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Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 2251
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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521.  ウォレスとグルミット、危機一髪! 「ペンギンに気をつけろ」よりもアクション面ではやや劣る気がしますが、発明や各種ギミックは相変わらず冴えていますし、ドラマ性も高まったと思います。ただ、ウォレスの恋愛話でもう一展開欲しかったところです(そこまで求めるのは厳しいかな)。でも新キャラのプルプルくんもなかなか可愛く、好きな作品です。本シリーズの完成度の高さは半端じゃないですね。[CS・衛星(吹替)] 8点(2006-08-21 18:06:51)

522.  ウォレスとグルミット/ペンギンに気をつけろ! これは面白いです。何といってもアクションが素晴らしい。往年の宮崎アニメばりのスピード感あふれる動き。この爽快さは文句なしです。CGやセルアニメとは違ったクレーアニメならではの空気感もグッド。ともすれば「クレイアニメ」というだけで“よし”とされる部分がありますが(まあ、それも当然なのですが)、本作はそれを差し引いても十分娯楽作品として上質でした。グルミットの目と耳だけでの喜怒哀楽表現も秀逸。[CS・衛星(吹替)] 8点(2006-08-21 18:01:56)

523.  暗くなるまで待って 《ネタバレ》 “夫以外の男性に惹かれるなんて初めて。でも私は人妻。いけないわ。でもこの気持ちはもう止められないの…”で「暗くなるまで待って」な話だとずっと思い込んでいました(笑)。全然違いましたね。アパートの一室で展開されるサスペンス。主人公が盲目という設定が上手く生かされていて、見ごたえがありました。2度目の電話のベルには思わず唸り、電灯をすべて壊してまわるあたりでは鳥肌が立ちました。暗闇での対決は名シーンだと思います。(見えないけど)。ただ最後にきて展開に“もたつき”や生々しさを感じたため、もう少しスッキリと終わっていても良かったかなと思います。それでも、尻上がりに面白くなる作品でした。タイトルで勝手な思い込みをしてはいけませんね(自戒します)。[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-08-18 18:07:17)(良:2票)

524.  es[エス](2001) 《ネタバレ》 私たちは社会生活を営んで生きています。それは少なからず何かを演じて生きているということ。ある人はサラリーマンを。ある人は学生を。意識しようとしまいと、“こうあるべき”という役割を演じて生きているのが、社会的動物たる人間です。本作では、心理学の実験として「看守」と「囚人」の役割が被験者に与えられます。当然、被験者は初め役割を演じます。報酬を得られる単なる実験として。しかし教授という神のもと、与えられた役割という大義名分のもと、次第に自己より役の占める割合が増していきます。物事を決めるのは自己ではなく役割。それはとても心地よい状況のはずです。なぜならそこには自己責任が存在しないから。でも、自分に都合の悪い決定だと逆に息苦しく感じることもある。勝手なものです。でもそれは日常生活でもごく普通に行われている心の動き。心の安定に必要な行為です。だからこそ、本作で起こった事象にはリアリティがあります。社会と隔離された密閉された空間。そこでひとつの社会を形成してしまっている状況。思考を停止させるのになんと好条件なことか。役割が自己を食い尽くしていく恐怖があります。普通の人間に潜む狂気が一番恐ろしい。[DVD(字幕)] 8点(2006-08-07 17:58:22)(良:3票)

525.  座頭市(2003) 北野作品は食わず嫌いというか、難しそうで敬遠していた部分があったのですが、本作は素直に面白かった!基本的な構成は実にオーソドックスで観ていて安心感がありました。さらにテクニカル。見せ方の上手さ、構図の美しさを随所に感じました。そしてなにより意外だったのは娯楽性の高さ。これほど観客を楽しませることを意識してつくられているとは思いませんでした。流れるような殺陣も見ごたえあり。また、時折挟み込まれるベタなギャグが、いいアクセントになっていました。さしずめ牛丼における紅しょうがのよう(違うかな?)です。有名なラストのタップダンスについては、それまでの伏線(というか軽い予行演習)など、作品に溶け込ませようという工夫が見えました。これはこれでアリだと思います。ただ、娯楽性を追及しすぎたためか、物語の展開に(テレビ時代劇でみられるような)ご都合主義を感じてしまったのは、ややマイナスでした。それでも自分がこれだけ北野作品を楽しめるとは、嬉しい誤算でした。続編をぜひ観たいです。[CS・衛星(邦画)] 8点(2006-08-05 19:14:00)

526.  リンダ リンダ リンダ 《ネタバレ》 単にバンドを作って学園祭で歌を歌いましたというお話。そこに特別なエピソードはありません。描かれるのは10代後半の女性の何気ない日常。女子高生の友情、恋愛、機微です。自分はもうおっさんですし、女子高生だった経験もありません。だから本当の意味で、ここで描かれる繊細な心の動きは感じ取れていないのかもしれません。でも、ちょっとは分かるはず。だって自分にも高校生の時代があったから。後で振り返ればほんの些細な事なのでしょう。でも世界は学校と家とその周辺。狭い世界の中では、小さな出来事でも、どうでもいい出来事じゃない。確かに大人になると世界は広がります。でもその分、ひとつひとつの事柄の濃度は、どうしても薄まってしまいます。ほんとは大事にしなくちゃいけない小さな出来事を、見逃しているのかもしれません。きっとそれは、いいことでもあり、悪いことでもある気がします。青春時代の濃密さがうらやましくも思うのは年のせいでしょうか(ただ、表面上はその濃密さを感じさせないところが実にリアル)。クライマックスで歌われる歌はタイトルどおりブルーハーツの「リンダリンダ」。私は直撃世代です。だからなおさらこの歌には“くる”ものがあります。理由は分かりません。いや、どうでもいいです。聴くと心が動くのです。それが全て。「終わらない歌」にしてもそう。「高校生がブルーハーツを歌う」それだけで物語として十分成立しているのです。[CS・衛星(邦画)] 8点(2006-08-02 11:20:51)

527.  現金に体を張れ コンパクトで洗練された印象を受けました。とくに登場人物の“ひととなり”についての描写が的確で、短い時間ながらも登場人物がどんな境遇なのか、どんな性格なのかがよく伝わってきました。演出技術の高さをうかがわせます。なお善人や感情移入してしまうような登場人物が出てこないのも良。シビアなクライムサスペンスとして、上質だと感じました。死者の表情、エンディング間際の空港シーンやラストカットなど印象的なシーンの数々は、センスの良さを感じさせます。この表現が的確かどうか分かりませんが、“鋭さ”をもった作品だと思いました。毒を含んだ鋭さとでもいいましょうか。毒は悪女の毒ですが。[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-07-07 19:14:01)

528.  デッドゾーン 《ネタバレ》 主人公が手に入れた能力は明らかに人より優れた能力。人の役に立つ能力です。そのため多くの人が彼に救いの手を求めてきます。しかし彼の能力は求めていても、決して彼自身を認めているわけではありません。“彼の力を求めること”と“彼の存在を認めること”は似ていますが別のことです。得体のしれない能力を持つ主人公は、普通の人からみれば化物。そこまで思わない人でも、なんとなく気持ちが悪い存在だったでしょう。そういった雰囲気は、面と向かって言われなくても本人は痛いほど感じるものです。だから彼は孤独だった。能力を役立てようとせず、ひっそりと生きる道を選んだのだと思います。最後に主人公が取った行動は、全人類を救う英雄的な行動でした。しかし自らの死が伴うことも知っていたはず。何故彼はそれでも行動したのでしょうか。多大なる時間とかけがえの無い人を失った人生。優れた能力があっても孤独な生活。彼はやはり絶望していたのでしょう。しかし絶望の中に「人類の未来を救う」という希望を見出した。その希望に向かって進むのは必然だった気がします。彼の最後の行動にやりきれない切なさを感じるはずです。それは私達が、報われないこと、正当な評価がされないことがどんなに辛いことか知っているからです。[DVD(字幕)] 8点(2006-07-06 19:59:43)(良:1票)

529.  サマータイムマシン・ブルース 「バック・トュー・ザ・フューチャー」のコメディ色を強くし、スケールを大幅にダウンさせた感じの作品。ひたすらバカバカしい、軽いノリのお話です。ノリは軽いのですが、綿密に計算された展開はお見事。伏線を細部に渡り張り巡らし、次々と辻褄が合っていく様は観ていて心地よいです。季節を夏に設定したのが大正解!思考を停止させる真夏の暑さが、違和感ありありのタイムマシンをすんなり物語に溶け込ませます。それに、このバカさ加減が夏にこそピッタリです。汗のしたたる夏の空気が、この年頃特有の熱気と妙なハイテンションにマッチしています。メインの若者たちに嫌味がないのも良。ともすると、若者の軽薄なノリを不快に感じることがありますが、そのような感じが全くなく、観ているこっちまで元気になるようでした。みんなキャラがよく立っていましたし、上野樹里の普通っぽさも素敵でした。瑛太の最後の一言は名セリフ。オチとして秀逸だと思います。(エンドロールで役名が出てきたらなお良かった。)決して大作ではないですが、タイムトラベルものとしても、青春映画としても小気味のよい快作です。本作を観るならやっぱり夏。それも暑さ盛りのまっ昼間。クーラーを効かせた涼しい部屋で、コーラでも飲みながら観るのをお勧めします。[CS・衛星(邦画)] 8点(2006-07-03 18:26:28)

530.  或る殺人 《ネタバレ》 人が殺されるから殺人です。ところが当の殺された“人”はほとんど出てきません。殺される場面も、生前の生活も人柄も、声も仕草も、顔さえろくに出てきません。オープニングでは死体を思わせる図形が、記号としての死体があります。被害者の“生きている”情報を出さないことで、単なる「裁判事案」であることを意識させ、さらに客観性を持たせています。主役が弁護士、しかも好感度が高いジェームズ・スチュアートですから、観客は弁護側の視点で(弁護側に肩入れして)この事件を見ることになりますが、だからといって弁護側=正義という感覚ではありません。ゲームの行方を見守るという感じです。はっきりしているのは、加害者が被害者を殺したという事実のみ。そこに至る流れ、動機、心理状態はすべて検察側と弁護側の後付でしかありません。どちらの言い分を認めるかは、観客に委ねられています。(判決後、真実の種明かしはありません。そこが上品。)法廷劇ではありますが、適度な笑いを含んだエンターテイメント作品としても楽しめました。[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-06-28 18:19:31)

531.  メリー・ポピンズ この時代だからこそできた作品という気がします。2時間20分近い上映時間。緩やかに物語は展開します。このテンポがいいんです。義足を扱ったジョークにしてもそう。今なら各種団体からお叱りを受けそうな表現です(悪意がないことは作品を観れば一目瞭然ですが)。当時の特撮技術も作品の雰囲気にマッチしていて、いい味になっています。今リメイクすればCGを使ってもっと夢のような世界を描けるでしょうが、この作品の持つ味を上回ることはできないと思いました。化学調味料を使った料理も確かに美味しいですが、お袋の味には勝てないのと同じように(あっ、お袋も化学調味料使ってたっけ)。[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-06-26 18:59:40)

532.  サボテン・ブラザース 《ネタバレ》 特に感銘を受けたのは書き割りのシーンです。どんな作品でも、“作品の法則”(自然と観客が理解する決まり事)というのがあると思います。本作の場合、野外シーンは野外ロケ、室内シーンはきっちり作りこんだセットというのが法則だと思いました。ところが突如、野外シーンのはずなのに、一目でスタジオの書き割りと分かるセットが登場します。明らかに変なんです。書き割りで歌うアミーゴ。このバカさ加減にひと笑いします。と同時に“このセットは作り物なんですよ”という強いアピールを感じました。これが最後になって効いてきます。無法者を倒し、アミーゴが“作り物の正義の味方”から“本物の正義の味方”に変わる爽快なラストシーン。初めの作り物感が、より一層本物のヒーローになったときの感動につながります。3人のにやけた顔を観ているとこっちまでにやけてしまいます。あの踊り、あのキメポーズ最高です。本当にバカバカしい展開なのですが、素晴らしい。気持ちのよい映画をありがとう。[DVD(字幕)] 8点(2006-06-20 18:20:44)(良:2票)

533.  オーロラの彼方へ 《ネタバレ》 “もしも、あのときこうしていたら”誰もが抱く思いです。でも、そのことで本当に望む結果が待っているかどうかは誰にも分かりません。仮に自分が主人公と同じ立場なら、同じことをしたと思います。大切な人の死を見過ごすことは出来ません。でもその次には、宝くじの当たり番号を調べ、競馬の万馬券を調べてと、私利私欲に走りますね(苦笑)。しかし、主人公たちは全然そんなことをしない(ヤフーの件は思いつき)。はなから気にしていないのです。さらに、未来を変えた責任を取ろうと奔走します。自分の力が及ばぬことと割り切ることも出来るのに。そんな人達だから、無線はつながったような気がします。幻想的なオーロラ。何処の誰と話しているか分からない無線機。ひょっとしたら時空を超えて交信できるかもと思わせる雰囲気があります。テンポよくハラハラドキドキ観られる良質の娯楽作品です。最後に気になった点をひとつだけ。最終的に主人公は職業まで変わったのかな?(消防隊長になった?)。もしそうだとしたら、最初の人生を全否定しているようで、ちょっと残念です。変わる前の人生だって価値ある人生だと思うから。[DVD(字幕)] 8点(2006-06-15 17:55:14)(良:3票)

534.  イン・アメリカ 三つの小さな願いごと 《ネタバレ》 命の危険を賭してまで子を産む選択をする母親。賢明な選択とは思えません。自分が父親でもやはり止めます。しかし、これも家族が選んだ道。正しいかどうかは誰にも分かりません。生まれる命もあれば、消えようとする命もあります。エイズに侵された黒人のマテオ。孤独に病と闘う男。彼にとってこの家族との出会いは、残された人生に潤いを与える、かけがえのないものだったはずです。赤ちゃんが助かったのは、神様のおかげかどうかは分かりません。しかし家族とマテオの出会いに意味があったこと、親の祈り、家族の祈り、命を愛する死にゆく男の祈りが、尊いものであったことは間違いありません。そして赤ちゃんは与えてくれました。涙を流すことを拒絶した父に涙を。弟の死に心を縛られた姉に、自ら心を解き放とうとする意思の力を。心の傷は消えなくても、大切な人の死を受け止める力を与えてくれました。これからも、この家族には厳しい現実が待っているでしょう。しかし、苦しい生活の中でも楽しみを見つけられるこの家族に、少しでも光の当たる人生が待っていることを願わずにはいられません。それがマンハッタンの夜空に浮かぶ月が照らすような、ほのかな光でも。[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-06-09 17:40:43)(良:1票)

535.  お父さんのバックドロップ プロレスというのは特殊なジャンルの娯楽です。スポーツであり、格闘技であり、見世物であり、しかしこれらのどれでもないのが「プロレス」。団体もファンも専門マスコミも一体となってジャンルを形成し守っています。野球やサッカーなどのメジャーなスポーツとは明らかに違います。そのためプロレス関係者は、一般メディアのプロレスの扱いに敏感です。バカにしたような、蔑んだような表現には拒否反応を起こします。しかし、この作品にはプロレスを扱うことに対する製作者の真摯な姿勢が見て取れました。舞台は1980年。現在より、プロレスは庶民娯楽としての位置づけが高く、レギュラーでゴールデンのテレビ放送があった時代です。舞台となる「新世界プロレス」はもちろん架空の団体ですが、テレビ局がスポンサーに付いていない弱小独立団体の悲哀を上手く表現しています。(プロレス団体の主な収入は、チケット・グッズ販売などの興行収入とテレビ放送による収入で、中でもテレビ放送の有無が団体の生命線になります。放送料収入もさることながら、テレビによる一般層への認知が非常に大切なのです。)本作では、プロレスの日の当たらない部分を実に丁寧に、また配慮を持って描いているのが分かります。プロレスを愛する人ならば、一般人にプロレスをバカにされた時の前座レスラーの心の叫び、空手家との決戦前に主人公がリング上でアピールした言葉に胸が詰まると思います。また、本作は父と子の物語でもあります。普段、自分の職業が原因で子供にイヤな思いをさせている、また母親を亡くして苦労をかけていることで子供に負い目を感じている主人公。戦う姿を見せることでしか、子供に何もしてやれないプロレスラーの、いや父親の姿がそこにあります。満身創痍の主人公が、リング上から息子を見つけた時に見せる表情には、ベタだと思いつつも、涙が止められません。泥臭く、貧乏くさく、人間臭いプロレスと父と子の物語。プロレスを知らない方にもぜひ見ていただきたいです。ちなみにファン向けの小ネタも随所に見られ(ホステス役の女子レスラー、黒板の日直の名前、教室に張られたクラス目標、決戦会場の矛盾点、等々)、もちろんプロレスファンの皆さんにもお薦めできます。[CS・衛星(邦画)] 8点(2006-05-23 17:48:45)(良:1票)

536.  オールド・ボーイ(2003) 《ネタバレ》 自身幻の0点作品。鑑賞後すぐに投稿した際は怒りに任せて0点を付けました。(翌日冷静になって点数変更)。後味最悪だったから。韓国映画をほとんど観ていなかったことも災いしたのでしょう。毒気にあてられた感じ。それだけ本気になったということ。感情移入しまくりで、物語に引き込まれました。振返ってみると、パク監督の復讐3部作の中ではダントツに面白かったと思います。まず設定がイかす。何の前触れもなくいきなり拉致。妻は殺害され、主人公は15年間も監禁生活を余儀なくされる。頭にあるのは復讐の2文字。怒りが人を動かします。これは快感だと思う。倫理のタガが外れた自由さは、普段の生活では得られない。武器がまたいい。トンカチ。殺傷能力はナイフや銃器類に劣るものの、相手に痛みを与えた感覚が直に伝わってくる。見た目滑稽なところも含めて、このチョイスに監督のセンスを感じます。一通り実行犯への復讐が済んだところで本丸へ。この展開だからこそ、黒幕をすぐに殺さないという選択が出てくる。とりあえずの怒りは収まった。それに殺すだけならいつでも殺せるという自信もついたでしょう。「何故監禁されたのか?」15年間抱き続けてきた疑問の答えを聞かずに、殺すわけには行きません。でも終始イニシアチブは相手にある。手のひらで踊らされているような漠然とした不安がつきまといます。果たして予感は的中。「“何故監禁されたのか”ではなく“何故開放されたのか”」復讐者の言葉にしびれます。復讐しているつもりが、復讐されていた。100%逆恨みです。直ぐに相手を殺すことも可能でした。しかし主人公は娘のことを思い遣ります。冷静になればいくつもの方策があったでしょう。勿論言い訳もつく。でも娘を傷つけたくない(そして嫌われたくない)という父親の心は理屈ではなく理解できる。ラストもそう。決してハッピーエンドとは言えませんが、この結末を望んだオ・デスの気持ちに涙します。時折挟まれるギャグテイストが隠し味。何とも濃く、深い味わいの作品だと思います。[DVD(字幕)] 8点(2006-05-20 01:26:42)(良:2票)

537.  ルパン三世(1978) 《ネタバレ》 「クローン」という今では広く知られたテクノロジーが扱われている本作。TV版ファーストシリーズもその洗練されたセンスに「早すぎた傑作」と言われましたが、本作も同じことが言えそうです。TVシリーズがある作品の場合、映画化する意味を感じられない場合が多々ありますが、本作のルパンが狙う獲物が宝石でも大金でもなく、奪われた自己のアイデンティティーである点も映画としての存在感を感じます。終盤に強大な敵にほんのわずかな武器で立ち向かうルパンは最高にカッコイイです。TV版はファーストもセカンドも観ていますが、この映画の雰囲気はファーストに近く(ジャケットの色はセカンドだけど)実に大人のルパンです。コメントを書いているうちに、エンディングのルパン音頭をまた聴きたくなりました。[地上波(邦画)] 8点(2006-05-19 00:53:12)

538.  ユージュアル・サスペクツ もし、今この文章をお読みのあなたが、何か面白い作品をお探しでここにたどり着いたのだとしたら、そしてこの作品についての情報を一切お持ちでないのだとしたら、あなたはきっと、幸せ者です。[DVD(字幕)] 8点(2006-05-16 17:51:37)(良:1票)

539.  ウィスキー わだかまりのある中年の兄弟と、その兄から偽りの妻役を依頼された中年女性との奇妙な三角関係を描いた作品です。結構淡々としていて、面白みには欠けるかなと思っていたのですが、予想を裏切られました。確かに地味で淡々としてはいるのですが、これが下手な娯楽作品より面白い。とくに遠方に住む弟エルマンが来てからが見ものです。何ともいえない微妙な笑いを挟みつつ、偽りの妻マルタが弟エルマンに抱く好意、兄ハコボの嫉妬心を実に繊細に描いています。とりわけマルタの見せる前半と後半の表情の違いは絶妙です。単調にも感じる物語前半の描写が中盤以降になって効いてくるあたりに「上手さ」を感じ、また画ひとつひとつの構図に「センスの良さ」を感じます。解釈を観客に委ねた描写やほろ苦いラストも秀逸です。個人的には「神が望めばまた明日」という挨拶が気に入りました。大人向けの良作です。[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-05-15 17:45:30)

540.  もののけ姫 監督初期の代表作『風の谷のナウシカ』同様、氏のライフワーク”自然と人間との共生”をテーマとした作品ですが(フォーマットまでほぼ一緒)、切り飛ぶ腕や首といったハードな描写や、ほのぼの要素を一切排除した骨太な演出技法を鑑みるに、完全に大人をメインターゲットとした作品と言えそうです(正確には子供無視)。個人的には『カリオストロの城』のような全方向型エンターテイメント作品こそ宮崎監督の魅力が最大限発揮されるジャンルと考えますが、作家である以上作品を通じて自身の主義主張を表現するのは真っ当な行為と言えるでしょう。あまりに理想主義が過ぎるため、私個人の信条とは相いれない部分もありますが、自然賛歌であり人間賛歌として高い完成度を誇るため、監督の説教も抵抗感なく聞き入れることができます。最後に気になった点をひとつ。「おわり」で締めくくるのですが、この言葉はそぐわないと感じます。監督お得意の「おしまい」よりはマシですが、子供を置きざりにしたつくりなら最後はやはり「完」でしょう。細かい指摘ですいません。[DVD(邦画)] 8点(2006-05-13 11:07:45)

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