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コメント数 304
性別 男性
自己紹介 つたない文章力で自分なりのレビューを心がけます。映画館で観た作品は自然と評価が高くなりがちです。

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21.  帰ってきたヒトラー 《ネタバレ》 イギリスのEU離脱、自国第一主義であるトランプ政権が誕生するなどの現状や、内なるヒトラーは多くの人の心に潜在し、内なる声の積み重ねと社会状況が癒着する事で、第2のヒトラーが生まれる可能性もあるという考えも理解できる。 しかしどうしてもこの映画に乗り切れない。 それが細部を欠き、対象から距離を置いたステレオタイプで楽観的な悲観主義から来るのか、ただ単に自分が捻くれているからなのかは分からない。 ただ現代に蘇ったヒトラーに対して、様々な距離感から様々な感情、言動を投げかけるリアルな市民の姿がそんな自分の溜飲を下げる。 そして、一人真剣にヒトラーに詰め寄る認知症の老婆に心は動かされる。[DVD(字幕)] 5点(2017-03-11 16:51:24)《改行有》

22.  昼下りの決斗 《ネタバレ》 自ら法と秩序と契約に縛られる不自由な男であるジャッド。 彼は見えない物に縛られる事で、西部劇の主人公たる権利も奪われ、その象徴である銃を使う事も許されない。(ライフルは整備が行き届かず発射出来ない) そんな彼の傍らで一人の女性を巡り、何に縛られるでもなく、自由奔放に動き回るハモンド兄弟を代表する若者たち。 自由な若者達と最後に束の間の自由(ラストシーンで始めてジャッドの手で銃が機能する)を手にする不自由な老兵達との対決。 その場面がとてつもなく美しいのは、それが若者達の恋路を老兵が命をかけて守り祝福する事でも、若者と老兵が融和する事でも、自由への渇望を表現しているのでもなく、ジャッドが不自由を受容し、現金を届けるという契約=不自由をウェストラムが受け継いだからこそではないか。 そしてあらゆる物に縛られ西部劇的な存在からは程遠い不自由なジャッドを西部劇の象徴たる牧場と聳え立つ崖、山が後ろから支え受け入れたからではないか。[DVD(字幕)] 8点(2017-03-10 23:00:56)《改行有》

23.  CURE キュア 《ネタバレ》 あらゆる物の意味の変容。 水は透明ではなく混濁を。病院は治療ではなく問題の先延ばしと混乱、そして不幸な結末を。同一空間の光と闇(照明や仕切りを隔てそれは表現される)は、人の移動によって光の闇への渇望を。 洗濯機はただ無意味な回転運動を続ける機械となり、火は温もりでなく、他者への冷徹な姿勢を呼び起こし、車は移動ではなく停滞を与える。 風になびく白いカーテンは純白ではなく、不吉さを予感させ、食卓は調和ではなく不和を表出する。 そして死は悲嘆ではなく癒しを与える。 意味が固定された観念に従属することがない恐怖。 そこでは人間も物質も不安定な存在であり、自分の存在意義の安定に安心し、満足する事は出来ない。[DVD(邦画)] 9点(2017-03-06 18:48:02)(良:2票) 《改行有》

24.  サンブンノイチ 《ネタバレ》 後出しじゃんけんのしすぎで結果が途中からどうでもよくなってしまった。説明台詞が多すぎるし、笑いどころで毎回突っ込むという見せ方も映画にはあっていないと思う。突き放した終わり方は良いと思った。[DVD(邦画)] 4点(2017-03-05 03:35:19)

25.  ラ・ラ・ランド 《ネタバレ》 最初のミュージカルシーン。停止する事で移動する乗り物でなく、お立ち台として機能する車。人の移動を伴いながら全てがワンカットで捉えられる。 グリフィス天文台のシーンでは、建物、オブジェ、踊りながら二人が描く軌道、プラネタリウム室、星などのあらゆる物が円のイメージをかたどる。キスで締めくくられる事で二人の関係性も円満に収束し、円で縁どられる二人が映され暗転する。 そして反復とズレ、空間距離と精神距離を一瞬で破棄する事で虚を突く、ありえたかもしれない過去を映すキスシーン。 他にも、原色を基調とした色彩や基本としてワンカットで貫かれるミュージカルシーン。 古き良き物として皮肉混じりに何度も映される、成功の象徴である壮麗なプールサイド。水の中に入りカメラが旋回する場面は露悪的な絢爛豪華さが一つの絶頂すら迎えている。 等等見所は多い。 ただ天文台での二人の初めてのキスを境に話が山場を迎えるにつれ、映画自体は凡庸化していく。 ハリウッド、夢、現実、挫折、成功、離反が事務的にも思える手際の良さで処理されていく。そもそもミュージカル映画にストーリーの深みを求める事自体間違っているのかもしれないが、ミュージカルシーンをとっても後半になればなるほど曲も見せ方も単純につまらなくなっていく。 そして作られた背景で作られた過去が繰り広げられるラストは、抒情に訴えるだけの安易な蛇足であり、二人にとって重要であったキスの不在と視線のやり取りを映すだけで十分であると個人的には思う。[映画館(字幕)] 6点(2017-03-05 03:31:52)(良:1票) 《改行有》

26.  悪人 《ネタバレ》 祐一と光代の間で「好き」とか「愛してる」などの言葉が一切ありませんでした。 でも二人のそれまでの生活や背景をみれば、今の二人の結びつきがどれほど強く互いに必要な存在であるかは痛いほど伝わってくる。それは男と女、恋人という言葉だけでは表しきれない、もっと深くて切ない人と人との結びつきが生まれていたからこそだと思いました。[DVD(邦画)] 5点(2017-03-03 21:21:34)《改行有》

27.  リップヴァンウィンクルの花嫁 《ネタバレ》 七海の母親、勤めていた学校の生徒、元旦那とその母親。社会にある悪意の代表としてこの人々を配置したのだろうが、言動が極端な悪意に満ちていてステレオタイプすぎるのではないか。 社会の闇、人間の弱みや闇、隙間に入りこむ天使とも悪魔ともつかない安室、言葉からは伝わらない人生の深みを感じさせる真白の母親という魅力的な人物二人とは対照的に、旦那らの描き方が浅薄であり、話しの展開の為に人が配置されている印象が際立った。 結婚式に関して言えば、式直前の七海と鉄也のとってつけたような会話、観ているこちらが恥ずかしくなるような両親への花束贈呈シーン、あの場面ではノイズにしかならない司会の軽部アナなど結婚式場面の演出はどれも酷かった。 そして物質的(人里離れた屋敷)にも精神的にも文字通り社会と断絶し、夢のような世界で真白と生活する後半。 ホモソーシャル的で社会への潔癖性を全開にした後半は、岩井監督特有の世界観であり映画と言うより、小説や詩、PV的とも言える。 病的なまでに抽象化された、二人だけの結婚式から真白の死がその最たるもので、この雰囲気に依る所も大きい作家性は、好みの問題であり是非を語るのは野暮なのだろうか。 現実世界との糸である、引きこもりの生徒とのやり取りを最後まで丁寧に描いたのは素晴らしい。 このやり取りやその変化で、かろうじて繋がる七海と社会との距離感を図る事ができる。 夢のような時間が終わり、陽の光が差し込む部屋の中から七海は再び社会へと踏み出す事が出来るのか。 空へと解放されたカメラ、視点は彼女の行く末を語っているかのようだった。[DVD(邦画)] 5点(2017-02-20 23:01:07)《改行有》

28.  葛城事件 《ネタバレ》 度重なる不在と欠落の先に導かれる逃れようのない現実。 歪んだ父権主義による、手本となるべき父親の不在。手料理の不在に象徴される母性の欠落。とりとめのない会話、談笑の欠落。食卓を囲み、家族で食事を取るという行為の不在。家族以外の他者、社会との有機的な関係の欠落。 やっとの事で父親から逃れついたアパート。始めてとりとめのない会話が成立し、家族が食卓を囲み、陽光と音楽がその光景を暖かく照らし出す瞬間。 父親が乱入する事で自然光は欠落し、人工的な照明が無理矢理家族を照らし出す。父は次男の心情吐露を遮断し、偽りの甘言を発し、人間を迎え入れる場としてではなく、縛り付ける場として機能する家へ家族を連れ戻し、希望の萌芽は摘み取られる。 その後、一人また一人と成員が欠落していく事で家族は崩壊する。 家族を失い、家という唯一頑なに守っていた中身のない容れ物を壊し、希望の象徴の木で死を迎えようとするも、それすらも成し遂げられなかった後、何事もなかったかのように「食べる=生きる」という本能にすがりつく父親。 作中度々捉えられるローアングルの同一ショットによって、小津的不在の確認なる孤独な男の姿をカメラは映し、それが唯一残った現実である事を静かに提示していた。 そしてその姿は、誰もがそうなり得る可能性を持った存在でもあった。 少なくとも自分は次男に過去の自分を、長男に今の自分を、父親に可能性としての未来の自分を重ね合わせて観てしまった。[DVD(邦画)] 9点(2017-02-19 23:57:00)(良:2票) 《改行有》

29.  イット・フォローズ 独特な編集のリズム、旋回するカメラワーク。海辺のシーンでカットが変わる事に徐々に近づいてくる恐怖は、「それ」を目視出来ない他者の視線は危険回避には役に立たないという証明にもなっていて良かった。 全体的に「それ」の見せ方に気を使い工夫しているように思えた。[DVD(字幕)] 6点(2017-02-18 19:55:31)《改行有》

30.  エクス・マキナ(2015) 《ネタバレ》 ただ単に愛したAI(女性)に裏切られたという話。エヴァの見た目が美しいため対象が例えAIであろうが、人間とAIの差異や種族を超えた情愛の行方への説得力も生まれない。 あの閉塞された状況であれほど美しい見た目のAIにそそのかされたら、ほとんどの男はなびくだろう。 ネイサンの真意もエヴァの裏切りも、意外なオチと思わせる為のオチとしてしか機能していない。 そんな凡庸で革新性もない物語。 ただラストの緑の自然の中にいる自由なAIと赤い光の人工物の中にいる捕らわれた人間という対比は抽象的に機能していた。[DVD(字幕)] 5点(2017-02-18 17:50:10)《改行有》

31.  太陽(2015) 《ネタバレ》 目では見えているが、当事者の精神的断絶が視覚的空間の断絶に伝播する=生田宅での襖は開いているが、観客からはレイプの全貌が見えないシーン。 フェンスを隔てたキュリオの世界とノクスの世界の境界線。お互いが見えてはいるが、服装や所作、思考、価値観移動手段など全てが異質の物(父娘の別れのシーンに代表される)である事が分かる。 そして目では見えないが、当事者の精神的継続が視覚的空間の継続に伝播する=車のボンネットを隔てた鉄彦と富士太の関係性。 そういった相反するものの境界の曖昧性と価値の逆転を描いている。それは可視と不可視、光と闇、ノクスとキュリオ、自由と不自由であったり。 目を引くシーンも多い。冒頭の低い位置から捉えた駐在員殺害。視覚を制限し影をうまく使ったレイプ。対比として繰り返される生田母娘と鉄彦、富士太の構図。 そして終盤、奥寺姉弟が死亡するシーン。 長回しにより持続する時間の中で、近景(鉄彦と富士太)中景(生田親子)遠景(村人と克哉)による三つのドラマが同時に進行する。 画面的な多層性も去ることながら、キュリオとノクスの融解、ノクス同士の和解、ノクス同士の対立というように関係性もグラデーションになっていて意味の多層性も秘めている。 そしてその果てに起こる二つの肉体的な死、一つの父娘という関係の死。一つの友情の生。 争いと離散の果てに生まれた友情はどこへ向かうのだろうか。[DVD(邦画)] 7点(2017-02-11 15:37:16)《改行有》

32.  恋人たち(2015) 《ネタバレ》 問題が解決したわけではない。状況が好転したわけでもない。 世間には相変わらず偏見も差別もあり、不条理な出来事が溢れている。 でもふと顔を上げた時に空が青く綺麗だったり、今まで理解し合えなかった厳しかった人の人間らしさ、優しさを垣間見たり。 誰かの何げない一言が何故か心に響いたり。 食べ物が美味しかったり、心に残る良い映画を観たり。 多くの悪い出来事の中に少しだけある悪くない出来事に心を動かされながら、今日も何とか生きていく。[DVD(邦画)] 8点(2017-02-11 12:13:25)(良:2票) 《改行有》

33.  死霊館 エンフィールド事件 《ネタバレ》 霊は出る事をもったいぶらない。 母親が来ようが、警察が来ようが、テレビの撮影をしてようが、ウォーレン夫妻がこようが、もったいぶって出てこないという事はない。(出てくる理由があるのが後から分かるものの) それは音響をとっても同じで、怖がらせる所で、おどろおどろしい音がしっかりと鳴ってくれる。 カメラワークも然り、霊や怪奇現象の見せ惜しみはしない。 画面から観ている側に侵食せず、全てを聞かせて、見せてくれる安心感があるから、観客は安心して怖がる事が出来る。 それはどんなに怖がらせても、絶対に客には触らないおばけ屋敷の構造と似ているのかもしれない。 深層心理では「最後には助かる」と分かっている安心感。 この恐怖とは相反する感情を持たせながら、怖がらせる事ほど高度な事はないのかもしれない。[DVD(字幕)] 6点(2017-01-30 00:42:15)《改行有》

34.  沈黙 ーサイレンスー(2016) 《ネタバレ》 弱さや醜さの象徴となっているキチジローの存在(踏み絵はすぐ踏むが、神は信じていて、その都度自責の念にかられる弱き者)が、現代の日本に生きる自分に一番近いような存在に感じた。 この話では一人浮いている彼がいる事で、この物語が遠い世界の話ではなくなった。 それは言葉で言ってしまえば簡単である、「信じ抜く事」の困難さを彼を通じて改めて見せつけられるという形にも繋がっていた。 オープニングとエンディングを自然の音(人間の営みに振り回されず、存在する意味に悩む事も語る事もせず、ただそこに存在する海、鳥、風、草など)で包括したのも興味深い。 牢屋の柵を使い限定された視野を通して、ロドリゴそして観客が拷問を見せられるシーンは、視界が良好でない彼の心情描写にもなっていただろう。 気になる点で言えば、ロドリゴが踏み絵を行う場面。第三者(神かロドリゴの内なる声か)のボイスオーバーを被せる、足のクローズアップ、スローモーションで地面に倒れこむという一連の流れは少し鈍重で直接的すぎる表現だったように感じた。 ラストの十字架への極端なクローズアップも、意図的すぎるように思える。[映画館(字幕)] 6点(2017-01-29 02:00:12)《改行有》

35.  死霊館 《ネタバレ》 左右、上下反転するカメラアングルは、視覚的にも話自体にも平衡感覚を失わせる機能を果たしていた。 はっとするような恐怖表現はあまりなかったが、除霊場面のともすればコメディ、パロディにもなってしまうような全てが度を越して過剰な恐怖描写はサービス満点で、とても楽しめた。[DVD(字幕)] 5点(2017-01-28 17:00:32)《改行有》

36.  マジカル・ガール 《ネタバレ》 少女がコスチュームを欲しがらなければ、コスチュームがもう少し安価なら、父親が失業していなければ、あの日あの時、宝石店に強盗に入ろうとしなかった。バルバラに出会う事はなかった。 そして、バルバラがダミアンと再開しなければ。 途切れる事のないコミュニケーションの不和と不足、断絶の中で、全てが負に働く原因と結果が重なり最悪の結末を招く。 そこに残ったのは、録音された音声=マクガフィンという実在したのかも分からない空虚な中心だけ。 物語の山場となり得る、エロスとタナトスを直接的に見せない(ルイスを射殺する場面では発砲を見せない、バーの店員と客を射殺する場面ではドアという遮蔽物によりはっきりと見えない)、若しくは省略する事で、登場人物や映画全体の温度を低く保ち、それは物語の空虚さだとか無常感という負の側面を際立たせる為にも効果的な役割を果たしていた。 発砲描写においては銃を手に取る音を使い、撃つ側と撃たれる側を音と映像により同時に一画面に収めるという表現方法は新鮮だった。[DVD(字幕)] 6点(2017-01-28 02:29:31)《改行有》

37.  ドント・ブリーズ 《ネタバレ》 ひと気がない整然と並ぶ家々を俯瞰して見下ろす映像から、カメラが下降し老人が女性を引きずる様子を映し物語は始まる。この台詞なしのワンショットのみで異様な空気、不吉な予感を漂わせる。 時折不気味なゴーストタウンのショットを挟みながら物語は進み、三人は老人の家に進入する。 家に入ってからの舐めるようなカメラワークの長回し。緊張感の演出もさることながら、観客にあらゆる物の配置、間取りを覚えさせるという機能も果たしている。ここで恐怖の下地が整う。 そこからは恐怖があらゆる感覚を通じて、連続で続く。 視覚による恐怖。痛覚の恐怖。嗅覚(老人が嗅ぎつけた香水であろう匂い)による恐怖。触覚(怪力で盲目の老人に触れられる事で逃げられない)の恐怖。聴覚(物音を立てる事ができない)の恐怖。 沈黙の間の中押し寄せる恐怖の連続は観ている側にも、息をつき物音を立てる事を許さない。 人物設定も素晴らしい。過去に娘を事故で亡くした盲目の退役軍人と獰猛な番犬という補って余りある補完関係は、主人公達との力関係を絶妙なラインでシーソーのように揺れ動かせる。そして妹と現状を抜け出す為にどうしても金がいるロッキーは、人間の罪や弱さを背負う。そのどちらもがサスペンス要素を伴いそれを増長させる。 そして計算されつくした舞台設定。 一軒家という限定された空間、薄いガラスの天窓、一人しか通れない幅の地下通路、鍵束、ホームセキュリティ、格子付きの窓、通気口など挙げればキリがないセットはどれもが物語に十二分に機能していく。 何から何まで作り込まれた物語、状況設定に、あらゆる感覚を刺激されるという、今までに感じた事のない恐怖体験だった。[映画館(字幕)] 8点(2017-01-24 19:22:23)(良:1票) 《改行有》

38.  ギャラクシー・クエスト 《ネタバレ》 めちゃくちゃ笑って、そしてなぜか泣けました。設定は言うまでもなく、脚本や演出、伏線の張り方も素晴らしかったです。キャラクターの個性的な面々もいい味を出していましたし。自分は、何だかんだ言って結局最後にトカゲヘッドに懸けてくれたツンデレなアラン・リックマンがお気に入りです。[DVD(字幕)] 8点(2017-01-20 19:52:20)

39.  ラブ&ピース 《ネタバレ》 自我や夢、欲望の象徴としてピカドンがいて、スターダムに昇る良一と共に誇大化していくピカドン。 誇大化しきった全てがはじけ、一人家に帰る良一の姿は、「地獄でなぜ悪い」のその姿の対極、もっといえばその先にあるものを感じるし、監督自身のセルフオマージュ、厳しい視点をもった過去作への返答だと思った。 甘いだけでない厳しい視点の提示は素晴らしいし、そこからの可能性に満ちた開かれたラストシーンには、等身大の希望を感じ、残ったものが良一にとって何よりの救いであったように思えた。 物語全体が一人の少年が頭で描いた夢のような話しで、それはビートたけしの「みんな~やってるか!」に通じるものを感じ、園監督という人は本当に映画が好きで、情熱をもって映画を撮っていて、純粋な人柄の方なのだと思った。[DVD(邦画)] 6点(2017-01-18 21:06:37)(良:1票) 《改行有》

40.  スポットライト 世紀のスクープ キリスト教信者にとって教会、神父がどういった存在であるかは日本で特に何の宗教への信仰心もなく生きる自分にとっては真の意味ではわからない。しかし作中で語られるようにそれが神を意味する存在であるのなら、そして自分が救いを求める者であるならば、それは遠い世界の話しではなくなる。 そして、この事件自体何が原因とはっきりと断定できない程、根深く大きな問題であり、人間は神ではないという事は十分に伝わってきた。 何にせよ自浄作用があるかないか、言論、報道の自由があるかないかで、世界は大きく変わるのだろう。[DVD(字幕)] 6点(2017-01-17 18:16:47)《改行有》

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