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Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 1446
性別 男性
自己紹介 初めてこちらのサイトに投稿させていただいたのが2004年の1月。間もなく15年目の節目を迎える事に。
何かきっかけだったのかなあ・・・と思い返してみると、モンゴメリー・クリフト&エリザベス・テイラー主演「愛情の花咲く樹」(1957)が、なんで作品登録されてないんだ!って義憤(?)に駆られ投稿を始めたことを思い出しました。
レビュー数、今日現在1337本。自分が投稿した作品のレビュー読み返してみると結構気恥ずかしいことをつらつらと、とりとめもなく書いてるなあと反省しきり。
でも「冷たい熱帯魚」(2点)と「パッセンジャーズ」(6点)「3時10分、決断の時」(8点)なんか我ながら良くこんな文章書けたなと感心。
これからも宜しゅうお願いいたします。

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【製作年 : 1950年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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21.  ベビイドール 《ネタバレ》 50年代から60年代にかけ、大量生産されたテネシー・ウィリアムズ戯曲映画化の一本。「イグアナの夜」レビューでも書きましたが、彼の戯曲の映画化は極端に玉石混合の作品群で占められてます。戯曲の映像化というからには、ただでさえ台詞が多い。会話劇をいかに一個の映画作品として成立させるか、そこが挑んだ監督たちのの腕のみせどころだったと思います。私見では「欲望という名の電車」「熱いトタン屋根の猫」「イグアナ」の三本が映画作品としては最上。「夕なぎ」「ローマの哀愁」なんかは石の部類。「去年の夏突然に」「雨のニューオリンズ」そしてこの「ベビイドール」は、正直評価に困る・・・。演出自体はしっかりしてるんですよ。「欲望~」でもタッグを組んだ、エリア・カザン監督だけあってそつがない。アメリカ南部ミシシッピー州片田舎の、むせっ返るような臭気が充満する寂れた邸宅、癖のあるというかヘンな癖しかない主要人物が絡み合う様をネチっこくリアルに描写。幼妻役キャロル・ベイカーの指をしゃぶりながらベビーベッドにしどけなく横たわる姿態が、当時センセーショナルな話題を浚ったようですが、実物を観てナルホドと納得。今観るとたいした刺戟でもないけれど。おあずけを喰う欲求不満の夫、意図あって彼女にまとわり付く口達者な町の有力者、屋敷に住み込みひたすら狂気を撒き散らす彼女の叔母・・・、あぁ、書いてるだけでもう胃もたれが。敷地内で黙ってずっとたたずんでいる雇人労働者達が一番まともに見えてくる。優れた映画かと聞かれたら、まあまあと答えますが、好きな映画かと問わせたら・・・返答に窮する、そんな映画です。[DVD(字幕)] 6点(2022-07-25 21:04:55)

22.  重役室 《ネタバレ》 これこれ、こういう映画をオーソドックスな「オールスター映画」っていうんですよ!タイトルバックからして、画面の奥から次々とメインキャストの名前が真正面にドーンと出てくる手法。いいんだなぁ、この感覚が。巻頭しばらくは、一人称のカメラが人物の視線となって映し出され、こっちは身を乗り出して見守り、やがてぐらりとその視線がゆらぎ、その人物(社長)がこの瞬間事切れた事実を観客は知らされる・・・。後の巨匠R・ワイズ監督らしい、なかなか凝ったオープニングで掴みは万全。次期社長を狙い、当時の新旧取り混ぜた重役室オールスター達が、虎視眈々と駆け引きを繰り広げる展開。会社の業務内容が家具メーカーっていうのも面白い。ただ、製作当時時点ではどうしたってウィリアム・ホールデンが名実ともに一番客を呼べる大スターだったはずだから、最終的に彼が勝利を収める形になるのが、何となく途中で読めてきちゃうんですよね。彼みたいな職人堅気の技術屋さんは、むしろ副社長的ナンバーツーの立場のほうがサマになるのになあ・・・と、自分は思って観てました。敵対する、経理部長フレデリック・マーチの言う事も、裏でやってる事はともかく、もうひとつの正論のような気もするし。ホールデンの妻役、ジューン・アリスンは、いつも通りの彼女で清涼剤的な役どころ。登場シーンはあまり多くないけれど、彼女があの笑顔で画面に出てくるたんびに何となく嬉しくなった。[DVD(字幕)] 8点(2022-07-20 22:32:43)

23.  走り来る人々 《ネタバレ》 『急いては事を仕損じる』昔ながらのこの格言の意味を、口八丁手八丁な主人公フランク・シナトラ君に投げて説教したくなる、そんな気分にさせる映画です。『地上より永遠に』で脇役だった頃はそうでもなかったのに、この時期になると画面から漂う、彼の「俺様」感がやけに鼻についてくる。そもそも彼が断筆中とはいえ「小説家」っていう柄にとても見えない。アメリカのスモールタウンで繰り広げられる、コメディというよりは人情劇。作品全体の雰囲気は良いし、何より語りたいのはこの作品で初めてアカデミー賞にノミネートされた、シャーリー・マクレーン!可笑しさの中に切ない哀しみの表情を滲ませる、このジニーという役は、後年の彼女の十八番となったキャラの原点といえる適役。この映画での好演が、彼女のコメディエンヌとしての進路を決定づけたような気がします。何があっても帽子を脱がないD・マーティンはじめ、他の脇役陣も粒が揃っているのに、主役のシナトラ氏だけがどうにも私には食い足りないゆえ、この点数に留めます。[DVD(字幕)] 6点(2022-07-11 23:03:51)

24.  日本人の勲章 《ネタバレ》 これは一言で言えば、映画史的にもよく言われている通りジャンル的に「現代版異色ウエスタン」っていうくくりなのかもしれないけど、全くもって不思議な感覚の映画。他で同類の映画とか、ちょっと直ぐには思い浮かばない。そういった意味でも、かなりの異色作。太陽が照りつける中、めったに列車が止まらない駅舎に一人降り立つのがスペンサー・トレイシー。待ち構えるのが、ロバート・ライアンにE・ボーグナイン、リー・マーヴィンにW・ブレナン曲者役者四人組+αときたもんだ。いや、この役者陣達が雁首揃えて安ホテルロビーでひとつ画面に収まってるだけで、画柄的にも全編ワクワクドキドキしっぱなし。善人役より、断然悪役が似合うロバート・ライアンが中でも一番の儲け役。しかも着こなしがやたらスマートでカッコいい!この邦題は全編を観終われば、それなりに意味を咀嚼しつつ納得。ジョン・スタージェス監督って、「ブラボー砦の脱出」や代表作「荒野の七人」でもそうだけど、構図の捉え方が抜群に巧いんですよね。いやー、面白かった![DVD(字幕)] 9点(2022-06-28 22:24:28)(良:1票)

25.  朝の波紋 《ネタバレ》 当時この映画、「高峰秀子フランスからの帰朝第一作(!)」と、大々的に銘打たれ公開されたらしいです。「東京のえくぼ」(6点)同様、彼女の長い長い映画出演歴の中でも、ひときわふっくらふくよかな、貴重なお姿を拝見することができます。彼女の自伝「わたしの渡世日記」によると、この半年間のフランス渡航前後っていうのは、周囲で色々なゴタゴタやら「波紋」があった時期だったにもかかわらず、そんな混乱した背景を一塵たりとも感じさせない、普段通りの魅力的な高峰秀子を観る事が出来、もう自分はそれだけで感無量。英会話を自由自在に操れる、キャリアウーマン的役どころっていうのも新鮮。映画自体は淡々とした運びで「煙突の見える場所」(8点)しかり、いかにも戦前からの松竹の名匠五所監督らしい作品です。自社の切れ者のイケメン同僚(岡田)とライバル会社のヌーボーとした営業マン(池部)との狭間で揺れ動くヒロインの心情も、意外にあっさりスッキリで、それほど恋愛に比重を置かずに描かれ好感を持ちました。ラスト近くになって、唐突に尼僧姿で登場してきた香川京子にはびっくり。[インターネット(邦画)] 7点(2021-05-05 09:03:09)

26.  波止場(1954) 《ネタバレ》 これ、骨太な秀作なのは認めます。でも、観ている間ずっと感じてたある既視感が。これはアレですね、間違いなく往年の日活アクション映画と同じ匂いがします。そう思ったが最後、マーロン・ブランドは若き日の裕次郎かアキラ、いかにも薄幸そうなヒロイン、エヴァ・マリー・セイントは芦川いづみ、殺される兄役は三橋達也あたり、ボス役のリー・J・コップは金子信雄にしか見えなくなってきました。オリジナルのこの作品の粗筋やら人物配置を、いかにも上手く日本流にアレンジしたというか、決して模倣というのではなく換骨奪胎したというか。やるなあ・・・恐るべし全盛期のニッポンの映画人。今回のように、バリエーション派生作品群を後追いしてからオリジナルを観ると却って不思議な既視感を覚えてしまうものなんですね。[DVD(字幕)] 7点(2021-05-04 21:51:03)(良:1票)

27.  地上最大のショウ 《ネタバレ》 『地上最大のショウ』原題、邦題タイトルに違わず、正にその通りの豪華大作。見世物主義に生涯徹した、デミル監督らしい観客へのサービス満点のサーカス映画ではあります。ノッポのJ・スチュアートを一度もメイクを落とさないピエロ役に当て嵌めたのも効いてるし、ところどころで顔を出すカメオ出演のスターの顔ぶれも楽しい。パレードのシーンを観ながら、サーカスっていうのは当時の一般大衆にとって「移動するUSJやディズニーランド」って位置づけだったんだなって思いました。気になったのは、本筋のストーリーとは全く関係のないサーカスの演目紹介が延々と続き、一編の映画作品としては著しく間延びした状態になってしまった事。しかも肝心要のクライマックスにまで演目紹介シーンは続く為、流石に興を削がれました。2時間半の上映作品ですが、そのあたり20分ほどカットしたらもっと締まった作品になったんではないかと。デミル監督晩年の超大作「サムソンとデリラ」「十戒」も観ましたが、点数はほぼ同じですが自分は前述の史劇2作品のが好きかな。[DVD(字幕)] 7点(2021-03-28 16:44:27)

28.  幌馬車(1950) おなじみフォード監督の顔たる、ジョン・ウェインもヘンリー・フォンダも出てこない。常連の地味な脇役役者さんたちを主人公にしたロードムービー。「騎兵隊三部作」の連作期、リキ入れまくりの大作の合間に肩の力を抜いてこしらえた小品だとは思うが、フォード監督独特のモノクロ画面に捉えた西部の詩情を味わえるという点で他作品を遥かに凌ぐ。具が何も入ってない素うどんって、時たま無性に食べたくなる時があるが、フォード監督の数ある西部劇の中では正にこの作品がそれ。具沢山の豪華な鍋焼きうどんもいいけれど、素材の良さをじっくりと味わって頂きたいウエスタンの逸品。[DVD(字幕)] 8点(2021-03-01 08:42:19)(良:1票)

29.  夫婦 《ネタバレ》 自分のベストワン監督、成瀬巳喜男監督「めし」(8点)「妻」(未見)へと続く夫婦三部作の第二作目。表面上平穏無事な日常生活を送る若夫婦に、石ころのくらいの小さな異物が飛び込み、夫婦間の心理に微妙な波風が起こる・・・っていうのが「めし」でも描かれた成瀬の夫婦ものの特徴。ただ後年の、あくが強いというかあくまみれの怪優、彫りが深くワイルドな男前三国連太郎を後付けで知っている人間からしたら、彼は小さな異物どころではなく重くて堅い岩塊を夫婦という穏やかな池に投げ込んだも同然。彼が病気で二階で寝てるとはいえ、奥さんを家にたった一人で残して、よく平気で仕事やら出張に行けるなあと観てるこっちはハラハラ。終始ノホホンとした態度の夫の謙さんにはびっくり。上原謙っていっつもココロの奥じゃ何考えてるか解らない、こういう煮え切らない役どころばかりですね。ようやく後半になってから、嫉妬めいた感情を持ったようにも見えるが、それにしても奥さんの気持ちに対して鈍感すぎて何かモヤモヤする。当時の世知辛い東京の住宅事情やら、クリスマスや大晦日の風景が興味深く、成瀬映画のお約束チンドン屋さんも登場して嬉しくなる。ノッポだけど線が細い妻役の杉葉子も適役適演。でも成瀬の夫婦ものなら後年の「驟雨」(9点)の方がずっと面白かった。こうなったら三部作で唯一未見の最終作「妻」も観てみたくなる。[インターネット(邦画)] 8点(2021-02-27 09:03:26)

30.  東京の恋人(1952) 原節子と世界のミフネ数少ない共演作。偽物かホンモノかどうかの宝石を巡るオハナシより何より、この映画の最大の見どころは1950年初頭当時の、東京隅田川勝鬨橋の開閉風景。東京の街に興味がある方なら、へええええ、こんな風になってたんだ~と、驚嘆の声が出る事必至。何回か登場し、しかも時間をかけその開閉の仕組みをじっくり克明に写し出していく。この令和の世に、その様子を見ることができるだけでも、この映画は貴重な東京文化遺産。全体の演出の調子から明らかにコメディを狙っているのに、アパートでの病床にずっと伏している杉葉子のパートはかなり湿っぽかったりと、ところどころ展開が水と油で落ち着かないところもあるが、貴重な二大スターの共演作という事で自分は愉しめました。でも原節子にベレー帽被らせたって、街の絵描き屋さんにはどうしったって見えないよねぇ・・・。[インターネット(邦画)] 7点(2021-02-18 09:30:59)

31.  ヨーロッパ一九五一年 《ネタバレ》 悪評高いイタリア時代のバーグマン=ロッセリーニコンビ第二作目。映画の出来としては可もなく不可もなくといったところだが、40年代全盛期ハリウッド映画での華麗なバーグマン映画を観続けていた当時の観客にとっては、これかなり物足りない内容だったんではないかと。社交生活にかまけて、息子を殆ど顧みなかった金満夫人が、彼の死によって社会奉仕活動に目覚めていく・・・とういうよりも深く深くのめりこんでいくという展開ですが、バーグマン演じるヒロインが、あまりに極端から極端に走り過ぎてどうも共感できず。バーグマンが目指していた演技の方向性と、ロッセリーニの演出方法が噛み合っていないもどかしさを感じます。頭でっかちの理想主義者がこしらえた映画、とでもいったらいいか。脇役時代のJ・マシーナがイメージそのままの姿で中盤から顔を見せてくれたのは嬉しかったです。[DVD(字幕)] 5点(2021-02-18 09:02:55)

32.  第十七捕虜収容所 《ネタバレ》 約20年ぶりくらいの再見。捕虜の中の誰がスパイだったのかとか、細かい部分はすっかり忘れていて、初見の時と同様に全盛期のホールデンの男の色気に魅了されつつ、ワイルダーの職人技を堪能しました。前半はスター、ホールデンの魅力に頼らずあくまで捕虜の中の登場人物一人として点景として扱っている点も好感を持ちました。後半の脱走に至るサスペンスフルな展開も申し分なし。ただなあ・・・前観た時も思ったんですが、やっぱりベティ・グレイブル狂のアニマル君と、その相棒の凸凹コンビの扱いにあまりに尺を取り過ぎてるのがもったいないんだなあ・・・。彼らのシーンを幾つか削れば、もっとソリッドな秀作になったと思います。特にクリスマスのダンスシーンとか内容もないのに長すぎる。話は変わりますが、昨日、一年通して久々にフルで観た大河ドラマ『麒麟がくる』最終回でした。好きな戦国時代のハナシ、みごたえがあって面白かったんですが、ここでも尺を取りすぎて、全体のバランスを著しく崩してしまっていた登場人物が何人か見受けられ・・・。ドラマの感想等で既にさんざん語られてるので誰とは言いませんが。コロナ禍でいろいろと製作状況が厳しかったことは理解できるんですが、彼らのシーンを2~3割削ればもっと良い大河ドラマになったと思うんですがね。これももったいない。映画のDVD鑑賞後、たまたま昨日の最終回を観たので、つい、同じような事を思ってしまいました。描写のバランスってホント難しいですね。[DVD(字幕)] 7点(2021-02-08 21:45:15)

33.  偽れる盛装 溝口「祇園囃子」(8点)と双璧を成す戦後の京都祇園お茶屋を題材とした秀作。京マチ子主演の映画は結構観ているが、ヒロインとして最も光り輝いているのはこの映画だと思います。彼女の前では、零落して金を無心に来る元彼も、グズグズグズグズして一向に煮え切らない妹とその恋人のエピソードも、単なる刺身のツマみたいな存在。辛うじて対抗できたのは敵役お茶屋の女将村田知栄子くらいか。ラスト、舞台衣装姿で京阪の踏切まで必死に走って逃げる名シーン、実際撮影時京マチ子はその時ロケ車に追突されてふくらはぎに怪我を負っていた由。あの鬼気迫る表情や動きは、結果的に足の痛みの賜物だったらしいです。彼女のそんな女優魂こそが、この映画を単なる面白い風俗描写映画という位置から、確実にワンランクアップさせていると自分は思います。[DVD(邦画)] 8点(2021-01-07 09:07:25)(良:1票)

34.  恋愛準決勝戦 「上流社会」(6点)と同じく、この作品の目玉ナンバーも「ザッツ・エンターテイメント」シリーズに殆ど収録されていて、今回追体験という形で鑑賞したせいか感銘度は意外に薄かったです。例の、部屋中をダンスしながら回転していくトリックシーン、ガキの頃、ドリフのコントやら「ザ・ベストテン」なんかで模倣されているのを先に観てしまっているので、手品で先に種明かしをされた気持ちとでも言ったらいいか。逆の順序で観てたとしたらもっと評価は違っていたはず。つい先日鑑賞した「踊る海賊」より、ミュージカルとしての洗練度という意味では格段にUPはしているんですが、意外にこの作品には、僕のココロにズキュンと響くナンバーが少なかった。せめて、アステアの相手役がシド・チャリシーあたりだったらなあ・・・と、つい、ないものねだりをしてしまう自分。[DVD(字幕)] 6点(2018-11-14 22:29:51)

35.  セールスマンの死(1951) これもジュネス企画さんが出しているDVDシリーズからの鑑賞。有名な舞台劇として昔から名前だけは聞き覚えがあった、アーサー・ミラー原作「セールスマンの死」。まさか、まさか、こんなオハナシだったとは!!邦画の秀作「Wの悲劇」(10点)の中でも、「翔ちゃん、どうだった?ブロードウェイのセールスマンの死は?」「どうしてトニー賞取れなかったのかしらね~?」って台詞に出てきたり、欧米の舞台ではおそらく何回も上演されている著名な、さぞかし面白い舞台劇なんだろうな~とずっと今まで信じこんでいました。だから余計この内容に驚愕したのかも。決して「面白い!」と、諸手を挙げて万人にお勧めできる映画ではありません。モノクロだし、キャストも地味さを極めています。のちに「真昼の決闘」を手掛ける、気骨ある製作者スタンリー・クレイマーだからこそできた映画。当時のアメリカ映画の基準でも、こんな娯楽性のない「老いた1人のセールスマンが自滅していく姿」を捉えた映画、ヒットしなかったと思います。若い時の自分が観てたら、多分この陰々滅滅とした暗い展開に、途中で鑑賞を放棄してたジャンルの映画。主人公に全面的な共感は出来ないものの、自分が50歳を過ぎた今、現実があまりに辛すぎるから、楽しかった過去への逃避や妄想に走らざるを得ない気持ちは良く理解出来る。出来るけど、そうなってしまったのは自業自得だろうとも思える。F・マーチといえば「我等の生涯の最良の年」や「必死の逃亡者」で、「理想的なアメリカの父親」を演じてた俳優さん。ここではそのイメージを見事に逆手に取って、ブツブツ独り言を呟きながら駅や街中を徘徊する、一歩間違えたら病院行きのダメダメ親父を演じています。この父親役は演技派の俳優であれば、一度は演じてみたくなる役どころなはず、と思ったらリメイクはダスティン・ホフマンが演っているんですね。イメージぴったり。機会があればレビューでも評価の高いこのリメイク版も是非観てみたい。[DVD(字幕)] 7点(2018-11-12 21:24:40)

36.  杏っ子 《ネタバレ》 口元にやたら野卑な雰囲気が漂う木村功さんって、誰かに似てる誰かに似てるって、ずっと思いながら観てました。鑑賞後、よく脇役でドラマに出てる相島一之さんに似てることが解り自己解決。それにしても、ホント暗い暗い映画でした。他の女優さんにない香川京子独特の持ち味である「まるで彼女の周囲2メートル四方に高原の風が吹いている」ような清冽な魅力が、この映画ではあまり発揮されていない。せっかく舞台も箱根仙石原高原あたり、絶好のロケーションのはずなのに。当時の社会事情から鑑みても、このヒロインに「離婚」という選択肢はなかったんでしょうか?ダンナに三行半を突き付けて、颯爽と最後は自立していくヒロイン像を香川さんで観たかった。このままズルズルと元の生活に戻っていくのではあまりに救いがない。演出もガッチリ力のこもった作品ではあるが、登場人物に共感が湧かないので高評価は出来かねる。香川さんの成瀬作品の単独主演ものってこの作品だけなのが残念。『驟雨』や『稲妻』、準主役か脇役で出た作品は良いんだけどな~。『池袋文芸坐成瀬巳喜男特集』にて鑑賞。[映画館(邦画)] 6点(2016-09-08 22:49:47)

37.  旅愁(1950) 知名度の割に作品数が少なかった、ハリウッド随一の憂愁美人ジョーン・フォンティン三大名作の一つ。(他は「レベッカ」「忘れじの面影」)アメリカの女優にありがちな、押しつけがましさを一切感じさせない、清く澄んだ湖のような深みのある底光り的美貌の持ち主でしたね。アメリカ渡米直後のヒッチコックが、2本連続で彼女を起用した気持ちがよくわかります。サスペンスにぴったり合う繊細な雰囲気の女優さんなんて、アメリカじゃなかなか希少価値だったろうし。この作品自体は、イタリア名所旧跡観光を兼ねた、あくまで口当たりの良い上品な大人にのラブロマンスという域を出ない気がしないでもない。でもリタ・ヘイワースの「ギルダ」などと同様、観ているうちに、全盛期のジョーンの美しさにおハナシなんかどうだってよくなってくる、スターの輝きで魅せる映画だと思います。相手役の淡泊系ジョセフ・コットンもカッコいい。96歳という長寿で昨日他界されたとの事。お姉さんのオリヴィア・デ・ハヴィランドとの、長年にわたる確執は結局生前に解消されたんでしょうか・・・?心安らかに、天に召されたであろうことを心から願います。[DVD(字幕)] 8点(2013-12-16 21:56:50)

38.  くちづけ(1955) 《ネタバレ》 石坂洋次郎の原作短編『霧の中の少女』は、ずっと以前学生時代に読んでました。だから今回は、大のご贔屓女優高峰秀子の挿話よりも、第二話が一番観たかった。イメージ通りの出来栄えにもう大満足です。長女役司葉子ももちろん適役だけれども、次女役の中原ひとみのクリクリした大きな瞳の輝きと、東北ズーズー弁(?)を自由自在に使いこなす愛らしさに、もう終始メロメロ(笑)時代劇メインの東映所属だった中原さんが、こういった形で他社の現代劇にどんどん起用されていたら代表作にもっと恵まれていたのでは・・・と、この映画での生き生きしている彼女を見ると惜しまれる。田舎のこまもの屋さんにあんな美しい姉妹がいるわけがない!などと、映画の夢を壊すようなことを考えては絶対にいけません(8点)第一話は、ラストの川原での長いシークエンスが全くの蛇足。主役お二人の演技も生硬すぎ。キャンパスで、笠智衆教授に挨拶したところで終わっていたら、もっとすっきり纏まった印象だったかも。(6点)真打ちとも言うべき、成瀬監督の第三話が演出といい、話しの運びといい、役者の使い方といい、最も手慣れた熟練の巧みの技を感じさせるが、何となく大作「浮雲」のあとの息抜きといった趣があり、それほど自分は興が乗らなかった。ラストの八千草薫の見返りに(まさにこれがホントの見返り美人!)場内を埋め尽くした熟年諸氏の方々から「ほおっ!!」という感嘆音が響きました。やっぱり八千草さんはこの年代の方々には特別な存在なんだなあと、改めての認識。幸せな気分で場内を後にしました(7点)好みの順番で言うと、断然第二話→第三話→ぐっと落ちて第一話。一番印象に残ったのはやっぱり中原ひとみ。平均してこの点数です。(←フィルムセンター「よみがえる日本映画東宝編」にて鑑賞)[映画館(邦画)] 7点(2013-11-30 09:29:24)(良:1票)

39.  西銀座駅前 ビリー・ワイルダーの「七年目の浮気」の日本版リメイク?とおぼしき、恐妻家中年男の妄想炸裂映画in西銀座駅地下。フランク永井氏のナビゲーター付き。後半からのボート漂流場面あたりから、絶対夢オチになるのかと思いきやそうはならなかったのは私の読みが甘かったせい。それなりに面白かったんだけど、当時の西銀座地上風景がもっと観たかったかなあ。[インターネット(字幕)] 6点(2013-08-28 23:07:27)

40.  あにいもうと(1953) 《ネタバレ》 東宝作品のイメージが非常に強い成瀬監督が大映で撮った2作品のうちのひとつ。傑作「稲妻」には及ばないまでも、この作品もなかなかの秀作だと思います。平成の、今年のこの猛暑の中、この時期に鑑賞するのにぴったりの映画でした。昭和20年代のニッポンの真夏の風景が、丁寧に丁寧に描かれています。「あにいもうと」というよりも「あねいもうと」というタイトルでも良かったんじゃないかと思うくらいに、家族の中での唯一のしっかり者、傍観者でもある、次女久我美子の微妙な感情の揺れ動きが、最も巧みに点出されていました。これは「稲妻」だと高峰秀子のポジションの役ですね。私の中ではインテリやくざのイメージが強かった森雅之という役者さんが、こういう荒っぽいホワイトカラー的な役どころで観るのはなんだか凄く新鮮でした。が、でもやっぱりミスキャストかな(笑)京マチ子は適役。浦辺粂子も言わずもがなの好演。かき氷、ラムネ、子供たちの川遊び、歓声、うちわ、よく冷えたスイカ、手ぬぐいで拭う流れる汗、日傘・・・ひとつひとつの夏の小道具が映画にアクセントを与えています。鑑賞しながらこの時代は「熱中症」なんて言葉はなかったんだなあとしみじみと。[DVD(邦画)] 8点(2013-08-26 21:28:46)(良:2票)

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