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41.  ザ・ワン レンタルで見たのよね。パッケージの煽りに乗って。でも、あのジェット・リーが「マト・リロ」を蹴って選んだ作品っていうのは、ちょっとリーさんが可哀想では?アクション・シークエンスの洗練さでは、キアヌの方が遥かにいいし、現実味のあるアクションの泥臭さなら、ジャッキー・チェンの作品の方が遥かにいい。そもそも、ジェット・リーには、前述の二人に匹敵するカリスマは、どうしても感じられないんですよねぇ。何より、特撮の陳腐さが笑える。それよか、ジェイソン・ステイサムさんってば、こんなとこで何してんの?って、思ってしまった。この人、いい味のある、いい役者だと思うのだけどなぁ。リー主演だとしても、ステイサムにもう少し焦点を絞っていれば、結構味わいが出たかもしれないのになぁ。これもまた、ドラマ性の方が面白そうなのに、アクションを売りにした結果、見事に失敗した典型みたいな作品だったな。とにかくさ、ジェット・リーのにやけ顔がスケベったらしくて、凄く嫌。3点(2004-10-12 23:56:48)

42.  2001年宇宙の旅 《ネタバレ》 以前、確かに見た。けど、正直、この作品で覚えていたのは、映画の冒頭で猿が投げた棒切れが宇宙船になるんだよね。黒い石版がデンと立ってて、で、ラストは、宇宙に胎児が浮かんでたんだよね。って、それだけだった。久し振りに見て、改めて、それしか覚えていないことに納得してしまった。一番緊張するはずのハルの叛乱のシーンさえ、アニメのボトムズのラスト込みで覚えていたようなものだし。いえ、今見れば、それなりに分かる。それなりに知識も増えたし、人生経験も積んだし。でも、今、改めて見ても、やっぱりストーリーは悲しいくらいダイジェストだし、さあ、貴方の知性を試そうってなくらい、抽象的だし。だから、何なの?って、終わり方だし。今は分からないとは言わないけど、ある意味、傲慢な作品だなぁ。ま、ここまで抽象的だと、理解出来ない貴方は無能って言われる気がして、反発する気力も起きないかもね。殆ど、ムンクの叫び的映画。でも、これが68年作っていうのは、やはり凄い。でもって、その後の、日本のSFアニメに及ぼした影響力ったら、ジャパニメーションがマトリックスに及ぼした影響力に勝るとも劣らない。本作無くして、今日の日本のSFアニメはなかったかも。ただ、見る人を選ぶ作品ではあるよね。6点(2004-10-04 23:58:51)(良:1票)

43.  ヴィレッジ(2004) 《ネタバレ》 ネタバレはしないで下さいとか、どんでん返しに次ぐどんでん返しとか、色々聞いたけど、悪いけど、冒頭の10分で少なくとも「村」が設立された理由は丸分かりで、こんなに見え見えでいいんだろうか、こんなヨタ話が延々と続くんだろうかと、早くも眠くなったけど、これって、もしかして、「村=アメリカ?」と思い始めた辺りから、わりとドキドキしながら見てしまった。アメリカはそもそも、ヨーロッパの厳しい階級制度や宗教戦争から逃げてきたボート・ピープルで形成された国だし、未だにアメリカ万歳の一国主義で、自由の国を標榜しながら、それが信じられない程、保守的な御国柄だし、「ヴィレッジ」は、まるでアメリカという国の精神を見ているような気がした。しかも、自分達が信じる精神を守る為には、たった一匹の蟻を巨大な化け物ででもあるかのように吹聴して国粋主義を煽る気風は未だに健在で、しかも、時としてそれは、自作自演であったりもする。盲目のアイヴィーは、一見、全てを見通している様に行動している。相手の「色」が分かるという。それは、白人から見た有色人種の色だと思うと、これはかなりきついブラック・ユーモアで、しかもアイヴィーは、ノアをそれと分からずに殺してしまった。ノア=ノアは、大洪水の前に箱舟を作り、家族と動物を安全な地へと導いた。純粋な家族愛によって。けれど、あまりの純真さは、世界を狭めるだけだった。アイヴィーは、それと分からずに殺してしまい、彼女を助けたのは、皮肉にも「ヴィレッジ」を守る為の組織だった。それは、FBIなのか、CIAなのか。本作は、まるでアメリカという国の精神を見ているようで、近年では、マトリックス・トリロジーについで、アメリカという国への痛烈なブラック・ユーモアのようだった。が、無論、シャマラン監督にそういう意図があったかは分からないし、単に私の深読みかもしれないが、本国アメリカで、賛否両論になったのは、分かるような気がした。アイヴィーは愛する人の為に頑なな保守の村に帰ったけれど、「彼女」の目が開かれることはあるのだろうか。8点(2004-09-17 01:03:23)(良:6票)

44.  フラッド 《ネタバレ》 宣伝に偽り有りの典型でしたよ。邦題のフラッド(大洪水)でもなければ、原題のハード・レインでもなく、追う者と追われる者のチェイサー・サスペンスやん。しかも、皆々様そろって、追っているのは金・金・金。骨子はそれでもいいし、中々緊迫感もあったと思うけど、大自然の脅威の中で人がどう動くのかを期待してた分だけ、やっぱり裏切られたって感じだなぁ。初めから、「ダム決壊まで、リミット0。狙うは300万ドル。奪えるのか、阻止できるのか」っていう触れ込みの方が楽しめたような気がする。なまじ自然災害パニックだと思って見たのが、敗因だった。クライム・ムービーよね、これ。そう思って見てれば、まあ、そこそこ面白かったのにな。それに、大雨で河川が氾濫しただけだって家は流されちゃうことを実感していれば、ダムが決壊して、あんな鉄砲水が来たら、銃撃戦だの人助けなんて、そんな呑気なことしてらんないよ。はっきり言って、全て水に流して終わりよ。折角の緊迫感も、ラストで白々しくなってしまったよ。でも、やっぱり、モーガンさんは、いい人なんだねぇ。出だしで、悪役モーガンを見られると思ったのに。これも、ガッカリの理由かも。4点(2004-08-11 00:49:39)

45.  マトリックス レボリューションズ 《ネタバレ》 マトリックス・トリロジーを評して、「映画史上最大規模のインディペンデンス映画」と言った人がいたけど、なんか最も的を射た評価だなぁと思った。3本通して御立派と思うのは、あくまで撮りたいショットを撮り、撮る為に金も人も技術も総動員した根性。ついでに、日本のアニメのパクリだと冷笑されてはいるけど、少なくとも私は本作を見て、ナウシカやドラゴンボール、マクロスやガンダムを、もう一度見たいとは思わなかった。CG満載というけど、CG無くしては成り立たない映画だし、そのクオリティは群を抜いている。何より、凄いと思ったのは、キアヌ・リーブスが、それぞれのラスト、クライマックス・シーンで見せる表情と雰囲気。1作目の弾丸を止めた後の、あの得も言えぬ表情。2作目のセンティネルを止めた時の迫真さ。そして、本作での、どんどん自我を殺ぎ落としていく様が、凄いんだな。クレーターでのバトルでは、あのコンセプトの作品で、役者が、ああいう表情、あの雰囲気を醸し出してくれたら、そらもう、監督冥利に尽きると思う。そして、やっぱり、あらゆる方向から、あらゆる考え方、様々な問いかけが出来ることが、やっぱり凄いんだよね。10点(2004-08-02 22:09:24)

46.  呪怨 (2003) 《ネタバレ》 割りと騒がれた作品だったから、期待した分、コケた。ぜんまい仕掛けの機械音のような効果は新鮮だったけど、撮り方はオーソドックスだし、物語は「リング」以上に奥がない。最後は呪いの連鎖が高じてゴースト・タウンになるらしいが、そもそも、この手の展開の話が好きじゃない。「リング」は呪いの連鎖がまだ分かるけど、本作は被害者が何故そこまで道連れを欲しがるかが、さっぱり分からない。未練や恨み辛みを、死んでも晴らしたい気持ちは分かるし、だからこそ、幽霊話は引きも切らないのだろうけど、ここまでくると、人間は死んでまで強欲で身勝手なんだよと認めているようで、情けなくて、不愉快になった。霊現象の主犯は男の子の方で、母親はそれに引き摺られてるのかな?とも思うけど、結局、最後まで男の子の行方が分からないまま、ゴースト・タウンになっていくっていうのも、どうかな。せめて、最後に男の子の行方が分かるとか、もう一捻りあった方が、視聴者も納得するような気がする。4点(2004-08-02 02:01:00)

47.  ガタカ 《ネタバレ》 初めのうちは、ちょっと冗長な感じで、このままのテンポで続くんかなぁと思っていたけど、ビンセントがガタカに入ってからは、もうドキドキハラハラで最後まで見てしまった。映像はクリエイティブで、スタイリッシュで、セットから人物に至るまで、とても綺麗。それに、イーサン=ビンセントは、「リプリー」のマットより遥かに、ジュード=ジェロームに似てた。初めはどこが似てるの?と思ったけど、物語が進むうちの、雰囲気がどんどん似てくるのが凄くて、それとともに、二人の心理的な沿い方が、切なくなるほど重なり合っていくのが、ドキドキに拍車をかけた。この作品は、多分、アメリカなんかで優秀な人間の遺伝子を冷凍保存してどうたらいう話がマジだったって頃なんだと思うけど、優秀な遺伝子を掛け合わせれば優秀な人材が生まれるくらいなら、世のセレブは子供の不始末に嘆かないよね。勿論、受精卵の段階で劣悪部分を排除して、完璧な環境に置いてという設定ではあるけど、やはり、そういうものではないような気がする。本作のテーマは、人の可能性、夢を追う権利、不可能への朝鮮で、やはりアメリカの開拓精神を示しているんでしょうね。ドクターの最後の選択とジェロームの最期は、グッときたなぁ。「息子は君の大ファンでね」って、ドクターはジェロームのパパだったんだね。そして、この先は、ビンセントのパパになる覚悟があったんだろうな。でも、ジェロームの最期は、やはり衝撃的だったよ。確かに、「旅」に出る以上、体を残すわけには行かないのだろうけど。「ちょっと・・、それはないよぉ」と、ズキズキしてしまった。ただ、ハラハラ、ドキドキ、ズキズキできて、そのわりに、案外あっさりと終わってしまったのが、ちょっと物足りなかった。それにしても、ジュード・ロウは、やっぱり存在感、あるよね。第一線に出てくる役者って、何か違うオーラがあるのよね。8点(2004-07-31 01:09:48)

48.  リチャードを探して シェイクスピア啓蒙映画とでも言うのか、ぶっちゃけて言えば、パチーノの自己満足映画なんだけどね。「ディアボロス」の撮影中に、キアヌがパチーノとシェイクスピアで盛り上がった話は知っていたけど、パチーノが、ここまでシェイクスピアに思い入れがあるとは知らなかったなぁ。パチーノの目指すところを汲めば、「シェイクスピアだ」と構える必要はないし、格調高くなる必要もないわけで、シェイクスピア劇も、当時の大衆劇だし、専門家に言わせると、さり気なく卑猥語の宝庫なんだそうだし。ただ、そのさり気なさが英語を精読出来ないと分からないのだそうだけど、歌舞伎の際どさに似て非なるものなのかもね。構えずに、ひとつの作品の作り方、役者の役の作り方的に見れば、ドキュメンタリーとしてそれなりに楽しいし、英国コンプレックスも面白い。弱強五歩格も、やっと分かった次第だし。なんか、物凄く難しい演劇理論かと思っていたけど、つまり「声に出して読みたい日本語」みたいなものなのね。「知らざぁ言って聞かせやしょう」みたいな、歌舞伎の七五調感覚で、これもまた、似て非なるものなのかもね。「リチャード3世」は、ある意味、勝ち負けや白黒を付けたがるアメリカ人や日本人には、物語としては分かり易い話ですよ。ただ、成り上がった末に破滅する話は、アメリカ受けはしないような気はするけど。彼らは、成りあがった末に栄光を掴む話の方が好きだから。盛者必衰は、むしろ、日本人向けかもね。6点(2004-07-28 23:31:56)

49.  ハムレット(1948) 御手本のような、というけど、御手本のような「ハムレット」です。ただ、それ以上でも、それ以下でもなかった。科白廻しでの心理描写が多過ぎて(それでも、オフィーリアの見せ場的科白は割愛されてるんだけど)、映画としては多分くどい話しだとは思うんだけど、それを敢えて白黒で撮影したことが、科白廻しのくどさを救ってるみたい。そもそも、原作に限りなく忠実な「ハムレット」だと思えば、映画としては「御手本のような」作品。セットも舞台仕様なセットだし。座右の銘になりそうな名科白の宝庫だし、見て損はないと思うけど、「ハムレット」そのものが人の内面の掘り下げで、悩めるマザ・コン&ファザ・コン男のムカツクお話だし、「よし、見るぞ」という気構えはいるかもね。でも、どう評価すればいいのかなぁ。ある意味、パーフェクトなんだけどねぇ。逆に、ハッとするような場面もない。「To be,or not to be」な気分。8点(2004-07-28 17:57:09)

50.  シカゴ(2002) 女優陣の為の映画よね。クイーン・ラファティの迫力も凄いし、腹話術インタビューのレニーもなかなか。レニーは特に、うだつの上がらないシーンで光るよね。この子、ほんと、バタ臭い役が似合う。でも、やはりキャサリン・ゼタ・ジョーンズの気迫が凄い。「あたしはこの役にかけてるのよ」っていう気迫が、どのシーンからもビンビン伝わってきたものねぇ。作品も、最初から最後までトップ・ギアのまま巻き込むスピード感は、大したもの。これは、アメリカの開拓精神そのものでもあるんだろうけど、ただ、お話そのものは、訴訟天国アメリカの根底に今もどっかりと根付いている弁護士の御仕事を、逞しさに紛れて皮肉ってる(と思いたい)ものだから、これを見て、アメリカ万歳だったら、ちょっと怖いなぁ。8点(2004-07-28 16:46:44)

51.  プリシラ(1994) フル・モンティでも思ったけど、子供って、親が思ってるよりずっと柔軟で、そして手厳しくもあるんだよね。でも、ミッチの息子の子役が、変に賢しくなく、普通に子供してるのが良かったな。フェリシアとじゃれあう姿が微笑ましくて、好き。ピアースとウィービングは名が知れ渡る前の作品だけど、ピアースのあっけらかんとしたぶっ飛ぶ具合は、「メメント」や「LAコンフィデンシャル」の眉に皺な演技から見ると、目から鱗のよう。凄いぞ、ガイ。一方、ヒューゴは・・。む~ん、ヒューゴはやっぱりヒューゴ・ウィービングだなぁって感じ。いい味だしてるんだけど、やはりスミスの印象が強いのかなぁ。テレンス・スタンプは、上手いっす。何気な仕草まで、さすがに渋い。ボブとの関係が、淡々と、でも確実に深まっていく過程が、何気ない演技と仕草で説得力あった。作品も、変に差別を取り扱うわけでもなく、普通の人が普通の反応をするだけで、それだけに痛かったりもするんだけど、3人がそれぞれのキャパでもって歩んでいく過程が、どこか爽やかなんだよね。プリシラ号の上のハイヒールに陣取って、誰より目立つ衣装をなびかせて、荒野のど真ん中で声を張り上げて歌ったら、そりゃあ気持ちがいいだろうなぁ。8点(2004-07-28 15:31:33)

52.  フル・フロンタル ソバーダーグの、俺様映画ってか? 名香智子の社交ダンス漫画「パートナー」の中に、「チャンピオンのやることだから許されるのよ。同じことをしても、力のないものは無視されるわ。世の中って、そういうものでしょ」という科白があるけど、全くその通りの作品だったなぁ。通好みといえば聞こえはいいけど、それも、ソバーダーグがダブル受賞をしていればこそ流通に乗っただけで、それ以前だったら、単館上映も危ないんじゃ? 通好みにしたって程度というものもあるし、こういう作品の中で、自分の作品を自分でパクッて、その主演女優に語らせたとあっちゃ、そら、失笑するしかないってものよ。確かに、ヒット作狙いにこだわらずに、作りたいものを、作れる環境にあるうちに作っちまった心意気は買うけど、でも、面白くもなければ、感動もなく、ただ疲れた。いえ、笑えるシチュエーションはあるんだけど、構成も展開も億劫だし、キャラにも魅力がないんだもの。どうやって落とすんだろ?という思いだけで辿り着けば、やっぱり楽屋落ちだし。いやあ、ブラピに釣られて映画館に行かなくて、本当に良かったよなァ。2点(2004-07-19 23:06:19)

53.  竹取物語(1987) この作品、DVDになったんだなぁ。なんとなく、感無量。初めて劇場で見た時は、おや? おやおや? おやおやおや? って感じだったような気がするけど(何しろ、スターウォーズや未知との遭遇があったし)、DVDで改めてみると、やはり市川監督の実験的な作品のひとつで、しかも、それなりに纏まってたのね、と思った。改めて見ると、あの当時の邦画としては、わりと出色ではない? 正直に言えば、近年の「陰陽師」より、ある意味、クオリティ高いじゃないと、思ってしまったよ。それは勿論、市川作品の常連の役者の確かさもあるのだろうけど、これは実験的な映画と割り切って作った監督の力量の賜物なんだろうなぁと、思う。俯瞰して撮る平安京、その、歴史的には古代都市にあたる都に飛来するUFOのシュールさ。「これは、八世紀の物語である」。これは、日本最古のSF小説である。日本は、こんな時代から、異文化交流というものを身近に感じていたのである。それにしても、三船敏郎って、もしかして下手? とも思ってしまった。最後に、ちゃんと明野の目が治ったのが、嬉しかった。9点(2004-07-14 23:57:46)(良:1票)

54.  犬神家の一族(1976) 個人的には、私映画史の十傑には入るなァ。以前、怖いものは駄目だったのだ。脳裏に焼き付いて離れられなくなって、心臓が踊る。それでも当時、本作を見ようと思ったのは、他ならぬ石坂浩二が出ていたから。「天と地と」で上杉謙信を見た時から、初恋の役者さんである。で、結果は「十傑には入るなァ」である。冒頭から、物語へと入り込ませる緊迫感が、音楽と絶妙にあっているし、陰惨な殺人事件を予感させながらも、清々しいまでの自然美(これは市川作品の醍醐味のひとつなんですよね)、物語の流れを決して白けさせない笑い(息抜き)のタイミングの美味み、何より、市川ショットとでもいうのか、独特のカット・ショット。映画って、こういう風に作るんだぁと、変な言い方だけど「作られた映画」というのを実感した初めての作品だったような気がした。見る側の私が、その時、それだけの年齢に達したのかもしれないけど、冒頭の部分から、そういうショットが入っていたせいか、その後の展開も、怖いもの嫌い先入観を抜きに見られたような気がする。勿論、役者の力量も凄い。大好きなへーちゃんの魅力も余すところなく引き出してくれたけど、とにかく役者の使い方、撮り方が、上手い。特にベテラン陣の味わいを、深く、切なく、時に滑稽に引き出しているのは、凄い。個人的には、復讐劇の発端になる子供の人生を台無しにする菊乃母の怨念は頂けない(結局、財産目的かい)が、ベテラン陣の味わい深さが、作品中唯一の底の浅さ(あるいは浅ましさ)を、補って余りある。中でも、高峰三枝子の押し出し、声の深さは、若かった私にも鮮烈な印象だった。湖に木霊する、あの声は、今でも耳の奥に残っている。御亡くなりになったと聞いた時は、本当に残念だと思った。本作は、コマーシャルに乗ったミステリー・サスペンスで、決して文芸でも大作でもないが、ある意味、邦画に新風を吹きこんだ一作だったのだろうと思う。 10点(2004-07-14 22:59:07)《改行有》

55.  トーチソング・トリロジー 珠玉の一作というけれど、これは、ほんとに珠玉の一作だった。ゲイを扱った映画は数々あれど、本作は、差別されるゲイの悲惨さを取り立てて感傷的に描くわけでもなく、ことさら感動的に盛り上げようという意図もなく、愛とは何か、家族とは何かということを、主人公を中心に淡々と描いていくだけである。にも関わらず、見終わった後は、ジーンとする。ただただ、ジーンとする。ファイアスティン=アーノルドとバンクラフト==母の対決シーンは、どこをとってのいいが、特に最後のやり取りは素晴らしい。「死者は失敗しないからね」というアーノルドの科白は、ありがちだけど、アラン=ブロデリックの残してくれた「忘れ形見」を守る為にも、現実の中で前向きに生きようとする姿勢を示している。でも、アランの亡くなり方は、気の毒だったなァ。それにしても、綺麗で可愛い若手の男優にとっては、こういう役は、やっぱり通過儀礼なんだろうか。マシューってば、とってもキュートだ。10点(2004-07-11 23:24:49)

56.  真実の瞬間(1991) いい加減という言葉が好きだ。チャランポランという意味ではなく、良い加減という意味である。これは多分、古墳文化の頃から、政治にしろ宗教にしろ、精神の2重構造に対応出来てきたことなんだろう。大皇がいるのに、豪族が政治をする。神道があるのに、仏教を取り入れる。あちらを立てて、こちらも立てる。要するに、上澄みを掬うのが上手い民族で、日本が、アジアよりヨーロッパにより魅力を感じたのは、精神の2重構造(二枚舌ともいう)が似ていたからなんだろう。そして、その2重構造について行けなくなって新大陸に逃げ出したのが、アメリカを作った人々なんだろうなと、本作を見ていて思った。駄目となったら、徹底して弾圧するこの気質は、この時代だけではない。こういう映画を製作出来るところがアメリカの良心というのだろうが、現在も、某国の虐待コンテストで同じ言い訳を聞いた。この国の保守的で狂信的な魔女狩り気質は、過去のものではないのだろう。ただし、上澄みを掬って、あまりにアメリカナイズした日本人も、そろそろ、良い加減という言葉を思い出した方がいいのかもしれない。面白い作品とは言えないけど、意義のある作品だった。役者は、テーマがテーマなだけに、デ・ニーロは勿論、登場人物全ての役者からオーラを感じたな。8点(2004-06-21 22:27:00)

57.  ナインスゲート 《ネタバレ》 ギフトもそうだったけど、どうも、あちらの方々の製作するオカルト・サスペンスって、怖くないんだよなァ。多分、それは、神秘なものより、人間の欲や罪の方に重きが行くからなんだとは思うけど。SFやアクションでは、「んなバカな」が罷り通るのに、オカルトの分野では人間超えないのが面白いよね。謎の女(堕天使でも性別は無いんだろうから、多分、LCF御本人かと思うが)と、燃える城の前でいきなりことに及んじゃうあたり、人間超えてないし。謎解きにしても、コルソが挿絵の違いに気付いた段階で、3冊全てが偽物であり本物であるってことが分かっちゃうし、謎の女は、話半ばで空中浮遊するし。そんなに見え見えでいいのかと思いつつも、どうやって落とす気なのかなァと思って見ていたらば、あれですかい。とはいえ、あの先を、やられても困るだろうな。天使か悪魔(多分、後者だろうけど)が出てくるしかないものね。コルソ=デップは、確かにいい味を出しているし、デップを下手だとは言わないけど、ただ、デップはこういう役だと、どうしても場面場面が淡々と流れていってしまう気がするんだな。この人の秀作は「ギルバート・グレイプ」だと思うのだけど、でも、やっぱり、「シザー・ハンズ」や「妹の恋人」「パイレーツ・オブ・カリビアン」のような、多少演技がデフォルメしてる方が生きるのかなァ。この映画、女優陣の演技の方が、凄かったよね。それに振り回されるコルソ。だから、まあ、そういう役なんだな。6点(2004-06-21 21:34:47)

58.  フィーリング・ミネソタ 《ネタバレ》 なんだかんだ言って、やっぱり、この作品好きだ。確かにドタバタで、バタ臭いんだけど、役者がそれぞれいい味出してるんだよね。一人の女を発端に吹き出る兄弟間の確執が、迫真でね。憎んでも憎み切れない。いっそぶっ殺してやりたいのに殺せない。道路挟んでの石の投げ合いがリアルで象徴的。何より、キアヌの役者としての力量が、凄い。演技巧者とか熱演とかいうのではなく、凄いリアルなのよ。確執し軋轢した兄貴が、結局は他人に殺されていくのを目の当たりにする時のキアヌ=ジャックスの表情は、上手いとかじゃなく、リアルなんだな。ドノフリオも、負けずに迫真に演じてるし。インディ系の映画だけど、キアヌの作品の中では、キアヌの持ち味が詰まってる一作だと思う。 売りは、キアヌ・リーブスとキャメロン・ディアスの共演らしいけど、本作は、ヴィンセント・ドノフリオとキアヌ・リーブスの共演が正しい。この二人&エイクロイドの掛け合いが、凄いのよ。10点(2004-06-16 00:45:52)

59.  デイ・アフター・トゥモロー 《ネタバレ》 パニック映画らしい御約束映画だったけど、この歳まで、それなりにいろんな映画を見てきたから、御約束と感じるのかもしれない。狼脱走や、ロシア船の図書館の前での座礁。わざわざ図書館っていうところも、「図書館なら燃やすものには困らないなァ」と思っていたら、やっぱり、まんまだったし。ただ、本作は随所に散りばめられた、環境を顧みない便利生活優先主義への批判映画でもあるし、図書館を選んだのも、そのひとつなんでしょう。日本のシーンも、ある意味、うそ寒いものを感じた。街の作りはね、スタッフには明らかに日本名と分かる人達もいるんだから、「これじゃ、中国か韓国だよ」って言って欲しかったりしたんだけど、サラリーマンの行動形式は、いかにもだった。一杯やって、すぐ携帯電話を手にする。都市部ではもはや、老若男女を問わずに見慣れた風景。今はメールでカシャカシャだけど、まるで外部とのコミュニケーションを断絶するかのように、携帯だけがよすがのように、カシャカシャ。アップになった携帯が、監督が見た今の日本人の象徴なんだろうな。ところで、個人的には、売りであるはずの嵐が荒れ狂う映像自体には、あまり感銘は受けなかった。っていうか、煽ってくれたほど、特撮は凄いとは思わなかった。まあ、こんなものなのかな、くらいだった。ついで、皆様が既にコメントしているように、人間ドラマは薄かった。「インディペンデス・デイ」と比べてしまうと、人間関係のドラマ性は稀薄だったな。これは、前作は破壊された荒野を人々がさまよえるけど、本作は外に出ると凍死するだけに、人間の行動が制限されてしまうからなんだろうな。それでも、エメリッヒは、それなりに見せ所は心得ている監督だと思う。ショッピング・モールで自分から命綱を切ってしまう。吹雪の中、救急隊員が来てくれた。約束通り、父が息子を助けに来てくれた。父と息子が抱き合うシーンは、御約束と分かっていても、ちょっとグッと込み上げるものがあったものね。それにしても、ホワイト・ハウスでは、副大統領が物分りの悪い役だったけど、あそこで、軍高官が「台風の目に核を撃ち込もう」発言をしなかったのが、エメリッヒの良識?米軍人も、自然の猛威の前では、こんなもの?米批判なら、そこまでやって欲しかった気がしたなァ。そうそう。本作では、エミー・ロッサムが、良かった。何げな表情が、大袈裟でなく、とても可愛かった。7点(2004-06-16 00:31:21)

60.  ラスト サムライ トム・クルーズの一得なところは、画面一杯に、一生懸命に演じているんだよと、滲み出てくるところだった。それだけで、トム・クルって健気だぁと、思ってしまうんだな。でも、本作のトムは、そんなものを超えていた。トム・クルに、こんなに抑制の効いた演技が出来るとは、正直、驚いた。オスカーでは渡辺謙ばかりが目立っていたが、これで、何故、トムがノミネートもされなかったのか、不思議でならない。もっとも、作品的には、確かに突っ込みどころ満載だし、少々情緒過多だし、確かにアメリカ受けはしないだろうなぁ。それでも、よく描けていたと思う。忍者は、別に不自然に思わなかった。天皇とは関係無いだろうけど、江戸城御庭番というのは、確かにいたらしいし、そういうのを出したかったんでしょう。それにしても、アメリカ人が日本の伝統や風習を惜しむって、日本人が宮廷舞踏会に憧れる感覚なのかなぁ。時代背景的なことについては、敢えて突っ込む気はない。「レジェンド・オブ・フォール」や「アラビアのロレンス」からして、ああだし。この作品をきっかけにして、あの時代を学ぼうという気になる人が多ければ、作品としての価値はあると思う。それにしても、私、渡辺謙=勝元が、ラストに近くなるほど、だんだんモーフィアスに見えてきた(笑)。8点(2004-06-10 22:09:45)

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