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プロフィール
コメント数 3876
性別 男性
年齢 53歳

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【製作年 : 1960年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  砦のガンベルト 《ネタバレ》 冒頭、何やら取り調べみたいなことをやっていて、そこから映画の舞台は過去へ。ラストでまた冒頭シーンに戻って物語の輪が閉じる。こういう構成はおおむね、テッパンだと思うんですが、この作品はそれがいささか、あからさまで、ちょっとあざとい、というより何だかドン臭い印象が漂います。この冒頭からの流れで、早くも心配に。 スゴ腕だが、どこか陰のあるガンマンが主人公、というのも王道感がありますが、この作品、どっちかというと、実は周りの人たちの方が、暗い過去がある。砦の嫌われ者(?)の大佐の悲惨な過去が語られ、翌日、大佐が突っ伏した机の上には銃と、倒れたグラス、そして血らしきものが。スワ、一大事か。しかし部下(我らがボーグナイン!)が声をかけるとおもむろに大佐は二日酔いらしき頭を起こし、部下が体を引くとそこには机の上のブランデーの瓶が、という趣向・・・こういう演出って、どういうセンス、どういうノリなんでしょうかね。わからん。昨夜の悲惨な話の口直しに、ちょっとユーモアを挟んでみた、ということなんでしょうが、、、 で、舞台となっている砦は、先住民に取り囲まれ、やがて戦いへ。こういう立て籠もりシチュエーションも、魅力的、なはずなんですけどねー。砦の中が舞台ということで、スタジオ撮影。いや、スタジオで撮るなというつもりは無いですが、やっぱり程度問題、というのもあって、何となく味気ない。砦の中の光景は、もう少し印象的なものであって欲しい。 という訳で、いろいろ物足りないように感じていたのですが、それでも、クライマックスの夜襲シーンになると、炎の照り返しの中で繰り広げられる死闘がやたら雰囲気を盛り上げ、ちょっと「え?」という描写もありますが、なかなか見応えのあるクライマックスとなっております。エピローグに相当するシーンで唐突にThe Endと出てくるのも、悪くない。[CS・衛星(字幕)] 6点(2023-10-14 06:03:48)《改行有》

2.  遠い喇叭 《ネタバレ》 主人公の若造の少尉が、ダレきった部隊をビシビシやるのですけれども、その若造自身も、いささか下半身にユルいところがあって、どうなのよ、と。その一方で、砦の外にはアパッチ族がいて、凄惨きわまりない虐殺を繰り返している、ってのに。 という、何だか妙な不安感が背景にあるんですね。物語の骨格は、先住民の残虐行為に対する危機感、そしてついに全面対決、ってな流れではあるんですけど、そこに至るまでには様々な人物が登場して、様々なエピソードがあって、どこかモヤモヤした感じもあって。 で、クライマックスではアパッチとの死闘が、これでもかと描かれる。モヤモヤを吹き飛ばすような一大闘争絵巻。 戦闘の後、主人公は和平の交渉に向かうんですが、残虐行為を繰り返す恐るべき存在だったアパッチ族も、実は白人に対する不信感があっての敵対行為であったことがわかってくる。無事、和平は成立。 と思いきや、上からの命令で、主人公はその和平を裏切るハメになってしまう。ああ、なんというモヤモヤ。 という訳で、このモヤモヤ感が、本作の特長で、やりきれない不条理感をよく出しているんですけどね。なのに、映画のラストで唐突な「ツジツマ合わせ」が行われちゃう。妙なハッピーエンド。なんでしょうね、この終わり方は。 「ラストだけが妙にモヤモヤしていない」という事実にこそ、最大のモヤモヤを感じてしまうのですが。[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-05-27 20:59:15)《改行有》

3.  東京流れ者 ギャング映画をどこまで解体したらギャング映画でなくなるのか、という限界に挑む本作。どうして突然こんなところでロケしているのか、どうしてこんなにスカスカのセットで撮影しているのか、もうワケがわからなくって、そもそもこの映画は「面白い」のだか何だかもわからなくなってくるのですが、そういう、作品を通じて貫かれている姿勢自体が、何かだかカッチョよいのです。 冒頭、渡哲也がリンチされてるシーンからして、まるでミュージカルのように舞踏っぽいところがあります。やたら男前な若き日の渡哲也が、映画でオモチャにされてて、こう言っては何ですが、カワユイのですよ。 森進一は許さなかった川内康範センセイですが、本作は、お気に召したのでしょうか。ちょっと心配。[CS・衛星(邦画)] 7点(2018-11-17 03:36:00)《改行有》

4.  ドクトル・ジバゴ(1965) 《ネタバレ》 この映画、完成度ということについてはよくわかんなくって、何だか繋がりが悪い感じがあるんですけどね。主人公の弟の独白が(冒頭シーンを無理やり思い出させるように)入るのも奇妙だし、映画後半になると波乱万丈の物語がさらにバラバラな感じになってきて、パルチザンに誘拐されるあたりなどちょっと唐突な印象。 この広いロシアで、妙に易々と「再会」が繰り返されるのも、変と言えば変。 それでもやっぱり、タマラないんだなあ、この作品。 ロシアの広大で厳しい大地の圧倒的な映像と、人間の個性を圧殺する共産主義体制の台頭を前にして、人間の存在がいかにちっぽけなものか。主人公はヒーローでも何でもない、やや寡黙ですらあるフツーの男、妻子を愛しつつ、浮気なんかもして、しまいにゃあっけなく、実にあっけなく頓死してしまう。 ホントに容赦なく「ちっぽけ」なんですけどね、それでもどっこい、生きている。 無表情なアレック・ギネスが示す、微かな笑み。 本作のラスト、これほど静かで、これほど力強いも、なかなかありません。[CS・衛星(字幕)] 9点(2018-04-08 10:34:42)《改行有》

5.  ドノバン珊瑚礁 何ともバカバカしくって、何とも楽しい映画。南の島に響くジョン・ウェインのダミ声が、いいですね。 まだ見ぬ父に会いに、太平洋の南の島にやってきた女性、しかし医師である父は、現地の女性との間に3人の子供をもうけている。そこで、周りの連中がそれを隠そうと要らぬ気を起こして・・・という他愛のない話で、何かにつけドタバタが巻き起こる。ストーリーと無関係に、画面の中ではひっきりなしに意表をつくような何らかの「事件」が起こっていて、これが楽しいんですね。唐突に海へ飛び込む、あるいは落ちる。唐突にケンカが始まる。ドアを開いたらとてつもない突風が吹きこんでくる。教会の尋常ではない雨漏り、このエピソードは最後に、世にもバカバカしい奇跡で幕を閉じる。女性とジョン・ウェインとの関係も、遠くから靴を投げつけるのに始まって、最後の強引なラブシーンまで、一筋縄ではいかぬ波乱万丈、いつも何かの「事件」に裏打ちされてます。 という、楽しくもバカバカしい世界を包んでいる、南の島の風景。土着の文化に、東洋と西洋が入り混じり、宗教も何でもアリアリ、すべてを包み込む。そのおおらかさが、またいいんですね。[CS・衛星(字幕)] 9点(2016-09-30 12:12:58)《改行有》

6.  徳川家康 はい、伝記映画ですね、織田信長のね。中村錦之助演じる織田信長が桶狭間で今川義元を破るまでの物語に対し、サブストーリーとして、松平元信の苦難の幼少期(幼名:竹千代)から岡崎帰還までが描かれる、という趣向。要するにおそらくは何部作かとして徳川家康の生涯を描こうとしたのでしょうけれど、さすがにこの一作では相当に中途半端。でありながら、この一作だけでも充分に楽しめちゃうのは、やはり何と言っても、凝りに凝ったカメラワーク。ロケ撮影では何かと困難が伴うでしょうが、容赦なくカメラを振り回します。ロケで取り入れられた光景の数々も素晴らしくって、贅沢な気分を味わえます。竹千代が連れさられる場面、なんでこんな海岸の妙な場所に渡し船があるのやらよくわからないけれど、そんなことはどうでもよろしい、ドラマチックな場面にはドラマチックな光景が似合うのだから。劇中に何度か登場する“金の折り鶴”が物語の要所を締め、印象的。合戦シーンや剣を合わせる場面は決して多くありませんが、見所の多い作品です。[CS・衛星(邦画)] 8点(2014-11-09 08:43:01)

7.  突然炎のごとく(1961) 《ネタバレ》 この映画って、「3人の男女が織りなす自由な恋愛劇、進歩的でロマンチックよねえ」とか言ってウットリ観なければいけないんだろうか。あるいは「最後は死んじゃって可哀そうねえ」とか言って泣かなきゃいけないんだろうか。いやいやいやいやいやまさかまさか。この作品は、これはもう、“コメディ”でしょ。だってだって、こんなに楽しいんだから。そりゃま、ゲラゲラ笑うようなギャグはありませんけど、映画そのものに仕組まれたたくらみ、イタズラ心が、イヤミとならず、驚きと楽しさとなって活き活きと伝わってくる。なんでこんな場面で、空撮なのか、とか。男女が会話している場面で、背景の別の男女がチューしまくってるのが気になって、肝心の会話の字幕も読めん、とか。この作品こそまさしく、撮る楽しみと観る楽しみの幸せな一致。ただし、もしかしたら、「これならオレにも撮れちゃうかも」と大勢の映画志望青年を勘違いさせてしまった作品かもしれませんが(もしかしたら大勢の俳優志望青年が川に飛び込んだのかも知れぬ)。[CS・衛星(字幕)] 9点(2012-04-22 08:10:44)

8.  トブルク戦線 砂漠を横断し、トブルクの燃料基地破壊を目指す特殊部隊の活躍。という、“冒険アクション映画”の要素が強い戦争映画で、荒唐無稽なところもあり(敵に同士討ちさせたり)、娯楽作品としてなかなか楽しませてくれます。ただ、この「楽しませ方」ってのが、とりあえず印象的なキャラをちりばめておいて、ここぞという場面ではそのキャラたちに惜しげも無く死んで行っていただくという趣向。「準主役は、死んで映画を盛り上げる」というのは、よくあるパターンではありますが、一本の映画の中であまりコレを連発するのも興醒めとなる原因ですので、ご注意。あと、ドイツ軍になりすます、ってのが姑息中の姑息で、馴染めない点でもあります。こんな姑息な作戦なら、途中、裏切り者が出ても、「そりゃしゃーないわな」という気分になっちゃう(しかも意外に盛り上がらず不発だったりする)。とは言え、戦闘シーンのダイナミックさは折り紙つき。ミニチュア撮影のシーンも含め、大迫力。そう、戦闘シーンが充実してりゃ、やっぱりとりあえずは楽しめちゃうもんです。[DVD(字幕)] 7点(2011-11-19 01:51:28)

9.  突撃隊 一応、「いつ」「どこで」というのは冒頭で示されるものの、基本的に状況説明が少なく、何だかこの映画の舞台が閉ざされた世界のような感じを受けます。1時間半という短い映画である上に、その大半は、戦場における敵との睨み合い、そして戦闘を描くのに費やされており、一体、この戦闘がどのような位置づけにあるのか、この戦闘に勝てばどんな戦果に繋がるのか、映画の中では何もつかめないことから、かえって独特の閉塞感、圧迫感が迫ってきます。また、ここで描かれる戦うべき“敵”の描写は、実際の敵兵の姿ばかりではなく、しばしば、地雷やトーチカなどの“物”に象徴させており、登場人物たちのドライな描写とともに、いわばすべてが映画を図式化させる“駒”としての存在。まさに骨太の映画です(と結局はベタな表現に落ち着く)。[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-09-04 16:53:14)

10.  飛べ!フェニックス 砂漠の真ん中に飛行機が墜落、生き残った乗員たちが飛行機を改造して生還を目指す、というオハナシ。このテの映画、ありがちなパターンとしては、乗り合わせた面々すなわち登場人物には老若男女取り揃え、泣き言なんぞ飛び交いつつも、乗員のひとりは妊婦だったりして、無事新しい生命の誕生を迎えるエピソードなんぞも絡めつつ、ヒーローの活躍を中心に勇気と希望を謳いあげる、ってな感じになるところ、ですかね。しかし本作、登場するのはオッサンばかり。ボーグナインやらジョージ・ケネディやら、そりゃこんな濃い連中をひとつの飛行機に押し込めりゃ、墜落もするだろうさ。で、オッサンたちのサバイバル。日常から非日常へ放り出された事そのものに対する泣き言なんぞそっちのけ、情緒ではなく、意志と意志とのせめぎ合い。いわば「生きていくことの論理」同士がぶつかり合う、骨太な内容で、まさにアルドリッチ節炸裂といったところ。オッサンたちが作業に邁進する時の顔はまさに少年のよう、作業の細かい描写も手伝って、映画のダイナミックさがよく出ていますが、その一方、困難を前にすればいくらオッサンでも弱さが出る。普通の意味での“弱気”もあれば、“強がり”というのもまた弱さの裏返し。様々な衝突を招くことになってしまう。どっちが正しいと割り切れない、終わりの無い衝突。向こうからは、死んだ仲間の墓がこちらを見守っており、不吉な運命を感じさせて、果たして彼らは本当に脱出に成功するのか?・・・という訳ですが、まあ要するに、本当に正しい人なんていないんだよ、不要な人もいないんだよ、皆でとことんぶつかりあって、それでも前に進んでいくんだよ。そんな感じの映画ですね。しかし一言。あんな発電機でどれほど発電できるもんなんだろうね。人力発電は出力の低さが難点。[CS・衛星(字幕)] 9点(2011-06-12 13:04:00)

11.  トパーズ(1969) “異形の傑作”ともいうべき『サイコ』や『鳥』でとうとう、映画の枠からハミ出てしまうような、アクロバットな映画作りをやってしまったこと、これは結局、ヒッチコックにとって自滅的だったのかも知れません。これらの作品の後で、一体何を作ればいいのか? ひたすら目新しさを狙って“映画の解体”路線を突っ走らない限り、ファンの期待には応えられないのか? そんな中で、本作は、スター俳優を起用するでもなく、奇を衒うでもなく、比較的地味ではあるんだけれども、その分もしかして、雑音抜きで楽しんで作った作品だったんじゃないのかなあ、と。内容はヒッチコック作品お馴染みの「スパイもの」で、ヒッチコックらしいカメラの「遊び」も随所に見られます。冒頭のクレーン撮影のワンショットなど、結構意表をついてますし、他にもサスペンスを盛り上げる演出が盛り沢山。もっとも、「キューバ危機の背景には、実はイロイロな事件がありましたとさ」みたいなオハナシなので、ややプロットがまとまらない印象は拭えないんですけれども、その分、シリアスさ、とか、スケール感、みたいなものも感じさせる作品になっているのではないでしょうか。なお、ちょっと気になった点は、中盤、デベロウとファニタとパラの3人がテーブルを囲むシーン、デベロウの背景の壁に誰かが近づいてくる影が一瞬写る(足音も入れられているので多分、給仕の女性の影?)のに、前後のカットにはやっぱり座っている3人しか写っていない。これはミステイクですかね? なにせ心霊写真みたいで気持ちワルいのですが。[DVD(字幕)] 7点(2010-03-15 22:48:24)

12.  特攻大作戦 重罪人を掻き集めて作ったポンコツ特攻部隊。前半は彼らの特訓が描かれますが、何ともユーモアにあふれてます。そもそも戦争自体にヒューマニズムは無い、だからこそ映画も、「ホラ、戦争ってこんなに非道なんですよ」、なんてことは改めて語ったりしない。「ホラこんなに残酷」などと、「ある点」を強調してしまえば、ひとつの残酷さは示せるが、一方で「他の点」を糾弾しないこと、間接的に「認めること」になりはしまいか。戦争とは首尾一貫して矛盾に満ち、残酷なものなのに、「あるキタナい一面」のみを強調するという「キレイ事」に走ってしまうと、その先にあるのは単なる安心感でしかない。この映画はそのような態度を否定しています。あえてコミカルなタッチで描き、それと同時に、描かれる内容は決してキレイ事ではない、ということ。ここで描かれているのは、「善い」とか「悪い」とかいうことではなく、強いて言えば、この「汚い12人」のギラギラした生命力、でしょう。このキレイ事ではない、という点は、クライマックスの特殊作戦にてさらに顕著になります。作戦中、あのギラギラしていた「汚い12人」はバタバタと倒れていき、そこには何の感傷もなく、まさに消耗品としか言いようが無い。作戦自体も、無抵抗のドイツ人を一方的に虐殺する、という、まるでヒロイズムが感じられないもの。そもそも、アメリカ軍人がドイツの軍服を着て戦うのって、ヒギンズの「鷲は舞い降りた」にもあったように、ジュネーヴ条約違反だったりするのでは? などなど、普通のアクション映画であればクライマックスを観りゃあストレス解消、スッキリするものを、この映画では、それまで物語の背景に隠れていた(とは言え薄々感じていた)「戦争の矛盾」というものが、クライマックスで容赦なく噴出して、スッキリしないような、ちょっとスッキリしたような(←ドンパチ観るとやっぱり興奮しちゃうんだもん。笑)、複雑な気分になる映画、であります。ちょっとケチをつけさせてもらうと、12人の罪状というのが、少し同情できるような点のあるものが多く、ちょっと「キレイ事」っぽくて、イヤでしたね。「無難なバランス感覚」という打算を感じてしまう。当時はこの辺が限界、だったのかなあ。[CS・衛星(字幕)] 7点(2006-09-11 22:04:48)(良:1票)

13.  鳥(1963) 《ネタバレ》 コレ、私が初めて観たヒッチコック作品、っていうか、当時はヒッチコックなんていう人も知らず、一本の動物パニック映画(=当時の私にとっての映画そのものだった)として観ちゃった訳です。「ウワー、自分がこんな目にあっても、この男の人みたいに勇気を持って立ち向かえるだろうか」などとドキドキしながら観てたのですが、パニック映画を観るときにはいつも「最後はどうやって解決するのか?」が楽しみだった私としては、この映画、何とも物足りなかったのですね。他のパニック映画の方がずっと面白いと感じておりました。しかしまあ、後で観直してみると、ウム、これって結構怖い映画じゃないの、と思えるようになってきて。空を埋め尽くすような不気味な鳥の大群が、頭上から襲ってくるというのは、迫力もあり、なかなかの恐怖感(フライングキラーなみに怖い。ウソ。もっと怖い)。また、「死体の描写がミョーに残酷」「自称・専門家が出てくる」「周囲に訴えても最初は信じてもらえない」など、後のパニック映画の萌芽を色々と読み取ることができるのも楽しいところ。そう、この映画があってこそ、70年代にパニック映画ブームが花開く訳です。例えば、鳥ごときのせいでガソリンスタンド爆発という不釣合いな大惨事が起きるのは、その発展形を『スウォーム』に見る事ができます。家の窓に板を打ち付けて篭城するのはもう基本中の基本だし、それでも敵が(何故か凄いパワーで)壁を食い破って進入しそうになるのは『巨大生物の島』。停電が起きたり、一部の部屋が敵に侵入されてしまうのは『巨大クモ軍団の襲撃』。最後に鳥の群れの中をソロソロ歩いて車を取りに行くシーンは、まさに『ザ・カー』のクライマックス前のシーンでしょう。こんな感じで、パニック物の源流であると同時に、まるで総決算のような映画なのですね。これはもう、愛着が沸いて来ずにはおられないのです。それにしても、鳥に襲われて命を落とした人の、致命傷って、何だったんでしょうね。死ぬほどの大怪我はしないと思うんですけども。ま、これは些細なことです。8点(2004-03-21 01:45:57)(良:1票)

14.  東京オリンピック 記録映画を作ってもらったハズなのに、出来上がったのは技巧が凝らされた妙な映画、関係者の怒りを買うも、海外でその芸術性が認められ、国内でもその真価が見直された・・・こんなとこですかね、この映画について一般に言われてることって。ハテ、どうなんでしょう、確かにこの空前のイベント、二度と訪れぬ瞬間をカメラで捉え切り、「芸術」映画として再構成した驚くべき手腕、それはよくわかるのですが。ただ技巧のあまり、当時の熱気が伝わりにくい、いや正確に言うと、「当時の熱気とは、私がこの映画から受ける熱気程度のモノではなかったに違いない、のに」という気持ちが拭えないのです。特定の選手をクローズアップするのも、「この選手に思い入れがありゃ興奮するかもしれないけど、知らないんだよなー」と戸惑いが。結局、実際のイベントを素材にしながら絢爛たる映像美の映画を作り上げよう、という意図は見事に達成されているも、逆にその制約のせいで興奮を削がれちゃったからな、という気が。ところで私には別の希望が。そう、プロレスを素材にこんな映画作ってみて欲しいな~(今年のG1は傑作を生み出す絶好のチャンスだったのに・・・?)。7点(2003-11-30 10:14:10)

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