みんなのシネマレビュー |
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21. 映画大好きポンポさん 《ネタバレ》 なぜ映画を見るのか? ①暇潰しのエンタメとして? ②粗探しを見つけるための根暗な趣味? ③映画の中にいる自分に投影して、指針として何かを掴むため? ただ、誰もがずっと椅子に座ってはいられない。 映画尺というものがあり、2時間が集中できるタイムリミット。 狂言回しのポンポさんだと90分が限界らしく、 登場人物の人生を描くのであればその時間内で、見せたくても切らなきゃならないときもあるのだ。 本作の"編集"を司るのが、監督に抜擢された主人公のジーン・フィニ。 社会不適合者で映画でしか自分の居場所がない男。 彼をはじめ全員基本的に善人で、話がご都合主義にポンポン進んでいくが、意識的に暗い影を忌避しているようにも見える。 彼とは正反対のアランですら社会的に成功している銀行マンでありながら、自分には何もないと思っており、 じゃあ、真の意味で何者にもなれなかった、何も持ってない人の立場がないだろ。 主要人物ほどデフォルメされて、キラキラしていることからしてもまさに"夢と狂気の世界"しか映されていない。 フィクションと言えばそれまでだが、これも意図的であることは明白。 カットされたシーンには主要人物のドス黒い本性や映画界の闇が映されているのだろうか… そう思うと、編集は何のためにあるのかという本質が見えてくる。 原作を読んだら、メタ的な意味で新しい発見があるかもしれないが、 自分には本作ならではの新しい発見がなかった。 何かを創っている人なら何となく分かるものばかり。 ①と③なら良かったのに、②になってしまったよ…[地上波(邦画)] 5点(2023-02-10 19:38:25)《改行有》 22. 映画 けいおん! 原作漫画及びアニメ版ノータッチ。そのような一見さんにはこの映画を語る資格はないだろう。逆にアニメだけでも触れている人にとっては、いろんな感情がないまぜになった青春アニメの傑作だろう。ロンドンに卒業旅行する以外は、特に何てことのないストレスフリーな軽音部の日常。女性目線で描かれた、友情とは違う絆を匂わせながらも、平穏な空気のまま終始していくのが良い。ネガティブな要素を一切拒絶した"理想郷"にいろいろ言いたくもなるものの、最後まで割り切った作風は潔くすら感じる。自分は「別に映画でやらなくても、OVAやテレビの特番でも十分では?」と思ってしまったが。[DVD(邦画)] 5点(2015-06-30 20:24:04) 23. エンジェル ウォーズ 脱出劇の過程を全てイメージ映像に任せてしまったのが最大の敗因。時代設定が過剰な特殊効果で生まれた妄想世界とミスマッチで、スローモーションの多用がしつこい。これによって世界観に入りづらくなっている。アクション版『ダンサー・イン・ザ・ダーク』ではないにしろ、これでは監督の美学も半減する。オリジナルのプロモではなく、オリジナル脚本が素晴らしい映画を見てみたいのです。[DVD(字幕)] 4点(2018-10-22 20:12:21) 24. エイリアン3 正当なシリーズものでは『3』しか見ていないので、本作に限って言えば、凡庸なSFホラーという感想しか出てこない。フィンチャーの長編デビュー作であるが、スタジオの圧力に、トラブルの連続に、と撮りたいものが撮れなかったと不満だったらしい。その屈辱を得て、今や鬼才であることに想いを馳せられる、若き日の監督の原点を見たい人向けだろう。[ビデオ(吹替)] 4点(2018-03-31 20:16:50) 25. エコール 《ネタバレ》 棺で壁に囲まれた閉鎖的な女学院に拉致され、リボンの色で学年分けされた少女達が生活している。性を意識しない、幼くも妖艶な匂いを漂わせる肢体が背徳感を際立たせる。男に買われた少女や手紙を通じて脱走する少女のエピソードを見ても、明るい未来ではないのは確かで、変態男の性欲の捌け口として搾取される少女の儚さを表現したかったのだろう。おフランスらしい独創的でミステリアスな世界観だが、むしろ少女達の顔の濃さが気になって、エロスや性的興奮を一切感じないどころか、ギャラリーの前でバレエを披露する場面では「もう好き勝手にやってくれ」と思った。溢れ出る噴水は、初潮や性衝動の比喩くらい分かるし、それを描いたところで「だから何?」としか思えない。どうやら自分は真性のロリコンではないようだ。つまり惹き付けられる世界観としてはまだ足りないということ。外の世界は一切描かなかった方がスマートだった。マリオン・コティニャールが出演していたのはちょっと衝撃。[DVD(字幕)] 4点(2015-02-18 21:26:32) 26. エスケイプ・フロム・トゥモロー あの某有名テーマパークの無許可撮影を通して、炙り出される夢の国の本質。幻想的なモノクロ映像と音楽がさらに非現実さを際立たせている。発想の勝利と言えなくもないが、ただそれだけ。設定を上手く活かせないまま、魅力のないダメ親父の妄想を延々と見続けられるのは退屈です。ジャンルが不明瞭で不条理ホラーとして振り切れていなかったのも大きい。言わば企画倒れ、勿体ない。[DVD(字幕)] 4点(2015-01-02 11:16:48)(良:1票) 27. HK/変態仮面 リアルタイムで読んだクチで、そのフォルムと立ち回りが強烈な印象を残す怪作漫画だった。まさかの実写版の再現度は文句なしで、良い意味で下らなさ全開だけど、これほどワンパターンだと正直退屈さが勝る。この手の内容なら80分弱に縮めた方が気楽に見れそう。[DVD(邦画)] 4点(2014-12-28 13:52:51) 28. A.I. リアルタイムで観たっきりだけど、「あ、そう」と無表情で見終えた。キューブリックとスピルバーグはオールジャンルで撮っていることは共通するが、片や完璧主義の芸術肌で寡作、片や柔軟性があり万人に受け入れやすい作りの職人肌で多作。そう、二人は水と油のように合わない。そこから化学反応が起こせると期待したのだが、そんなものは奇跡に等しく、流行を煽るマスメディアに不信感を覚えたものだった。その経験が唯一の収穫かな。[映画館(字幕)] 3点(2018-06-23 12:02:54) 29. エンター・ザ・ボイド テクノビートで刻むスタイリッシュなオープニングに鷲掴みにされ、テンションは最高潮に。しかし、本編が始まってから、シスコンでマザコンの変態ジャンキーの願望に右往左往に付き合わされ、極彩色で彩られたサイケデリックな"TOKYO"はただスッカスカに虚しく輝くだけ。次第にテンションは"無"へ萎んでいく。"輪廻転生"は分かる。「考えるな、感じろ」も分かる。つまり逆に言えば、濃密なストーリーや感情を描ける自信がなく、アンモラルな画しか賭けるものがなかったということ。別に短編やミュージックビデオで十分じゃないか。こんな映画に感じるものなど何も"無"かった。[DVD(字幕)] 2点(2015-02-18 21:20:04)
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