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性別 男性
年齢 53歳

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401.  続・男はつらいよ 寅さんシリーズに「抱腹絶倒」という形容は似合わない気がするのですが、この第2作、いやあ、本当に爆笑させていただきました。生みの母を訪ねるくだりが最高、ほとんどシュールギャグとも言える無類の可笑しさ。一方、落ち込んだ寅さんを迎えるとらやでの「禁句」のくだり、こちらはお約束と言えばお約束だけど、ちょっと落語っぽい可笑しさが効いてます(ハナマルキのCM、懐かしいなあ。とは言え当時まだ私は生まれてないが)。というわけで、「大いに笑える」作品に仕上がっておりますが、実はストーリー的には、寅さんの生い立ちに関わる哀しいものがあり、フト、こんなに笑ってていいのだろうか、という気にもなったりします。実際、映画の中で、寅さんが泣いてる場面が、本当に多いんですねえ。そこで笠智衆演じる御前様が寅さんをたしなめるシーンが挿入されるわけですが、「男は人前で涙を見せるもんじゃない」という信念をつらいた笠智衆、彼の言葉であればこそ、の重みを感じます。また、この御前様に限らず、この映画では、チョイ役の人も含め(財津一郎!)、登場人物が皆、魅力的で印象深いです。が、やっぱり蝶々さん、ですねえ。蝶々さんは確か、東京生まれなんですよね?普通の関西系オバチャンとは一味違い、江戸っ子風にキップ良く関西弁をまくし立てる、という彼女の独特のキャラ、この役柄にぴったりです。清水寺や嵐山・渡月橋などの京都の名所でのロケもまた関西情緒を醸し出し、東男vs京女という永遠のライバル対決(?)を盛り上げるのでした。[CS・衛星(字幕)] 9点(2005-12-11 11:04:40)(良:2票)

402.  秋立ちぬ 信州から東京へとやってきた少年。彼のことを本当に気にかけてくれる者は誰もいない。いや唯一、気にかけてくれるのは、それはメルヘンチックに言動が浮ついた(?)、まるで絵本から抜け出てきたような少女でした。そういえば、この少女との交流の場面自体が、いかにも絵本のように目を引くものがあります。しかしこのいささか現実離れした少女にすらも、大人の手前勝手な都合による、厳しい現実が待っている。まして少年をや。ブローチのカブトムシを間違えて捕まえようとしてしまうエピソードが妙に心に残りました。少女のためにカブトムシを捕まえること、それは自分の幸せを掴むことでもあろうけれど、カブトムシはニセモノ、夢は儚く散る。それ自体は些細なことかもしれない、しかし、その少年の失敗の様子を見て、いかにも訳知り顔に「罪無く」笑う大人、ユーモラスな場面ではあるけれど、どこか残酷な感じもします。カブトムシのエピソードが、ラストに思わぬドンデン返し(!)につながるのも、印象を強めた一因でしょうか。暖かさと厳しさの同居した、珠玉の作品でした。[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-11-27 22:39:07)

403.  三大怪獣地球最大の決戦 「人間そっくり」の自称・金星人。ってまさかアダムスキーの影響か?そんなアホなと思いつつ、これが実は侮れない。彼女が金星人ではないということは実は証明できそうでできないのだ。同様に我々もまた、本当に地球人なのか、それとも地球人そっくりの異星人なのか。これぞ人間存在の根幹を揺るがす価値観の転倒だ。⇒というわけで、安部公房が本作に触発されて『人間そっくり』を書いたということは想像に難くないのであります・・・。それはさておき(笑)。ゴジラとラドンの闘いが、怪獣同士の対決ではなく、小動物の小競り合いにしか見えないのがナントモカントモ(ラドンのクチバシ突っつき攻撃が一番効いてそうに見える)。両者の説得にあたるモスラ幼虫、一番年下の癖にずいぶん大人びてるじゃないの。しかも、彼らを見限ってギドラに単身立ち向かう姿は、実に渋くてかっこいいではないか。う~む、背中に哀愁が。そうそう、これはギドラ登場の記念すべき作品でもあって、久しぶりに見ましたが、ギドラ登場シーンにはつい「おお~」と声をあげてしまいました。本作単品で観れば、ラストが完全決着でないのが惜しいところ。・・・それにしてもあのナントカ王国の人たちの、首にシャンプーハットを巻いたみたいな服装には、言葉を失いますナ。[CS・衛星(字幕)] 6点(2005-11-19 14:46:59)(良:1票)

404.  男はつらいよ 以前にシナリオを読んだっきり、なかなかお目にかかる機会がなかった、この記念すべき第1作目。BS2の全作放送でようやく観させていただきました。あのシナリオに書かれていた寅さんが命を吹き込まれ活躍する感動、「これがあの(日曜洋画劇場でお馴染みの)長寿シリーズ第1作なんだ~」という感動、そしてみな若く活き活きとしている感動。まさに感無量ですな。失恋して落ち込む寅さんの姿に、妻と二人で観ながら「可哀想」、「可哀想」、と連発しているうちに、本当に泣けてきそうになったのはやはり、その後のシリーズ各作品での寅さんの数々の苦闘、その長い道のりが、つい頭に浮かんでしまうからでしょうか。本シリーズは、我々日本人のデオキシリボ核酸に深く浸透しているのであります。[CS・衛星(字幕)] 9点(2005-11-13 18:53:44)

405.  放浪記(1962) これもまあ、「映画としての策略」という技術的な意味では、成瀬作品のベストワークのひとつに数えてよいものやら、よくわからんのですが、まずとにかく、面白かったなあ、と思える作品です。「貧困」「惚れっぽい」「直情的」・・・誰しも何がしか、自分自身の身に憶えがあったりするのだけど、それがいささか極端でぶっ飛んだ主人公の姿、何ともコマった人でハラハラさせられもするし、また何ともいとおしくもあります。つい笑ってしまうシーンもたくさんある一方、男女関係の緊迫感もまた格別。ヒヤヒヤ。そして主人公がときに見せる、自分はこれだけではない、これだけでは終わらない、という、怒りに似た表情にも、何か我々が忘れかけているものを思い出させ、ドキリとさせられると同時に勇気づけられもします。というわけで、良い意味で、自分に身近に感じられる映画、でした。[CS・衛星(字幕)] 9点(2005-10-31 23:25:19)

406.  乱れ雲 いかにもメロドラマらしいメロドラマで、確かに引き込まれはするのですが・・・なんとなく物足りない! 成瀬作品って(まだ大した数観たワケでもないんだけど)、刻一刻、次のカットが予想できないような、何か屈折した感覚があるように思ってたのですが、どうもこの作品、流れがスムーズすぎて・・・(でもやはり、ところどころは「アレッ」と思うカットが挿入されて、何だかウレしくなる)。まあ、作品がカラーである時点で、雰囲気がモノクロよりも日常に近づく分、場合によっては、映画の「神秘性」が薄らぐ原因となったりもするのでしょうが。それにしても加山雄三の笑顔がインチキ臭い。メロドラマなのに、二人が結ばれることを期待するどころか、「ああ、こんな胡散臭い男にだまされるなぁ」「くそーまた偶然を装ってバッタリ出会いやがる。ストーカーの手口だ」「熱出たくらいで甘えやがって。母親の話と違うではないか」「あっ今のは絶対セクハラだっ」こういう邪念が湧いてしまうのは、私が悪いのか、映画が悪いのか。←こういう事ばかり書いているのは、結構気に入ってる証拠だったりするわけですけどね、ははは(随所に流れる武満サウンドがグー)。でも、ラストはもう少しなんとかならなかったんですかね。この断ち切るような終わり方、鋭いようでいて実は無難なラスト、これは少々日寄っている気がしました。この重いテーマに相応しい処理の仕方だったどうか・・・。[CS・衛星(字幕)] 7点(2005-10-24 23:26:29)(良:1票)

407.  殺しのテクニック なんだかハウツーもののようなタイトルですが。出だしの暗殺シーンがカッチョよく、これは殺し屋の生き様を描いた実録風の映画か・・・と思いきや、そっから先は、ほどほどにアクションあり、ほどほどに謎解きあり、というフツーにハードボイルドな映画でした。しかし思わぬ展開をみせるストーリーはミステリとしてもなかなかのもの。そしていかにもガンコそうな主人公、思わぬ鋭い推理を見せたりもして(自殺死体を他殺と断定するくだりなど、推理が鋭すぎて逆にマグレとしか思えない)、意外な真相に突き進んで行く姿、やっぱりカッチョいいぞ。やる気を感じさせないカーチェイスなんかも、ああ、こういうの結構好きだなあ。カメラワークも、「部分→全体」をしつこく繰り返し、安っぽくもワイルドな味わい。そうそう、中盤でフランコ・ネロ(なのか?これが)がタコ殴りされるシーンなども、短いシーンだが忘れがたい。リンチを受けている背景には、ラジオからのベートーベン『英雄』が流れ、おお、このシーンはゼッタイに『時計じかけのオレンジ』に影響を与えているに違いない! え?そんなわけがない? いやまあ、こういう強引な態度こそが、「映画鑑賞のテクニック」というものでありましょう。[CS・衛星(字幕)] 7点(2005-10-21 22:33:52)

408.  眠狂四郎 無頼剣 いやはや、実にハードボイルドなる一本。「断っておくがワシはマトモな人間ではない」とのたまう狂四郎様。なーにをおっしゃるんですか、シリーズ他作品に比べりゃ相当マトモでっせ。何しろ、全然スケベじゃない。まさか別人、このヒト本当に大塩格之助だったりして、ウヒョヒョ。←というわけで、狂四郎の人違いに始まり、裏には裏のある、なかなかに奥の深いストーリーが、紙芝居のごとき場面転換、モンタージュ風のカット挿入によって、実に小気味よく進められていきます。一方、じっくり見せるところはじっくりと。この緩急の心地よさ、まさに快作と言ってよいでしょう。さて今回の敵は、天知茂演じるところの明智小五郎、じゃなかった、ニヒルなテロリスト・愛染。ちなみにワタシの知り合いで、「眠狂四郎シリーズってたしか、敵役は毎回、天知茂が演じてたんじゃなかったっけ?」などというワケの解らない勘違いをしている人がおりました。こんな勘違いが生じるくらいだから、まさに本作の天知茂はシリーズ屈指の印象深い敵役と言ってよい、のかどうか(???)。円月vs円月という、何かヘンテコな儀式のようなクライマックスに続く、どこか悲しさと虚しさが漂うラスト、脱帽であります。[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-09-28 23:41:13)(良:2票)

409.  脱走山脈 第2次大戦下、象の飼育を任されたイギリス人捕虜ブルックスが、ひょんなことから、象と共にスイスへの脱出を図るという、ユーモアあり、ダイナミックなアクションあり(意外なほどダイナミック!)のサービス満点映画。キャラの設定も絶妙で、トテモ面白いです。しかし、象を助ける一方で、人間はバタバタ死んじゃう。戦争アクションを盛り上げるには多少は死人が出るのはやむを得ないワケで、観る側としてもまあ、正直、こういうハデなアクションを期待してるんですけども・・・。えてして、動物愛護も過激になると「動物を虐待する人間」を攻撃し虐待する行為、になっちゃったりしてるわけで、こういうのは動物愛護の名を借りた「人間狩り」、と言わざるを得ない。この映画はそういうキナ臭いのとは一線を画している、あるいは画そうとしているのですが、やはり、「象を助ける」ことと、「敵と戦うことで死人が出る」こととの間の、なんとなく居心地の悪いバランスの悪さ、というものはどうしても付きまとってきます。で、しょうがないからバランスを補うため、とりあえず主人公ブルックスだけは設定上、一応、厭戦気分を持っておいてもらうことになる。これで一安心。ははは。まあそんなわけで、微妙な問題については各自折り合いをつけていただくことにして、この映画を楽しむことにいたしますと・・・結局、実はこのアンバランスさ(一種の「残酷さ」)こそが絶妙のユーモアの源だった、ということに気づいてしまうのですが。[地上波(吹替)] 8点(2005-09-27 00:03:24)

410.  テキサスの五人の仲間 《ネタバレ》 密室劇、ってのはありますが、こりゃほとんど卓上劇、ですね。正直、オチは見え見えで、結局、意外だったのは、「実は本当の親子じゃなかった」という点、くらいですかね。そのくせやたら話をひっぱる。ポーカー親父ども、はっきり言って、オマイらうるさいねん。しかしそれでもついつい見てしまうのは、予想した通りのオチかどうか気になるから?いやそれだけではなく、見せ方のうまさ、ユーモア感覚が絶妙だから。何と言っても、ポーカーの勝負を前に禁断症状を起こすヘンリー・フォンダの表情!(この表情はジャック・レモンあたりでないと到底出せないと思っていたが、そうではなかった) ヘンリー・フォンダというと、どうもあの偽善的な顔立ちが、いかにも信用できなさそうなのだが(笑)、その彼がこんな表情を見せるのは、「演技」とは言え、実にいい気味だ・・・。じゃなくて、実にいい役者だ。[CS・衛星(字幕)] 7点(2005-09-16 23:41:01)(良:1票)

411.  サイレンサー/殺人部隊 《ネタバレ》 馴れ合いとやっつけ仕事の結晶体、肩のこらないスパイ映画。危機また危機、しかし緊迫感はまるでない、このグダグダな感じ、ディーン・マーチンならでは、とも言えるし、彼にはこの辺が限界、とも言えます。しかし!本作に登場の、敵の手先の鉄アタマ、見事に007のジョーズの先駆けになってます。電磁石に弱いところまで予言してるぞ!すばらしい! ちなみに敵の首領は、鼻が目印、カール・マルデン。あはは、敵も味方もさっぱりシマらない顔立ち、ナゴみますなあ。激ショボの火炎放射器を使ったアクション、はたまた味わい深い暗号のやりとりなど、数々の見所のうちに、ついに捕われの身となる主人公。しかし・・・なんじゃこの拷問モドキは?むしろマーチン楽しそうやんか。しかも非常に精巧な装置だとかで、簡単にぶっ壊れる! という、ほとんど八百長のような展開のうちに敵の野望は打ち砕かれるのでした、メデタシメデタシ。ところで本作に登場する時間差拳銃、これは実にスグレもので、コイツは天才的発明だ!と非常に感心しましたが、主人公がイマイチ使いこなせていないのが困ったもの。ってか、肝心なときに敵の手に必ずこの銃があるのはナゼ?花火で遊んでいるときにもし花火が不発に終わっても、決して覗き込んだりしちゃいけない。まして銃が不発だったときに銃口を覗き込むなんて、よい子はゼッタイしちゃいかんよ。[地上波(吹替)] 5点(2005-09-11 13:24:07)(良:1票)

412.  エル・シド 《ネタバレ》 子供の頃、親父の「映画史上ベストテン級の面白い映画」という心無い一言(?)に乗せられ、テレビ放送で観て、実は結構ハマってしまったのが、この映画。事前に聞いた一言で映画の面白さは確かに変わる(笑)。とは言え、細かい部分はだいぶ忘れていたもんで、観直してみたのですが、いやあ、昔心躍らせた決闘シーンや合戦シーン、またワクワクしてしまいました。恐るべし刷り込み効果。ヘストンに矢が刺さるシーンは、子供の頃はもうびっくり仰天して、撮影中の事故ではなかろうかとまで思ったのですが(あはは)、これは今見たらそれほどでもない(いひひ)。アクション、友情、恋愛、陰謀、などなど何でもアリ、波乱万丈の物語で、しかも意外によく纏まっているので、見ごたえ充分。アンソニー・マン監督は『シマロン』に引き続きここでも大作らしい大味さを発揮、例えば・・・カラホラを賭けた決闘のシーンでは、例によってカットにより空模様が異なるし(ドンヨリ曇った日本晴れ、とでも言いますかね)、バレンシア出陣直前のシーンではソフィア・ローレンの写るカットだけナゼか夜?、はたまた海岸での合戦シーンでは撮影車両のタイヤ痕が砂浜にくっきりと。こんなチョンボは、もっとよく観ればきっと、出演してるエキストラの人数に匹敵するくらい沢山あるのかもしれませんな。史劇でありながら、「オイオイ、最後はホントは結局どうなったんだよ!?」という、大変後味の「良い」ラストも印象的であります。[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-09-10 14:02:27)

413.  ピアニストを撃て 不条理劇のようなサスペンスのような音楽劇のような恋愛ドラマ(しかも若干アキバ系?)のような。当然計算して作られるべき所を時々メチャクチャやっっちゃってる一方、普通は計算しないような所をしっかり計算して作っている、といった感じの作品、一見散漫でパッチワーク的、なのにどこかミョーなまとまりがあります。名セリフの一歩半くらい手前の微妙な会話と、耳に残る(いやでも残っちゃう)ピアノの音色が、ちょっとした毒消しになってて、イヤミのない作品に仕上がっております。[CS・衛星(字幕)] 7点(2005-09-08 23:48:07)

414.  シマロン(1960) まさに超大作。荒野を再現した巨大なスタジオセットも無駄にスゴいけど、なんと言っても、土地争奪大レースのこの非常識なまでの規模。圧巻です。大作たるもの、細かいことにはこだわらない。例えばソールがならず者に瓶を持たされ銃の的にされるシーン、撃たれる直前まで空は曇っているが、撃たれた後のシーンはカンカン照りで影の向きも逆。このくらいのおおらかさは他の映画も見習って欲し・・・くはないけど。さてさて、何も無い荒野に築きあげられていくオーセイジの町、そこで新聞社を開く正義の男、ヤンシー・クラバット。しかし彼が先住民になぜそこまで肩入れするのやら、少々ピンと来ません。これが「アメリカ人らしい正義感」だと言うのなら、まさに絵に描いた餅・・・ところでどうでもいいことだけど、中盤で先住民の少女が小学校を追い出されるシーン、おさげ髪に結った彼女の後ろの校舎には“OSAGE SCHOOL”との文字が。これは言動不一致だ(←本当にどうでもいい)。それはともかく、この映画は、夢と実行力にあふれ(過ぎ)た男と結婚しちゃった女性の、喜びとユーウツを描いた映画、とでも言った方がよいかもしれません。私の個人的な意見としては、奥さんがこんな女性では疲れるなあ、まさに悪妻は百年の不作!と思わないでもないのですが、まあ、そういうスッタモンダが大河ドラマとしての本作に厚みを加えているわけで、ラストの静かに手紙を読むシーンにも味わいを加えているのだなあ、と。[CS・衛星(字幕)] 7点(2005-09-06 23:23:00)

415.  眠狂四郎無頼控 魔性の肌 ウヒャー成田三樹夫がエライことになってるぅ~。必見です。さて本作、もしも濡れ場をイチイチ丁寧に描いていたらほとんどポルノになってしまいそうな、アヤしい展開。そしてアブノーマルな雰囲気。狂四郎の出生の秘密が描かれる冒頭の黒ミサ儀式からすでに、ショッカーの秘密基地かなにかのよう。ストーリーは、金のマリア像を狙う黒指党と、彼らの襲撃から像を守る狂四郎の活躍!のハズだけど、実際にはマリア像なんかそっちのけで狂四郎は単独行動、そしてバレバレの罠を狂四郎にかけてくる黒指党。狂四郎がマリア像を持ってないことは知ってるくせになぜ狂四郎を斬ろうとするのか?この中盤が、ほとんどショートコント集にしか思えませんでした、ははは。この映画、狂四郎の「心の成長」を描いているのがヘンと言えばヘン、見所と言えば見所。最初は(というか前々から?)女性をまるでモノのように扱う狂四郎。そのくせイジメの仲裁に入ったりするのがまたまたヘン。いいところだったのに止めるなっての(←アホか)。その、まるで女性の敵であった狂四郎が、後半、意外な(?)優しさに目覚めて行く。そしてラストの怒りの表情。しびれる~。映画全体に惜しげもなくちりばめられた名セリフ&迷セリフの数々も聞き逃せない。「血を流すには美しすぎる・・・」などなど、これまたシビレまくり~。狂四郎の宗教観も聞かせてもらえます。[地上波(字幕)] 8点(2005-09-06 22:38:54)

416.  大酔侠 これは面白い! ほとんど流麗とも言える、舞踏のごときスピーディーなアクション。人間ワザを超越した「んなアホな」と言いたくなるギミックの数々、まさに「グリーン・デスティニー」「HERO」等の作品の先駆けと呼ぶに相応しいです。美人ネーチャンと、玉面虎とか言うバカ殿(?)との対決も楽しければ、竹ザオ争奪兄弟弟子対決の妖術合戦もまた楽し。舞台転換もうまく、飽きさせないゴキゲンな一本でありました。しかし、毒矢が刺さってすでに何時間も経ってるのに「治すには毒を吸い出さねば!」と言うのは、どういうこっちゃ??[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-08-28 23:10:22)(良:1票)

417.  眠狂四郎 円月斬り 雷蔵の狂四郎メイクには正直、絶句してしまうこともあるのですが、この映画の雷蔵、ホントにカッチョいい。セクシー! しかし、この映画の見所はむしろ、狂四郎を取り巻く人たちの人間模様。そう、これは、各々が暗い背景を持ち、各々が狂四郎に複雑な想いを抱く人々の、壮大かつ重厚な人間ドラマである。と、そこまで言うとウソになるが、しかし実際、この映画にはそういう、本来感じてはイケナイ「厚み」を感じましたよ、いひひひ。そしてストーリー進行の合間に一応挟まるアクションが映画をビミョーに引き締める。石階段での死闘は必見です。何しろ、ワケがワカラン(あはは)。ラストは、むさ苦しい男に「おら、おめえさんのことが好きダ」と告白され、少し焦りの表情を見せつつも、死地に赴く雷蔵の姿、実にシビレました。ちびっこハウスを後にする伊達直人をつい思い出しちゃいましたよ。そうか、狂四郎はタイガーマスクだったのか。これでエロくなければいい人なんですけどね。[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-08-27 01:20:36)(笑:1票)

418.  青春残酷物語 この時代の日本を見ていると、みんな原始人みたいに見えてくるわけですが(笑)。ま、そういう、「上り調子なんだけどどこに上っていっているのか判らない」、という、いわば戦後日本の青春時代、ですかね(今の日本は、良し悪しは別にして、もう老年期でしょう)。さて、その一見、原始時代(?)にも、時代ならではの、人々の断絶がある。戦争を知る大人の世代を別にしても、「自由」のために逆に学生運動に自らを束縛した世代、そして、あらゆる束縛を拒絶して「自由」を求める世代。襖越しの2組の男女の会話がそれを象徴します。しかし「自由」って何でしょうね?普通に言われる「自由」なんて、結局は束縛からの自由、いわば相対的な自由に過ぎない。人はナゼ自由を求めるのか、それはもしかしたら、「自由を求める行為」に自分を「束縛」する行為、かもしれないのに(恋愛ですら、一種「束縛」の面があることも事実でしょう)。逮捕された二人が釈放されたそのとき、二人は自由を手にしたのではなく、いよいよ拠り所を失ったのでしょう・・・映画には、「残酷」なシーンはありませんが、その視線はどこまでも冷徹で残酷であります。迷走する現代社会も、実はこういった数々の、自由の屍の上、に成り立っているのだなあ、というわけで、やっぱり本作で描かれた時代、これは、現在とは無関係の原始時代、などでは、ないのであります。[CS・衛星(字幕)] 7点(2005-08-13 12:05:41)

419.  フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン) 異常なスピードで成長を続ける謎の少年! その謎を解明すべくフランクフルトへ赴いた高島忠夫が掴んだ事実とは・・・。ドイツ人博士(声はナゼか熊倉一雄)曰く「彼がフランケンシュタインかどうかは腕を切断すれば判る」・・・もうちょっと穏やかなマシな方法無いのかよ~とツッコんでくれると思いきや、神妙な顔でうなずく高島忠夫。しっかりしろ~。しかし、あくまで自分の研究にこだわる彼のマッドサイエンティストぶりが、端正な顔立ちにミスマッチし、ちょっと作品に深みを与えているような与えていないような。逃亡の末、北へと移動を続ける少年、巨大化すると、服もちゃんと伸びているのは、まあお約束か。クライマックスは、あまり必然性もなく現れたバラゴンと、巨大化したフランケン少年との死闘! 動きの素早いフランケンに対し、何とも動きにくそうなバラゴン、死闘と言っても、何だか、フランケンが一方的に責めているようだけどワザに重みがなく、あまり効いていない様子。ちょっと闘いが噛み合ってないなあ・・・。[地上波(字幕)] 5点(2005-07-04 23:44:21)

420.  野獣暁に死す マカロニ・ウェスタン、いや正しくはスパゲッティ・ウェスタンか。しかしこのスパゲッティ、何故かウドンが混じっている。何の説明も無く。でも結構うまく溶け込んでるナア。ウヒョヒョ。仲代達矢ってこんなにイタリア語が上手かったのか!?って、吹き替えか。舞踏のような身のこなしの戦い方が実にスバラシイ。さすが俳優座出身は一味違うネッ。この映画、ストーリーの方は、これはまさにどうでもよくて、適当に仲間を集めて敵と戦って終わり、というヒネリのない展開。主人公と思しき冴えない連中が、ウダウダと仲間を集めていくが、合間にはさまる颯爽たる乗馬シーン、その背景に流れるホノボノとした音楽が必聴。この腰砕け感を堪能すべし。エキセントリックな仲代との対比、これぞまさに絶妙、と言えようはずもなく。普通、日本の俳優が外国映画に出てると、「すごいなあ」とトテモ名誉なことに思えて来るんだけど、この映画ばかりはどうしたって、「仲代ほどの俳優がナゼこんな映画に?」という疑問が真っ先に来てしまう。貴重な映画でございます。[CS・衛星(字幕)] 5点(2005-06-07 22:16:25)

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