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21.  スター・トレック/イントゥ・ダークネス 《ネタバレ》 スタートレッックはCGのでき具合ではなく、ストーリーに夢があるかで決まります。未知なるものへの畏怖の感じられないスタートレックほどつまらないものはありません。結局人間の邪心、煩悩がもたらした障害と戦うストーリーでは西部劇と変わらないのでは?もう少し格調の高いスタートレックが見たいものです。[映画館(字幕)] 3点(2013-09-18 22:17:33)(良:3票)

22.  TIME/タイム 《ネタバレ》 設定はとても面白く、寿命(time)をクレジットカードのように出し入れしながら毎日を生きるというもの。現実世界のマネーは輪転機でいくらでも刷れる(または電子的に増やせる)のですが、この世界のtimeは有限なのか誰かが自由に創造できるのかは不明なままでした。主人公達がマネーに相当するtimeを貧しい人達にばらまく行為を「秩序を乱す」と批難し、「秩序を乱しても結果は同じなのに」と評するところはこの世界に至る様々な歴史の存在、或は現在の拝金主義経済への寓意を多く含みます。しかし今後の展開について含みを持たせた終わり方は現実世界に対しても良い展開への夢を持たせたかったのだろう、ということでこの点数で。[DVD(字幕)] 7点(2013-09-18 22:03:23)(良:1票)

23.  許されざる者(1992) 《ネタバレ》 許されざる者が誰なのかを最後まで考えさせる作品でした。出てくる人達は娼婦達も含めて全員何らかの罪を負って生きているように見えます。しかし監督としては主人公のマニーを最も許されざる者として描きたかったのでしょう。それは「普通に生きる」というだけでは駄目で、「罪に向き合って生きる」のでなければ贖罪にはならず、結局「本性は許されざる者でありつづける」という厳しい指摘のように思いました。苦しめられた主人公が最後にバンバンと悪をやっつけてカタルシスを得るのが従来のイーストウッド主演作のパターンですが、最後にバンバン殺して「自分が一番悪い奴です」という落とし方は見事というか、見る人を考えさせる作品にしています。晩年の彼の映画の作り方はけっこう好きです。[DVD(字幕)] 7点(2013-09-18 21:42:04)

24.  グリーン・ゾーン 《ネタバレ》 作品中では詳しく描かれませんでしたが、イラクの将軍は米政府と組んでサダムフセインの後を継ごうとしていた訳で、米政府は将軍から大量破壊兵器はないと知らされていながらそれを口実に開戦に踏み切った。どちらが悪かと言えば悪代官と三河屋のようなもので「両方悪」としか言いようがない。主人公のミラーは軍、CIA(将軍を生かす方)どちらに組みしても「悪に組みする」ことになる。それを現地人のフレディの最後の一発で知らされるという「落ち」は物語として理解するにはやや難解かも。政府の欺瞞をマスコミへの告発で正そうとするのは、現在のアメリカマスコミ事情を考えると劇中度々出てきた言葉で言えば『ナイーブ』すぎる希望的結末ではないかと思います。採算度外視で1億ドルかけて作った意気込みにこの点数で。[DVD(字幕)] 7点(2013-08-06 11:16:25)

25.  ハート・ロッカー 《ネタバレ》 911以降、アメリカ国内では愛国者法ができて「テロ対策」と言えば国民の人権も制限の対象になる、テロの容疑者とされれば拷問もOKという何でもありの状態。一方で10年に及ぶ国力を疲弊させる実りのないイラク・アフガンにおける戦争をハリウッドがどう映画化し、どのような描き方ならば高評価がなされるのかは興味深い所でした。COIN(Counterinsurgency)と呼ばれる米軍のイラク・アフガンにおける活動は軍隊本来の活動とはほど遠く、戦争映画として描くとなると、軍が本来的に持っている機能の何かを主役に描かねばならず、結果として「爆弾処理班」の活躍を描く事になったのでしょう(途中戦争映画的な狙撃戦も織り込まれてますけど)。設定としては戦争好き(戦場でしかうまく自己実現できない)な主人公が周囲を巻き込んでぐいぐいとストーリー展開が行われる中で、義務感から戦争に参加している普通の軍人達の苦悩が描かれて、全体としてアメリカが戦う意義が表徴されるというオーソドックスな設定(第二次大戦ものや朝鮮戦争ものなどで多い)がなされているのですが、その意義の描き出しが難しいのがこの戦争。「テロとの戦い」という戦争の大義が描けたかというと、それがイラク国民のためにもアメリカ国民のためにも大義として「成立していない」ということを、多分大義として「意図的に描き出していない」所がこの映画が評価されたところかなと思いました。[ビデオ(字幕)] 7点(2013-07-22 19:48:01)

26.  Vフォー・ヴェンデッタ 《ネタバレ》 展開はVと両親を政府によって殺されたイヴィー、政府の中枢の人達とVを追跡する刑事を中心に描かれるのですが、どこか舞台演劇のような作風で割と狭い空間内でストーリーが展開してゆきます。敢えて安穏に暮らせる日常を捨てて強権的な政府に楯突く道を市民が選ぶようになる経過はイヴィーがVに捕われて擬似的?拷問を受けながら、困難な自由への道を選択するという過程に暗喩されていて、全編を通じてVの芝居染みた台詞や象徴的な展開・表現が多いこと(倒される政府中枢の人少なすぎ?とか)からこの映画の好き嫌いや評価が分かれる所だと思います。Vは超人的・暴力的で、それは原作に従って漫画的なのかも知れませんが、権力は嘘をつくもの、国家権力による管理社会は個人の自由を平気で侵害するもの、自由は国民皆が意識を持って改革を迫らないと得られないもの、といったメッセージは十分伝わるし、ここに描かれた国家の姿は多かれ少なかれ、我が日本を含む現在の世界中の国家権力の姿を反映していることも理解できます。そういったメッセージ性を評価してこの点数で。[DVD(字幕)] 7点(2013-07-22 19:38:01)(良:1票)

27.  スカイ・クロラ The Sky Crawlers 監督の情報も作品の前知識もなく飛行機の戦闘シーンが奇麗ということで見ました。うがった見方で恐縮ですが描かれた世界はコンバットフライトシミュレーターをコンピューター側から描いた作品のように見えました。敵味方に出現する唯一の人間である「ティーチャー」は「プレーヤー」であって撃墜されて死んでもまた同じようなキャラで補充されるのはキルドレはAIで作られたパイロットですね。そしていつまでもプレイ(コンピュータ内の戦争)が続けられる設定。一方でこの架空の世界が現実にはないかというと「戦争の意義や目的」が不明なまま延々と戦争をし、一般国民は第三者的な見物人であり、また戦争によって利益を得ているスポンサー(出資者)も別にいるという「実在の国」もあるのでこれは日本と外国では見る人によって感想は変わりそうです。後半になってやっと状況設定が分かってきたのですが、予備知識なくてもそこそこ楽しめたのでこの点で。[CS・衛星(邦画)] 6点(2012-07-31 17:43:19)

28.  世界侵略:ロサンゼルス決戦 《ネタバレ》 アメリカの軍人達は本当はこういう戦争をしたいんだよ!という本音を語った作品。つまり「アメリカの国土と国民を守るため」に、海兵隊の不屈の魂で命を掛けて戦う、という夢を描いたもの。普通のアメリカ人にはどこにあるかさえ知らない土地で戦争の遂行目的も戦う相手も解らないまま国民の実生活と関係ない戦争させられているのが現実。戦争で得をしているのは軍産複合体だけというのが解ってしまったアメリカでは、こういう夢の戦争映画しか作れないということでしょうか。Cイーストウッドは硫黄島二部作でアメリカと日本の兵士にとっての戦う意味を皮肉をこめて「旗」と「手紙」に象徴させましたが、この映画ではまさに「家族への手紙」をさりげなくシナリオに入れることで戦う意味を表していました。そんなメッセージを感じながら、力の入った演技とシーンにこの点数で。[DVD(字幕)] 6点(2012-07-16 15:39:07)

29.  巨大なる戦場 《ネタバレ》 建国当初のイスラエルの苦労を描いた点では貴重な作品で、ダヤン将軍や初代首相のベングリオンを彷彿とさせる脇役となるキャストは良いのですが、主役は戦争大好き中年だしJウエインやシナトラは取ってつけたようなキャラだし史実を描いた映画としては今一つでしょう。しかしアメリカ人にとっては苦戦しながら勝利を手にしてしかも娯楽的要素が入っている映画は受ける映画なのだろうと思います。昔テレビで見たときには第二次大戦の回想シーンはカットされていましたが、確かに話しが冗長になり、主人公が戦争大好きという事を際立たせる役にしかたっておらず流れが途切れる結果になってしまっています。20年前にエルサレムやマサダの丘を旅行したときにこの映画の事も思い出しながら観光しましたが、現在のイスラエルは国自体がこの映画の主人公ミッキーの様な性格になっているように感じます。建国時の初心を忘れる事なくユダヤ民族のみでなくアラブを含む全ての人達の安息の地として皆がが平和に暮らす国を目標にしてほしいものです。[DVD(字幕)] 6点(2012-05-02 22:47:51)

30.  追憶(1973) 《ネタバレ》 高校生の息子と見ました。「アメリカではユダヤ人は金持ちもいるけど一般的には貧しいからWASPぽいハベルと貧しくて政治色の強いケイティ(いかにもジュイッシュ)の違いが出てくる」「第二次大戦ではルーズベルトは共産主義のシンパだったことは当時のアメリカでは常識で、軍人も大戦後ソ連が台頭したことに怒り心頭だったのはパットンだけじゃない、その反動でハリウッドにも赤狩り旋風が吹いた」「70年頃はアメリカの映画界もまともだったから近ごろの娯楽一辺倒や大政翼賛映画ばかりじゃなくてこういった奥の深い映画も作られた」とか学校で教えない近代史を講釈しながら見たのですが、息子も背景が理解できるとそれなりに興味深く見れたようです。私はハベルの「自分の純粋さを保ちたい、まっすぐに生きるケイティに魅かれる」しかし、「現実生活の方を選んで、結局効成り名を遂げてテレビ大衆娯楽のために働いた(しかし生活は安定)」という人間的な部分に共感しますね。その点女性の方が強いんだな。二人の選んだ道は違ったけれども、年を経て再開した時のラストシーン、本当に愛しているからこそお互いの生き方を認めていることを感じさせる「言葉のかけあい」に大人の恋愛を感じてちょっとウルっと来てしまいました。こういう映画最近少ないですね。[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-03-21 18:30:27)

31.  ボーン・アイデンティティー 《ネタバレ》 設定が「おじさん」には無理がありすぎて今ひとつ。国家は人間性無視の神をも恐れぬ悪い事をするけど個人は人間性を保持し続けるというのもベタすぎるというか、もともと主人公は納得してこのプロジェクトに参加していたはずなのに記憶喪失すると人間性も普通人になるというのもなんだか。娯楽映画としてあまり考えないで見ればけっこう楽しめます。[DVD(吹替)] 5点(2011-10-22 23:28:42)

32.  グラン・トリノ 《ネタバレ》 古き良きアメリカを象徴する名車「グラントリノ」をこよなく愛する古き良き時代のアメリカ精神を持つ(と自負する)ウオルト翁は、自分の子供達にその精神がなく、実利的すぎて好きになれない。一方で朝鮮戦争で少年のような敵兵を殺戮したことを命令とはいえ、深く罪の意識を持ち続けている。そこにベトナム戦争で故郷を追い出されてアメリカに移民せざるを得なくなったモン族の少年と姉とに深く関わるようになる。これで草の根保守としてのクリントイーストウッドが現代アメリカ社会へ訴えるメッセージのお膳立てが揃います。理不尽で許せない無辜の市民への暴力(911とか)にはダーティーハリーならば見るものにカタルシスを覚えさせる百倍返しの暴力(イラクやアフガン)で答えるところですが、自身は無防備でアジア人の悪ガキに蜂の巣にされ、悪人の始末は公正な法の裁きに委ねるという「選択」は今の米国では考えられない結末でしょう。硫黄島の二部作でも日米の戦う(戦争でなく)意味の違いを際立たせてよく日本に好意的な映画を作ったなあと感心したのですが、イーストウッドはアメリカ人を幸福にしない第二次大戦以来のアジアへの侵略は保守として納得できないことを改めて訴えたかったのだと思います。最終的に古き良きアメリカの象徴グラントリノをウオルト翁は身内でなくアジア移民のナイーブなタオ少年に譲り、次代のアメリカの夢を託すという結論になるのですが、この結末にどれだけの現代アメリカ人が共感できたのか直接聞いてみたい気がします。娯楽映画としては見れませんが、イーストウッド最期のメッセージがこれかということでこの点数。[DVD(吹替)] 7点(2011-10-22 23:15:31)(良:1票)

33.  最高の人生の見つけ方(2007) 《ネタバレ》 医療は生き甲斐を提供できない、医学的に正しいからと言って、完治しないと解っているがんの治療で残り少ない人生の時間と体力を浪費すべきではない、と私は強く思っています。では残ったわずかな人生を一番有効に使うこと、最高の人生を送るには、という答えが最終的に「愛情のある家族と過ごすこと」というのは人種、宗教、貧富の差を超えて同じなのだなというメッセージは大変共感をもてました。一神教の世界では死に向かう人の心構えが仏教徒とは違うかもと思っていたので興味を持って見ていたのですが、人間の幸せは皆同じようです。この映画は重い題材だけに軽い作り、軽い演技(のように見せている所が名優とも言えますが)にしている点、映画館でみるよりテレビ向けのなのかも知れませんね。[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-09-25 12:56:46)(良:1票)

34.  セブン・イヤーズ・イン・チベット 《ネタバレ》 何か物足りない淡々とした映画だな、という印象です。映画としては、文明国を離れた非日常的な生活、しかもヒマラヤの絶景と密教的な異文化の中で過ごしたことを物語るだけで十分面白さはあるのかも知れません。しかし描きたい中心がチベット文化なのか、若き日のダライラマなのか、中国のチベット侵略なのかがはっきりしない所が長尺な映画の割に何か物足りなさを感じてしまう所以なのだと思います。若き日のダライラマを描いた時点で当然中共のチベット侵略が映画の焦点として描かれない訳にはいかないのですが、描き方が肩透かし的で、中共軍によるチベット人の虐殺もダライラマの夢に出てくるだけ、チャムドの戦いもちょっとした砲撃でチベット軍は雲散霧消、指導者ンガワン・ジクメの降伏勧告があっさり描かれているだけです。この中国のチベット侵略はハラーを交えた物語の一部として映画で描くには、実はあまりに複雑で長期に及んでいるから簡単には描けなかった、というのが監督の本音ではないかと思われます。49年の中共成立、50年のチベット攻略宣言、51年の17条協定の強要、56年からのチベット動乱58年ラサ暴動とダライラマ亡命など実際には10年以上かかってじわじわとチベットの独立(自律的政権の消失)が行われてきた訳ですし、中国も当初は香港的一国二制度を西蔵といわれる地域には認めていた経緯などもあって、監督としては「まあこんなもんだろう」という感覚でチベット侵略を描かざるを得なかったのだと推測します。チベット併合の是非はともかく描かれた中国としては「許せない」という気持ちも多少理解できます。ただ他にチベット問題を取り上げたメジャーな映画がない現状では十分この点数の価値ありと思います。[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-01-30 14:16:34)

35.  インビクタス/負けざる者たち 《ネタバレ》 この映画でイーストウッド監督は結局何を言いたかったのか、というと「より大きく成長するには自分達の敵だった者も許して取り込め」ということかと思います。マンデラ氏の不屈も物語でもなく、弱いチームの成長物語でもなく、国家再生の物語でもない、中途半端と言ってしまうと身も蓋もありませんが新国家の設立をラグビーワールドカップ優勝までのストーリーを軸に世界(特にアメリカ国民に)何を言いたかったか、というと上記のことだったと思います。[DVD(字幕)] 6点(2010-07-26 20:58:55)

36.  ブルー・マックス 《ネタバレ》 この映画には二つの見所があります。ひとつは言うまでもなく実機の複葉機(三葉機も)を用いた空中撮影の迫力、これはCGのなかったこの時代ならではのものだと感心します。もう一つは戦争における庶民階級の関わりです。国王を頂点とする「領主の集合体としての国家」同士の戦争が「国民国家」を単位とした戦争に変わってきたのが第一次大戦であり、平民出身のジョージペパード扮するスタッヘルがパイロットとして勲功を上げ、プロシア王国最高勲章で貴族しか得ることがなかった(パイロットや将校は原則として貴族だったけれど戦争後半になって人員不足から平民からも採用されるようになった)ブルーマックスを叙勲されるに到ります。この戦争に勝ち目はないと見た不倫相手の貴族の将軍婦人はさっさとスイスに亡命を図りますが、国家の英雄にこだわる主人公は亡命を断ります。この決断が破滅を招くのですが、貴族と平民の戦争に対する意識の違いが際立つ場面と言えるでしょう。しかし見所はやはり飛行機。飛行機ファンとしては甘いですがこの点で。[DVD(字幕)] 9点(2010-07-26 20:40:45)

37.  バリー・リンドン 《ネタバレ》 穿った見方とは思いますがこの映画、キューブリック流「真・善・美」の解釈のように思いました。中世のカソリック、プロテスタントが交錯した国々を描く中で宗教問題は完全にスルー、牧師のラントは教育係に徹してます。つまり「真」は今も昔も不確かなものとして相手にせず片付けられています。淡々としたナレーションと現代人の我々が主人公に感情移入できない構成、しかも善悪の判断を描かないことで、何が「善」であるかも不確かなものと解釈していると思います。平民、貴族それぞれに善悪の解釈が違うし、現代人の観客とも違うと見るべきでしょう。一方で中世の城なんてもっと不潔きわまりないものだったはずですが、「美」については映像全てを壮麗な絵画の中で描くように徹底的に追求しています。虚実や善悪は人間が死んでしまえば同じでたいした問題ではないけれど「美」だけは永遠であるという監督の主張が最後のナレーションによってさらに強調されたようにも感じました。 [DVD(字幕)] 8点(2010-05-04 18:46:56)《改行有》

38.  ハリーとトント 《ネタバレ》 愛猫トントに振り回されることで寄り道の多い旅になるのですが、猫は別に芸をするでもなく自然体で主人公と一緒にいるだけ(出歩きが否そうにも見える)というところが極めて猫らしく好感が持てました。老人問題を軸に据えながら、様々な世代の出会う人達、フラワーチルドレンや老インディアン、実の子供たちも結婚や事業に失敗して皆さえない人生を送っているのですが、それぞれの登場人物が悩みながらも一生懸命生きていることが描かれていて、しかも不思議な優しさや暖かさのようなものが伝わってきます。これは現代のアメリカを描くことでは無理かもしれません。一生懸命生きて老人になっても死はあっけなく訪れます。とても悲しい愛猫トントの死もあっさりと描かれます。しかしラスト30秒、新しいトントの出現の予感と子供の笑顔?は、老いて死ぬ事も新しい生命と希望につながるというメッセージのように感じ、清々しさを残すラストでした。[DVD(字幕)] 8点(2010-01-18 18:49:33)(良:1票)

39.  硫黄島からの手紙 《ネタバレ》 アメリカ人がよくこれだけ日本に優しい日本人の感情をストレートに描いた映画を作ったとまず感動しました。アメリカの描く日本軍は人間性に欠け、残虐だったり滑稽だったりとどこか侮蔑を含むものが多いものですが、作中の日本兵は信条の違いこそあれ心の通う人間として描かれています。最近の日本の戦争映画はどこか反戦や勇気、友情などに力が入りすぎていて違和感があるのですが、アメリカ製作のこの映画は感情的にすんなりと受け入れられるものでした。私は20年近く前に硫黄島を訪れたことがあるのですが、改めて祖国のために尊い命を犠牲にされた先人達に感謝したいと思わせる映画でした。[DVD(字幕なし「原語」)] 9点(2008-09-28 19:11:42)(良:2票)

40.  父親たちの星条旗 《ネタバレ》 クリントイーストウッドが何故日米相方の側から描いた戦争映画を作ったか、また何故硫黄島かを考える時、それぞれの兵士達が「何のために戦い、尊い命を犠牲にしたか」を主題に描きたかったのだ、ということがこの2作品からわかります。「硫黄島からの手紙」で栗林中将が「我々がここで戦う一日一日が本土がアメリカの攻撃にさらされるのを防ぐことになる」と明確に訓示している一方で、米軍兵士は劇中語られるように「一緒に戦う友人のため」せいぜい「国家のため」に戦うのであって、本土は戦場とは別世界であり、母国で家族が日本に殺される危険は全くありません。執拗なフラッシュバックや時代の跳躍も地獄の戦場との乖離を際立たせるための手法であり、本土で英雄を紹介するにあたり「これはショウビジネスなのだよ」とまで言わせる徹底ぶりです。クリントイーストウッドとスピルバーグ(プライベートライアンも同じ目的で製作と思います)が何故ここまで米軍に厳しい映画を作ったのかは、私が常々感じるアメリカ国民は参戦を納得していなかったことに通ずると思いますし、何よりも「何のために戦うか」を描く事が現在の「アメリカのあり方」に対する「草の根保守派」からの強烈なメッセージなのだと思います。硫黄島二部作において日米それぞれの兵士達の戦う目的が「旗」と「手紙」という題に象徴されているのです。[DVD(字幕)] 8点(2008-09-28 17:26:20)

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