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201.  僕の彼女はサイボーグ 《ネタバレ》 韓国でもエヴァンゲリオンは人気あるんでしょうか? フィギュアが二つ出てきましたね。 そーいえば、サイボーグ彼女のコスチュームも綾波レイに似ています。 タイムトラベルものとして平凡な展開が続くのですが、最後の10分で 一変して、どんでん返しのような展開になります。 この処理が見事ですね。 タイムトラベルものとして新機軸を打ち出した感があります。 東京大地震は、未来を変えたことのぶり返しなのか、それとも定まっていたことだったのか明確ではないですね。 ケーキへ頭突っ込むシーンですが、一度目はサイボーグに擬した未来少女が偶然目撃するだけですね。 二度目のサイボーグは、未来のジローにそうしろと命令されてきたのでしょう。 [映画館(邦画)] 8点(2008-06-11 22:16:46)《改行有》

202.  デッドゾーン 《ネタバレ》 スティーブン・キングの作品はどれもシンプルなアイデアなのに執拗な心理の書き込みによって登場人物に感情移入させる。この作品もそう。 脚本は比較的淡々と進むが、これはこれでよいだろう。 キーマンとなるのは元婚約者。この人の家からの帰りで事故に遭うことになる。 五年後、再会して少し静穏な心を取り戻す。これで記者会見となるのだが、ひともめして、母の死亡、実家に閉じこもる。 子供と一緒に尋ねてきたとき関係が戻って明るくなり、連続殺人捜査に協力することにする。だが殺人犯の母親に撃たれて負傷、一人で閉じこもることになる。 家庭教師をしている少年とのエピソードではからまないが、上院選挙のボランティアとして登場、握手して議員の未来をみるきっかけをつくり、暗殺時も元婚約者の赤ん坊が楯となる。そして主人公を看取るのも元婚約者。また真実を記した手紙を書いた相手も元婚約者。 普通結婚し、子供のいる主婦が、五年間も昏睡状態となっていた元恋人と関係が戻らないと思うのですが、そこは恋愛の神秘。女性のほうから身をまかせます。 「もし若いときのヒットラーに会ったら殺すか?」という質問ですが、 歴史が変わればいいわけで殺す必要はないでしょう。 いい就職口を見つけてやるとか、いい結婚相手を見つけてあげるとか。 平凡な人生を送らせてあげればいいでしょう。 それでも心配な場合は、顔を焼くとか、盲目にするとか唖にするとかして、カリスマ政治家になれないようにすればいいですね。 それにウォーケンさん、そんな急ぐ必要はないでしょう。核戦争は、まだまだ先のことですから。未来を変える能力があるんですから、じっくりと機会を待ちましょうよ。 わざわざ大衆の面前で射殺する手段を選ぶこともないでしょうに。 少人数のとき、支持者を装い、そっと近づいたほうが確実です。 完全犯罪にすれば悲劇は起こりません。自分が犠牲になることはありません。 もっともこれは悲劇を際立たせるためのキングの演出なのですが。 低予算ながらよくできている映画と思います。[ビデオ(吹替)] 8点(2008-05-12 16:07:42)《改行有》

203.  バンテージ・ポイント 《ネタバレ》 テンポのよい犯罪娯楽作品として楽しめました。 一つの事件を複数の時間軸で再構成してみせるやり方は秀逸です。 時間が戻りながらも少しづつ物語が進行し、謎が解けてゆくところにカタルシスを覚えました。 退屈はしませんでした。 事件を大統領暗殺(実は誘拐)にしたのは愛嬌でしょう。 ハイライトのカーチェイスシーンは手ぶれカメラの映像を短くつなぎ、臨場感を出していましたね。今後の映画の同シーンのお手本となるでしょう。 大統領を暗殺させて、実は影武者だったというひねりは面白かったです。 難をいえば、犯人側の心理が描かれていないことです。 シークレットサービスとカメラをもった黒人は心に傷をもっており、それがストーリーに上手に取り込まれていました。 しかし、犯人側は何を描かれてもおらず、誘拐の目的さえも不明のままです。 シークレットサービスの一人が仲間なので、計画は最初から成功したようなものだったはずですが。 どうしてリモート銃で暗殺したり、広場を爆発させたのでしょうか? ホテルの中で自爆テロする必要もないでしょう。 それに肝心の誘拐実行犯が、特殊工作員の一人だけというのにも無理があります。 しかもこの人は弟を人質に取られて、脅迫されて仕方なくやっているのですから、本来ならうまくゆくはずがありません。 そして最後の場面で、市長のボディーガードを射殺しますが、これも意味不明です。 そんなことをして弟が無事で済むはずがありません。 逃走が失敗するのが、大統領の反撃と交通事故というのもマイナスポイントです。 もうちょっと知的なところを見せて欲しいです。 それから最初のシーケンスはテレビクルーでしたが、その後彼らは物語にからみません。 そりゃあないでしょ。もったいない。 もう少しシナリオをひねれば名作になりえた作品と思います。 [映画館(字幕)] 8点(2008-04-04 20:16:59)(良:1票) 《改行有》

204.  17歳のカルテ 《ネタバレ》 自殺未遂をして精神病院に入院した少女が回復して社会復帰を果たす物語。硝子の心を持つ少女スザンナは、昔気質の両親になじめず、家に居づらい。複数の男性と体を重ねるが愛情はない。高校卒業後して無為に過ごすが、幻覚を見、時間感覚があやふやとなり、猛烈な不安に駆られて自殺を図る。精神病院に入院させられるが、自覚症状はない。監視、薬、規則で患者を管理しようとする病院に反発を覚え、医者に食ってかかり、看護婦に悪口を吐く。そんな中、他の患者達と連帯感が生まれ、友情も芽生える。特に主導者的存在のリサに惹かれていく。彼女は、本音で語り、医者を無能呼ばわりし、薬も飲まず、夜中に診察室に忍び込んで診療録を見るなど、自由奔放に振る舞っていた。ある日、リサの誘いで病院を脱出し、退院したデイジーの共同住宅に泊る。リサはデイジーが近親相姦していることを見抜き、容赦なくなじる。翌朝デイジーが自殺する。リサに疑問を持ったスザンナは病院に戻る。自分と向き合い、今まで治療努力をしてこなかったことを後悔し、前向きに取り組むようになる。リサが戻り、スザンナの日記の同僚批評を非難するが、スザンナはリサの心が空っぽであることを見抜いており、「あなたは既に死んでいる」と痛烈な言葉を浴びせる。退院する前にリサを見舞うと、リサは「私は死んでいない」と答え、二人は歩み寄る。スザンナが無気力に陥り、自立できなかったのは、自分と向き合わなかったからだ。自分の人生がうまくいかないのを、家族や友人や社会や時代の所為にして目をそむけてきた。病院で友達が出来たことで心に余裕が生まれたのが上昇の契機とある。リサを尊敬していたが、彼女の心が空虚であることを知り、彼女の行動のほとんどは虚勢であり、オズの魔法使いの正体と同じだと悟る。リサの中に自分の姿を見て、反面教師としたのだ。閉じこもっていては駄目で、世間を折り合いをつけて生きていくために、成長し、強くならねばならない。映画化が困難な精神病を題材にした点は評価できる。原作者の体験談なので真実味があるが、全ての人に当てはまるわけではない。前半、時間軸を交差させたり、リサと対決した地下の場面を冒頭部に持って来たりと、技巧を凝らしている。映画では自殺未遂は高卒後のことだが、原作では17歳。なので邦題の「17歳のカルテ」は正しい。スザンナとリサを演じる女優が十代に見えないのが難。[DVD(字幕)] 7点(2015-02-07 20:45:08)

205.  噂の女 《ネタバレ》 売春防止法が施行される以前の京都の色街の老舗置屋を舞台に、三つの視点から描かれる。 芸者が芸と売春で接待するという伝統的風俗の楽屋裏と、そこで働く女性の厳しい現実。一人の男性を母と娘で争う骨肉の愛憎劇。実家が置屋であることが原因で結婚が破談となり自殺未遂までした娘が、実家に帰り、母と置屋商売に理解を示して再出発する物語。 女将は密かに若い医者と情誼を通じており、金を出して開業させてやりたいとまで思っている。医者は女将の好意に甘えて交際してきたが、女将の娘が帰ってくると、娘に乗り換えてしまう。女将は娘に嫉妬するが、そのとき、狂言の舞台では、老いらくの恋を揶揄した「枕物狂」が演じられていた。道具立てが凝っている。娘が、母と医者の関係を知り、ひと騒動起るが、結局、医者の底が割れて二人は別れる。この愛憎劇が最大の山場と思うが、割とあっさりと描かれ、精彩を欠く。母にしろ娘にしろ、本当の男のことが好きだったのか疑問が残る。情念が感じられないのだ。どうも用意した素材を活かしきれていないように思える。芸者の一人が病気になるが、これもあっさりと死んでしまう。最大の悲劇なのに涙を流す暇もない。逃げた芸者が戻ってくるが、逃げ出した理由などもよく解らない。死んだ芸者の妹が、父の病気と貧困を理由にここで働かせて欲しいと申し出るが、返事は保留されたまま終る。人物の心の深層にまでは立ち入らない姿勢を貫いている。娘が若女将になるという暗示で、希望を持たせて終るが、娘が女将を継ぐと決めたわけではない。全てにおいて、明瞭に描くのを避けているようだ。善悪、正邪、理非、白黒がはっきり決められないのが人間である。女将は世間慣れしているが、医者に対しては愚かである。娘は学があり賢いが、男性には経験不足である。医者は外面は良いが、利己的である。そこが人間の面白さであり魅力である。そういう生の人間を描くのに、置屋はうってつけである。監督は、賢者にも聖人にもなれない人間が愛おしくてたまらないのだろう。あいまいさを残すのが日本流だ。日本映画の真髄を見た気がする。[DVD(邦画)] 7点(2015-02-07 03:07:28)《改行有》

206.  華麗なる激情 《ネタバレ》 教皇ユリウス2世が、彫刻家ミケランジェロにシスティナ礼拝堂の天井画の作成を命じる。ミケランジェロは不得意な絵画の仕事に難色を示し、辞退するが認められない。いがみあう二人。一度は逃げ出したミケランジェロだったが、新たな芸術上の着想を得て復帰し、金銭問題や過労による体調不良等様々な葛藤を抱えながらも執念で困難を克服し、四年の歳月をかけて遂に天井画を完成させた。そのとき、教皇ユリウス2世は戦争による負傷で病床にあったが、二人の間には奇妙な友情が芽生えていた。 絵画を仕上げる話なので、比較的淡々と物語は進む。ミケランジェロの生涯を描くのでもなく、彼の芸術家としての内面に迫るものでもなく、当時のフレスコ絵画の技術を紹介するのでもない。つまり後世に残る偉大な芸術家ミケランジェロに触れた気はしない。絵のの描かれる過程をもっと詳細に見せてくれればと思った。人類史上の傑作が生まれる瞬間を追体験できるようなものであれば感激したと思う。 それでも、教皇をとても人間味ある人物とし、戦争の場面もあり、恋仲であるミディチ家の女も登場し、建築家ブラマンテとの対立、好敵手ラファエロとの交流などを描き、随所に飽きさせない工夫はされている。冒頭10分ほどかけてミケランジェロの作品を紹介している。ミケランジェロ入門には打ってつけの作品である。[DVD(字幕)] 7点(2015-02-06 21:37:31)《改行有》

207.  プンサンケ 《ネタバレ》 朝鮮民族の南北分断の悲劇を題材にした作品で、脚本と製作総指揮はキム・ギドクだ。 プンサンケは離散家族の為に命懸けで、軍事境界線を越えて物や人を届ける運び屋で、その正体は誰も知らない。ある日、南に亡命した北朝鮮高官キムの愛人イノクを北から運んだことから、南北政治がらみの予期せぬ危難に巻き込まれていく。韓国情報局、北の工作員、それぞれの組織から拘束され、拷問を受け、無理な命令をされたりと惨憺たる目に遭う。漸く難を逃れたが、移送途中で情を通じたイノクが殺されたことから、両組織に復讐を誓う。彼らを次々と拉致しては密室に閉じ込め、殺し合いをさせるのだ。それ以後も彼は運び屋を続けていたが、とうとう柵越えに失敗して、銃殺されてしまう。彼が最後に見たものは、軍事境界線上の空を自由に飛びかう鳥たちの姿だった。格闘、暴力場面が多く、全体を通じて心理緊張劇だが、イノクを運ぶ場面は恋愛喜劇、キムがプンサンケに嫉妬する場面は感傷通俗劇、両組織の密室場面は諧謔の要素が入る。全体に統一が取れてないのだ。前半の流れは完全に恋愛劇だが、途中で女主人公が死んでしまい、後半は別の物語となる。観客の期待を裏切る、意表を突いた展開だ。斬新ととるか、不合理ととるか、意見の分かれるところだろう。 これは人間の極限の姿を追求するキム・ギドクの“孤高”の脚本を、監督が一般受けするように改変したためと思われる。興行的成功を焦るあまり、様々な要素を詰め込んでしまったのだろう。良い素材を生かしきれておらず、南北分断の悲劇が薄められてしまった。 運び屋のプンサンケに同情する心優しいイノク、常に暗殺に怯え、猜疑心を強くしていく元高官、北への忠誠を口にしながら南の豊かさに抗しきれない工作員など、人間の機微が描けていて味わい深い。 不満な点。ソウルとピョンヤンは距離200㎞あり、3時間での往復は車でも難しい。ましてや自転車とバイクでは無理だ。プンサンケとイノクが水に浸かるが、服の乾き方が早すぎる。元高官の嫉妬があまりにも子供じみている。「キスか人工呼吸か」では、苦笑せざるをえない。その元高官に超人のプンサンケが不覚を取るのは面白くない。最後に主人公が軍事境界線をどうして昼に渡ろうとしたのか謎である。尚開始4:17でオダギリジョーが人民軍兵士としてカメオ出演している。[DVD(字幕)] 7点(2015-02-05 13:32:06)《改行有》

208.  キング・コーン 世界を作る魔法の一粒 《ネタバレ》 この映画の作られた時と現代では状況が変わってきている。 映画では、トウモロコシ全体の55%が飼料、32%が輸出、12%がコーンシロップ他の構成となっているが、現代では30%がバイオマスエタノールの原料となっている。ちなみに日本では、コーンシロップはJAS法により、「果糖、液糖、ブドウ糖」などと明記されているので注意が必要だ。 映画の舞台となっているアイオワ、イリノイ州などのコーンベルト地帯は、2012年以来、地球温暖化によるものと思われる旱魃にみまわれていて農家は大打撃を受けている。コーンベルト地帯は北上中だ。 テキサス、オクラホマ、ニューメキシコ、コロラド州などの米国の6分の1の面積を占める“世界の穀倉地帯”グレートプレーンズは、オガララ帯水層の地下水を用いた灌漑によって大規模農業を発達させてきたが、この地下水源は50年以内に消滅するといわれている。従って「安くてありあまる食糧」は砂上の楼閣に過ぎない。 アメリカは自国の農業と食品業界の利潤のみを考えて政策を行っている。 1994年に北米自由貿易協定(NAFTA)を結んだメキシコでは、主食であるトウモロコシが安価な米国産の輸入によって農家が壊滅状態となり、大量の難民となって米国に押し寄せた。安価な食料の輸出は、輸入国にとって喜ばしいことばかりではない。農家を疲弊させ、食糧自給率を低下させる。高カロリー食品は健康被害をもたらす。遺伝子組み換えで戦前の10倍の収穫量を達成できるようになったが、栄養価が少なく、代謝にも悪く、カロリーも少なく、食としての価値は「カスだ」。マクドナルドで売っている食品のほとんどはコーンから出来ていると知ることができるだけでも観る価値はある。[DVD(字幕)] 7点(2015-02-04 17:20:20)《改行有》

209.  ニューオーリンズ 《ネタバレ》 初めてジャズのレコードが作成された1917年をジャズ元年とし、ジャズがニューオーリンズで発生し、やがて全米中に浸透していく様子を描く。実録ではなく、登場人物は架空で、完全な創作物語だ。ただ架空といってもルイ・アームストロング、ビリー・ホリディ、ウディ・ハーマンらが本人役で登場しているのだからややこしい。ジャズの語源は「Jass It Up」としている。Jassは性交を意味する俗語だ。それまではラグタイムとかブルースと呼ばれ、黒人の卑俗な音楽とされ、白人からは忌避されていた。 ジャズ物語なのに主人公は白人のカジノ経営者のニックとオペラ歌手のミラリーで、とってつけたような恋愛を演じる。黒人が主人公では興行が危ういと考えたのだろうか。製作当時の複雑な事情を想像させられる。 ニックの店の地下のバーでは毎夜ラグタイムが演奏されていたが、そこを訪れたミラリーが聞きなれない音楽とニックを気に入る。二人は恋に落ちるが、ある交通事故の責任を取らされニックは町を追放される。町を出る時、ニックはミラニーの将来を思い、わざと嫌われる行為をし、彼女は失意のうちにヨーロッパに旅立つ。ニックはシカゴで音楽専門の店を出し、サッチモらの活躍で大成功する。やがてジャズと名付けられたその音楽は浸透していき、ヒットチャートを賑わし、白人の楽団も出来て、全米を席捲するまでになる。ヨーロッパから凱旋帰国を果たしたミラリーの演奏会で二人は再会し、最後の演目はオーケストラとジャズのビックバンドの共演によるジャズ演奏となって大団円を迎える。ところがビッグバンドは全員白人で、サッチモやビリーは登場しない。これは黒人差別法が存在した時代、同じステージで白人と黒人が共演するのは禁忌だったからだ。中途半端は否めないが、声がまだかすれていない、若きビリー・ホリディーが観れるだけでも儲けものだろう。彼女の唯一の主演作である。[DVD(字幕)] 7点(2015-02-01 18:12:58)《改行有》

210.  戦場のメリークリスマス 《ネタバレ》 奇妙な味わいの映画だ。捕虜体験者で原作者の分身たるロレンスよりも、セリアズの心理描写に重きが置かれている。彼は障害者の弟を学校のいじめから守ってやれずに見棄てたという罪悪感に苦しんでいた。美しい声を持つ弟は歌を唄わなくなってしまった。それで結婚もせず、戦争が始まると志願し、積極的に危険な任務に身を投じてきた。一方、所長の与野井も同志と誓った226事件の蹶起に参加できず、仲間を裏切ったという負い目に苛まれていた。主義も主張も立場も文化も違うが、共に心の暗渠を持ち、死に場所を求めていた二人が戦場で邂逅した時、やがて惹かれあうのは当然のことだった。魅かれあうのにもう一つ男色という要素もある。共に美青年なのだ。映画冒頭に発生する朝鮮人軍属の男色騒動がそれを示唆している。 俘虜が与野井に殺されそうになったとき、セリアズは彼に接吻して錯乱させ、結果的に俘虜を救った。セリアズは弟は救えなかったが、俘虜を救えたことに満悦し、夢の中で弟の歌を聞きつつ、矜持のうちに死んでいった。与野井はセリアズへの愛憐に堪えず、密かに形見として髪を持ち帰る。そんな与野井も戦後、処刑場の露と消える運命だった。 原軍曹は蒙昧で粗暴な男だが、諧謔を解し、どこか憎めないところがある。自らをサンタクロースになぞらえ、窮地のロレンスとセリアズを救ったことがあった。戦後、戦犯となり、明日処刑という日、ロレンスが訪ねて来た。「あなたは犠牲者だ」と慰めるロレンスに原は、「あのクリスマスのことを覚えているか?」と尋ね、「メリークリスマス、ミスター・ロレンス」と笑顔で言った。彼は訴追に対する弁解は一切せず、苛酷な運命を受忍した。ロレンスは原の死を超越した、凛とした人間性に感動を覚える。軍人としての皮を剥けば、人間味あふれる人物なのだ。戦争がなければ良き友人であったものを。 戦場で憎しみ合う敵同士でありながら、原とローレンスの間に芽生えた友情こそが奇跡なのだ。セリアズと与野井の敵同士で交した接吻こそが奇跡なのだ。それが人間の本来の美しい姿なのだ。神様のくれた奇跡、それが戦場のメリークリスマスだ。戦闘場面を一切描かずに、戦争の愚かさと人間の尊厳と愛と死を審美的に謳いあげた小粋な作品である。演技に難があるのが残念。[映画館(邦画)] 7点(2015-01-30 03:46:40)(良:2票) 《改行有》

211.  幕末残酷物語 《ネタバレ》 田舎から上京した柔弱な郷士青年・江波三郎が、新選組にあこがれて入隊するも、苛烈な規律で隊士を統率し、違反者は容赦なく殺戮するという恐怖の支配する閉塞的組織の中で徐々に人間性を失っていく様子を描く物語。と、視聴中思って疑わなかった。血を見ただけで卒倒していた江波が自ら切腹の介錯を申し出るようになり、又女中さととの恋愛も悲恋に終り、悲劇を盛り上げるものと信じていた。しかし最後に思わぬどんでん返しがあった。江波は近藤派に殺された、新選組初代隊長・芹沢鴨の甥で、復讐を誓って新撰組にもぐりこんだのだ。しかも坂本龍馬の海援隊の間諜でもあった。こうなると話が違ってくる。現実主義的手法で殺戮を繰り返す侍達の人間性を冷徹に描く筈が、単なる復讐譚に堕してしまうのだ。物語の軸がぶれており、失望感がぬぐえきれない。 新撰組の鉄の掟に辟易しながらも、心情的に近藤から離れられない沖田総司の葛藤の描写も全くの無駄に終る。沖田は江波のまだ汚れていない純粋な精神を見込んで新撰組に入れたのだ。だから江波の変化を意外に思うし、新選組の暗黒史である芹沢鴨暗殺の秘密も洩らす。その辺りの両者の微妙な心情変化もよく描けていた。結局のところ、江波の正体が間諜で近藤を狙う刺客であるという設定が全てを台無しにした。近藤を狙う機会はいくらもあったのに、何もしなかったという矛盾もある。舞台のほとんどが新撰組の屯所の中だけなのも不満だ。不逞浪人を取り締まる外でこそ新撰組の面目躍如があるからだ。途中までは非常に良いのに最後でしくじった作品である。白塗りのない大川橋蔵が見れる貴重な作品だが、興行面では失敗だったとのこと。[DVD(邦画)] 7点(2014-12-13 01:50:01)《改行有》

212.  ペテン師とサギ師/だまされてリビエラ 《ネタバレ》 ローレンスは、洗練された態度と物腰で壮大な物語を創りあげ、富豪有閑婦人から巧みに大金を巻き上げる大物詐欺師。フレディは、さもしくも女性の同情を引いて小銭を巻き上げる小物詐欺師。二人は南仏のリビエラで縄張をめぐって対立し、どちらが先に目標の女性を騙すか勝負し、負けた方が去るという取り決めをする。目標になったのは歯磨き会社令嬢のジャネットだった。 二人が出会って、諸事あって、いつしか師弟関係となるが、実はそれはローレンスがフレディを追い払う作戦だった。この一連の導入部の進展が絶妙だ。二人は最初から最後まで争っていることになる。だから緊迫感が持続し、笑いも絶えない。 内容は、詐欺師同士の騙し合いで取り立てて目新しいことはないが、最後の二つの仕掛けだけは新鮮だった。 一つは、登場する女性は単純で、騙されやすいこと。これが観客を誤誘導し、実はジャネットは詐欺師だったというどんでん返しに観客があっと驚くと仕掛けになっている。もう一つは、去ったジャネットが帰ってくること。そして三人が手を組むことになる。騙されたままでは後味が悪いが、戻ってきて仲間になるのなら、鑑賞後感が爽やかだ。これがこの映画が愛される理由だろう。ローレンスの渋い演技と、フレディの大袈裟な演技との対比も見逃せない。良質の喜劇だ。[DVD(字幕)] 7点(2014-12-08 21:27:42)《改行有》

213.  大人は判ってくれない 《ネタバレ》 愛情を渇望する十二歳の少年が非行に走り、両親の愛を失うという喪失の物語。 少年は一人っ子で、両親は共働き。母親は子を産みたくなかったが、産んで祖母に預けていた。父親は継父。夫婦仲は悪く、少年はしばしば二人の諍いを聞きながら眠りにつく。 書くことは他者との重要な伝達手段だが、少年はこの能力に欠けている。試験の場面から物語が始まる。少年は成績が悪い。運悪く廻って来たグラビアが先生に見つかり、立たされる。その不平を壁に書くと、文法がでたらめとなじられる。文法の宿題ができなかったので、学校をずる休みすると、それがばれて父親から大喝される。母親から作文の成績が良ければ小遣をあげると言われて気張るが、文豪の文章を剽窃してしまい、先生から批判され、これが家出の契機となる。食うためにタイプライターを盗んで少年鑑別所送りとなる。父親に酷い手紙を書いて愛想を尽かされ、遂に母親からも見捨てられる。 孤立無援となった少年は鑑別所を脱走する。少年は家庭や学校では居場所が無く存在感が薄いが、外では生き生きとしている。向った先は母なる海。そこには建物でごった返した都会と違い、自由に開かれた茫漠たる空間がある。自由にあこがれて海に辿りついた少年だが、同時に母親の愛も渇望している。「母が死んだ」という嘘は、母への愛情の裏返しだ。タイプライターを盗みに入ったのは父親の会社で、これは無意識にわざと捕まって問題を顕現化させ、両親との関係を修復しよういう心理が隠されている。 海に出たものの自由は扱いづらいく、手に余り、途方に暮れるしかない。まだまだ親の庇護を必要とする年齢だ。やがて目線は写真機の先にある観客に向けられる。観客は、少年と子供の頃の自分とが重なり、動悸が激しくなるのである。 本作での母親の愛情は「条件付き」だ。「云う事を聞けば」「成績がよければ」愛するのである。それでは本当に愛していることにはならない。少年は母親を嫌悪しているのではなく、よい子になりたいと願うし、不倫にも寛大で、性的魅力も感じている。少年が中年女の出産談を聞いて気分が悪くなるのは、自分の出生に負い目を感じているからだ。自分が生まれて母親を不幸にしたいう罪悪感がある。複雑なのだ。そんな思春期の少年の複雑な心の揺れをみずみずしい感性で描いた作品である。少年は完全に孤独ではなく、無二の親友ルネがいるのが救いだ。[DVD(字幕)] 7点(2014-12-08 16:38:18)(良:1票) 《改行有》

214.  アギーレ/神の怒り 《ネタバレ》 1560年、桶狭間の戦に勝利した織田信長は天下布武の第一歩を踏み出した。同じ年、スペイン探検隊の分遣隊副将アギーレがアンデス黄金郷探索の旅に出た。そのアギーレの物語。熱帯の密林を粗放な筏で縫う川下りは危難を極め、出発早々筏の一つが渦に巻かれ滞留してしまう。隊長は救出を命じるが、筏の隊員達は何者かに銃殺される。隊長が死体の回収を命じると筏は大砲で粉砕される。すべてアギーレの仕業だ。隊長が徒歩での撤退を決めると、アギーレは反逆して隊長を撃ち、隊を掌握して筏で黄金郷を目指す。しかし、この野望に満ちた遠征は浅慮無謀であった。筏を阻む大自然、堪えがたい暑さ、見えない先住民からの散発的な攻撃、首狩り族の恐怖、食糧不足、仲間割れ等で徐々に自壊してゆく。修道士は長いものに巻かれろで面従腹背を決め込む。処刑された隊長の愛人は首狩り族の潜む密林に姿を消す。貴族の身分故に皇帝に指名された男は、川が大きく蛇行する度に領土宣言し、既に領土はスペインの六倍に達したと悦に入る。その姿は滑稽で、食糧を独占していた為、何者かに扼殺される。娘は死に、残りの隊員は熱病に斃れる。それでもアギーレは屈しない。「俺は神の怒り。神話のように娘と結婚し、この地上に比類のない純潔の王朝を築く」と嘯く。冒頭、大俯瞰で山脈を越えるスペイン探検隊を捉えた神の視点は、最後、たった一人になった筏上のアギーレを回転して映し出す。終始、鷹揚に身を反らせ、鋭い眼光で周囲を圧する主役の演技は圧巻だ。ここにはスペインによる中南米大陸文明消滅、帝国植民地主義、奴隷制度等に対する批判は無い。ただ熱病にように己の野望に向って突き進む、鋼の意志を持った男を描く。彼に常識は通じない。全てを失っても絶望せず、猶、前進を続ける。彼にとって樹上の船は決して幻ではない。彼を“欲望で身を滅ぼした狂人”と断じるのは容易いが、本作の主題は逆で、むしろ彼のような人間の賛美なのだ。現代文明では必要とされないが、過去において、人知を超えた、神のような強力な意志を持つことの出来た人間が前人未到の大自然を切り拓いてきたのかもしれない。数万年前、アリューシャン海峡を越えて米大陸に到達したモンゴロイドのように。そこでアギーレと信長の姿が重なる。勝てば覇者、敗れれば狂人、紙一重だ。巨大な野望である「神の怒り」は人間を人間足らしめた原動力だったのかもしれない。[DVD(字幕)] 7点(2014-12-07 20:24:31)

215.  つぐない 《ネタバレ》 子供時代の思い込みによるふとした発言や行いが不測の事態を招き、取り返しのつかない不幸をもたらすことがある。後にそれに気づいたとき、どうやって贖罪すればよいのか。贖罪すべき相手が他界していたら、どう心の整理をつければよいか。そういうことに焦点を当てた映画だ。ブライオニー(B)は姉とその幼友達ロビーとの関係を勘違いしていた。相思相愛なのに、一方的にロビーが姉に横恋慕していると思い込んだ。そこで従兄ローラの強姦未遂事件の犯人をロビーであると証言し、ロビーが姉に宛てた卑猥な手紙を提出する。その背景には、Bの初恋相手がロビーで、彼にふられたことが影響している。ロビーは逮捕、投獄され、四年後に兵役志願して戦死する。姉も後を追うように爆撃関連死する。作家になったBは真実を自伝小説にするが、贖罪の気持ちを込めて、死なずに幸せになった二人の姿を書き込んだ。せめて物語の上だけでも幸せになった二人の姿を残したかったのだ。 次々と視点と目先が変るので集中力を強いられる。Oから見た姉とロビー、真実の姉とロビーの姿、ロビーの悲惨な戦場体験、看護婦になったOの悔恨、数十年後の作家となったOのインタビュー。ロビーの牢獄場面を省略して、いきなり戦場にいるので唐突感は免れない。気になる点がある。強姦事件の時、ロビーは家出した双子を連れて帰ってきた。アリバイがあるのにどうして逮捕されたのか。少女の曖昧な証言だけで有罪になるとは思えない。Oはローラとポールの結婚を知って、強姦犯人がポールだったと知る。ところがOは、それ以前に罪を後悔してい看護婦となり、姉に謝罪の手紙を送っている。犯人がロビーでないと、どうやって知ったのか。強姦されたローラがポールと結婚するのも不自然な成り行きといえよう。和姦だったとして、皆が心配してローラの弟の双子を探している最中に、庭で秘め事をするだろうか。証言を撤回して、ロビーの名誉は回復されたのだろうか。 陰影と色彩に富んだ映像の美しさは特筆すべきものがある。修復されないOと姉とロビーの関係が「壊れた花瓶」で象徴されている。ダイナモ作戦の長尺の映像は素晴らしいが、映画の本質とは別である。インタビューでOが心から悔いているように見えないのも短所だ。涙ひとつ見せない。Oを成功した作家としているところも物語にそぐわない。不幸な人生の方が主題に似つかわしい。[DVD(字幕)] 7点(2014-12-05 15:42:44)《改行有》

216.  戦場からの脱出 《ネタバレ》 ベトナム戦争時、ラオスに不時着して捕虜になった爆撃機操縦士が、収容所を脱走して、密林で辛酸を舐めながら奇跡的に帰還を果たす物語。一筋縄ではいかない、どこか奇妙な味わいの映画だ。捕虜となったディーターは虐待を受けるが、さほど凄惨ではない。収容所で仲間と出会ってから奇妙な雰囲気が漂い始める。滑稽味が加わるのだ。妄想に取りつかれ、間もなく開放されると主張し、脱走に反対するジーン。毎夜、寝便をするドウェイン。いつもらりっているようで、真剣さが伺えない。ディーターも変った人物で、薄ら笑いが多く、楽観主義で、妙に明るいのだ。家族や婚約者の話はほどんどせず、いかに自分が飛行機が好きになったか、飛行機のどこが素晴らしいかという話を恍惚の表情で長々とする。飛行機に憑りつかれた男だ。説明不足の部分もある。脱走決行の日、二つのグループに別れて看守を急襲する計画だったのに、ジーンらのグループが現れないのだ。ディーターとドウェインだけで看守を片付け、脱走するとジーン等が待っていた。どう調達したのか知らないが靴を履いて。話が噛みあわないまま、早々に別れて、それっきりジーン等は登場しない。後半は密林での逃避行となるが、ここからは生存をかけた悲壮な展開となる。ドウェインは遭遇した村人に殺され、ディーターは飢餓に苦しんで蛇を生で食べたり、味方のヘリから機銃掃射を受けたりする。ようやくヘリに救助され、基地に帰還を果たし、英雄として迎えられるが、そこで終らない。ディーターは秘密任務についていたとして、身柄は情報局に預けられ、毎日尋問責めにあう。それに同情した同僚が彼を情報局から連れ出し、仲間達の元へ連れ帰る。一見痛快のようだが、詳細が不明なのでどう反応してよいか分らない。映画の視点が動くのだ。主人公の精神力の強さは伝わるものの、反戦の声明は伝わらない。ベトナム人の描き方も画一的で尊重されていない。短所を端的に言えば、主人公が英雄として描かれていないことだ。奇妙な人間が、偶然に助けられて捕虜収容所から生還を果たしたという話で終っている。人物の掘り下げや反戦思想は盛り込まれていない。英雄を英雄らしく描くのが王道だが、監督には別の狙いがあったのだろう。それが伝わらず、米国での興行成績は惨敗し、日本では公開されなかった。渾身の演技は見応えがあった。力量ある監督だけに残念である。[DVD(字幕)] 7点(2014-12-04 02:03:20)

217.  プレステージ(2006) 《ネタバレ》 アンジャーとボーデンという二人の手品師が不幸な出来事から不和となり、お互いに敵愾心を燃やして、妨害や盗みをして相手に打ち勝とうとする物語。主に瞬間移動術について争う。 最後のおちにはがっかりさせられたが、手品好きには面白い作品だった。時間軸をばらして再構築して見せる手腕は洗練されており、ねたの興味で、最後まで期待感、緊張感が持続した。おちの伏線はあちこちに張り巡らされており、再見すれば綿密に練られた脚本ということが分かるだろう。 映画はいくらでも編集が利くので、手品は画面切替なしで見せないと真実味が出ない。それが判っていながら拘泥しないのは、監督に手品に対する愛情が所為だろう。役者の技術も素人の域を出ない。 籠の鳥消失術は一世を風靡した手品で、実際に鳥を圧死させていたが、後に改良された。これは映画の通り。中国の老奇術師チャン・リン・スーが登場するが、実在の人物で、弾丸受け止め術で命を落としたことで有名だ。実際は中国人に扮したアメリカ人で、テスラ・コイルが発明された頃にはまだ二十代の若者だった。この改変の意図は不明。 テスラ・コイルは現在でも不明な部分があり、似非科学でよく言及される。だから採用したのだろうが、“人間消失”ならともかくも、”人間複製”は許容値を超える。まして、複製人間を殺すなどは言語同断である。殺す理由は皆無で、二人で協力して瞬間移動術を演じればよい。もっともその前に、普通の人ならせっせと金貨などを複製すると思うが。双子おちは安意過ぎる。すぐにばれてしまう。エジソンの手下が登場する。テスラはエジソンの元で働いていたが、金銭と直流・交流議論で関係がこじれた。エジソンはテスラ潰しの為に誹謗中傷や非人道的行為をくり返して攻撃している。テスラの実験屋敷の警戒が厳重なのもその為で、最後は爆発したようになっていたが、エジソンの手下の仕業だった可能性がある。 目立たないが、アンジャーからボーデンに乗り換えた女もひどい。 尚、イギリスの裁判では、裁判官や検事、弁護士はかつらを正装として着用する。古来、虱対策で短髪にしていたことに由来する。[DVD(字幕)] 7点(2014-12-02 02:13:19)(良:1票) 《改行有》

218.  デジャヴ(2006) 《ネタバレ》 爆発物捜査官のダグは、クレアの死体て何かを感じた。それは彼女に惚れたのではなく、彼が一度タイムトラベル(TT)して彼女と会った既視感からくるものだ。FBIで、監視装置“スノウホワイト”の映像を見せられ、「複数の衛星情報を解析合成したもので、膨大な情報処理に四日間を要するため、常に四日前の映像しか見れない」と説明される。が、疑念をもった彼がモニターのクレアにレーザーポインターを当てるとクレアが反応した。実は空間を折りたたんで時空の二点を繋げた“時空窓”で、出力を上げれば物質も送れる。彼は過去の自分に手紙を送るが、誤まって同僚のラリーの手に渡り、結果、彼は殺され、クレアも巻き込まれる。ダグは、携帯時空窓ゴーグル・リグを使って四日前の犯人の行方を追い、隠れ家を発見し、犯人は逮捕された。一件落着するが、ダグは自分の所為でクレアが犠牲となったことを悔やみ、二度目のTMをする。犯人を片づけ、大事故を防ぎ、クレアの命も助けるが、自分は爆破死してしまう。本作品では「過去は改変できない」のが前提で、過去に介入する度に分岐した別の世界になる。現代と、一度目のTM、手紙送信、二度目のTMの三つの分岐世界の四つが交錯するのでややこしい。ダグがラリーを救えなかったは、彼の死が四日以上前の過去になってしまったから。厳密にはTTを繰り返せば、スノウホワイト完成の四日前まで過去に遡れる。大事故は防いだものの、別の犠牲者で出ているので爽快さは無い。TTがなくても、事故は防げる。警察に事故を予告する手紙を出すとか、犯人の心臓に弾丸を送るとか、準備中の爆発物に弾丸を送るとか、方法は多様だ。過去に情報が送れるのなら、過去の人は未来を知ることとなり、相場や競馬、選挙結果等、社会が混乱するだろう。一度目のTTで犯人逮捕に失敗したダグがどうなったか不明。二度目のTTでダグが生き残った場合、携帯電話を鳴らすとどちらの携帯が鳴るのだろうか。冒頭で遺体袋の携帯電話が鳴る場面があるので気になった。犯人が、「私には運命がある。創造者が定めた運命が。それを変えようとする者は滅びる。運命を止めようとするとかえって引き金となる」と言った時、今後どんな展開になるか楽しみだったが、ただの虚勢で終った。大爆発、カーチェイス、銃撃戦と派手な演出で観客を驚かすという安易な姿勢が残念。TT無し、捜査だけで事件解決に導く演出なら良かった。[DVD(字幕)] 7点(2014-12-01 16:22:35)(良:2票)

219.  ありあまるごちそう 《ネタバレ》 食のグローバル化の矛盾点を突いている。農業を大規模灌漑、遺伝組み換え技術等で工業化すれば、低コストで大量の農産物が収穫できる。多少味が落ちようと、多少健康不安を感じようと、安くて見栄えのよいものに飛びつくのが消費者心理だ。地元での消費量を越えた余剰農産物は、遠くに運ばれて、さらに輸出される。運ばれた先の土地では、安い農産物が大量に入ってくるので、農民は作っても売れず、生活が立ち行かなくな。そこでEUでは農家に補助金を出す。農家の収入の三分の二が補助金だ。こうして余剰農産物が大量生産される。余剰農産物は、昔は捨てられていたが、批判を受けて、今では大幅に値下げして、発展途上国等に輸出される。輸入した発展途上国の農業は荒廃の一歩をたどる。対等な国家間では自由に関税がかけれるが、発展途上国は先進国から資金や技術援助を受けているので、関税はかけれず、EUの言いなりだ。生活できなくなった農民は、働き口をEUに求めて、低賃金労働者となる。これがEUの“歪んだ”食のグローバル化が、飢餓と貧困を輸出する仕組みだ。珈琲などの輸出向農産物の価格は、ネスレなどのメジャーが価格を決めてしまうので、生産者の利益は低く抑えられてしまう。従って、末端の労働者は、いつまでも貧しいままだ。本作品では、その一端を見せているに過ぎない。食の輸出入は適度に抑えて、地産地消するのが望ましい。生産競争、輸出競争しだすと、結局、資本のある会社が一人勝ちするのだ。「安い肉を食べれるようになる」ことは一見喜ばしいことだが、その背景には様々な矛盾や問題が存在する。農作物を強引に輸出される国、農作物を強引に低価格で輸出しなければならない国の実状が描けていればもっとよかった。[DVD(字幕)] 7点(2014-11-29 14:35:43)

220.  天使の眼、野獣の街 《ネタバレ》 香港警察の刑事課の監視班に配属になった女警官“子豚”の成長物語。ほとんどが監視・尾行という地味な捜査ながら、きびきびとした場面切替と演出で緊張感を盛り上げており、その手腕は賞賛に値する。主である宝石強盗団の話に、子供誘拐が絡むあたりの脚本は絶妙である。早い時期で誘拐犯を登場させているのは、気が利いている。何度か登場する「小話」も効果的に使われている。緊張ばかりでは疲れるので、その緩和に人情を持ってくるところは脚本の機微であるが、その見せ方に工夫が無く、新鮮味に欠ける。緊張感が弛緩なく持続するため見ている間は飽きないのだが、冷静になって振り返ると、気になる場面がいくつかある。 強盗団の首領のチャンがひと仕事を終えて高跳びしようとする時に、18年間刑務所にいた親分が出所してくる。ひと波乱あると思ったが、何もなかった。肩透かしである。 警察は、チャンの携帯電話と強盗団の手下の携帯電話番号はどうやって知ったのだろうか。 “子豚”がチャンを発見するのが「偶然」なのが興を削ぐ。合理的で科学的な捜査を魅せる映画なのだから、チャン発見は、捜査に裏打ちされた結果であることが自然であり、望ましい。 “子豚”の尾行に気づいたチャンが、“子豚”の席に行き、どうして尾行するのかと詰問するが、これはあり得ないだろう。会話の内容が警察に筒抜けになっているのは容易に想像できるわけで、一刻も早く逃走すべき場面だ。 “子豚”と上司“犬頭”の人情物語が映画の良い味付けになっているが、“犬頭”がチャンに刺されてからの“子豚”の行動が不可解である。人を呼び、救急車を呼んでもらい、素早く緊急止血だけして、すぐにチャンを追えばよいのに、動揺が強く、右往左往している。その前の警察官刺殺事件の轍を踏む失態だ。ここでは“子豚”の成長した姿を見せて、チャンの確保につなげばよい場面だ。 チャンの死に方があまりにもあっけない。ボートで逃走しようとして吊り鈎に首を引っ掻けるという事故死。もう少し華麗な最後にしないと帳尻が合わない。 警察の尾行の方法だが、途中で眼鏡をかけたり、帽子を被ったり、リバースの服を裏返したり等の工夫が全く見られなかった。それくらいの用意はしておくべきではないだろうか。[DVD(字幕)] 7点(2014-11-27 22:47:04)《改行有》

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