんだな。スト破りにしろ、降格された彼が久しぶりに機関車の運転台に座れる喜びに引っ張られた「鉄道屋気質」のなした行為で、そこらへんを同じ気質を持つ「仕事仲間」は分かってくれたんだろう。そういう仕事の「ファミリー」の感じが酒場のシーンで出ていた。こういう酒場好きの「ファミリー」が、会議好きの「組合」に取って代わっていく時期だったのだ。もう一つのファミリーだったお父さんの仕事場へ走っていく少年で始まり、もうお父さんのいない家から学校へ走っていく少年で終わる映画でもあったわけ。[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-07-24 10:20:07)(良:1票)

31.  天使にラブ・ソングを・・・ 正反対のものを合わせるのがコメディのひとつの方法なんだけど、それによってその文化圏のなかでは何と何が対極に置かれているかが分かるというもの。ここでは歓楽街と修道院。まあ常識的な線ですな。アメリカにおけるカトリックって、ちょっと奇妙な連中だが一応一目は置かれてる、って位置が分かって面白い。尼さんコメディ、ってジャンルがあるか。厳格さの中に見せるしたたかさなんかが笑いの手ね。ヘリのパイロットを「祈りおどし」するあたり。歓楽街(ゴモラ)で「目立たぬように」と指示するとか。どっちも歩み寄って中庸を目指すのがアメリカ。閉じ籠もってはいけない、ってモチーフもある。ゴスペルは最初の一曲だけで、あとは普通のポピュラーソングだった。修道院にあんなデブいるわけないと思ったら、こっそりアイスクリームを食べてたってことか。[映画館(字幕)] 6点(2011-06-24 12:09:31)

32.  天使にラブ・ソングを2 インディペンデントじゃなくメジャー作品で、監督や主な出演者がみな黒人てのは、いつごろから存在したんだろうか。けっこう最近だろ? これなんかハシリのころか。あの民族主義少年なんかを笑いのネタにするのなんかも、監督が黒人だからスンナリできたのかも知れない。民族と無縁にありたい、というアメリカ文化のいいところ。話は型通りなんだ。やる気なく流された日々を送っている生徒たちを導いてコンクールで一等賞にするっていう。分かっててもこういうのに弱く、ホロッとさせられる。拗ねてた子が戻ってきたり、母親の許しを得るところなんか、もうちょっと粘っこくしてもよかったか。音楽室でのデュエット、スズメがどうのって歌、あれ最後まで聴きたかったな。[映画館(字幕)] 6点(2011-01-13 10:17:10)

33.  ディア・ドクター 《ネタバレ》 二人の場面になると、いい。多人数の公的な場では、ニセモンとニセモンに気づかない振りをしている人とが、暗黙の了解でもたれあっていられたのに、二人きりになると何か剥き出しになってしまう。八千草薫の家でぶきっちょに大葉を刻むところ、(厳密に言うと三人目の患者がうんうん言って横たわっているのだが)余貴美子が気胸を指示するところ、など。逆の意味で、剥き出しにしてるのに気がついてもらえない、瑛太に告白する場も面白い。鶴瓶のいかにも善人顔が、時折うさんくささに見えてくる。そういうホンモノとニセモンの関係といった形而上学的テーマ、それに「何にもしてもらいたくない」患者をどう扱うべきか、という倫理のテーマ、さらに無医村問題という社会派テーマ、と盛り込みすぎて焦点がぼやけてしまった感じもある。余貴美子は、今の邦画界で貴重なバイプレイヤーの位置を確保してるなあ。[DVD(邦画)] 6点(2010-04-12 11:58:43)

34.  デッドマン(1995) 言ってみれば“もがり”の期間ということか。死の開始から完成までの。冒頭の機関車・主人公・風景のセットが、ラストのカヌーのシーンでも繰り返される。主人公はひたすら運ばれて、フダラク渡海にまで至るわけだ。3人組ってのが好きね、この監督。アメリカはしばらく「自然に優しく」とか、インディアンの生き方を真似ようというのが流行ってたが、とうとう死に方まで教わろうという段階になったようだ。この監督はやはり中・短編系の作家であって、オムニバスでなく2時間を越えると長すぎる印象。そもそも死生観を語ったりするのは似合わない。ちょっと出て殺されるのがガブリエル・バーンなどという贅沢はある。[映画館(字幕)] 6点(2009-11-03 11:55:08)

35.  ティン・カップ スポーツでは、走るもの(球技を含む)と格闘するものがやはり映画に向いており、歩行して棒振るだけのゴルフは難しい。スポーツとは言えないが、走りも格闘もしないビリヤードがけっこう映画向きなのは、キューを構えるポーズが美しいのと、狭い室内ってのがいいんじゃないか。ゴルフは広くて、そういう緊迫感狙いは無理。でこれ、アルマジロ歩く田舎の濃いめの人情世界と、都会的な紳士のスポーツってのをぶつけたあたりがミソか。克己心の話。己れの才能をフルに発揮しようとしないヤツをアメリカ映画は嫌って、チャレンジする話が好きなの。スピード感のないスポーツを見せる工夫として、木の後ろからトイレにぶつけてグリーンに乗せる、とか、刻んでいくヤツと豪快に池越えするヤツとを対比したりとか、苦労してます。[映画館(字幕)] 6点(2009-06-14 11:56:47)

36.  てんやわんや はきはきした女性とウジウジした男の対比って、日本人が好んで描き続けた一つの型だが、とりわけこの戦後の時期を象徴しているみたい。それと、せわしなく変化する東京と保守的なものが残る地方の対比。この時期の地方を描くときって、石坂洋次郎ものでもそうだったが、残り続ける保守的なものを苦笑を持って見る、ってなスタンスだった、これが後の経済成長期になると、ノスタルジックな味を持ち批判性が薄れていく。淡島の床屋でのダンスレッスンシーンなどイキイキし、パチンコ台を使って何となくミュージカル的な気配も漂う。演説会のとき、川に馬が入る騒ぎのあたりの詩情に、すでにノスタルジックな味が感じられたのは、現在の目で見ているからだろうか。[映画館(邦画)] 6点(2009-01-16 12:10:20)

37.  ディナーラッシュ いろんな人間模様が重なり合う話って、職場や住宅地でもできるけど、こういう街の一部が一番似合う。肩書きがはずれて、誰もが社会的な輪郭を曖昧にしている空間、役割から一時的に解除されている互いに匿名の人たち。そこに面白味が生まれる。カツラで匿名に変装したつもりの料理評論家は、そういう人たちの中でかえって正体を見抜かれる。役割を演じているから。あと仕事をしているのは、経営者とコックとギャングだけか。別に意味はないけど、停電でさらに異空間の感じを深めた。「ニューヨークでは死体2つで売上げが3倍になる」ってのがいい。[映画館(字幕)] 6点(2008-06-06 12:15:06)(良:1票)

38.  鉄路の白薔薇 グリフィスのメロドラマは、現在の目でも充分面白く感じるのに、フランスのこれは、ちとつらかった。だいたいサイレント映画の芝居ってのはどこでも大袈裟になるものだけど、本作の臭さはヨーロッパの深刻趣味も加わるんで、我慢の限度を越える。アメリカのヒューマニズムに対して、こちらには、苦悩によって人間は成長していくものだ、っていう精神主義があるからなんだろうか。前半の特殊な愛が後半で普遍に至る、ってあたりも、なんかすごくヨーロッパっぽい。でもやはりカットのリズムというものを洗練させた映画史上の業績は尊重したいし、アメリカとヨーロッパの違いをあれこれ考えるきっかけになっただけでもありがたい映画ではある。[映画館(字幕)] 6点(2008-03-01 12:16:09)

39.  D.I. 監督主演のエリア・スレイマンは、なんでもパレスチナのキートンと呼ばれている人だそうだけど、全体のトーンはフランス映画ふうで、いろいろ屈折していてやや分かりづらい。もちろんこちらの不勉強のせいが大きいのだが。前半の隣人のいざこざに、イスラエルという隣人の影を見せると同時に、パレスチナだって一枚岩ではないってことも含んでいるのかもしれない。とかくニュースでは常に集団で見られる存在だけど、当たり前のことだが、ときに反目したりするこういう個人個人で成り立っているわけだ。そんなところがけっこう新鮮。町のたたずまいにも、普通の暮らしをしている場としての生活感がある。集団で怒りの波となっているニュース映像の裏に、こういう“普段”があってこそ、その怒りの実質が分かってくるというものだ。忍者になったりと破天荒な展開の部分よりも、こういった記録映像的な部分でよかった。風船に検問所をなくしたい願いが託され、圧力鍋に沸騰寸前の気持ちが託される。[映画館(字幕)] 6点(2008-02-29 12:19:33)

40.  ディパーテッド 《ネタバレ》 どうしようもないワルをじっくり描き上げていくこの監督の世界は、うまく波長が合えば“人間の闇”を覗かせてくれるが、うまくいかないとただ辟易させられて終わりになる。本作もダーティな言葉が氾濫する、あいかわらずのコッテリした作りで、やや辟易系の作品だった。だいたいハリウッドでリメイクすると、オリジナルよりもテンポよくシャープになるのが普通だけど、これに関しては逆で、より粘っこくなっている。M・ウォールバーグ演ずる巡査部長の神経を逆なでするようなとげとげしい振舞い、ラストの見せ場のためのバネだったと最後には分かっても、でもあのネチネチぶりへの過剰な執着に、初期以来のこの監督の味が、良くも悪くも一番出ていたように思う。[DVD(字幕)] 6点(2007-12-04 12:27:46)

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