みんなのシネマレビュー
奥州亭三景さんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 826
性別
メールアドレス sankei_o@olive.freemail.ne.jp
自己紹介 あたしは見ている映画は数あれど、
思い出せずにREVIEWが出来ません(笑)
我が心の師である、淀川長治氏の”愛ある批評”を目指していますが
ストレスが溜まってるのか、最近は毒舌が多くなりました(笑)
そんな愉快な奴ですが、お見知り置きを

好きな映画ジャンル
 戦争映画、コメディ映画、ドキュメンタリー映画
 スポーツ映画、実話系映画、

苦手な映画
 スプラッタ系ホラー映画
 (子供の頃に失神して以来、トラウマなんです)
 最近のハリウッド系映画

”特に”好きな映画監督
 チャールズ・チャップリン、黒澤明
 80年代前半までのスピルバーグ、ジョン・ランディス
 マイケル・ムーア、井筒和幸、大林宣彦

好きな役者
 懐かしい名前しか出てこないので書きません(笑) 

好きな映画評論家
 淀川長治(本当に評論家の究極な方でした)
 荻 昌弘(視点と分析力、好きな映画への熱弁が素敵な方でした)


投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順12345678
投稿日付順12345678
変更日付順12345678

41.  探偵はBARにいる 《ネタバレ》 原作のススキノ探偵シリーズは読んだ事が無いのだけど、この映画の仕立てた方向性はTVドラマ「探偵物語」だよね。そうみると松田龍平が出ているのは少々感慨深い物があったりする訳で、あたしは意外と悪くなかったと思います。時間の長さもあまり気にならなかったですね、内容的にはあまりにも先が読み易い構成とか無駄なシーンとか散見したけど、それを含めて当時のテレビドラマを匂わせるという感じがしますね。キャラクターも悪くなかったですね、今回悪役として出て来た高嶋政伸が非常にキレた良い演技をしていたし、脇を固めているススキノの住人達がベタなんだけど個性的で、シリーズに出来る要素をたくさん持っており、次回作を期待しても良いかな、と思わせるだけの物があったと思います。[映画館(邦画)] 7点(2011-09-18 09:35:45)

42.  パラダイス・キス 《ネタバレ》 思ったほど悪くない、と言うか良かったですよ。同時期に公開されている秋葉原から売り出しているアイドル主演の映画に比べたら遥かに良いです。ハリウッド映画でワーキングガールを主題に取り上げた映画の構成を上手く利用しているという点で、楽しく見られるような仕組みにはなっているんだよね。役者としても北川景子と向井理がしっかりした演技をしているからこの二人だけを見てても楽しめるし、デートムービーとしては最適かな、と思います。まぁ、問題が無い訳ではなく、元が少女漫画なので、やたらと衣装が派手なのはわかるし、そのテイストを全面に出すというのも悪く無いと思うのだけど、少女漫画の悪い所をそのまま映画に持ち込んでしまうのはちょっと戴けないかな、という思いもあります。例えばジョージの乗るオープンスポーツの外車という事で、ジャガーを出しているけど、ジャガーの左ハンドル仕様を出す必然性が全く無いし、ついでに言うと、ジャガーに乗る人が何であのファッションなのかと思うほどのコーディネートのミスマッチ感があります。これは少女漫画が原作だし、日本だからこういう無粋な言い方自体が本来は駄目だと思うけど、男性目線で見てしまうとちょっと違うかな、と。 それとこれは役者の責任では無いのだけど、役者の演技の前後関係が繋がらない部分が結構見えました。見ると、役者はちゃんとオーダーをこなしているようにしか見えないから、やっぱりこれは監督の演技の付け方の出来の悪さだったり、編集の問題だったりするんだろうね。最後に、これは映画とはちょっと違う話ですが、矢沢あいの漫画自体が画に動きをあまり感じないからかも知れませんけど、映像化したときに動くと変な違和感を感じますね。この辺はやっぱり少女漫画特有の美的感覚を動画として表現しにくいという事なのかな?[映画館(邦画)] 7点(2011-07-24 11:33:17)《改行有》

43.  小川の辺 《ネタバレ》 地味な映画なんだけど、ある意味、こうした地味な映画を如何に日本の映画界に浸透させるかが問題ですね。その意味ではこの映画は非常に良い例になるかもしれないと感じました。他の藤沢周平原作の映画と比較してしまうと確かに地味なんだけど、裏を返せばこれ迄の藤沢周平原作の映画で地味にするべき映画が派手に映ってしまったという結果かもしれないな、と感じました。その意味ではこの映画は派手に出来るキャストを使いながら、抑えて作ってあるので、感心しました。役者陣はみんな非常に洗練された演技をしていたと思いますが、菊池凛子が全然時代劇には合わないな、と感じています。とにかく殺陣が不安定で、本当に手練なのかと疑いたくなるくらい。それと、これは個人的に気になっていたのだけど、新蔵の所作に変な違和感を感じたんだよね。さしたる重要な部分でもないし、気にしたってしょうがない部分なんだけどね。[映画館(邦画)] 7点(2011-07-17 14:52:16)

44.  ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2 《ネタバレ》 Part1に比べたらはるかに良かったです。特にスネイプの色々な思いが回想される場面は実は今作での一番良い場面だったんじゃないかな。だけど、やっぱりこの映画はかなり問題も多いかな、という印象を受けます。例えば、今回に限ってはハーマイオニーがやたらとロンに敬意を払っているのだけど、その経緯がこの映画で表現されていないから、なんで急に、という印象が強くなると思います。同様にラストで描かれる後日談などは、重要な役回りをしたキャラを補完できていなかったりするのだけど、これって原作みてる人にも映画でしかみていない人にも不満が残ると思うんだよね。尺の問題で原作の全てを入れられないというのは理解出来るのだけど、このぐらいは数カットで対応できるでしょう。あたし自身がハイ・ファンタジー好きだから言う訳ではないけど、指輪物語がジャクソンによって映画化されるときに、完全な物が出来るとは思っていなかったのだけど、開けて見れば、完全では無い物の、十分な迄のものが出来ていたんだよね。ハリーポッターは残念ながらそこ迄には至らなかったですね。原作のファンも、映画好きからみても、何かしら不満が残る様な映画だし、映画シリーズだったと言う気がしてなりません。役者としてはやっぱり、今回はアラン・リックマンに尽きますね。全体でもそうだけど、彼の徹底した悪役ぶりが今作で効果を見せたと思います。[映画館(字幕)] 7点(2011-07-17 14:13:26)(良:1票)

45.  ランナウェイズ 《ネタバレ》 あたしは、洋楽は殆ど聴かないから、実の所ランナウェイズは名前は聞いた事があるけれどどういうバンドだったのか全く知らない状態でした。 でもこの映画を見るとランナウェイズが一瞬でロック界を駆け抜けていったというは良く分かります。勿論、現実部分はもっと細かいでしょうけど、彼女らの事を90分少々で理解する様な映画としては非常に良くできています。 面白いな、と思ったのはシェリー・カーリーが平凡でいる事に不安を感じて別の世界に行くのに、最終的には平凡である事を望むという、非常に分かりやすい話をシェリーを演じるダコタ・ファニングが巧みに演じているという事かな。最初に出てきた時の彼女は色っぽさを見せるけどどこか幼く見え、ラストでは物凄く可憐で可愛い表情を見せながらも、大人に成長した姿を見せたのには非常に感心しました。ロックを通り過ぎる過程で、変化していく姿というのは、非常に良かったと思います。同時に、ジェット役のクリステン・スチュワートも、自分はロックを貫き通すしかないという決心をする事で大人になっていくという、これも方向性は違うけど、ロックを通り過ぎる過程で、変化していく姿を演じ、それぞれ別の道を歩む事になる二人が、互いに笑って話すという姿を見せる事で、互いを認め合う事になるというのは、シナリオ的には非常にオーソドックスな作りではありますけど、それ故に物語の到達点として、非常に良く出来ていると思います。薬物やセックスを映像の表現として使っているため、どうしてもR15になってしまうのは仕方の無い所ではありますけど、正しく理解させる為の話を大人がしてあげれば、同年代である中学生にも個人的には見せたいところですね。[映画館(字幕)] 7点(2011-06-13 12:42:39)(良:1票) 《改行有》

46.  ザ・ファイター 物凄くオーソドックスな撮り方のされている映画なんだけど、それ故にシンプルに受け手に伝わり易い映画になっているのだろうね。こういう映画こそ非常に演技力を求められると思うのだけど、この映画では役者達がキッチリと演じきれていると思いました。だから、同じ状況に無い筈のあたしも、その場に立ち会っている様な感覚があったし、変な力の入り方している事に気が付いた時に少々恥ずかしかったりしてね。でも、それで良いんだろうなぁと、素直に思えるのがこの映画なんだろうね。こうした映画を日本では残念ながら作れる環境が整えられていないな、と実感すると同時に、こうした映画を生み出せるアメリカ映画の力には敬服します。[映画館(吹替)] 7点(2011-06-05 09:58:41)

47.  嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 物凄く実験的(ある意味、冒険)な映画で、それをどう見るかでかなり評価が変わってくると思います。 内容自体がかなり複雑で、全く整理されていない状況から物語が始まり、結局何だったのだろう?と振り返ってみると、良く判らない所に落ち着いているんだよね。原作は流し読みした程度ですが、かなり違うものに変えたという気がします。でもそれが返って良かったのかもしれません。 但し、ラストの以って行き方だけは物凄く不満が残っています。あれだけ雑多な感じを劇中で続けているのに、落ち着いた先は物凄くありきたりな所に落ち着かせちゃったんだもんね。この内容であればこうしたハッピーエンドっていうのは物凄く居心地が悪い気がするんだよね。そうではなくて、もっと違う手段はあったんじゃないかな、と思うのだけど、そうしなかった所に、この映画の限界があるように思いました。[映画館(邦画)] 7点(2011-03-09 15:18:07)《改行有》

48.  裁判長!ここは懲役4年でどうすか 原作は良く知っていたけど、映画化するには物語を作らなくてはいけないから、どういう風に映画にするのかと思ったら、なかなか面白い作りにしたな、という感じでしょうか。基本的に裁判の面白い所を凝縮して見せるという、ノウハウ映画の側面が強いのですが、そこにちゃんとドラマ性を持たせて一本の映画に仕上げたという所がこの映画の良い所なんだと思います。そんな映画にコントの上手い設楽を主役に起用したのが正解だったのでしょうね、コントで見せる様なすかした演技が面白いくらい嵌っていました。そんな具合だから、物語もシチュエーションコントの繰り返しになっていて、飽きる前に次が始まる様に出来ていてあたしは非常に好感を持ちました。で、最後に大ネタを持ってくる訳ですが、最後の最後まですかして、だれもがハッピーエンドを期待しているのにすかされてしまうのが逆に快感になってくる訳です。 こういう作りの映画ってのは、日本では上手く作れる人が少なくて、中々見ることが出来なかったのですが、久々にこうした映画を見られたというのが嬉しいですね。低予算だから役者は芸人が多かったり、演技も玉石混合ではありますけど、見てて楽しいからそれで良いと思います。エンドロールの選曲も最高です。[映画館(邦画)] 7点(2011-03-09 15:16:27)(良:1票) 《改行有》

49.  太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男- 映画そのものは悪く無いと思うのだけど、どうも、この手の戦争映画を観ると思うのだけど、昨今の太平洋戦争物では日本軍が悪であって、個々の兵士は悪では無い、という様な表現され方をされるものが多い気がします。これもそういった映画に仕上がっていて、一見、物凄く中立的な観方が出来ますが、何かがやはり違うと思います。 原作となった読み物がアメリカで作られたという事も大きいと思うのですが、非常に捉え方がアメリカ的えあって、その部分が非常に観ていて気になりました。例えば、井上真央の演ずる看護婦がやたらと強くて反抗的な女性として表現されていますが、あのような日本女性が当時表面化出来たか問いのが少々懐疑的で、それを見せられてしまうと必然的にこの物語が架空の物語としてしか見えなくなったりする訳です。彼女のこうした動きが物語を加速していく事を考えれば、狂言回し的な使われ方をしていることは容易に想像が付きますが、そうしたものを加えたことで、逆に実話感が薄まっていて、それが非常に映画全体を考えると勿体無い気がします。[映画館(邦画)] 7点(2011-02-21 00:04:31)(良:1票) 《改行有》

50.  僕と妻の1778の物語 《ネタバレ》 個人的には好きです。 TVCMの様に別に泣くほどの物語ではありません。しかしながら、眉村卓の小説を読み続けていたあたしには少々感慨深いものがありました。眉村と悦子夫人の実話を元にしたフィクションとして構成されていますが、劇中で使われた小説は全部実際に書いた内容と同じものを使っていて、ここに非常にアジがあるとあたしは思います。SF小説に関して全く分からない人にはあそこに出てくる小説が本当にSFなのかと戸惑う方も多いと思いますが、あれこそがSFであり、SFに内包されるメッセージやテーマが全て朔の心情、節子への想いで重ねられているというのが分かると、この映画が泣かせたり感動を呼ばせるものではなく、死を迎える者に対しての家族のあり方、家族に対しての死を悟った者のあり方、そういうものをひとつの例として見せてくれたもの、それがこの映画では無いかと思います。 映画そのものは思ったほど長く感じなかったのは、全体的に締まった映画である為で、それは良かったと思いますが、草彅剛の演技は残念ながらあたしは評価が出来ません。彼の持ち味はあまり大きく表情を変えない演技で、それが朴念仁的な役として非常に合っているのですが、感情を剥き出しにする演技でそれをアップで捉えた時に、変に浮いて見えてしまうんだよね。声に感情の抑揚が出ないのも残念で、それがあるともっと物語を引き締めてくれるような気がします。それと後半の病院で朔が小説を書いている間に取り巻く患者や病院関係者のあたりのシーンはやっぱり不要じゃないかな?それを奇異な目で見るのは良いとして、それを延々と引っ張るのは、周囲の見方を変えるシーンだとしても本当に必要だったか疑問が残ります。[映画館(邦画)] 7点(2011-01-31 12:50:16)(良:1票) 《改行有》

51.  [リミット] 《ネタバレ》 正直、かなりの低予算ですよね。でもその低予算というのを逆手に取った非常に面白い映画だと思います。ジャンル的にこの映画はサスペンスになると思うのだけど、これって非常にウェットの利いたギャグだよね。マーク・ホワイトの名前が出たときに助かる見込みは殆ど無いとあたしは思っていたのだけど、ラストのオチを見た瞬間、納得できて大笑いしたんだよね。あの名前を聞いたときに、本来であれば気が付くべきなんだよね。でもそこまでに至らないような様々な工夫(まぁ、ツッコミどころも多いのだけど)がされているというのは見事で、エンドロールのあの音楽も正解だと思います。 [映画館(字幕)] 7点(2011-01-26 08:28:04)(良:1票) 《改行有》

52.  酔いがさめたら、うちに帰ろう。 ちょっと撮り方が乱暴だな、と思いながらもアルコール依存症という病気の一端を垣間みさせただけでも成功だったかな、という気がします。ヘンな話ですが吾妻ひでおが「逃亡日誌」で描いたまんまの世界が映画の中にあって、ちょっとした戦慄を覚えました。難しい所だとは思いますよ、多分もっとリアルに撮る事も可能だったでしょうが、あれ以上で撮ると生々しくなりすぎると思う。あにやんさん、おばちゃんさんの言う様に希薄に見えちゃうというのは分かる反面、あれ以上で描くと非常に下衆っぽく見えてしまう怖さもあるとあたしは思うんだよね。だからあたしは永作の演じる所の由紀は西原の非常に達観視した感じは良くインタビューを受けたり、イベントで語る様な西原の姿そのものであっていると思うし、浅野の演じる所の塚原もエッセイや彼の撮った写真で観る事の出来る鴨志田様で良かったんじゃないかと思います。この後公開される「毎日かあさん」と併せて観るとより立体的に西原と鴨志田の夫婦というのが見えて来るかもしれないですね。[映画館(邦画)] 7点(2011-01-17 01:49:30)

53.  アンストッパブル(2010) 暴走した列車を停めるってだけの話で、昨今のハリウッド映画の様にド派手にしない分、リアリティと緊張感を維持できて中々良い作品だと思いました。何しろ見ていて時間を忘れて見れたという映画は最近では少ないんですよ。そうした中で、この映画は時間的にも短いという事もあるでしょうが、あっという間に終わったという感じがあり、良かったと思います。[映画館(邦画)] 7点(2011-01-12 12:26:46)

54.  武士の家計簿 ありゃ、思った以上に評価が低いなぁ。 まぁ、元になった話自体が家計簿を基にした話であって、その中をどのような話にしていくかが全てだとは思います。ある意味、ドキュメントだと捉えてみると、非常に面白い映画ではないかと思いますね。森田芳光らしい映画の取り方が存分に出ていたとあたしは思えたし、算盤侍の算盤侍としての誇りとか、上手く表現していたと思うのですけどね。 但し、皆さんが言うとおり、説明不足な感はあります。というか、説明しなくても分かるでしょ、という感覚が無いと分かりにくい撮り方をしている気がします。あたしなんかだとそれが嫌でも分かるからこれで十分とか思ってしまいますけど、分かりやすい映画が増えている昨今、こうした映画は今の人にはなかなか伝わりにくいものがあるのも事実で、この辺が非常に難しい所だと思います。 エンタテインメントで考えると、評価は下がりますけど、エンタテインメントでは無いところでこうした映画もアリかな、と思うので、この点を付けたいと思います。 [映画館(邦画)] 7点(2010-12-28 12:16:09)《改行有》

55.  最後の忠臣蔵 《ネタバレ》 原作もテレビ版も知らずに見てきました。今年は時代劇が当たり年だったかな、と思える締めの作品かな?(この時点で「武士の家計簿」は未見) 杉田が監督という事で中途半端に「北の国から」みたいな作りをしないかと、あたしはかなり警戒感を持って見たクチなんだけど、開けてみたら悪くないかな、と思いました。人形浄瑠璃で曽根崎心中を入れたのがかなり効果的で、物語のブリッジの役割を果たすだけでなく、端的に瀬尾と可音との関係性と瀬尾の行末をキチンと補完していると感じました。海外の人が見ても分かりやすい作りにしていると思いますね。 但し、寺坂と瀬尾の友情関係の描き方が薄いとか、切腹の説得力が少ないという【蛇蟇斎狐狸窟】さんの気持ちは分かる反面、時間的には絶対に無理だな、とある意味納得をせざるを得ない部分もあります。どちらも役所広司や佐藤浩市顔や目の表情だけでその辺は十分に補完していると思うのですが、やっぱり分かりにくいですよね。かなり武士の生き方みたいな事を事前に知らないと、”なんで?”と思う箇所は多いと思うし、そう感じる人の為の親切な映画にはなっていないかな、という気がします。でも映画としては瀬尾という人物の生き方に絞って作ったという事が判れば十分なのだと思って解釈するしかないとも思えるんですよね。 あたし的に難点を言わせて頂ければ、あれだけ丁寧に作っているにも関わらず、細かい所で余計な事をしているのが見え隠れする事かな。例えば、瀬尾が旧赤穂藩士に襲われる場面、後々を考えれば必要なのだけど、あれほど時間を必要としたのかに疑問があったり、カットの前後でヘンに見える部分があったりしてね。気にする程の場面では無いのかもしれないけど、こういうのって、良い映画を作ろうとした場合に、絶対大事だと思うんですよね。[映画館(邦画)] 7点(2010-12-24 17:31:03)《改行有》

56.  ロビン・フッド(2010) 《ネタバレ》 悪くは無いと思います。要はロビンフッドがグリーンウッドに入る前の物語なのね、というのが分かれば、映画としては成功なわけだからね。ケイト・ブランシェットがまた物凄く良い演技で、ちょっと言い方がヘンかもしれないけど、彼女独特の透明感のある演技に加え、メリル・ストリープの演技で見せる母性みたいなのを強く感じました。物語の年齢から考えると、実年齢とは多分10歳以上開きがある筈なのだけど、若さで見せていないという所が上手い所なんだろうね。あと、ロビン・フッド映画であたしがいつもチェックしているのがタック神父なのだけど、この映画でも破戒僧っぷりをいかんなく発揮できていたのもあたしには好印象でした。 但し、難点を言わせて頂ければ、やっぱりラッセル・クロウかな。必要以上にマッチョ感を漂わせすぎです。本来のハンターやアーチャーって、あそこまでマッチョじゃ無いんだよね。付ける筋肉が違う筈なんだけど、彼の筋肉はやっぱり格闘用って感じなんだよね。 それと、フランス軍の上陸シーンなんだけど、あれって「プライベート・ライアン」と「史上最大の作戦」をオマージュしていますよね?レイアウトやカットで殆ど同じものが随所に見られるのだけど、そうする理由が全く分からないんです。もっとフランス軍の侵攻は撮り方があったと思うし、リドリー・スコットなら出来たと思うのだけど、あの撮り方を選んだ理由が全然分かりません。 でも、見ていて時間を忘れられると言うのは物語がしっかりとしているという事の証明だよね。やはりスクリーンで見るのが楽しい映画だと思います。[映画館(字幕)] 7点(2010-12-23 10:31:58)(良:1票) 《改行有》

57.  行きずりの街 《ネタバレ》 映画自体は結構面白いと思いますよ。但し原作は読んでいなくて、"このミステリーが凄い"という本の中で照会されているのだけど、観た感想で先ず言いたいのは"本当にミステリー?"って事。確かに、主人公からして謎めいているし、私立学校における様々なスキャンダルと、主人公の教え子の失踪が複雑に絡んでいるけれど、あまりミステリアスには見えませんでした。私立学校の大学開設におけるスキャンダルについて、物語の中心にある話なのに、最終的に放置する意味も分からないし、主人公からみれば教え子を救い出して、元妻とよりを戻してオシマイ、で良いかも知れないけど、後日譚はどう処理されているのか非常に知りたい所だよね。まさか続編を作って見せるほどの尺があるとも思えないですしね。同様の事は随所にあって、例えば主人公の元妻といた、恋人らしき建築家の存在は電話が来ても切っておしまいという形で、観てる側が納得できるのか、とかね。 それにクライマックスなんだけど、取り壊される予定の校舎になんで木刀が、それも、なんであんな所に、しかも廃校舎で且つ、主人公は10年前に辞めているのにあるのか、なんて疑問もあるけど、それ以上に、女子高なのに必要なの?という疑問が沸々と。この辺がさっぱり分からないんですよね。見た感じ、完全なお嬢様学校で、素行不良な学生が居たとしても、必要とは思えないんですよね。 10年前の出来事にしても、一介の保護者の意見で、しかも私怨である上に、賛同を得たからといって映画を観ている限りは法的に触れることは何もしていないし、訴えられれば学校側が負けるに決まっている状態なのに、解雇という事態に陥るかが疑問ですね。風聞を気にして失職させるという事は考えられなくも無いですが、裁判で負けた場合の方が世間の風聞は怖い筈です。そうした物語の動機付けの弱さを隠すべく映画は苦心しているのかもしれないけど、あたしがこういう疑問を持ってしまうという時点で、物語自体に問題があるって事では無いでしょうか。 役者陣は特に問題のある所はないけど、窪塚の演技の面白さは凄いと思いつつも、ああいった怪演しか出来ない役者と見られているのだとすれば、残念ですね。怪演が出来るから良い役者という訳でも無くて、普通に演技が出来てその上で怪演が出来るという所を見せられて本当に良い役者だと思うのだけどね。[映画館(邦画)] 7点(2010-11-30 12:42:58)《改行有》

58.  REDLINE(2010) 思ったよりも良いんじゃないかな? 手書きアニメに拘る姿勢は非常に良いと思います。元々日本のアニメが評価される背景には、画の正確さよりも表現力を考慮した手法にある筈で、最近の日本のアニメに魅力が少なくなったのはそうした部分をおざなりにしている部分というのは間違いなくあるだろうからね。まぁ、往年の金田や板野氏の様な奇抜さや突飛さから来る面白さや迫力は無いけど、パースの付け方とかは松本零士や新谷かおるとはまたちょっと違う感じがあってよかったかな。声優としては蒼井優が思いのほか良かったので、オドロキでしたね。役者の時よりも表情付けが上手い気がします。 しかしまぁ、いろんな映画やアニメにインスパイヤされてるね。 ベースは明らかに「チキチキマシン猛レース」で、そう考えるとキムタクの役がキザトト君で、蒼井の役がペネロッピーって事なのかな? カットでもかなりのアニメや映画をパクッて・・・いやオマージュしてるよね。 アキラ、マクロス、マッドマックス2、レオン、黒澤明や押井作品も混じっているし、細田守も少しはいっているかな?どうせここまでやっているなら、青野武をメカニック役に使っているのだから、台詞として「こんなこともあろうかと・・・」というのを入れるくらいの遊びは欲しかったですけどね。[映画館(邦画)] 7点(2010-10-30 23:57:58)《改行有》

59.  桜田門外ノ変 《ネタバレ》 基本的に史実をそのままなぞって作られた映画ではありますが、 事の善悪は捉えずに、事実を描いた点では貴重じゃないかな? 映画の構成自体は回想と現実を織り交ぜ、ナレーションやテロップで補語する形は非常にお佐藤純彌らしい映画だと思います。 ただ、ちょっと残念なのは、変に無駄なカットがあること。例えば白洲に並べられた、変に参加した浪士を引っ立てるシーン、あれが異様に長く感じるんです。ひとりひとりの名前と末期と享年をテロップで引き出される順に出していくのだけど、物凄く間延びした感じになるんだよね。あれはどうかな?とちょっと思ってしまいました。それまでが結構テンポ良く話を進めていたのに、あの部分だけ変にテンポが崩れるんです。こういうのって観ている側は結構テンション下がるんだけどね。それと、薩摩藩士や鳥取藩士、京都の人々がそれぞれの国の言葉を使っているのに、水戸藩士や浪士が標準語なんでしょうね。あの辺もかなり残念だったかな。悪くない映画だと思うだけに余計残念でなりませんでした [映画館(邦画)] 7点(2010-10-23 16:09:15)《改行有》

60.  スープ・オペラ 原作は読んでいないのだけど、非常に阿川佐和子の書く小説やエッセイを非常に上手く映画にしてる感じがします。脚本も演出も別に特別な事は全くしていないのだけど、それ故に非常に阿川佐和子の文体や彼女の感情を感じさせるというちょっと不思議さがあるかな。もの凄く舞台的という事も良い影響を与えていると思うし、役者陣が優れているという事もあるのだろうね。何しろ坂井真紀がルイ、藤竜也がトニーさんという役にぴったりと嵌ったのがこの映画の出来を決めたかもしれません。西島隆弘、平泉成、田山涼成、萩原聖人、加賀まりこ等といった、他の役者達もちゃんとポイントを掴んでいるのも、良かった点ですね。ラストに向けて物語はかなり荒唐無稽になるのだけど、それがちゃんとラストにピタッと嵌ったのも良かったと思います。[映画館(邦画)] 7点(2010-10-18 20:59:24)

全部

Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS