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性別 男性
年齢 53歳

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【製作年 : 1960年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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261.  悪名一番勝負 田宮二郎がモメごと起こして出演できなくなりました~。というこの時点で、この『悪名』シリーズも終わってるのね。だから本作、すでに番外編っぽい印象、ついでに脚本・監督にマキノ雅弘が登場、これは我々への大きなプレゼント。田宮二郎の抜けた穴は、ちゃっかり甥の津川雅彦で補ってしまう。そんでもって、すでに殆ど寅さんと化していた本シリーズを、任侠モノ路線に引き戻し(ラストではドスを振り回す朝吉親分)、ついでに数多くの様々な途上人物の悲哀を盛り込んで、市井モノの一面も。しかし、前作までのまるでファミリー路線のようなホノボノした雰囲気を思うと、本作、急に密度の高いムツカシイお話になったわねえ、と(思えば寅さんシリーズってのは初期の一部を除き同一監督で撮り続けられ、あれはあれで実に幸せなシリーズだったよなあ、と)。本作、趣向が変わったのはいいけれど、朝吉親分の影がやや薄い(敵方の密談ばかりが描かれる印象アリ)のがちと残念。いや、それだけに、ひとり倒れふたり倒れた後についに朝吉親分が敵地へ乗り込むクライマックスが盛り上がるのです……ですが、その直前のおりんとの絡みが、ちょっとアッサリし過ぎかな。一番おいしい役は、どう考えても、田村高廣。[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-08-05 23:18:14)

262.  サーカスの世界 物凄く地味なタイトルですが、実は、なぜか、意外に、いやムダに、スペクタクルな映画なのです。冒頭からサーカスの曲芸シーン連発、というより複数の演目が同時並行に演じられててお客さんもどこを観ていいか困るんじゃないか、と思うんですが、要するに沢山の演目、沢山の曲芸師を、映画のカメラに収めたかったんですかね。いつまでも曲芸シーンばかり続けられない。何しろ映画開始30分ほどで、クライマックスに持ってきてもいいような一大スペクタクル、船の転覆シーンが待ってるのだから(大掛かりな割には、地味なスペクタクルシーンかも知れませんが)。ま、そもそも、サーカス団を率いているマット(ジョン・ウェイン)が、欧州興行をうって出る、というストーリーが、ロケしまくります名所を映画に取り入れます、というスペクタクル印の表れ。そんでまあ、すべてを失ったマットが、団員をスカウトしてまたサーカス団を作ろうとしていく中で、かつて「ある事件」をきっかけに別れた女性曲芸師と再会したり、娘同然に可愛がってきたトニ(クラウディア・カルディナーレ。可愛過ぎ)が、マットに憧れてついてきた若者スティーヴ(誰だよこの冴えない男は)といい仲になったり(まったく釣り合わん。マットならずとも怒っちゃいますよ)。で、思わぬ過去が明らかになってゆく。と言っても最初からほとんどミエミエでバレバレな展開、ベタな展開で、非常に安心感のある展開なのですな。それぞれの役者も自分のポジションでノビノビと演じており、工夫が無いと言われればそうかも知れないけれど、このややヌルい安心感、悪くないですな。そしてまた、だからこそ、クライマックスで再び待っているスペクタクル、安心感の無い理不尽なスペクタクルに、手に汗握っちゃう、というのもある。楽しい映画でした。それにしても、これもスペクタクル映画としての意気込みの表れなのか、カット割りを多用しまくり、これがどうもつながりが悪くてギクシャクする(カットが変わると手に持っていたハズの書類が机に置かれていたり)のがえらく気になっちゃう、そこが残念。[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-08-01 09:41:54)

263.  馬上の二人 『捜索者』と同じく、先住民族に誘拐された人々を巡るオハナシで、類似した辛辣さを含んでいる部分もありますが、映画全体の趣きはいくぶん異なってます。そしてこちらも傑作だと思うのです。何かといい加減で調子のよいところのある保安官をジェームズ・スチュアート、彼の友人で、武骨でやや堅物な軍人をリチャード・ウィドマーク。この二人の絶妙なコンビぶりが、まずもって作品にユーモラスな色合いを添えています。二人だけのやりとりの場面では長廻しのカットが適用され、川べりで葉巻をくゆらすシーンが4分弱、リングル氏との会話の後のシーンが2分弱。二人の独特の関係が象徴づけられますが、二人の関係の描写に止まらず、この映画全体のテーマが、「人と人との絆」というところにあるように思われます。登場する数々の脇役たちがみな特徴的に活き活きと描かれ、主人公二人とこれらの人々のやりとり一つ一つがまた、「絆」でもあるのですが、その一方で、これらの人々は、かつて先住民に誘拐された身内を取り戻すこと、「失われた絆」の回復を望んでおり、その任務を主人公二人が請け負うことになります。しかし歳月によって失われてしまった「絆」は、もはやそう簡単に取り戻せるものではない、という厳しい現実。いやそれ以上に、この作品では、過去の「失われた絆」に対比して、「誘拐されていた女性に対する人々の冷たい視線」という、現在進行形の「絆の不在」をこそ、糾弾しているように思えます。そしてとどめを刺すように描かれる、「失われた絆」の象徴としてのオルゴール。そのオルゴールは今、目の前にあり、実は「絆」は失われていないかも知れないのに、人々の不寛容がその目前の「絆」を拒絶する、という現実。ラストではまたユーモアを取り戻した締めくくりとなっており、ホッとさせてくれるのが、本作の本作らしいところ、ではあるのですが、なかなかに手厳しい作品でもあります。[CS・衛星(字幕)] 9点(2013-07-06 09:45:17)

264.  悪名十八番 今回のオハナシは、市会議員に立候補した朝吉親分のお兄さんと、対立候補との戦いを描きます。……って、なんちゅうスケールの小さいオハナシなんでしょうか。せめてせめて“市長”の聴き間違いではないか、と耳を疑ったのですが、“市会議員”、ですってさ。市議選だの、近所の相撲大会だの、そういうレベルで、命を狙ったり狙われたり。大変ですなあ。今回の朝吉親分、親分らしさを発揮することもなく、ただの相撲の強いチンピラオヤジみたいな感じですが、妙に、大食いという部分が強調して描かれており、勝新の見事な食べっぷり(だけ)が本作の見所でもあります。カレーライスをあまりにもおいしそうにガッついていたもんで、本作を観た昨日の晩御飯は我が家もカレーにしました、ハイ。[CS・衛星(邦画)] 4点(2013-06-16 08:46:24)

265.  なにはなくとも全員集合!! むかし年末年始のテレビでよくドリフの映画を放送してて、子供心に、「ドリフって、テレビでは面白いのにどうして映画ではこうもつまんないんだろう」とか思ってた訳です(『正義だ味方だ~』みたいにバカ笑いしたものもありますが)。大抵は途中で観るのをやめちゃったっけか。で、このたびBSで(しかもゴールデンの枠で)ドリフ映画を放送するってんで、こういう映画、今観たらどうなんだろう、と。はい、この映画は観たことなかったです、かつ、子供の頃の自分だったらやっぱり途中で観るのやめちゃったと思います、ドリフ、脇役だもんね。桃屋のオジサン出てるけど(笑)。あまりドタバタの要素も無いし。でも逆に言えば、「ドリフ映画」という縛り抜きで、これはこれで活きのいいコメディ作品として楽しませてくれます(まあ、タバコの取り合いをする長廻しのあたりなどは、コントを意識したサービスかも知れませんが)。鉄道職員とバス会社の対立を超えて愛を実らせる若い二人……って、コレ、元ネタは「ロミオとジュリエット」じゃないですか。志ん朝師匠と中尾ミエですけど(笑)。若いドリフが脇を固めて盛り上げる。それにしても、(ドリフのコントと“映画”との相性が良いかどうかはともかく)高木ブーだけは、テレビよりも、ちゃんと役割を振ってもらえる映画の方が、若干、活き活きしている(ように見える)のでした。[CS・衛星(邦画)] 6点(2013-06-09 09:54:53)

266.  昭和残侠伝 唐獅子牡丹 難点はいろいろあるかも知れないけれど、日本人のメンタリティに完璧なまでにフィットするこういう作品には、やっぱり逆らえませんなあ。健さんが弟分の起こしたトラブルの尻ぬぐいのため、やむなくヒットマンとなり秋山の親分さんを斬ってしまうのだけど、この対決の場面が「お互い納得ずく、正々堂々の戦い」が強調され、ああ健さんは悪くないんだ、と。はたまた出所後の健さんが親分さんの未亡人と息子をサポートするのだけど、自分が斬った張本人だとなかなか言い出せない、これもまあ健さんは口下手だからしょうがないなあ、さらには未亡人役の三田佳子も健さんを弁護してくれるもんで、ああ健さんは悪くないんだ、と。この辺りが娯楽作品の限界、作品の浅さでもあるのでしょうが、そのお陰で誰もが作品を気持ちよく楽しめちゃう、ってのも確か。クライマックスの左右田組への殴り込みのシーン、明らかにイメージは「忠臣蔵」で、サービス満点、しかも討ち入りだけに終わらずに石切り場での死闘になだれ込み、これはもうギャング映画のノリで、サービスし過ぎ。すばらしい。[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-05-26 08:24:27)

267.  忍者秘帖 梟の城 原作は言わずと知れた、司馬遼太郎の直木賞受賞作。これ、“歴史モノ”というよりも“伝奇モノ”と呼びたくなる色合いがあって、何やらもっともらしく歴史上のお馴染みの人物名を織り交ぜつつ、内容的にはやや荒唐無稽とも言える超人的でハードな忍者アクションが展開され、なかなかにアヤシゲな面白さに満ちた作品なのですが(だと個人的に思っているのですが)。で、特にアヤシゲな感じを受けるのが例の“石川五右衛門”のくだり、一瞬ズッコケそうになるけれども、それでも司馬遼太郎が敢えてこのエピソードを入れたのは、歴史の裏で人知れず暗躍し人知れず去って行った名もなき忍者が、ここで突然、その名を知らぬ者無き“石川五右衛門”という名前に置き換わる、というインパクトを狙ったのか。それとも単なる悪乗りか(笑)。さてではこの映画ですが。「忍者秘帖」と銘打っただけのことはあり、また尺も短いため、歴史モノの要素は削ぎ落して(秀吉の人物像も正直、影が薄い)、忍者アクションに特化しています。一瞬とは言えワイヤーアクションまで登場し、妖怪映画みたいです。対決、死闘の描かれ方は、原作のもつ緊迫感に負けず劣らず、なかなかにトンがった演出でアピールしてきますが・・・・・・その結果、バタバタした印象ばかりが残ってしまうことにもなるのですが。[CS・衛星(邦画)] 6点(2013-05-15 22:39:59)

268.  悪名桜 こういうシリーズものを観ておりますと、作り手の側としてはマンネリ路線の中にも多少の変化を、と趣向を凝らしたりするところなのでしょうけれど、観る側にはそれが結構気になる変化だったりもします。このシリーズは、「悪名」と言いながら実際はまるで聖人のようなイイ人、しかも腕っ節は滅法強い、という朝吉親分が、悪を懲らしめるオハナシ。悪を懲らしめると言っても、単なる鉄拳制裁だったりする訳ですね。世の中がよくなったのやらならなかったのやらよく判らなくても、観てる我々はとりあえず溜飲を下げる。とにかく、“任侠界の出来杉クンこと朝吉親分の悪者退治”ですから、いわばここで描かれているのは一種のユートピア。ところが本作、ちょっと感じが違う。まずそもそも、朝吉親分はいきなりカタギの商売人になっている。「八尾の朝吉」という“悪名”も本作ではあまり通じない。親の死に目に逢えなかった悔恨より、とあるチンピラを更生させようとするも、殆ど空振りで救いも無く。ユートピアとしての本シリーズを感じさせないまま、やるせない怒りをぶちまけるように、ヤケクソのように、クライマックスの殴り込みへ突入しますが、それとて、敵役の藤岡豚也じゃなかった琢也に「自分たちを倒してもまた別の連中がのさばるだけ」と捨てゼリフを吐かれてしまう訳で。シリーズ中の異色作と呼ぶほど異色ではありませんが(正直、マンネリですが)、ちょっとひっかかる作品ではあります。[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-04-30 13:31:33)

269.  忍者狩り(1964) 浪人と忍者との戦い、どちらかというと私闘に近い物語ではあるけれどもこのオドロオドロしい雰囲気、まさしく東映の集団抗争モノの一本ということができます。とにかく暗いのです。そして壮絶。近衛十四郎父ちゃんが、城を失い帰属を失った浪人、他藩のためにいわば傭兵として宿敵に挑む浪人の凄まじいばかりの執念を見事に演じてます、顔のクドさにも負けぬくらい濃い役どころで、ハマリ役と言えるのではないでしょうか。他の雇われ浪人とともに、お墨付き書を狙う甲賀忍者の殲滅に挑む、という物語、タイトルは『忍者狩り』だけれども、狩られるのはどちらなのか。忍者の首領は、闇のクランドとかいう、滅法強いメチャクチャ強い謎の人物。“魔人”と言ってよいでしょう。主人公は外様の浪人の立場、味方の理解も協力も乏しい状態で敵と戦わねばならないのだけど、相手はこの恐るべき“魔人”、しかも主人公にとっては個人的な恨みを持つ宿敵でもあるもんだから、主人公の姿勢にも鬼気迫るものがみなぎってくる。そしてついに二人が相まみえるクライマックスの死闘!! 虚無感あふれるラストまで目が離せない、とにかく凄まじい作品です。[CS・衛星(邦画)] 9点(2013-04-12 00:17:25)

270.  赤い影法師 木暮実千代姉のワキ毛が目に眩しい忍者映画。服部半蔵やら柳生十兵衛やら、時代劇超お馴染みキャラ続々登場の中で、「影」として生きる名もなき忍者母子の生き様が描かれます(しかしその母子に「名もなき行きずりの男」呼ばわりされてしまう服部半蔵。直後に写る近衛十四郎の珍妙な表情が余りにもナイスで笑っちゃう)。将軍家光の前で行われる剣術の御前試合、これが仰々しく開始される割には、柳生宗矩ら審判役が妙なところで「勝負あり」と試合を早々に止めてしまい、素人目にはわかりにくい達人の世界と言えばそうかも知れないけれど、やや茶番じみた試合。その勝者には将軍よいご褒美の剣が与えられるのだけど、剣を持ちかえる勝者が帰宅途中に何者かに襲われ、剣を折られて切っ先を盗まれる、という怪事件が起こる。犯人は例の「影」の母子。その狙いは? そして母子と、彼らを取り巻く者たち――母子と因縁深き服部半蔵、あるいは「影」との再勝負を望み彼らの跡を追う柳生十兵衛――との運命はいかに? ってなオハナシな訳ですが。「影」として生まれ、類まれな剣の腕を持ちながら表世界では光を浴びることもない忍者の青年が、表世界の剣士たちに戦いを挑んでいくあたり、ワクワクさせるものがありますし、大友柳太朗演じる柳生十兵衛のいかにも浮世離れした感じもいい味出してます(「これが火遁の術かあ」などとひたすら大声で独り言をつぶやく、変なヒト)。「影」の暗い運命を描きつつも、暗さよりは痛快さがまさった娯楽作品となっているのは、やはり筋立ての上手さでしょうか。そしてキャストの豪華さも。[CS・衛星(邦画)] 8点(2013-04-11 23:28:52)

271.  悪名無敵 《ネタバレ》 街で見かけた家出娘を案ずる朝吉と清次が、例によって例のごとくズブズブと首を突っ込んで、ついには売春組織へ戦いを挑む、というオハナシなのですが、奥が浅いのやら深いのやら、どうもつかみどころがないのです。何だか妙なオハナシ。朝吉が二人の女性を組織から逃がす一方で、清次は組織に捕まってしまい、リンチを受ける。ってか、普通なら清次は助からないところ。簀巻きに重しつけられて大阪湾に沈められるところでしょう。ところがその頃、朝吉親分は暢気に温泉につかってたりする。映画は清次の安否などそっちのけで進みますが、それもそのはず、清次は殺されるどころか、組織の一員にちゃっかり収まってたりする。だもんで、ついに朝吉と清次が再会を果たしても、「お互い、よくぞ生きていた」みたいな感動も一切無いんですね。これじゃ何のために清次のリンチシーンを描いたのやら、さっぱりわからない。売春組織に関わる女親分役の藤村志保、朝吉に微妙な感情を示す場面はあるものの、まったくデリカシーの無い朝吉は、大暴れに暴れて組織に制裁を加え、女親分にも制裁を加え、物語を単なる勧善懲悪へと変えてしまいます。これじゃ一体、何のために女親分を「ちょっと訳ありキャラ」に描いて見せたのやら。朝吉の驚くべき単細胞ぶりが、あらゆる物語の伏線を破壊しつくす、身もフタもない変テコな作品でした。うん、確かにコレ、“無敵”には違いない。[CS・衛星(邦画)] 5点(2013-03-21 23:26:12)

272.  星空の用心棒 無実の罪でタイホされ奴隷となっていた(?)ジュリアーノ・ジェンマ扮する主人公が、脱走し、父の敵をうつ。というオハナシ、らしいのだけど、なーんだか行き当たりばったりの展開、基本的に結果オーライ、なもんで、“将軍”でなくともつい「何がしたいんじゃアホ」と言いたくなる。しょーもないところではちゃんと危機を予見して手を打ってたりするんだけど、でも、「後で自分がリンチにあう」ことを予見して、本当にそのまんまリンチにあって、得意そうな顔されても、なあ。主人公が何をしたいのか(一体自分の行動のどこに勝算を感じているのか)よくわからないので、よくわからないままオハナシは進行するけれど、ラストは唐突に大銃撃戦となって、そこそこ盛り上がります。  【2013/3/20追記】明日あたり一部地域でテレビで放送するみたいなので(笑)何となく再見したのですが、この映画、絶対カッチョよいですよね。大胆なロングショットと言い、絞首刑の前の緊迫感からいきなり銃撃戦に流れ込むクライマックスと言い(ジェンマが酒場に飛び込んで敵2人を撃ち倒すシーンのカメラは表彰モノ。遠方の敵を隙間から狙うシーンもシビレます)。なのにこの映画、どうしてもうひとつ盛り上がらないんでしょうね。多分、敵が多すぎるんですね。登場人物、一部を除いて敵ばっかし。あと、父を殺され自らも無実の身で囚われていた、という設定と、その後の主人公の軽すぎる行動とのギャップが、映画の最後まで全く埋まる気配が無い、というのも、ちょっとついていけない点ではあります。ま、とりあえずカッチョ良さには事欠かない映画、6点→7点に変更させていただきました。[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-03-20 11:59:01)

273.  悪名一番 感動的な作品ですよ、これは。今回、朝吉親分と清次のコンビが向うのは、大都会・東京。八尾ではそれなりに知られた存在の朝吉親分も、ここでは完全に田舎者扱い。いや、田舎者以前に、見た目といい、言動といい、時代錯誤も甚だしく、チャラチャラした清次の方がよほど進歩的。都度、朝吉親分にたしなめられる清次、しかし靖国神社でついに二人は決裂。とってつけたように靖国神社の英霊の前で号泣する朝吉親分には、清次ならずともア然とするところ、しかし朝吉はそれが気に食わず、大ゲンカになってしまう。まあ要するに、朝吉親分、都会からも、時代からも、ちょっと“浮いた”存在な訳ですね。それでも自らに忠実に、愚直に突き進む朝吉親分、その一方で清次は清次なりに活動を開始する。清次の活躍が見どころです。で、クライマックス。敵の事務所に監禁された清次の救出のため、殴り込みをかける朝吉とニセ朝吉ニセ清次。すさまじいばかりの格闘シーンが続きます。そして、リンチでズタボロになった顔の清次が、朝吉と言葉を交わす時。どうしてこんなにダサいシーンなのに、感動しちゃうんですかねえ。スバラシイです。[CS・衛星(邦画)] 9点(2013-03-05 20:49:05)

274.  妖星ゴラス これぞ“センス・オブ・ワンダー(笑)”。この映画をどうにかして褒めようというヒトのために存在してくれているような言葉ですね、これは。まさに、なんでもアリアリ、まるで、企画段階で行ったブレイン・ストーミングのメモをそのまんま映画にしちゃったかのような、闇鍋ワールド。あの「隼号」って、宇宙船じゃなくてどう見ても潜水艦ですね。宇宙飛行士っていうより、兵隊さんですね。そういう要素も入れたかったんですね。怪獣も一匹お願いします。大災害もちょっぴりお願いします。等々等々。気合いの入ったセットに気合いの入った特撮、その割に、何だか底が思いっきり抜けてしまっているような作品です。ちょいと残念なのは……「盛り込み過ぎ」の自覚があるのか、映画を何とか段取り良く進めようとして、その結果、せっかくのハチャメチャな内容の割には意外に整然とした、理屈っぽい印象を受けてしまうところなんですけれども……。[CS・衛星(邦画)] 6点(2013-02-17 08:34:19)

275.  マンハッタン無宿 これは『マカロニ王子 ニューヨークへ行く』といった感じの趣向でしょうか。アリゾナからニューヨークにやってきた(前世期から現代にやってきた、と捉えても結構)保安課が、囚人の移送中に取り逃がしてしまう。そこで、右も左もわからぬ大都会を持ち前の厚かましさを武器に(?)囚人の追跡を行う、というオハナシ。実際、妙に説得力のある邦題(意味はワカランが)で、この邦題を考えたヒトはエライと思います。まあ追跡劇として見るとそれなりにお粗末ではありますが(引っ張った割にはアッサリ囚人を発見するしなあ)、そこはそれ、別角度の面白さ。演出の切れ味とか(冒頭のタイトルのバックで繰り広げられる先住民とのやり取り、まさにツカミはOK)、ビリヤード場の対決にバイクチェイスといった体を張ったアクションとか。さらには、サイケ調の大都会の風俗描写、これはもう文明批判と呼ぶ気も起らない、若干の悪意すら感じられもする描き方で、何か知らんが面白ければいいじゃないの、ってな感じ。プログラムピクチャー的な「中身の無さ」が実に素晴らしい、活きの良い映画です。[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-02-10 08:45:26)(良:1票)

276.  殺人者たち 今日も首尾よく“仕事”を成し遂げた殺し屋二人組。しかし、高額の報酬に対してあまりに簡単過ぎた仕事が、腑に落ちない。で、二人は事の真相を暴こうと、関係者のもとへ。物語はほとんど、その際に語られる過去、回想シーンによって進められ、正直、オハナシ自体がさほど面白い訳では無いことは先にお断りしておく必要がありますが、そしてまたいかにも低予算なチープさがあるのも事実ですが(実写流用っぽいカーレースシーン。あとカートのシーンも、味があると言えば味があるが…)、一方で本作の面白さは、「どう撮るか、どう見せるか」、これで人をワクワクさせるところにあります。低予算でも、必要があれば空撮も辞さないし、まずは発端のシーンの盲学校での二人の傍若無人ぶりの描き方がスゴイ。そこから一転して不安になる主人公の姿、というのが、過去を突き止めようとする物語にうまく繋がっていきます。過去の回想シーンと現在のシーンを織り交ぜることで、「過去」の物語の中に、部外者である「現在」の二人組が、闖入していくような奇妙な感覚があり、これはまさに語り口のうまさ。現金強奪シーンの見せ場もさることながら、この映画の「どう撮るか、どう見せるか」を象徴するのが、ラスト近くにおいて倒れたリー・マーヴィンが手前に向けて構えるサイレンサー銃でしょう。3D映像もビックリ、こちらに迫るような銃身の映像にドキリといたします。鮮烈さを残すラストシーンもお見事。あと、レーガン大統領がどれだけ演技ができない誠実なヒトだったかもこの映画で確認できます(?)。[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-02-04 01:37:47)

277.  ダンケルク(1964) 《ネタバレ》 被占領国ならではの戦争映画、ともいうべきシニカルさ。舞台は、ドイツ軍に追われた連合軍が撤退しようとしているダンケルク。戦争映画らしいスペクタクルな要素は、破壊された街、立ち上る黒煙、打ち捨てられた無数の車両、背景に常にうごめく無数の兵士の行進、などに表れていて、いかにも大作らしい風格があるのですが、だからと言って英雄的で派手な戦闘シーンが繰り広げられるようなタイプの作品ではありません。どこからともなく飛んでくる砲弾や、間歇的に襲ってくる戦闘機の銃弾や爆撃の下、兵士たちはただひたすら身をかがめ地面に伏して攻撃がやむのを待つのみ。中には機関銃で撃ち返すヤツもいるけれど、この映画では、戦火を交えるという意味での戦闘は描かれません。攻撃がやめば、兵士たちの目は日常を見る目に戻ります。何しろ被占領国、戦場と民間人の日常が同居している訳ですから。主人公も、大量の味方兵士の死の直後にはもうオネーチャンのところにシケこんだり。日常と死が紙一重。不発弾を悪戯っぽくしかし命がけで処理してみせたり。発見した敵兵士と撃ちあいになることもあれば、味方兵士と殺しあう場面もあったり(ベルモンド自身による階段落ち!)。ユーモアもあり、皮肉にも満ちた、少々ヒネクレた戦争映画なんですが、ここに描かれた非英雄的で等身大の兵士の姿こそ、ホントウの人間の姿であるように感じられ、その対照として戦争のもつ非人間性が浮き彫りになります。[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-02-02 18:17:14)(良:1票)

278.  悪名波止場 歌ありアクションありの人情活劇。一応は任侠シリーズで一応は死人も出ますが、コメディですね、これは。前作のラストシーンからそのまま物語は始まり、要するに、藤田まこと演じるニセ清次(その2)にまつまる騒動なのですが、ニセ清次は早々に退場。彼の妹のために一肌脱ぐ朝吉親分、このあたりはどっちかというと寅さん映画のノリですが、寅さんと違ってさすがは朝吉親分、金の工面のためマジメに肉体労働に励んでおります(任侠シリーズなのに?)。という、寅さんよりさらにカタギになっちゃってる朝吉親分ですが、やはり本分は悪への鉄槌、ラストでは悪党一味にトホホな制裁を加える“ハングマン”と化します(水攻めにあう吉田義夫さんの引きつった顔)。……やっぱりコメディですね、これは。おんな舟のアマゾネス軍団の凶暴さには朝吉&清次もタジタジ。という、時代のバイタリティが感じられる楽しい作品でした。[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-01-28 21:25:19)

279.  十七人の忍者 「十七人」とはちと多く無いですか? 100分の映画なら一人あたり6分しか持ち分が無いですやんか。いえいえ、この数字は、捨て駒として露と消えてゆく忍びの者のはかない命を表しているのです。これがおサムライさんだったら、一人ひとりの存在感も高く、『三匹の侍』あるいは悲壮感が増してくると『七人の侍』『十一人の侍』『十三人の刺客』と人数も増えてくる。忍者はそれ以上に“消耗品”扱いなんですな。「カシラが死ねと言えばいつでも死ぬ、それが掟」。なお、さらに人数が増えると「101匹わんちゃん」とか「2000人の狂人」とかになる訳で、“忍者”の置かれているポジションが数字によく表れていますね。さて本作、いやこれは面白いですよ。密命により、城にある連判状を盗み出す決死の作戦に挑む伊賀忍者隊。片やこれを待ち受ける城の防衛を指揮するのは、根来忍者・才賀。彼の鋭い読み、鉄壁の守りに対し、伊賀忍者たちは仲間の命を犠牲にしながら隙を窺うが……はたして、連判状奪取作戦の行方は、いかに。十七人もいた仲間が次々と命を投げ出していく大胆な消耗戦、ある意味大味な展開の一方で、城への侵入の模様などの“忍術”をディテール豊かに描いて見せる、その対比が面白くてワクワクします。伊賀忍法と根来忍法、勝つのはどちらか。敵の忍者・才賀がえらくキャラ立ちしていて、忍術使いというより妖術使いに見えちゃうのですが、“忍術”とは言っても最後にモノを言うのは、腹の探り合いであり、自分の命すらかえりみないヤセガマンであり。またそれこそ最後に勝敗を左右するのは、人望とか仲間内の結束力とかであったりする訳で、ビジネス指南映画としても最適でしょう…?。[CS・衛星(邦画)] 9点(2013-01-20 08:24:04)(良:1票)

280.  若親分千両肌 池広一夫監督の眠狂四郎最終作も何だか陰気でしたが、若親分最後を飾る本作も、映像的にはちと陰気なところがあります。でも内容は楽しくまとまっておりまして。雷蔵の若親分が、もはや若旦那か若番頭にしか見えないのは、これはもうとやかく言わないことにして、本作の楽しさはやっぱり、長門勇演ずる座長さん、というか、アヤシゲなカラテの達人ですね。そして物語も、任侠モノの枠に収まらず、これはもはや、エスピオナージュと言っちゃってもいいんじゃないですかね。盗まれた軍の機密書類。陰謀劇。そして炸裂する若親分の怒りと、長門カンフー(↑さっきカラテと書いたっけ)。まさにこれぞ、スパイアクション映画。で、何でタイトルが「千両肌」なんだろうね。私は「若親分は二度死ぬ」でよいと思います。そして、ショーン・コネリーとは違い、雷蔵若親分はもう帰ってこない。ラストの「た~~け~し~~」という謎のテーマソング(?)を耳に残して。[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-01-14 13:15:09)

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