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プロフィール
コメント数 61
性別 男性
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できる限り,一生懸命お返事します。

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21.  きみに読む物語 《ネタバレ》 いったい何が足りないのだろう。貧しい青年と裕福なお嬢様とのロマンスという,使い古されすぎた物語のせいなのか,あるいは全体を通じて感じるチープ感(安普請という意味ではなく,何となく昼ドラの雰囲気っぽいといえばわかっていただけるだろうか)が,さらなる良作に仕上がるはずのものの価値を下げているのか。判別できません。ステレオタイプとはいえ決して悪くない話だし,むしろ,もっと高く評価したいとも思うのだが,それができない。自分なりの物差しで作品を測り,その上でできる限り率直に感想を述べたいにもかかわらず,どうしてもそれができないのは,おそらく私の母親が認知症にかかっているからだと思う。一途ゆえに障害を乗り越え,結ばれるべくして結ばれた男と女の話だ,と自分に言い聞かせても,私の目はやはりあの年老いた婦人に向けられてしまう。自らの記憶を手放してしまうことがどういうことか,ことにそれを受け止めなければならない連れ合いの辛さというものを身近にわかっているだけに,私はこの映画を公正に観ることができませんでした。なので,初めに書いたようなことも思い切り的はずれのような気がして,不安になる。ちゃんと把握できているか自信がなくて,複雑な気持ちです。複雑なんですが……でも,結局泣いてしまった。束の間記憶を取り戻した妻と一緒に夫がダンスをするシーンは,万感胸に迫った。年老いた自分の両親の姿,とくに,ひたすら自分を抑え滅私奉公型だった母親の頭を撫でながら「あんたの面倒はわしがちゃんと見たるから」と言った父親の姿と重なって,ただただ涙が流れました。[ビデオ(吹替)] 8点(2006-07-05 07:48:31)(良:1票)

22.  パニック・イン・スタジアム 《ネタバレ》 10万人の観衆でごった返すスーパーボウルの競技場に,1人の男が忍び込んだ。素性の知れないその男の手には,高性能ライフルが……という設定は,物語としては手垢がついているのかもしれないが,本作ではサスペンスの盛り上げ方がとても秀逸で,無理がない。冒頭の,ホテルの窓からたまたま通りかかった自転車の男を射殺する場面では,これから何が始まるのかを観る者に予感させて,思わずぞっとする。犯人の姿はテレビカメラ,あるいはSWAT隊員のライフルスコープ越しでしか見えず,それも不鮮明に映るため,不気味さと恐ろしさは倍増である。それだけなら一本調子で終始しがちなところも,競技場を訪れた観客たちの人間模様を同時並行で見せることで,ストーリーに奥行きを持たせてある。サスペンス映画としても,アクション映画としてもよくできていると思った。なお,状況的にはSWATチームの負け。2名が殺され(1人が犯人に射殺されてロープで宙吊りになっても,試合に興奮する観客たちは背後にぶら下がる死体に気づかない),隊長も撃たれたのだから。仇を取ったのが,寄る年波を隠せないチャールトン・ヘストンというのが何だか反則のような気もするが,これは御大に花をもたせたというべきでしょう。SWAT隊長を演じたジョン・カサヴェテスのサングラス姿が渋い。最後まで正体不明だった犯人について言った,最後の台詞もまた渋い。「……奴のことはマスコミが全部調べてくれるさ。住んでいるところはどこで,仕事は何で,家には優しいママがいて,そして,それが終わったらまた次のニュースだ。でも俺たちは……」みたいな内容だった。兇悪犯罪へのやりきれなさが余韻となって残る。 《追記》1975年に公開されたTV映画「パニック・イン・テキサスタワー」を明らかに意識しています(昔,金曜ロードショーあたりで何度か放映)。あるいはモチーフを拝借したかもしれません。余談ですが,「パニック・イン・テキサスタワー」の無差別射殺犯は,当時まだ無名だったカート・ラッセルが演じていました。作中ではほとんど喋っていません。[地上波(吹替)] 8点(2006-06-26 11:30:46)

23.  ヒトラー 最期の12日間 人間アドルフ・ヒトラーを描いたとパッケージにあったが,それにはさほど興味が湧かない。彼は冥府の王でも大魔王でもなく,当然ながら最初から最後まで人間なのだ。迷妄の虜となってわめき散らすのも人間ヒトラーなら,女性秘書らにそっと垣間見せる繊細さを持ったヒトラーもやはり人間。しかし,私はその点にあまり興味をそそられなかった。全体主義という名の巨大な鉄の要塞が,率いるべき途を示す指導者という求心力を失ってしまったとき,どのように崩壊していくかを私は見たかった。そしてその崩壊は音もなく,響き渡る民衆の悲鳴も伴わず,あたかも老人が静かに息を引き取っていくかのようだった。全欧州を蹂躙したナチス・ドイツのいまわの際とは,かくも静寂であったのかと今にして空しさがこみあげ,そして,あらためてその陰で犠牲になった多くの人達の冥福を祈らずにはいられない。それにしても,ラストで秘書が語る「もっと目を見開いていれば」の言葉の,なんと虚ろなことか!いくらを目を見開いていても,初めから見ようとしなければ決して見えないというのに。あの時代のできごとは大昔の伝説ではなく,今日我々のすぐ隣に存在しているはずだ。そういう意味で,多くの人に観て欲しい映画の一つです。[DVD(字幕)] 8点(2006-02-05 09:49:17)(良:2票)

24.  セルラー 導入部でどこのオバハンかと思いきや,えっ,キム・ベイシンガー?よもやこんなに老け枯れて(こんな風にしか表現できない)いたとは……。彼女に特別な思い入れがなくてよかった。でなければ,この映画を嫌いになるところだった。それはともかく,なかなかの掘り出し物でした,これ。細かいディテールとかバックボーンとかを,あえて切り捨ててまで監督が見せたかったもの,それは観客をほいほいとノセていく掟破りのテンポに他ならない。あ~れ~という間もなく非日常に巻き込まれていく速度は,記憶にある限りで本作が最速だ。かといって,致命的な破綻も見あたらない。だからあそこがあーだ,ここがこーなってないなどと考えるのは少々野暮な話で,ここは一つ,ジェットコースターに身を任せてみようという気になる。少なくともこういう映画で90分を過ごしても,“金返せ”とはならないでしょう。8点です。最後のスタッフロールでニヤリ。[DVD(字幕)] 8点(2006-01-06 15:50:11)

25.  プライベート・ライアン スピルバーグの中に潜む,暴力への一種の憧憬が(本作以降顕著になってくる)意識的にしろそうでないにしろ如実に表れたオマハ・ビーチの光景。正直言って吐き気がする。が,戦場で生き残る者と死んでいく者との間を分かつのは,弾丸の多さでもなく,剛勇でもなく,ちょっとした運だけなのだということを教えてくれる意味で,本作は戦争映画として優れていると思う。手を挙げて降伏しようとしたドイツ兵をはずみで撃ってしまったりとか,弾が尽きたらヘルメットをぶつけ合うといったシーンは,実際の白兵戦らしいというか,ああなるんでしょうね。私は今まで戦争というものを斜に構えて考えていたが,これを観てただひたすら恐ろしいと思った。あんな地獄は嫌だと。それは誰しも当然ではあるが,その至極当たり前のことをこれほど直截に表現した映画は,あまり記憶にない。だからこそ,一人の兵士を戦場から連れ出す命令を出した政府と,その血みどろの戦場の中任務に赴く登場人物達との乖離が浮き彫りになる。感傷とか意義などとはまったく無縁のところで,戦争という鋼鉄の歯車がひたすら人間の生命を挽き潰していく。そのことが恐ろしい。なお冒頭とラストではためく星条旗について辛口の意見が多いですが,あの逆光の中で色を失った星条旗には,少なくとも私にはアメリカ主義的な意図は感じられませんでした。[ビデオ(字幕)] 8点(2005-12-29 12:53:17)(良:2票)

26.  ダーティハリー クリント・イーストウッドの立ち振る舞いが印象深い。抜群に格好いいのである。細身のスーツを着こなすその姿は,中年男が目標にすべき理想型の一つではないか。モテモテ中年を目指したい若い人は,今のうちからこれを観て勉強しておくことをお勧めします。さて作品中,「悪党は逮捕せずにブチ殺す」式の捜査で突き進んでいくハリー・キャラハン。その態度は警察官としてどうかと思うが,心情はずばり観る者の核心を突く。あんな極めつけのサイコ野郎を生かしておいて誰が得をするのか?いったい彼のどこがダーティなのか?皆そう思うに違いない。その気持ちをまとめて弾丸に詰めて,彼はトリガーを引く。そのあとは,スカッと爽やかコカコーラである。だがバッジを投げ捨てるラスト。己の仁義でことをやり遂げた達成感と,それを許容しない社会倫理へのやりきれなさが後を引くように残る。その意味で切ない名作。またあまり関係ないが,44マグナムという銃を世に知らしめたことでも評価したい。(これを観て私は昔,モデルガンを買いました)[ビデオ(字幕)] 8点(2005-12-27 23:59:08)(良:3票)

27.  エイリアン2 《ネタバレ》 エイリアン・シリーズとは不思議だ。なぜなら本作以降,すべての作品がそれぞれの前作のストーリーをないがしろにして成立しているのだから。総本舗であるオリジナルへの敬意を込めたオマージュ的な要素は殆どない。むしろ挑戦しているかのような作り方を見ているうちに,何だかリドリー・スコットが陰でこっそりとほくそ笑んでいるような気がした。さて本作で,リプリー女史がいよいよ本格的に人間離れしてくる。“力があれば戦える”という点をいっそう強調して,前作のゴシックホラー路線から一気にアクション電車道へと力業で持っていくのは,いつものキャメロン流。例のパワーローダーを使った格闘シーンは爽快感すら漂う。画面の前でうぎゃ〜と叫びながら前作を観た人は,まさかこいつと組んずほぐれつをやらかし,挙げ句にフォールしてしまうとは想像もできなかっただろう。それほどこの異生物は絶対的だったのだが,生物である以上殺せるということを観客に気づかせたキャメロンはいい仕事をした。でもまさか3であんなプロローグに続くとはね……おっと,あぶない。だが一度物語の流れをチャラにしないと新作をつくれないというのは,エイリアンというキャラクターがいかに際だってそそり立っているかの証明にはなると思う。[ビデオ(字幕)] 8点(2005-12-27 12:24:05)(良:2票)

28.  シャイニング(1980) “例えて言うならこれはキャデラックのようだ。見かけは大きくて立派に見える。おまけにとても煌びやか。しかしいざエンジンをかけてみたら,その動きは鈍重なことこの上ない”シャイニングを評してキング自身が述べた言葉である。ものが重量級なのはどっちもどっちなのだが,私もおおむね彼の意見に賛成だ。しかし,映像としての本作を,キング御大ほど毛嫌いするわけでなく,むしろ魅了される側の人間である。ただ,この物語を的に据える出発点が,2人の巨匠の場合決定的に隔たっていた。煎じ詰めればそういうことに尽きる。思うにキューブリックの世界とは,白亜の殿堂の奥に鎮座する大理石でできた100インチの大画面で観賞するようなものであるのに対し,かたや“第一創造主”であるキングの思考ベクトルはパブロン中毒さんが書いたように,いたってノーマルなアメリカ人男性のそれと同じである(と,いろんな作品からそう推測する)。彼が書いたのは,息子を愛するがゆえにオーバールックの悪霊にたぶらかされていく男の姿。行間に込めたのは,崩壊した家族の再生と淡い未来への希望である。反してキューブリックは圧倒的な映像美を展開するために,それらの一切を引き出しにおさめてしまった。これでは,両者が交わる地点など最初から約束されていないのも同然だ。キングが怒るのもむべなるかな……と,ここまではキングファンとしての意見で,冒頭にも書いたように,私はキューブリックの審美眼はすばらしいと思う。少々小難しいものの,ゴシックホラーのたどるべき道筋はちゃんとおさえてある。首筋の後ろ辺りがちりちりしてくるような怖ろしさを醸し出すのはさすがの手練。しかし,その点においてキングもキューブリックも卓越した力量の持ち主であるのが,あまりに皮肉である。[ビデオ(字幕)] 8点(2005-12-23 23:14:06)(良:1票)

29.  ワイルド・ギース 《ネタバレ》 “傭兵”という言葉には一種のロマンチシズムが漂うが,これはまさしく戦場ロマン愛好者のど真ん中を射抜くような作品である。にも関わらずレビュー数が少ない……と思ってたら,ビデオ,とっくに廃盤なんですね。もったいない。もっと多くの人に支持されていい映画なのに。闇に生きて,闇に死すという,裏街道を歩くしかない人間の生き様と死に様が戦友同士の固い絆の中に描かれている。雇用主から裏切られ,孤立無援となった傭兵部隊が死中に活を求めて激闘をくぐり抜けていくのだが,一人また一人と,仲間を助けるために命を投げ出していくその様は悲しくも美しい。脱出する輸送機に乗り遅れたリチャード・ハリスがリチャード・バートンに向かって「私を殺してください!」と叫び,涙を堪えてハリスを撃つシーン。心を動かされない者はいないだろう。ぜひもう一度再販を望む。ところで脚本を書いたのは「十二人の怒れる男」のレジナルド・ローズだったとは知らなかった。ちょっと意外。[ビデオ(字幕)] 8点(2005-12-21 16:22:55)

30.  宇宙戦争(2005) 《ネタバレ》 原作も1953年版も知っていたので,過剰な期待感は初めからなく,封切り直前のテレビ予告シーンだけがある種唯一の拠り所だった。それにしたって「ふ~ん,ま,おもろそうやんか…」位の程度。で,いざ観てみたら結構恐い。ホラーテイスト満開ではないか!パニック映画とくると,主人公(もしくは主人公達)が土壇場で逆転一発をかましてめでたしめでたし,となるが,本作ではそうはならないと知っていた。なぜなら,ああいう肩すかしを食らわすような結末が用意されているゆえに,侵略者に一気呵成の反攻をブチかまして溜飲を下げるというのは最初からありえないからだ。それにスピルバーグの性格からすると,オリジナルに敬意を表してラストに手は加えないだろう。となれば……あとはなす術もなく,悲鳴を上げて右往左往する人類を,映画の中でいかに虫けらのように扱うかである。「インディペンデンスデイ」のようにやってしまってはいけない。一片の希望も与えず,一筋の光明も遮断して,闇の中を這いずり回りながら人々はうめき声を上げる,そんな作品でなければならない。そういう方向性しか,この「宇宙戦争」には与えられないはずである。そしてスピルバーグはもう少しでそれに成功するところだった。墜落した航空機の残骸,一台の車を巡って争う男達等々。フェリー乗り場で,人々の背後の丘にぬっと現れたトライポッドを見たときの,彼らの絶望の叫び……それに全ての光景がトム・クルーズ扮する父親の視点で描かれ,恐怖の手触りを我々も実感できる。そうや,それでええんや,スティーブン!と思ったのもつかのま,名作に輝くはずだった宇宙戦争2005年版は,私の中で静かに幕引きされてしまった。そう,本当にもう少しのところだった。トムがトライポッドに手榴弾でケンカを売ってしまうまでは……どうあがいても蟻は象には勝てない,という無常感で統一すればよかったのに,彼は象を倒してしまった。あ~あ台無し,といった感じである。それさえなければ10点でした。[ビデオ(字幕)] 8点(2005-12-18 17:03:46)(良:4票)

31.  鬼畜 結婚して所帯を持つまでは今ひとつピンとこなかったが,子の親になった後で観ると一気にくる,私にとってはある種の時限爆弾的映画。緒方拳扮するダメ親父の行為は許し難いとはいえ,父性を確立できなかったその弱さに同情心をかき立てられるのも,父親の目線で観ているからだと色々な意味で思う。他の方が書いておられるように,私も東京タワーに置き去りにされた少女の行く末を案じている。娘を置いて立ち去った父親が夕暮れの街中でふと振り向くと,夕空に浮かび上がる東京タワーに照明が灯るシーン。はっと胸を衝かれた。野村芳太郎の演出は残酷で美しい。8点献上です。[ビデオ(字幕)] 8点(2005-11-07 09:53:16)

32.  暗闇にベルが鳴る 《ネタバレ》 女子寮が舞台になっているのだが,冬の陰鬱な雰囲気が画面から漂ってきて,いやがおうにも怖さをそそる。いやしかし,最後の最後まで監督に騙されてたことに気づいてびっくり。と同時に背筋が凍る。ああいう幕切れとは。流れからすると犯人はあいつだったのにね。しかも一件落着したはずなのに,あれだからね。あいつとかあれとか,ちんぷんかんぷんな方は是非ビデオショップで…って,これビデオもDVDも出てないような。とにかくサイコスリラーとしては一級品です。ところでオリビア・ハッセー,いいですな。日本人100人のうち90人以上が美人と答えそうな,いかにも日本向きの女優である。布施明が結婚したがったのもよくわかる。 (調べたらDVDは出ていますね。失礼しました)[地上波(吹替)] 8点(2005-11-06 06:33:09)

33.  アイス・エイジ フルCGアニメという分野にはPixerというスタンダードが存在するために,他社組はどうしても比較されてしまうのが現実。実際これは辛いところだが,にもかかわらず,そのスタンダードに果敢に挑戦するかのごとく,いろんな切り口で新作を出してくるのがいかにもアメリカらしいというか,製作市場の広さを感じる。さて,観る前はまったく期待していなかったのだが,観終わってみればPixerの二番煎じ的な感触がなかったわけではないにせよ,それなりに満足できる内容だった。続編が観たくなりました。シナリオの運びは紋切り型であっても,予定調和であっても,「努力」「友情」「勝利」というのは少年ジャンプの専売特許ではなく,国際的な約束事というのがあらためてよくわかった。字幕と吹替,両方試してみましたが,これは絶対吹替がいい。皆うまいし,第一その方が子どもも喜ぶでしょう。[DVD(吹替)] 7点(2006-07-18 18:54:23)(良:1票)

34.  鷲は舞いおりた 《ネタバレ》 地味な戦争映画といわれれば確かにその通りなのだが,戦争映画は地味なのが意外に面白かったりするので要注意です。これもその一つ。製作がアメリカ・イギリス共同というのも興味深い。英米人なら『ど畜生のナチ野郎』と罵りがちなところをぐっと抑え,古き良きプロイセン軍人の矜持を漂わせつつ任務に赴く兵士達の姿を誇り高く描いて,観ているこちらはぐっとくる。敵味方入り乱れての大スペクタクルなどは一切ありませんが,戦争映画の魅力とはドンパチだけではないという好個の例になった作品だと思います。[ビデオ(字幕)] 7点(2006-07-18 13:11:39)

35.  ヒドゥン(1987) 単純に面白い。B級映画とはかくあるべし,というお手本のような映画だ。観ているうちに,監督のジャック・ショルダーが,メジャー街道を駆け上がる直前のジェームズ・キャメロンと重なって見えた。あるいは,見えた気がした。実際そうならなかったのは残念だが,歯切れ良いテンポとともに物語を前進させていく手腕は,凡百とは違う卓越したストーリーテラーであることの証明になる。白皙の美青年という表現がぴったりのカイル・マクラクランの存在が,作品全体にどことなくまとわりつく静謐さを醸し出していて,一風変わった雰囲気のSFアクションに仕上がった。ところでいつも思うことだが,こういう脚本勝負の秀逸なB級映画が,なぜ我々日本人にはつくれないのだろう。悔しくもあり,羨ましくもある。[地上波(吹替)] 7点(2006-06-28 22:17:27)

36.  フォーン・ブース 《ネタバレ》 低予算かつ短い撮影スケジュールとくると,次は“やっつけ仕事”となるのが相場だが,それらをむしろ逆手にとった設定。金と時間,どれも手駒にしては少ないというハンディに無理矢理直面させられたのか,あるいはあえて挑んだのかはわからないにせよ,一発かましてやろうというスタッフの意気込みを感じる。なかなか楽しめました。ところで作中,ポルノ王と会社重役を殺したのは俺だ,と犯人は言っていた。でもはたしてそうかな?ちょっと疑問。主人公スチュは不遜で人品卑しい男。まぁ,いけすかない奴だが,人は大なり小なりああいう面があるとすれば,彼は社会悪の象徴とはとても思えない。犯人はやたらスチュの妻への不義理に拘って,それをターゲットにした理由の一つにしていたけど,いかにもとってつけたようで……結局,あの街に住む者なら誰でもよかったのでは,と思う。ただ無作為に選んでおきながら,その相手を十分リサーチしたり,たまたま状況に割り込んできたチンピラ兄ちゃんを容赦なく殺したりするところに,電話の男の本当の異常性が見える。人が次第に袋小路に追い込まれもがき苦しんでいくのを,嬉々として自らの糧にするような,そんな怖ろしさを観ていて感じた。ラスト,犯人の顔見せは余計。7点。[DVD(吹替)] 7点(2006-01-02 22:55:06)(良:1票)

37.  クレヨンしんちゃん 電撃!ブタのヒヅメ大作戦 劇場版クレヨンしんちゃんは,この辺りから“泣き”の要素が濃くなってきますね。「ぶりぶりざえもんの冒険」のくだりは,自分でも意外なほど涙腺が緩くなってしまった。「オトナ帝国」も「戦国大合戦」もぐっときたが,この2作はがぶり寄りたい対象を大人にスイッチしている。そういう観点でいくと,本作は大人も子供もつかんでしまうバランスの取れた良作と言えるだろう。ぶりぶりざえもんのキャラが凄まじいほど面白いが,個人的にはオカマの助手がツボにはまった。7点。[ビデオ(字幕)] 7点(2005-12-21 10:08:39)

38.  山猫は眠らない これを観たとき,まさかシリーズ化されるとは思わなかった。1・2と観て(3は未見),独特の存在感を匂わせるのは本作だが,オンリーワン的な雰囲気をぷんぷん放つゆえに,シリーズにするにはそぐわないと感じた。とはいえ,戦争映画好きのツボをついた渋い作り方は見応えがある。“狙撃道”というものがあれば,この作品にはそれが横溢している。レンタル化された当時,在日米軍基地でしばらくレンタル数No1だったというのも,職業軍人が認めたということだろう。BGMを極力排したことも,緊張感を醸し出すことに一役買っている。ただし,トム・ベレンジャーを通して見えるのは,“滅びの美学”ではなく,一発の弾丸を介して命のやり取りをすることへの空しさである。ふと見せる疲れたような表情に,自らの仕事に対しての内面の葛藤が色濃く出ていた。佳作ではあるが,心に残る。[ビデオ(字幕)] 7点(2005-12-12 10:29:56)(良:2票)

39.  バットマン ビギンズ ようやくバットマンもティム・バートンの呪縛から解放されたという感じがした。それまでの奇矯な要素は鳴りを潜め,相変わらずダークムードではあるものの,ある意味地に足がついた内容に仕上がったというのは決して失敗ではないと思う。しかしそれにしても,仮にもハリウッドで準主役を張った渡辺謙をあんな脇役に使っていいのか?忍者とか映画的にはおいしいものを拝借しておきながら(ヒマラヤ忍者部隊という設定はともかく),すぐに退場とはなんじゃ?日本人をなめんなよ,コラ!でもバットマンモービルがかっこよかったので,許す。[ビデオ(字幕)] 7点(2005-11-27 09:40:05)

40.  スパイダーマン(2002) ブサイクブサイクとさんざんなMJだが,確かにブサイクである。というより,キルスティン・ダンストをブサイクに撮ってしまったサム・ライミが悪い,と,ここでささやかな助け舟を出しておく。で,この悩めるヒーロー,スパイダーマン。すぐ隣にいそうなキャラクターで共感を呼ぶ。「大いなる力には,大いなる責任が伴う」その言葉の重圧と,生身のティーンエイジャーとの狭間で呻吟する主人公を,トビー・マグワイアがうまく演じている。それ以外はアメコミ一本槍の世界だ。とはいえ,単なる活劇映画として観ても,青春の光と影を嗅ぎとる胸キュン映画として観ても面白い。ところで少し脱線して,原作平井和正/作画池上遼一による和製スパイダーマン(勿論コミック)を手にする機会があれば,是非一読してみてください。傑作です。[ビデオ(吹替)] 7点(2005-11-07 10:47:08)

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