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Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 73
性別 男性
ホームページ http://6018.teacup.com/337/bbs
年齢 53歳
自己紹介 心の機微が感じられる作品が好きです。
絵に携わる仕事をしていますが、映画を映像面から語ることが苦手です。
映画の社会的道徳は常に考えますが、基本的にエンターテイメントを冒涜するようなツッコミはしないのが観客のモラルだと思っています。
全体のバランスよりも、ただのワンシーンにノックアウトされたい。

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41.  ボウリング・フォー・コロンバイン 中間に差し挟まれたサウスパークのスタッフによるカートゥーンには喜んでしまった。 しかしマイケル・ムーアを映画人として支持する気にはならない。 「アメリカン・ナイトメア」で恐怖について語っているジョージ・A・ロメロや デビッド・クローネンバーグの方が全然好きですよ。私はね。 「ボウリング~」がテーマとして掲げ、矛先を誤った「銃犯罪の多さ」「恐怖」について、 私はそれが、アメリカが高らかに謳う「自由」の代償の一つなんだと思っている。 だから誰も手放さないだろうし、この先もマイケル・ムーアは自由に映画を創るだろう。6点(2004-05-20 15:16:39)《改行有》

42.  ハリー、見知らぬ友人 《ネタバレ》 幸せな家庭にある日異質な来訪者が・・・という展開はサスペンスによくあるが、 この映画はまったく逆で、少し不穏な家庭に親切な友人が現れる。 人の親切というものは、裏を勘ぐり始めると恐ろしいものである。世の中、タダより高いものはない。 しかし無碍に断るのも角が立つ。ハリーという男が恐ろしいのは、彼が心底ミシェルのためと 思い込んで行動している点だ。そしてハリーの行動がエスカレートしていくと、いつしか観客は ハリーとミシェルの会話がまるで自己の内的葛藤のように聞こえることに気がつく。 家庭におさまりつつも、なにか遣り残した思いを抱えたままの少年がミシェルの中で疼き出す。 ハリーは本当に存在しているのだろうか?プリュンヌは?彼らはもしかしたら、ミシェルが 生み出したシャドウなのかもしれない・・・全てに始末がついたエンディングの清々しさは、 解釈によって幸福にも恐怖にもなり得るだろう。7点(2004-05-20 10:11:32)《改行有》

43.  リリイ・シュシュのすべて 私も少なからず、この映画を観終わってから腹を立てたものですが、 その苛立ちがそのまま映画への不満ではありませんでした。 この映画のリアリティを語れるほど、私は現代の中学生の実態を知らないし、 強烈なイジメにも遭遇したことはありません。 織り込まれた暴力やレイプなどのエピソードはステレオタイプな印象を否めないし、 一時期流行したTVドラマの焼き直しのようにも感じられます。 けれどどこか、身に覚えのある痛みが呼び起こされる。 思い出の全てに音楽が貼り付いている、若い時代を振り返るように。 私たちは繰り返しの中で生きて、麻痺していることに無頓着でいられる。 ニュースで聞きかじった事件にすら麻痺し、映画の中で暴力やレイプを 目の当たりにしようとも「ステレオタイプだ」と切って棄てられるくらい。 目新しさのないイジメの中には、そんなメッセージが込められているように感じます。 スクリーンにタイピングされるメッセージは、顔のない私たちの言葉。 誰もが無責任に、言葉を投げて去っていく。この映画への感想だってそう。 そこには観客に向けて突きつけられた悪意があって、映画を不可侵にしたい 監督のエゴがちらつく。しかしそれさえも計算なのかもしれないと思わせるほど、 ラストの田園風景の空は高く、美しい色だった。8点(2004-05-20 06:32:41)(良:1票) 《改行有》

44.  ショー・ミー・ラヴ 《ネタバレ》 とにかく心にグサグサと刺さってくる場面が多い映画でした。 アグネスのお誕生日会のいたたまれない雰囲気とか。 夜中に好きな子と二人で家を飛び出すけど何をしたらいいかわからず、 手持ち無沙汰になり「もう帰りたい」と言われる痛さとか。 そういう痛みの中、車の後部座席で吸い込まれるように キスするシーンにはもの凄くドキドキしてしまった。 痛みがよく伝わるからこそ、快感の手触りも伝わってくる。 案外仲良くなれるのは正反対の背景を持った者同士だったり するんだよね。8点(2004-05-19 12:57:40)《改行有》

45.  あの頃ペニー・レインと 《ネタバレ》 バンドのツアーという「お祭り騒ぎ」集団の中で、少年はほぼ必然的に 少女に恋してしまう。男の子ならみんな経験あるんじゃなかろうか。 仲間を繋ぐ音楽があって、歌うだけで一つになれた世代。 そして恋と仕事のビッグチャンスに少年は目を輝かせて飛び込んでいく。 それは清々しい。この清々しさが最後まで続くのが、この映画のいいところ。 あくまで輝いていた青春をそのまま閉じ込めたかった監督の気持ちが伝わって くる。私はペニー・レインが公園を歩きながら、主人公に本名を打ち明ける 場面がすごく好きなのです。私事ですが、昔付き合った彼女が年齢を 教えてくれなくて、バースディケーキのキャンドルをいくつ買うべきか 悩んだりしたのを思い出しました。女の子に翻弄されるのは、苦しいけど どこか心地よい。そんな感じがよく出ている素敵な映画でした。8点(2004-05-19 12:25:13)(良:1票) 《改行有》

46.  アメリカン・ヒストリーX 《ネタバレ》 私がこの映画を通して見ていたのは人種差別問題ではなく、 弟が抱く兄への憧憬でした。 いつだって自分の前を歩く兄の背中を、弟は追いかける。 兄は自分の知らない世界を見ている。兄の視線の高さまで、少しでも近づきたい。 そこに善悪の判断はないかもしれない。 いや、むしろ反社会的であるほど、憧れは強くなる。 カメラはダニーの目となり、デレクの肉体を讃えるように映し出す。 憧れは時に盲目だ。疑いたくはないのに、心が追いついてこないという体験を したことがある人は多いだろう。だから私はデレクの改心を素直に受けとめる ことが出来た。 ダニーについても同様で、いくら追いかけても追いつけなかった兄が、 自分の視線まで降りてきて、刑務所での出来事を包み隠さず打ち明けて くれたことは、かけがえなく大切な出来事であっただろうと思う。 人種問題に疎い日本人の私には、こういう見方しかすることができなかったが、 それでも十分に胸に迫ってきた作品でした。 この映画を観たあと、辻仁成の「旅人の木」という小説を思い出した。8点(2004-05-19 11:21:05)(笑:1票) (良:2票) 《改行有》

47.  28日後... 《ネタバレ》 とてもテーマ性の強い作品でした。テーマが先かゾンビが先かわかりませんが、 私には散漫な映画に感じられました。(便宜上、感染者をゾンビと表記します) 序盤のロードムービー的展開はよかったのですが、対軍人において主人公が スーパーマンになってしまうところで、私はこの映画についていけなくなりました。 ゾンビ地獄を生き抜いてきた軍人がなぜ青っ白い主人公一人に壊滅させられるのか。 仲間が囚われている屋敷にゾンビを放つ主人公の配慮の無さはなんなのか。 極限状態で人間の本能が目覚め、野性的な力を発揮しているということなのだろうか。 そこに至るまでの助走が弱いため、流れとしては唐突に跳躍しているように感じられる。 主人公が豹変した姿を観客はゾンビと重ねてみるだろう。その意図はわかるのだけれど・・・ ヒロインが主人公の豹変ぶりに恐怖しながら躊躇する場面も、そこに無理やりはめ込んだ 感があり興醒めした。 ゾンビになってしまったオヤジさんを主人公が殺す等、狂気に走らせる起爆剤が あれば、全体の印象はもう少し違っていたのではないかと思うと残念です。5点(2004-04-28 15:53:31)《改行有》

48.  恋愛小説家 《ネタバレ》 ニコルソン演じる小説家メルビンは売れっ子で、いつも甘ったるい恋愛小説を書いている。 彼は女がどんな言葉で喜ぶのかよくわかっているし、それを生業にしているはずなのだが、 異常な潔癖症のせいだろうか、飾った台詞を口にすることができない。 言葉で相手を喜ばせるのは、なにより簡単なこと。使いこなせば代価なしに報酬を得ることも できてしまう。舌先三寸とはよく言ったものだ。メルビンにとってそれはビジネスの枠内に限られた ことであり、私生活の中には一切持ち込みたくない類のものなのだ。 そんなメルビンにキャロルは「お世辞のひとつも言ってみせて」とせまった。苦悩するメルビンが 吐き出した言葉は、キャロルを褒める言葉ではなかった。メルビンの言葉は ともすれば聞き流されてしまうほど何気ないけれど、それはその場だけで消えてしまう幻ではなく、 彼の行動を伴うリアルな言葉だった。 「時間をかけて見ていると、その人の人間性がみえてくるんだ」隣人でゲイの画家サイモンが モデルにかけた言葉だけど、この映画が私に伝えたのは、そういうことでした。 背中にファスナーが付いてるんじゃないかと思える小犬の演技は、主演の二人を凌駕しました。 8点(2004-01-26 20:43:26)(良:2票) 《改行有》

49.  ドラゴンハート 1996年といえば「インディペンデンス・デイ」や「メン・イン・ブラック」といった、CG映像ならではの 映画がまだ驚きをもって迎えられていた年。その中にあって本作「ドラゴンハート」は、登場人物(?)の 一人(1体?)を完全にCGで作り出し演技させてしまったという挑戦的な作品だ。これを境に映画のCG技術は 背景や効果等の裏方から抜け出して、アクターの領域を侵し始めることとなる。 1993年に公開された「ジュラシック・パーク」と比べると、本作のドラゴンは細かな部分で実在感に乏しい。 重量や体臭や翼圧といったものを感じさせない。技術的には可能であったはずだが、何らかの理由で そうした部分を省いているように思う。(やっぱり予算でしょうか) そのかわりにドラゴンの仕草や表情は、人間と並べても遜色ないものに仕上がっている。観客はいつしか ドラゴンに親しみを覚え、そこに友を見るでしょう。それは本作が目指した課題であり、 十分に達成されたと言えるのではないでしょうか。6点(2004-01-26 18:40:42)《改行有》

50.  ブレイド(1998) 《ネタバレ》 マトリックスよりも黒い。4点(2004-01-11 11:56:10)

51.  ノー・マンズ・ランド(2001) 《ネタバレ》 メインの登場人物であるボスニアとセルビアの兵士のやりとりは、普通の人間同士の会話であるが、手には銃が握られている。些細な喧嘩さえ、握られた銃により命のやりとりへと発展する。 戦場では、言葉は無意味なのか。押し寄せるマスコミは、目の前で起こっていることをファインダー越しにしか見れない。兵士たちと外野の温度差。撤去不可能な地雷は、戦争の無慈悲さを象徴する。淡々とした描写がフィルムの中の戦場に生温かさを与える、ほんの一場面を切り取ってみせた戦争のカリカチュア。8点(2004-01-11 00:15:22)《改行有》

52.  I am Sam アイ・アム・サム 例えば、この映画の中から「障害者」という言葉を抜き取ってしまおう。 そうすればただ、頭の悪い父親がそれを理由に子供を奪われようとしているお話になる。 「僕は頭が悪いけど子供を愛している、奪わないでくれ」という訴えになる。 人間社会で親の責務を果たすには、法的にもあれこれと条件が提示されますが、 やはりいの一番に満たされなければならない条件は、子供を愛すること、 子供のために頑張ろうとする気持ちだと思います。それは子供の根底にいつまでも残って 支えてくれるものだから。児童の虐待や放置は、親が子供を愛せないことを 発端にして起こる行為。 福祉は時に、個人の家庭に土足で踏み入る必要も多分にありますが、ケースによって 慎重にさじ加減を変えなければならない。膨大な数の案件を一つ一つ緊張感をもって 対処していくのは並大抵のことではありませんが、そうすることでしか人の気持ちを 汲んでいくことはできないのではないか、と思います。 7歳程度の知能という診断も、サムという人の全てを表しているわけではないのですから。 8点(2004-01-10 23:13:20)《改行有》

53.  カッコーの巣の上で 《ネタバレ》 カッコーはモズやホオジロなどの巣に托卵する。巣の主はそれを自分の子として世話する。 カッコーの習性を、人間の倫理は他力本願で怠惰な行為と位置づける。まぎれもない大自然の一部をも、ともすれば私達は自分の尺で計ってしまう。私達には、自らに都合の良いルールを決められる知恵があるからだ。 その知恵がない者「精神病棟の住人たち」に、人間社会のルールは通用しない。だからこそ私達は彼らを持て余し、私達の生活を脅かさない場所に押し込める。社会がマイノリティを犠牲にして総意を得ていることを、私達は暗黙で了解しているのだ。 カッコーの子供であるマクマーフィは、親鳥である病院によって抹殺されてしまった。人間というものは、モズやホオジロよりも了見が狭い生き物なのだ。しかしまんまと正体を隠し通したチーフは巣立っていった。私達の手の中にはまだ希望が残されている。 9点(2004-01-10 20:05:44)《改行有》

54.  プルーフ・オブ・ライフ 問題はメグ・ライアンというミスキャスト。彼女にはラブロマンスのイメージが強すぎる。もっと無色の女優を配していたら、それだけで映画は別の見え方をしたんじゃないかと思うと残念だ。この物語はまったくもってラブロマンス物ではないのだから。 焦点は人質と交渉人。このふたりの男は、形は違えど自分の仕事に命を懸けている。家族を犠牲にするほどに仕事人間。そんな不器用な男ふたりを描こうとしているのに、四六時中メグ・ライアンがうろちょろしてラッセル・クロウと観客を愛らしい仕草で誘惑しまくる。なぜアナタはいつもノーブラなんだ。袖から手首を出しなさい。彼女の誘惑に打ち勝つことができたなら、この作品はなかなかにシブイ男のカッコイイアクション映画として観ることができるだろう。 8点(2004-01-10 16:12:13)《改行有》

55.  ダンサー・イン・ザ・ダーク この映画でトリアー監督が見せたかったのはビョークという歌姫であり、脚本から救済の要素を(不自然なくらいに)排してしまったのは、彼女を浮かび上がらせるための仕掛けの一つだと私は受け取りました。映画はフィクションであるからこそ楽しめる側面があり、観客には場面に応じて主観と客観を行き来する自由がある。私はこの映画を観ている間、ビョークのステージを堪能するためにずっと引いた視点で通しました。 全てが悪い方向へ転がり落ちていく現実のシナリオ。対比するのは、ジーン・ケリーやアステアが見せてくれた幸せなミュージカル映画の世界。くっきりした明暗、だからこそビョークの歌声に何かが宿るのを感じられた。しかしメジャーな興行にのせたために多くの純粋な観客を傷つけたことを思うと、手放しに賞賛することが憚られる。手持ちカメラで撮られた現実は三半規管への刺激を蓄積。追い討ちをかける生理的にショッキングな結末。現実のシナリオはひたすらに嘔吐を誘発する。監督が意図して人体の錯覚を利用しているような気がしないでもない。 観る人を選ぶ大人の童話。支持も不支持も、間違いなんかじゃない。 ただ一つ、ミュージカルとしてはダンスのスキルが物足りなかった。8点(2004-01-10 15:40:51)《改行有》

56.  ソドムの市(1975) 監督のピエル・パオロ・パゾリーニはこの映画を撮り終えた後、亡くなっている。しかも映画の出演者の一人に殺されたという噂もある。 この映画を観ていると、私は映画の中に入って行ってファシストを全員撃ち殺したくなります。登場人物の誰かがそれをやってくれたらさぞ爽快ですが、それは起こらない。この映画に類似する出来事が現実の世界にあった、と考えるとどんな気持ちがするか。パゾリーニ監督が何を伝えたかったかはわからない、しかしこの映画が観る者に与える負のパワーは強烈だ。6点(2004-01-10 14:28:06)《改行有》

57.  タクシードライバー(1976) 《ネタバレ》 けたたましいパーカッションと共に、煙の中から立ち上がるタクシー。 フロントウィンドウに浮かび上がる、とろけるようなネオンサイン。 トラビスは言う「俺にもわからない」。 自分の中に満ちている苛立ちの正体。持て余すエネルギーを向ける先。 ニューヨークの街をタクシーで流しながら、自分と同じ孤独の香りを探し求める。 しかし世界はいつも彼の向こう側に立つ。トラビスはそんな世界を憎悪する。 「イカレてるのは俺じゃない、向こうだ」 銃を手に入れ、体を鍛え直し、完全武装を開始する。 シークレットサービスをからかい、鏡の前で勝利の妄想に酔う。 トラビスの行動は、子供じみたヒロイズムと利己的な正義感を糧に加速する。 少女の救出劇をカモフラージュに、自らの最後を飾る戦場を作り上げた。 血まみれのトラビスは救った少女に目もくれず、自分の顎に銃口を定める。 こめかみに指を突き立て、自らに引導を渡した。 この世界から逃れられないのなら、どうにか上手く付き合っていくしかないのだ。 10点(2004-01-10 00:14:22)(良:1票) 《改行有》

58.  ハッシュ! 《ネタバレ》 同性愛のカップルは、ふたりの間に子供を儲けることができない。それは自分の家族を育むことができないということ。 自らが同性愛者であると自覚した時から徐々に、自分の未来にはそうした暗雲が垂れ込めていることに思い至るのだろう。 理解されにくい同性愛という属性を必要に応じて隠しながら、自分の人生を生きる。それが孤独な人生であることは 私にも想像できる。ゲイのカップルに近づく藤倉朝子という女性の生い立ちは、映画の中ではほとんど明かされない。 ただ彼女の言葉や振る舞いから、彼女が満足な家庭で育たなかったことは推し量ることができる。彼女が自分の過去に ついて一言だけ「小さい頃に一回でもいいから誰かに死ぬほど抱きしめられてたら、こんなふうにはなってなかったと思うんだよね」と言った。愛されて生まれてこなかった子供は、一生自分の中に欠落感を持って生きなければならない。そんな生き辛さを抱えた3人が、自分たちの力で支え合って新しい絆を生み出そうとする。求めているのは特別なことじゃなく、ただの小さな幸せ。しかしこの3人にはその小さな幸せがこれまで、とても遠くに感じられていたのだ。 理解を望むわけじゃなく、ただ自分たちの幸せを探したいだけ。甘いかもしれないけど、そんな気持ちに私も共感しました。8点(2004-01-08 07:47:46)(良:1票) 《改行有》

59.  容疑者(2002) 昔のロングビーチと現在のそれとの対比が、失われてしまった家族の時間に思いをよぎらせる。実話を元に描かれた本作は、過去の鎖に絡めとられて前に進むことができないでいる父と子の物語だ。父にも息子であった時代があり、息子もいずれ父になる。名優デニーロ演じる父親は力強くも脆く見事だ。そして息子を演じたジェームズ・フランコは、往年のジェームス・ディーンを彷彿とさせる危険な繊細さをみせつけてくれる。私自身は父親と理解しあえぬまま死別したため、この映画のラストは得たくても得られない。父親がこんな風に自分にぶつかって来てくれたならどんなに嬉しいだろう。作品の完成度は二の次にして、私は溢れた涙をそのまま点数にしたいと思います。9点(2003-12-03 16:25:53)(良:1票)

60.  サイン 子供の頃、書店の怪奇現象コーナーにあった「UFOの正体!」やら「謎の生命体!」のような題名の本。そんな言葉にドキドキしていた気持ちを呼び起こす映画。シャマラン監督が「シックスセンス」の後光が射してるうちに打ち上げた、豪華な装丁のB級映画である。そして見事に観客を騙すことに成功した。しかし監督の失敗は、観客のほとんどに「騙された」と気付かれてしまうところだ。観客の半分くらいを最後の最後まで騙しきれる作品に仕上がっていれば、私の評価も違ったのだけど・・・4点(2003-12-03 11:32:25)

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