みんなのシネマレビュー |
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1981. エントラップメント 盗みのシーンは緊張感はなかったけど盗み方のアイディア自体は面白かったし、その見せ方も悪くない。スター俳優同士のロマンスモードが控えめに描かれているのも好感が持てる。でもラストのどんでん返しは反則ぎみ。たしかに伏線らしきものもあったけど、逆伏線とでも言おうか、ラストを読ませないための取って付けたような展開がダメ。脚本だけで完結している作品。[DVD(字幕)] 4点(2006-06-27 12:35:26) 1982. ホテル・ニューハンプシャー 原作は未読ですが想像するに素晴らしい作品なのでしょう、きっと。波瀾に富んだ人生を送るある家族を通して、あるいは家族の死を通して生きることとはどういうことかを説いている。様々な困難に遭遇しても人生は続く。困難に遭遇してもこれまでの人生を否定する必要はないし夢があるなら諦める必要もない。だからこの映画でのその困難が困難に見えないというのは意図的なのだろうが、あまりにも事件が多すぎて、あまりにも葛藤が無くて、原作におそらく並べられているだろう出来事をただ並べただけという印象を持ってしまった。父と母の出会いから始まりホテル経営という夢の実現と挫折が描かれるのに、視点が父かと思えば息子に移ったり娘に移ったりして散漫とも思った。前半のちょっとエッチなB級青春ドラマのような軽い空気がずっと後を引きずっているのも気になる。良かったのはジュディがナタキンに汚い言葉を投げかけるシーン。なんだかもの凄く貴重なものを観た気がした。[ビデオ(字幕)] 4点(2006-03-29 18:54:37) 1983. イナフ 《ネタバレ》 この作品はあくまでジェニファー・ロペスの洗練されたアクションを堪能する映画だと思うのですが、SFではなく現実の世界でより現実的な格闘を見せようとしたために敵を倒すための正当な理由作りのための前振りが長くなってしまったのが残念。裁判での勝機がないのはDVというデリケートな題材を描いているのではなく主人公を追い込んで戦いへと導くためのものでしかない。旦那がしつこく追いつづけるのも変質的な愛を描いているわけではなく、はたまた子供への父性を描いているわけでもなく、やっぱり戦いへと導くためでしかない。ある意味その割り切った姿勢は認めたい。でも旦那の確固たる信念をも感じさせる女性に対する偏見と恐るべき自己中ぶりに、何年もいっしょに暮らす妻が全く気付かないってのはどうでしょう、、と鑑賞する側は割り切れなかったりしています。[ビデオ(字幕)] 4点(2006-03-24 19:42:16)(良:1票) 1984. フォーガットン 《ネタバレ》 子供の存在を誰も認めないという後の『フライト・プラン』と同じ設定からスタートしているが本当に存在するのかしないのかわからないという点においてはこちらのほうがうまい。しかし早々に、記憶を消されようとしていることに主人公が気づく。何故そんなことをするのか、誰が首謀者なのか、という謎が提示される。面白いのはここまででした。実は宇宙人の実験でした、、という展開はべつに悪くはないんですが、観客よりも誰よりもその可能性を最初に疑うのが主人公なのだが、そのこと自体が不自然だし、なによりも主人公の疑念の言葉で観客に察知させるなんて酷すぎる。その後のなんでもござれの展開はそれなりに楽しめたけど筋書きがややこしくなりそうになったら「ええ~い!めんどくせー!」って人を飛ばしちゃってるみたいなずるい作品でした。[DVD(字幕)] 4点(2006-03-23 19:11:51) 1985. 亡国のイージス 光の乏しい艦内や夜のシーンは暗くて当たり前なのだが、重要と思われる人物がこれだけたくさんいると、この暗さは相当ネックになってくる。しかもこの暗さがリアルな演出として機能していない。中途半端な灯りが中途半端な方向から照らされるから。有名どころオールキャストだから人物が把握できるだけで、外国では通用しないのではなかろうか。それともやっぱり日本向けの商品として作ったのか?大作感を煽るたいそうなBGMも鬱陶しい。 日本人の性分を真っ向から否定する展開は今の世相を反映しているのだろう。その中で任務と人間性の選択で後者を堂々と選ぶ主人公の行動と発言は甘くもありセンチメンタルでもあるのに、それでも一貫して「人間は人間らしくあるべき」とこの期に及んで大いに謳いあげる姿は感動的ですらある。この熱さこそが坂本監督ならではとも思えたが、一方でエンターテイメント志向へと突き進む坂本監督は独自の個性を自ら手放そうとしているとしか思えない。そろそろどっちかに決めたほうが良いと思う。暗闇から発射されるミサイルの閃光の画を見る限り、エンターテイメント志向でもいけるんじゃないかとも思うが、個人的にはふろしきを小さくして初期作品のような独自性を見せてほしい。[映画館(字幕)] 4点(2005-12-09 17:47:57)(良:1票) 1986. いま、会いにゆきます 《ネタバレ》 オチが非常に感動的なお話で、その構成は映画というより小説的だなぁと思いました。ラストで真相を中村獅童と我々に明かしてくれる竹内結子の語りに、驚きと心地のよい感動がありますが、この部分が小説的な最たるところ。小説的であることをダメだと言うつもりはもうとう無いけれど、その部分がこの映画の中で最も良かった部分ってのはちょっと寂しい気もする。医者がいろいろと状況を説明してくれるところは全然ダメ。ゲンナリした。説明セリフじゃなくてナレーションにしてくれたほうがずっと良い。あと、欲を言えば、わけもわからず未来の世界に来てしまった竹内がそのこと(未来の世界にいること)に気づく場面を、ラストのネタ明かしの伏線として、もうちょっと判り易く描いてくれると良かったような。[DVD(字幕)] 4点(2005-11-21 14:59:17)(良:1票) 1987. 仮面の男(1998/ランドール・ウォレス監督) 源義経の死の謎とかダ・ヴィンチの絵の謎とか写楽の正体の謎とかツタンカーメンにまつわる謎とか、、歴史上の人物のまだ明かされない謎をフィクションで綴ったものって昔から大好きなんです。だからこの作品も題材だけは興味をそそるものでしたが、いかんせんフィリップの哀しみも伝わらなければルイの横暴さも演出で表現したものが無く、戦いは迫力が無く銃士たちの結束は役者の演技だけが頼り、さらには背景は偽物の臭いプンプンというなんともお粗末な作品でした。「仮面の男=フィリップ」という物語の中にあってメインに描かれたのが、忠誠心によって自分自身を偽った(見えない仮面を被った)男、ダルタニアンの物語というのは良かった。音楽を聴くと私もパーフェクトな氷の舞いを披露したヤグディンを思い出す。というより、「愛しのヤグディンさま~~」と悶絶する嫁さんを思い出す。[DVD(字幕)] 4点(2005-11-15 13:01:52) 1988. デスペラード 長編デビュー作『エル・マリアッチ』が認められハリウッドに呼ばれたロドリゲスがその『エル・マリアッチ』をハリウッド的に料理した作品。湯水の如くお金をつぎ込み、湯水の如く弾丸が飛び交う。唐突に呼び出された二人の助っ人は一切のバックボーンも語られることなく無駄死にしてゆく。ロドリゲスがハリウッドを揶揄したものと見ればたいした度胸だ、となるが、はたしてどうなんでしょう?ともあれ、このバカバカしさ、ハリウッドでしかできないことを思う存分やったという意味では評価できるかもしれない。[ビデオ(字幕)] 4点(2005-11-10 18:16:16)(笑:1票) 1989. モナリザ・スマイル 物語の舞台となる校舎を映し出した画がなんとも美しく、それだけでぐぐっと惹きつけられたんですが、セリフで度々出てくる戦争の話のたびに、あ、そうそう50年代の話だった、、と思い返すくらい画から時代が伝わってこないのはどうしようもなく救い難い。衣裳や町並みや部屋の小道具などはそれなりに時代を演出しているんでしょうが、まるっきり伝わってこない。保守的な思想が時代を反映しているわけでもなく、この舞台となる大学だけが保守的であるかのような描きかたなので、とりわけ主人公が新しい思想を持った人物にも見えない。ところどころに綺麗な画があっても、かえって時代を感じさせない画になってしまってるように感じた。[DVD(字幕)] 4点(2005-09-05 14:10:50) 1990. 遠い空の向こうに いいお話だと思います。夢を持ちつづけること、諦めないこと、それ以上に大勢の人達の支えと応援があってこそのサクセスストーリーがわかりやすく描かれています。その中でも父と息子のドラマを軸にして感動的に描かれているのですが、父のほうはともかく、主人公の、炭鉱の町という独特の閉鎖社会で外を見ることのうしろめたさだとか葛藤だとかがあまり伝わってこず、そういった深みを見せずに感動だけを持ってくる浅さが気になってしょうがなかったです。要するに作為的に感じてしまいました。もともと私は10代後半から20代の青年と父との間で織り成す感動ドラマ自体が嘘っぽく感じるもんなので、もっと丁寧に主人公の心理や背景を描いてくれなきゃ、素直に感動できません。反対にその部分が丁寧に描けていれば、感動を煽らなくても感動するもんじゃないだろうか。 ..といっても皆さん感動してますね。私がひねくれてんですね。きっと。[DVD(字幕)] 4点(2005-08-29 17:26:26)(良:1票) 1991. 殺し屋1 クセのある出演陣が皆、いい味出しまくり。ポーリン・スンのボケボケぶりがいい。松尾スズキが二人いるのは怖すぎ。暴力を誇大して見せることで虚構性が強調されているというか、漫画チックで、それはそれで良かったのですが、拷問シーンは妙にリアルで見ていて辛かったです。基本的に“切る”とか“刺す”とかって苦手でして、乳首スパ-ン!は叫びましたよ。スプラッター系を楽しめない私には向かない作品でした。究極のMが究極のSに求めるものが味わったこともないような絶望。そしてその求めに応じずに、絶望を与えないという究極の絶望を与える。なるほど、理解できない世界です(笑)。面白いと思える部分は多いんですが、“切る”とか“刺す”とかがやっぱきついっす。あと、垣原の死体から額の傷が消えていたのはなんで?[DVD(字幕)] 4点(2005-07-26 13:05:52) 1992. キングの報酬 人を蹴落としてでも選挙で勝たせる敏腕選挙プロデューサーが人間性を取り戻してゆくヒューマンドラマと、選挙に絡む政治的陰謀を暴いてゆくサスペンスドラマがミックスされた娯楽作。政界が『ネットワーク』のテレビ界以上にドロドロしていて当たり前と感じるのが普通だと思いますが、『ネットワーク』ほどの衝撃的な事件は全くありません。そのぶん、リアルなのかもしれませんが..。主人公が人間性を取り戻してゆく過程も強引でご都合主義的に展開する。本来見えなければいけないはずの候補者の真の姿を隠してしまう現状の選挙戦への問題提議を一応は描いてはいるが、社会派ドラマとしてはメッセージ性も薄い。そこそこ楽しめる程度の作品でした。[ビデオ(字幕)] 4点(2005-07-21 16:40:32) 1993. 青の炎 原作を先に読んだのですが映画のキャスティングが決まってからだったので、二宮、松浦をいやでも想定して読んだのですが、全く違和感は無かったです。それどころか、ムフフな思いをさせていただきありがとう..(原作既読の方ならわかるでしょ)。そんなこんなで、映画を見てもキャスティングに関しては違和感なく入ってゆけました。問題は脚本と演出です。まず主人公がどんな人間なのかを冒頭10分くらいで見せることができれば優秀なのでしょうが、原作をなぞるようにしか描けていない。当然、活字によって細かく描写されたそれらのものを映画の中に収めるにはなぞるように描いていけば不足が生じる。不足を補うために主人公の日記というかたちで説明をしてしまう。これでストーリーは矛盾なく成立するだろうが、演劇じゃないんだからちゃんと映画的に料理してほしいもんです。だいたい、完全犯罪を綿密に計画する主人公の頭の良さと犯行後の嫌疑から逃れる術を熟考する周到さを考えれば証拠となる日記の存在じたいが矛盾している。原作に忠実とするならラストの主人公の行動も説明不足だと思う。紀子の存在が活かされていないのも松浦亜弥のせいではなく監督のせいである。映画初出演の山本寛斎がいい味を出していることが意外な収穫でした。[DVD(字幕)] 4点(2005-06-13 16:34:52) 1994. 風とライオン 申し訳ないですが、アクション映画以上の価値を見出せないし、アクション映画の中で優れているとも思えない。『アラビアのロレンス』のせいでしょうか、どうしても迫力ある画を期待してしまうのですが、まったく印象に残るような画は無い。ライズリとルーズベルトの男気の見せ方もちょっと臭い。評価するとしたら、ショーン・コネリーが役にはまっていたことと音楽とラスト付近の馬がバッタバッタと倒されるシーンの迫力くらいかと。[ビデオ(字幕)] 4点(2005-04-07 18:48:25) 1995. レッド・ドラゴン(2002) 普通に楽しめるごくありふれたサスペンス。普通に楽しめれば5点をあげたいところなんですが、期待を裏切ったがっかり度(そんなに期待してなかったんですが)にマイナス1点。ダラハイドに焦点を当てているのはいいが、人格形成の説明をしすぎて怖さに欠ける。グレアムの心理描写がほとんど無いのでクラリスとレクターのときのような緊迫感も生まれない。上辺だけそこそこに面白くできあがった脚本に沿って無難に仕上げたという感じで、はっきりと印象づけられた画を持つ『ハンニバル』の点数を上げたくなった。4点(2005-03-29 11:24:55) 1996. 白いカラス 口紅だけが目立つへたくそな素人メイクを装うがちゃんと綺麗に見えるようになされたであろうプロのメイク、そしてカメラを常に意識したキッドマンの顔の角度がいかにもハリウッドメジャーな映画。演技がちゃんとできるのに勿体無い。重い題材をハリウッド流に軽く扱うならかまわない。しかし重い題材を重く描いているのにフォーニア・ファーリーという人物が時々ニコール・キッドマンになっているのはどうしても気になる。監督も監督だ。カラスに語るふりをして観客に説明するなんてもってのほか。ベントン監督が製作側に屈したのか、それともハリウッドメジャー色に染まってしまったのか、、、。書籍で読むと非常に面白そうな内容なだけに本当に勿体無い。4点(2005-01-12 11:50:56) 1997. 恐竜100万年 私も男の子。恐竜大好きでした。しかしこの作品は、幼少時代の私に恐竜と人間が同じ時代に共存していたと誤った知識を植えつけた罪な映画でもあります。恐竜の動きは今見ても素晴らしいと思えます。それまで見慣れていた日本の着ぐるみ怪獣のなんとも人間ぽい愛嬌のある動きとは違い、尻尾の動きなんか妙に気持ち悪くどこかギクシャクした動きも恐怖感を煽ります。チビ恐竜との格闘や翼竜との格闘のシーンは絶賛に値します。でもいくら恐竜が爬虫類だからってイグアナはないでしょ!ギャグかと思いました。クモもカメもでかくすりゃいいってもんじゃないでしょ!あと原始人のくせして、つけまつげにアイシャドーで完璧にお化粧してるし...綺麗だけど..。4点(2004-12-10 12:05:58)(笑:1票) (良:1票) 1998. ケミカル51 一見、新しい感覚のクライムサスペンス風だが、スカート履いたクールな黒人とアメリカ嫌いのイギリス人のコンビという設定以外にコレといった新しさは無い。凄腕の女スナイパーとこのイギリス人が元恋人同士というのは別にいいが、家族ぐるみのシーンで”凄腕スナイパー”との許せないギャップを感じてしまう。前半のミステリアスな”ワケアリ”スナイパーのまま徹してくれたほうが良かった。4点(2004-11-26 11:50:25) 1999. メンフィス・ベル(1990) 自国に正義があることを前提に自国の過酷な責務を全うした若者を英雄視した映画はアメリカ映画に限らず日本の映画でもあります。自国の損害のみで反戦を装うこの手の映画はあまり好きではありませんが、そのことで大きく評価を下げることはあえてしません。もちろん加点なんてありえませんが。こんな映画ばっかりだったらイヤだけど、反戦映画ではなくあくまで戦争下での一方からのみ見たひとつのエピソードとしてとらえますが、映像はチープでした。チープさの最たる特撮はひかえめにして空中戦をB17の機内をメインに撮っていたのはなかなか良かった。もともと深みの無いドラマ、唯一の見せ所のこのシーンをメンフィス・ベルだけでなく他の機内も映してアクション度をあげてくれたほうがまだ素直に楽しめたような気がします。戦死者の遺族からの手紙に涙を浮かべる上官のシーンは悪いけどしらけた。4点(2004-09-13 14:06:43) 2000. リアル・ブロンド 二組のカップルがそれぞれの妄想や幻想を剥ぎ取り本当の自分を見つけるといったお話。レストランで『ピアノレッスン』の感想を言い合っているうちに他の客にも伝染しレストラン中で『ピアノレッスン』を批評しているのが面白かった。主人公の「リアルじゃない!メロドラマだ!」という主張はきっとトム・ディチロ監督の主張でもあるのでしょう。自分はこういう人間なんだという思い込みは多かれ少なかれ、そして自覚しているしていないはあっても誰もが持っているもので、その思い込みと現実とのギャップというその一点に集約して恋愛ドラマを見せます。確かに絵画のような『ピアノレッスン』よりも現実的だし、リアルな葛藤ではあるけれど、すっきり納得のいくエンディングはリアルとは言えないような。全体的に、よくビデオ化されるアメリカのテレビドラマっぽくて、映画を観たと言う満足感が乏しいのが残念。4点(2004-07-22 10:14:59)
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