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41.  ドリーム 《ネタバレ》 ケヴィン・コスナーからタラジ・P・ヘンソンへと手渡される白いチョークが二人を繋ぐ。その慎ましいクロースアップが 不思議と心を揺さぶってくる。 これは冒頭の少女時代の教師から手渡されるチョークのアップショットとも呼応するのだが、 こうした様々なモチーフのさりげない反復や変奏が非常に豊かな映画である。 閉じられるドアと開かれるドア。コーヒー。ネックレス。見上げる行為。歩く行為。走る行為。 ガラス張りの本部長室とトイレの鏡。 オクタヴィア・スペンサーとキルスティン・ダンストとの対話もトイレの鏡像(虚像)として交わされるシーンを 一旦挟むからこそ、ラストの二人が活きてくる。 クライマックスである打ち上げ直前の再計算のシーンは実際なら内線電話一本で済む話だが、 そこをあえてドアからドアへとヒロインを走らせ、ドアを開けて迎え入れさせるというのが映画の演出である。 ケヴィン・コスナーに怒りをぶつけるヘンソンの叫びは、言葉の意味以上に声音そのもの響きと震えで心を打たずにおかない。[映画館(字幕なし「原語」)] 8点(2017-10-19 23:37:04)《改行有》

42.  猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー) 《ネタバレ》 地下道の壁面に書かれたApe-ocalypse nowのもじりが仄めかすかの如く、 後半はそれらしきイメージが頻出する。 ヘリ部隊の来襲、独立王国、水平面から浮かび上がる顔のクロースアップ、大佐殺し、、、。 ナイトシーンに青ではなく黒を用いて映し出されるシーザーの苦悩する表情のアップは、 その心の『闇の奥』を映し出すかのようである。 その彼を癒すように、フードの影の中にほのかに照らし出される少女の慈愛の表情が素晴らしい。 梗概上の設定が、サイレント映画的な美しいシーンとして結実した。 ラストで三部作を締めくくるのは美しい黄昏の光なのだろう。[映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2017-10-19 23:25:32)《改行有》

43.  恋と嘘 《ネタバレ》 東京とか京都とか既存の地名を用いながら、ほどよく背景を加工し、あるいはユニークな美術を施して異世界を演出している。 アイドル三人のアップに偏ることなく、引きのショットもふんだんに採り入れて世界観の提示を崩さない姿勢がいい。 佐藤寛太が森川葵をバス停まで送るシーンでは、二人の間の距離を絶妙なバランスでフレームに収めつつ 横移動で緩やかにフォローしていく。その会話の要所要所でカッティングインアクションでアップに繋ぐ。 二人の距離の変化や動き、バスが上り坂からやってくるタイミングに合わせて滑らかに回り込んだり、寄ったり。 そうした人物の感情に寄り添った堅実なカッティングとカメラワークが素晴らしい。 結婚式の列席者そっちのけで、式場から空港へと駆ける。 良識的には☓でも、映画的には〇。ということで、古澤健は今回も安定している。[映画館(邦画)] 6点(2017-10-18 22:24:43)《改行有》

44.  ナラタージュ 《ネタバレ》 回想シーンの、そのまた回想シーンへという冗長な展開に早々に嫌気がさす。 懐中時計のアイテムもラストでとってつけたように扱うのみなら大学時代と高校時代だけで十分だろうに。 配給会社勤務の設定も、成瀬やエリセやトリュフォーの映画ネタで戯れたいだけっぽい。 それにしても、松本潤が「外へ出よう」と有村架純を連れ出すあの岸辺のシーンの酷さといったらない。 女性と連れ立って歩くシーンに、わざわざ散乱するゴミをフレームに入れる意図は何だろう。 仮にそれが松本の空虚な心象という演出だとしても、終盤の同じロケーションのシーンでは ニュアンスが全く変わるのだから、そこで再びまるで必然性の無いゴミを画面に映し出すのは映画の心得としても 完全にNGだろう。ロケ地に対しても失礼だ。 クロースアップのやたらな連発も、ラストの切り返しのインパクトを弱めてしまう。[映画館(邦画)] 3点(2017-10-14 23:50:22)《改行有》

45.  エルネスト もう一人のゲバラ 《ネタバレ》 1959年夏場当時の服装、外務省のオフィスや新聞社の会議室などを再現する仕事が実に丁寧だ。 当時の風俗をこれ見よがしに画面に詰め込むといった風ではなく、 四角い氷の上にやかんを置いて水を冷やしているといった描写が控え目に為されているのがいい。 キューバロケも実際の現場を多く取り入れているのではないか。学生がくつろぐカフェや学内など生活感の滲む ロケーションに、オダギリジョーのナチュラルなスペイン語と慎ましいキャラクターがよく馴染む。 時折その佇まいの背後に風が吹き、木々が揺れる。 地面に横たわり射殺される主人公の眼がカメラを見る。その背後に小さく揺れる焚火の炎。 人物と風土が溶け合うなかに、フレディ前村の人生が浮かび上がってくる。[映画館(字幕)] 7点(2017-10-14 13:43:39)《改行有》

46.  ひゃくはち 《ネタバレ》 原作は高校卒業八年後からスタートし、現在と過去を交互に語っていく形式である。 映画版はこれを高校時代の現在進行形で進めていく形に改変したのが良かった。 それに伴って、相馬佐知子のキャラクターも新人記者に変更され、映画後半のストーリーも 斎藤嘉樹と中村蒼の間でのベンチ入り争いへと大きく変えられることになったが、こちらも 一〇八の煩悩という題材を発展させた脚色として、尚且つ 躍動的な練習シーンと二人の感情のぶつかり合いが相俟った見事な映画的アレンジである。 序盤で携帯電話を壊される1シーンを加えることで、クライマックスの雨の公衆電話シーンが 音響と縦構図が印象的な名場面となった。 打撃や守備の練習をする部員らの身のこなしも本格的で実にさまになっており、 強豪校のレギュラーメンバーという設定を説得力をもって提示している。 ラストの斎藤のずっこけをスローで処理してしまっているのがちょっと勿体ないが、その直後の笑顔はピカ一だ。[DVD(邦画)] 8点(2017-10-12 00:41:45)《改行有》

47.  僕のワンダフル・ライフ 《ネタバレ》 転生のドラマということで老衰や病死や銃の被弾などによる看とりのシーンが幾つかあるが、 煽情的な愁嘆場に陥ることなく抑制的なトーンで区切りをつけ次の犬生に移っていくのがいい。 邦画でも『いぬのえいが』というオムニバスがあったが、本作は転生を扱うことでオムニバス形式を採りつつ 一匹のキャラクターと飼い主のドラマで全体を貫いているのが特長だ。 モノローグによる犬の擬人化、動物と人の別離・流転・再会のドラマはスピルバーグの『戦火の馬』あるいは さらに遡ってジョン・フォードの『香りも高きケンタッキー』の感動をふと呼び覚まさせたりする。 ラストで犬種も変わってしまっているデイジーが、自分が生まれ変わりであることを熟年に達した飼い主に如何に伝えるか。 ある小道具を介しての二者のやり取りが実にいいのだ。[映画館(字幕なし「原語」)] 6点(2017-10-09 23:02:31)《改行有》

48.  亜人 《ネタバレ》 映画開始時の効果音、責任逃れの官僚像とか、SATのくだりとか、画面内のメディア映像とか、すぐにそれと判る本広監督印だが もう一点記すとすればあのベンチの用法だろう。佐藤健と浜辺美波がそれぞれ逆向きにベンチに腰掛けて語り合う構図は 一発で本広監督の刻印と判る。そして当然二度目のシーンでは同一の向きで腰掛けることも。 登場人物の過去の生い立ちだの、動機や背景の説明だのをことごとく排して現在進行形のドラマに徹しているのがいい。 「貴方が嫌いだから。」活劇映画はこのシンプルな動機付けで十分なのだ。 原作由来で、4D仕様ということも考慮すれば仕方無いのだろうが、映画単体で見ればあの分身幽霊に必要性はあまり感じられない。[映画館(邦画)] 6点(2017-10-09 20:55:41)《改行有》

49.  ナミヤ雑貨店の奇蹟 《ネタバレ》 この如何にも西田敏行で御座います的なキャラクターイメージに則った諄いばかりの表情芝居があるから 一方で『アウトレイジ』の悪人顔が一層引き立つのだろう。 手紙のやり取りを題材とする原作というのだからそもそも映画として分が悪いのは承知で、雑貨店周辺や商店街の美術に 注力しようというのが序盤の長回しからも判る。 1969年という字幕と共に、座頭市のかかる映画館から大売出しの登りを立てたマーケットへとカメラは移動し、乗り合いバスが通過した奥に 女児二人が遊ぶ雑貨屋の店先に寄っていくというカメラワークは廣木隆一らしい出だしだが、 時代と世相の提示が絡むので致し方ないとはいえ、段取り臭さがモロに出ていてあまり面白くない。 それと折角の、ネットや携帯以前の「手紙を書く」映画なのだから、文字を書く行為を映画にしなければ。 書く者の手ではなく表情ばかりアップで映してどうするのか。 音楽の力を説くはずのエピソードも、大写しとなる歌い手の心理的な表情のほうに食われているように思える。[映画館(邦画)] 4点(2017-10-09 01:53:04)《改行有》

50.  アウトレイジ 最終章 《ネタバレ》 本シリーズの主要キャストでもある車の艶光りが初っ端から画面を彩り、年季の入った男たちの顔貌の凹凸と対照を為す。 真っ暗な車内に滲むように浮かび上がるビートたけしのどこか枯れた風情にはすでに死相が漂うかのようである。 罵りの科白もどことなくトーンダウン気味、動作もミニマルであるのも意識してのものだろうか。 大森南朋・ビートたけしと西田敏行がまみえる屋上駐車場の、海を遠望する俯瞰ショットなど、 一見ありふれていそうだが異質な世界観とスペクタクルを感じさせるロケーションが眼を引く。[映画館(邦画)] 7点(2017-10-07 21:55:02)《改行有》

51.  あさひなぐ 《ネタバレ》 まずは坂道の階段を頭に持ってきて画面に変化をつける配慮はいい。 薙刀授与の坂登り、水汲みの坂登りと ロケーションを利用して垂直の動きを呼び込もうというのが窺える。 合宿を抜けようとする松村沙友理が一人水汲みする西野七瀬を見て思いとどまるシーンなど 漫画のコマ割りならあれでいいだろうが、映画ならもう少し空間の処理で見せて欲しい、というのはあるが。 後半はチームの物語になっていくと共に、Gメン的横並び歩きの構図など画面幅をフルに使ったショットも活きてくる。 試合シーンも選手の全身を引きで水平位置から撮ったショットが最も美しく動きを捉えている。 団体戦で、競技を終えた選手が次に出番となる選手と入れ違いに背中を軽く叩いてエールを送るというスキンシップが登場するのだが、 これが映画ならではの感情表現となっていて悪くない。[映画館(邦画)] 6点(2017-10-01 22:37:37)《改行有》

52.  三度目の殺人 《ネタバレ》 スターに対しても容赦のないロー・キーの画面設計。福山雅治をはじめ、『海街diary』で明朗な照明を当てた広瀬すずに対しても 表情の側面には常に暗い陰を落とす。福山に関しては窓を背にした逆光のポジションが圧倒的に多く相貌も定かでないが、 その分、眼に宿るアイライトの強度が印象深い。 メリハリのついた明暗のコントラストによって単調かつフラットになりがちな法廷劇の画面を引き締めている。 次第に境目を失う接見室の鏡面の用法も定石通り。 判決後、法廷を出て夕陽のオレンジを浴びる福山の背後で裁判所は真っ黒に潰れる。 熊井啓『日本列島』の黒い国会議事堂のように。[映画館(邦画)] 6点(2017-09-26 23:35:18)《改行有》

53.  ユリゴコロ 《ネタバレ》 ナイフや包丁が肉を割く擦過音、階段を転げ落ちる打突音など、殺人シーンのインパクトを高める音響に力が入っている。 雨降りの中、ヒロインに差し込む白光や、佐津川を赤い影で縁取る照明など、異質な光の扱いや ワンポイントの赤の用い方も作品に独特のルックを与えている。 ロッジの上階や物影からなど、何者かの窃視を仄めかすようなアングルのショットも幾度か挟まれ不安感を醸し出す。 それらは結果的には実際の窃視者のものと必ずしも整合しないのだが、その歪な構図は後半への伏線のみならず、 作品にホラーテイストの加味ともなっている。 辻褄合わせの脚本化は結構苦労したのだろうけれど、松坂桃李が自発的にヒロイン探しに動かず、 木村多江にほぼ丸投げしているかのような脚色は物語としては大きな違和感だ。 そこを上手く誤魔化すなんらかの工夫が欲しかったところ。 『俺は殺人鬼の息子なのか!』などという説明絶叫も、 「震える手でノートを掴む主人公」とでも書かれているだろう紋切り型のシナリオをそのまま絵解きする演技指導も ちょっといただけない。 鏡割りのシーンやラストの病室の白カーテンのシーンなど、難しいワンショット風の撮影で頑張っているが、 夫婦の再会の図まで見せる必要性があったか疑問だ。 総じて、小手先のテクニックはあってもハートに欠けるという印象だ。[映画館(邦画)] 4点(2017-09-24 21:17:31)《改行有》

54.  ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章 《ネタバレ》 ロボットみたいなのが出てきたり、軍隊のミニチュアみたいなのが出てきたり、何やらテレビのヒーロー物のような印象。 面白がり方がそもそも分からず仕舞いだが、別に映画スタッフのせいではない。 アクションを担うのがロボットもどきのCGなわけで、俳優の身体性に欠けるのも楽しめない要因の一つ。 独特なロケーションは見どころだし、入射光を効果的に使った古屋敷の美術なども力が入っていていい。[映画館(邦画)] 4点(2017-09-23 05:15:39)《改行有》

55.  エイリアン:コヴェナント 《ネタバレ》 冒頭に現れるのは、蒼い瞳の超クロースアップ。『ブレードランナー』冒頭のレプリカント:ロイの蒼い瞳と同じである。 加藤幹朗氏の「『ブレードランナー』論序説」が論考した「超時間的存在」たる蒼い瞳の主の説を踏まえるなら、 本作の真の主人公がマイケル・ファスべンダーの演じるアンドロイドであろうことは早々に明白だろう。 高みから紅茶を注ぐ彼が人間を見下ろす冒頭の位置関係と冷徹な凝視は、冬眠機を見下ろすラストまで映像的な韻を踏み続ける。 その割を食うようにヒロインが魅力を欠いてしまっているのも、至極ごもっとも。 序盤で亡くなった船長の形見らしきものを彼女が結ぶシーンからして、ショットを三つも四つもに分割する無意味さに ストレスを感じさせられるのだが、これがアクションシーンとなるとさらに乱雑・細切れになるわけでまるで面白くない。 それでなくともショットが無駄に多いのに。 第一作を再見するとショットの持続が明らかに違っていて、サスペンスのタメがまるで違うのだ。[映画館(字幕なし「原語」)] 5点(2017-09-23 04:39:56)《改行有》

56.  息の跡 《ネタバレ》 小森はるか監督は、『論集 蓮實重彦』にも寄稿されていて、やはりその土台には佐藤真監督の精神があることがわかる。 荒涼とした土地を行きかう車両の通過音が何らかの伏線のように、時に静かに時に賑やかにずっと鳴り響いている。 バンやトラックなどの作業用車両が多かったことを映画のラストで改めて思い起こし、 七夕祭りの山車や棟上げ式の賑わいと共に、それが失われゆく風景であったことに気づかされる。 作中で佐藤貞一さんが語る、柱の残った家の話。それもまたラストで分解され宙に突き上げられる井戸の管のショットと 図らずも重なり合うあたりも映画の不思議とでも呼びたい。 カメラを向けられた佐藤さんのなんとも魅力的なジェスチャー、英語を朗読する声、独白。それがカメラ側にいる不可視の小森監督に幾度も向けられ、 最初は遠慮がちに返答する監督を次第に映画に巻き込み、引き入れていくような感覚が楽しく、また感動的だ。 映画のラスト、佐藤さんが渾身の力でタネ屋を解体していく姿が強烈に印象に残る。[映画館(邦画)] 9点(2017-09-21 00:10:16)《改行有》

57.  PARKS パークス 《ネタバレ》 前半は移動のシーンで構成されていて、橋本愛と永野芽郁は公園内をひたすら駆け巡る。 その移動を、どのように撮っているのか、鳥瞰ショットがたびたび挿入されて公園や街と彼女らの小ささが対比される。 その大胆な高低はまず二人の出会いの切り返し(井の頭線とアパート)を強く印象づけ、 後半のフェスティバルでの見つめ合いへと繋げている。 風が渡り木々がざわめき橋本の髪を揺らす現在パートと、静的な過去パートもきっちり意識して区分けする徹底ぶりもいい。 映画の骨法としては二人を途中で仲違いさせるのは基本なのだが、後半まで和気藹々の状態が続く。 まさかこのままという事はないだろうと不安になったところで、フェスティバル直前からの一筋縄ではいかない転調にやられた。[映画館(邦画)] 6点(2017-09-18 22:28:20)《改行有》

58.  光(河瀬直美監督作品) 《ネタバレ》 モニター内の劇中映画は手前に遮蔽物を置いて画面をフルスクリーンで見せることをしない。 眼のクロースアップを主体にして、深度の浅いフォーカスで画面奥を暈したショットを多用する。 敢えて見づらいショットが選択されているのも主題に沿った撮影スタイルという事だろう。 併せて当然ながら光の扱いも多彩であり、永瀬正敏に当てたプリズムの反射のような効果や、 浜辺や峠での夕陽のシーンなどが印象的だ。 永瀬が両手で水崎綾女の顔を触れていくショットがとても官能的である。[映画館(邦画)] 6点(2017-09-18 21:35:24)《改行有》

59.  奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール 《ネタバレ》 文体的にも『モテキ』のバリエーションだが、森山未來の運動神経があるわけでもなく、女優や楽曲のバラエティという点でも分が悪く、 ロケーションも貧相な限り。真っ暗な屋内セットばかりで美術の見せ場も無いと来る。 単調なキスシーンを繰り返すくらいなら、『モテキ』のミュージカルや『バクマン。』のペン格闘に類するスペクタクルに 知恵を絞って欲しい。まるで突き抜けない黒猫チェイスでは全く物足りない。 哀れ、コメディ・パートもリリー・フランキーや安藤サクラらのエキセントリックな芝居に縋るしかなかったのだろう。 すべてが安普請。退行もいいところである。[映画館(邦画)] 3点(2017-09-16 22:27:06)《改行有》

60.  メアリと魔女の花 《ネタバレ》 『千と千尋の神隠し』では安藤雅司氏はプロデューサーと密約し、 デフォルメしがちな宮崎原画をより現実的な動きにことごとく修正したという。 そうした逸話からするなら、高度に統一された作画クオリティを誇るスタジオではあってもプロの眼でみれば それはいわゆる宮崎アニメとは似て非なるアニメーションなのだろうし、 本作も動画の細部まで見極めれば米林監督独自の差別化、あるいは師匠に対するアンチテーゼというものが見えてくるのだろう。 倒木を跨いで森の奥へと進む少女の動作。恐る恐る箒に跨る動作。 前半部はそういう日常的な動作の感覚を、誇張を抑え丁寧に再現して 見せてくれるが、結局それらもヒロインの魅力を引き立てるビジョンには向かわない。 そして後半、魔法のエフェクトやら光線やらが飛び交うスペクタクルも 一気に陳腐なイメージに堕してしまう。 これは宮崎監督が否定するところの、過剰な思い入れも無しに理屈・骨法・文体に拠って作った映画だろう。[映画館(邦画)] 3点(2017-09-15 22:53:26)《改行有》

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