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41.  モンスター(2003) 《ネタバレ》 シャーリーズ・セロンがこの作品のためにどんだけ頑張ったか、テレビ番組で観てました。彼女はあまり好きになれない女優さんだったのですが、この作品を観て初めて敬意を持ちました。あれほど捨て身になれる役者さんなら、もっといろんな役で活躍させてあげて欲しいです。どの程度事実に即しているか分からないので、純粋に映画のストーリーをそのまま受け止めた上の感想を述べます。短絡的な感じはあるのに、なぜか「バカな女だ」とは感じられず、かわいそうに感じました。最初の殺人は「そりゃ仕方ないよ」と味方する気持ちにもなりました。その一度の境界越えで、人の感覚って少しずつ麻痺しちゃうのかもしれないですね。はじめのうちは殺す相手を選別してた感じがするけど(「激しいのは好きじゃない」「こういうことするの初めてだ」と言った男は多分殺されてないですよね?)、林で撃たれた警察や「孫の顔が見たい」と命乞いした優しい紳士のことはやはり赦されないです。恋人を見送るとき「救いが欲しい」「私は自分が赦せないから」と言う彼女の気持ちが痛々しくてたまりませんでした。彼女は自分がしたことをちゃんと分かっている。でも、それと同時にこういう道しか与えられなかった自分の生い立ちや社会環境への赦しがたい思いにも飲み込まれていて、それが自分の行為を正当化もしている。誰も自分を大切にしてくれず蔑み、そんな中で自己肯定感を持つことなんてなかなか難しいだろうに、その上に自分の犯した罪で自分自身でも自分を嫌う。もはや自分自身だけの世界にさえ安らかな居場所がない。その地獄から救われるため、世界にたった一人でいいから、自分を大事に思ってくれる存在が欲しかった。自殺目前に、一途に純粋に人を愛するチャンスが訪れて、それを維持するためにがむしゃらに頑張れば、自分自身も愛されて、きっと人生が好転すると信じたのに、多大な犠牲を払っても彼女は結局信じた全てに裏切られた。「勝手にほざけよ」で締めくくられるラストのナレーションは、主人公の立場に寄り添っていてかなり好感持ちました。罪なく殺された人がいるので、主人公に対して「お前が死ぬのは当然」と考えることも出来ますが、主人公の悲痛な感情がそういう部分に押しつぶされない力を持って描けていて良かったと思います。生まれに左右されず平等に生活環境や教育が得られる社会はまだまだなんだなぁとあらためて思わされました。[DVD(吹替)] 9点(2012-05-29 21:04:25)(良:2票)

42.  アビス(1989) 《ネタバレ》 劇場で観て、もんのすごい感動しちゃって、映画館出てからも、しばらく現実に戻れなかったことを思い出します。クレーン落下シーン、指輪シーン、蘇生シーン、もう最高! 公開当時、この映画のように次から次へエピソード畳みかけてくる物語を他に知りませんでした。完全版も大好きでそっちにレビューをしてましたが、そこで書かなかったことをひとつ。バッドが深海へのダイブを遂げ、いよいよ爆弾処理にとりかかる直前、マグネシウムを燃やして照らす白色の松明が燃え尽き、薬品混合による緑色のライトに切り替えます。起爆装置のカバーを外すとコードが2本。黄色と黒のストライプのコードではなく、白と青のストライプのコードを切断しなきゃならないのに、緑の照明下で見る2本のコードは区別がつかない。よくもまぁ1つの物語にこれだけたくさんの小ネタを詰め込めるものだと感心しまくりでした。この難関クリア直後にはまたすぐ山、そしてさらに本当は、カットされた津波シーンも用意されてた(完全版で見られる)。次から次とエピソードを叩き込んでくるので、息切れしちゃう人もいるんでしょうが、1本でこれだけいろいろ楽しませてくれたら満足満足! というシロモノでした。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でおなじみアラン・シルベストリの音楽もいいです。[映画館(字幕)] 9点(2012-03-05 02:20:51)

43.  疑惑(1982) 《ネタバレ》 どのレンタル店に行っても、松本清張作品がズラリと並ぶ中に『疑惑』だけは取り扱われていない。どういうワケでどこにもないのか妙に気になりましたが、この度ようやく離れ町の1店舗に1枚入荷! 車で30分以上かけてやっとレンタル。高校生のときにTVで観たきり、忘れられない邦画なのです。当時、僕は邦画を馬鹿にしていました。「邦画なんてどうせ暗くてジメジメしたものか、チャチな特撮で中身空っぽか、ヤクザ映画でしょ」てな具合です。けれどこの映画をTVで見た時、桃井かおりのキャラに強烈なパンチを食らった気分でした。「こんなスゲー映画が日本でも作れるのか!」と放心状態に近い感覚を味わいました。それからおよそ30年ぶりの鑑賞となるのですが、やはり面白かったです。謎解きものとしてはいきなり強引な解答で、その点では面白みはないですが、この映画の面白みは桃井かおりと岩下志麻のキャラが火花を散らすとこにあります。で、どっちの女も「嫌われ者」なんですよね。「正しいか正しくないか」とかより「好きか嫌いか」ってところで行動しちゃう人間の性みたいなものが柄本明演ずる新聞記者のキャラを通して分かりやすく描かれます。で、桃井かおりのキャラは「正しいか正しくないか」なんてまるで考えないタイプの女で、一方の岩下志麻のキャラは弁護士でもあるし少なくとも職務上のことは正しい行動を選択。けれどそんな岩下志麻も結局嫌われ者なワケです。世間の鼻つまみ者の命を救ってあげた唯一の存在なのに誰からも好かれておらず、唯一愛する娘とも別れるはめになる。一方の桃井かおりはただ1人の男には溺愛され、その男に始末されそうになるも「1人だけで死なせるのは可哀想」と思ってもらえた。彼女は誰も愛してなんかいないのに。そして自分を嫌ってる世間には飄々と舌を出してみせる。どっちの女にもなりたくないが、辛い感がないのはどっちの女かってことだよね。こういうの見せつけられると『愛されることより、愛することの方が大事だ』とか言い切れるかな? 【2014/4/26追記】別府3億円保険金殺人事件という現実にあった事件をヒントに作られた話なんですね。鬼塚球磨子のモチーフは荒木虎美という男性。なぜ警察は捕まえないのかと批判が殺到したとかで、そんななかTVのワイドショー『3時のあなた』に出演したとか。森田健作演じた電話ボックスの目撃者も、タクシー運転手の実在人物にヒントを得てるようです。[DVD(邦画)] 9点(2011-07-11 18:07:47)(良:1票)

44.  ゆりかごを揺らす手 レベッカ・デモーネイが戸を閉めてひとりホウキか何かをバンバン打ち付けるシーンはホントに体温が冷えていく気がしました。クレヨンしんちゃんのネネちゃんとこのウサギのぬいぐるみシーンを観ると思い出します。ラストの方でごまかし笑顔も利かなくなり、一瞬ヒクッと鼻が引きつるところもスゲー怖い。この映画の彼女には「何か賞をあげて」と思います。低予算で大当たりしたこの映画、多分に映画作りのあり方に何らかの革命をもたらしただろうと思います。[映画館(字幕)] 9点(2011-06-11 01:53:46)(良:2票)

45.  陽のあたる教室 《ネタバレ》 パッケージの写真が感動の安売りっぽくて、ずっと拒絶してたんですが、ようやくこの度鑑賞。もっとベタベタな物語を想像してたのですが、自然な感じで観ることができました。長い教師人生の物語のせいか、あるエピソードが生まれては収束し、また新しいエピソードが始まって・・・という感じの進行で、あまり見慣れないつくりで印象に残りました。ドレイファスの演技も良かったです。ラストはロウェーナも収束に一役買うのかと想像してしまったので、ちょっと物足りなく感じもしましたが、全体的には音楽を通じて様々なことごとが描かれていて良質だと思います。ロウェーナは先生に奥さんがいることも分かっていながら、惚れて盗ろうとするので、あまり好感持てない存在かもしれませんが、弾丸のように気早く街を飛び出してしまった彼女の人生がどうなったか、ホランド先生の言葉にも責任があるので気になってしまいます。作りかけのロウェーナの曲とともに、そこだけはぐらかしてしまうなら、あれはあれで別に一本の物語として独立させても良さそうな話で、正直、欲張って盛り込み過ぎでは?(「この娘となら音楽で天下をとれる! でも・・・」というほど突っ込んだ描き方でもないし中途半端) その分、単なるホランド先生の作曲発表会的なエンディングでお茶にごしにせず、ホランド先生が訴えた「考える力や創造力のない教育」について、強く突きつけるエンディングにしてくれたら、10点満点つけたいなと思いました。息子へ歌を送るシーンが良いです。[DVD(吹替)] 9点(2011-03-10 01:24:54)(良:1票)

46.  華氏911 《ネタバレ》 『ボーリング・・・』それなりに良かったと思いつつも「ムーアのドキュメンタリーはもういいや」と食指が伸びることなく時が過ぎ、この度ようやく鑑賞。ブラックなユーモアにイヒヒと笑いながら観ていたけれど、兵器を扱う爽快感を述べる若い兵士たちの姿が紹介されてから、その恐ろしく哀れな馬鹿さ加減に涙が込み上げてきた。それから、一般民も兵士も含め戦争の犠牲になった人々やその家族が取り上げられていき、また胸がつまった。僕は政治のことや世論などにあまり関心がない。新聞もTV(NHK含む)も常に真実を伝えているわけじゃないことを、直接的に関わった自分自身の経験から知っているし、メディアが真実を曲げた(あるいは編集した)時の影響の怖さも知っている。そんなメディアからの情報でしか把握しようのない政治や世論や流行や人気に、全く興味が持てない。つまるところ、この『華氏911』という作品も「メディア」であって「真実」が語られているかどうかについては「?」がつきまとってしまうというのが困ったところ。とくに、この作品がある方向へ向かってメッセージ性を持とうとする意図がある以上、善かれ悪しかれ「情報の与え方は絶対に作られている」のだから。でも、どっちにしたって僕ら一般民に『正真正銘の事実』なんて知りようも確かめようもない。で、この作品を見て「偏っている」とか思ったりするのも簡単なんだけど、ではそう思う人の全てが、普段の生活で目や耳にする新聞やTVのニュースに対して同じように思うかって言うと、そこが疑問でコワイ。この映画みたいな形態だと「作者の主張」あって然りなだけに、その主張の方向へ偏ることは疑われやすいけど、NHKで流れるニュースだとかには「作者の主張」なんてないから「単なる事実を伝えているだけ」と思われがち。けれど、そういうふうに淡々と事実報道をしているだけに見えるニュースだって、「あれは流すけど、これは流さない」といった『思惑』は盛れるのだから。そう、日本国内のニュースを見たって知りようのないことが、この映画の中に見られたことは確か!! 僕に真実なんかは分からなくても、この作品の主張する方向には共感するし、力強い。[DVD(吹替)] 9点(2010-12-12 06:06:18)

47.  エスター 《ネタバレ》 エスター役の子はまだ13歳とか。演技スゴいなー! 顔立ちもいい雰囲気持ってるし、大人顔になった時の特殊メイクもスゴく自然でした。映画が持ってる雰囲気は『ゆりかごを揺らす手』や『危険な情事』を思い出す感じ。久々に「映画を見た~!」て感じで楽しめました。もっと話題になってもいいような気がします。僕はレンタル屋で見つけるまでこの映画の存在を知りませんでした。夫がいつまでたってもノーテンキなのが、あまりにわざとらしいし、クライマックスに入ってエスターをきちんと後始末しないで逃げ出すあたり、このテの映画のお決まり技で「まだ何かあるぞ」と分かり過ぎで減点ですが、それでもシラケはしませんでした。奥さん役にもう少し存在感が欲しかったかなー。それほど出番の無いシスターやセラピストの方が印象強いのは、いかがなものかと・・・。奥さん役をも少し選び抜いたら10点満点の強力映画になったと思います。[DVD(吹替)] 9点(2010-11-28 21:58:34)

48.  くまのプーさん 完全保存版 Photoshopをアップグレードした時、それでアニメーションが作れることを知った。せっかくそんな機能を手に入れたのなら、一度はチャレンジしてみようと、本の挿絵が動き出すアニメーションを作り始めた。作り始めてしばらくして「くまのプーさん」がそんな感じのアニメだったことを思い出し、参考にレンタル。レンタルする時「へぇ、アカデミー賞とか穫ってるんだ!」と知ったけど、実際に見てみて舌を巻いた。キャラはベタ塗りなのに水彩画のイメージを崩していないし、陰影なんか全く塗り分けしてないのに立体感を感じられるし、びっしりと文字が詰まったページがめくれていくアニメーションを見た時には、溜息が漏れました。本の文字が水に流れていくシーンでは卒倒しました。自分はパソコンで作るのだけど、このプーさんのアニメが作られた頃って、そんなもん使っていなかったはず。ストーリーとかは全く無視しますけど、絵を動かす作品として鑑賞した時、これはまさしく「芸術」だと思いました!![DVD(吹替)] 9点(2010-11-24 01:32:49)

49.  情婦 《ネタバレ》 タイトルがタイトルなんで、『蝶の舌』とか『ヤッターマン』みたいなことにならないように、一応子供がいないときに見ました。けど、コレだったら子供と見ても全く問題なしですね。タイトルは勿体ない気が・・・。ラストへの急展開はさすがですが、それよりもなによりもウィルフリッド弁護士の描写がたまらなく好きになりました! 裁判の場で錠剤を並べる様子も、人柄がうかがえて印象深かったです。その錠剤が減ることで時間経過を表してもいて、こういう細かい演出は誰のアイディアなんだろうと感心しました。ミステリーの骨格は僕にとってはそれほど面白みは感じなかったのですが、ウィルフリッド弁護士のユーモラスな描き方のおかげでハマって見続けられたような気がします。最後の最後を締める看護婦さんの台詞もすごく感じよくて、見終わった直後の気持ちよさは抜群でした! 「えっ、こいつそんな奴だったの?!」な出来事がありながらも、「いいな、いいなー、人間ていいな~」と思わせてくれる鑑賞後感を与えてくれる映画って最近少なくなった気がします。この映画を見習ってほしいです。[DVD(字幕)] 9点(2010-11-13 17:07:35)

50.  ミザリー ジェームズ・カーンが出てる映画をほとんど観たことがなく、ただ若い頃はアクション系で有名だったイメージを持ってます。たしか『ロッキー』の主役候補でもあったはず(彼主演のロッキーが観たかった)。というわけで、彼に対しては、ちょっと軽い、人間味のある演技とか期待できないアクション俳優という偏見があったし、公開当時でさえ自分の中では「もう忘れられた過去の人」みたいな気持ちがありました。そんな彼を主人公にしているので、なんだか「がんばれ~!」という気持ちで応援。しかも設定が小説家。演技に観るところのない昔のアクション俳優という構えがあったためか、ほとんどベッドの中で動けず表情の演技で勝負する彼を観て、なんだかすごくこの俳優さんの印象が変わりました。もちろん、この作品で当たり役となり一気に名があがったキャシー・ベイツの演技も見事です。彼女の演技がすごいので、ジェームズ・カーンのがんばりが翳んでしまうのが、ちょっとかわいそう。けれど、ジェーム・カーンを知る人は「ゴッドファーザー」とか「ローラーボール」などのイメージは強いはずで、そんな彼がサイコな女一人にうろたえるストーリーが、ちゃんと緊迫感持って観れるものになってるってのが、自分としては唸っちゃうのです。バリバリにタフガイやってきた男優の、脂汗で脱出を試みる演技にも今一度注目してほしい作品です。 [DVD(字幕)] 9点(2010-09-23 13:17:42)(良:1票) 《改行有》

51.  サイコ(1960) 《ネタバレ》 予備知識なしで観るにしても、有名なシャワーシーンだけはとっくに知っており、だから彼女がシャワーを浴びながらどうなるかは分かっていたのに・・・。分かっていたはずなのに、初めて見た時はガーンと頭が真っ白に。お金を盗って逃げた彼女の運命やいかに、というスリルにまんまと引き込まれていたのに、「えっ! え~~~~っ!???」と、彼女の運命など心配する必要のない事態へシャキーンと唐突に断ち切られる。じゃあ、そこから先に何を見続ければ良いのかってところが、彼女に突然降り掛かる予想外の運命を起因にスタート。この作品に関してはヒッチコックへの評価より、この斬新な展開を考えだしたシナリオライターに高い敬意を持ちます。初めて観たときは全くの作り話だと思っていましたが、現実にあった犯罪をもとにした原作本があったんですね! そこから大胆に観客を欺く導入を付け足した脚本家のアイデアがすごいなと思いました。で、もちろんそれをしっかりセンスある映像に仕上げたヒッチコックも素晴らしい。この作品は、怖い怖くないのレベルで観るよりは、美術館のモノクロ写真展を観るような気持ちで接した方が、得るものがあるような気がします。シャワーシーンを筆頭に、この映画の映像は『アート』だなと感じます。そして、全く動かないジャネット・リーの瞳はそれこそ静止したフォトをカメラでなめているのかと思いきや、そこから雫が滴って動いた時には驚きと感心のため息が漏れました。[ビデオ(字幕)] 9点(2010-09-23 10:22:07)(良:1票)

52.  シックス・センス 《ネタバレ》 何かに心を縛られて迷い立ち止まっている人に、解決の糸口を一緒に見つけて新たに前進させてあげるのがセラピストの仕事だとすれば、この作品は二度目の鑑賞がまた面白い! 一度目はブルース・ウィリスがセラピストで、患者は幽霊に悩むハーレイ君。二度目に観たら、ブルース・ウィリスは心残りな出来事に縛られて成仏できない幽霊患者であり、ハーレイ君は幽霊相手に癒し(問題解決=成仏)を行えるゴースト・セラピスト。生前セラピストであったブルースのために、患者を演じながら実は治療を行っている優しいハーレイ君を二度目の鑑賞で堪能してください。セラピストは決して患者に答えを提示しない。セラピストは答えに近づく気付きを与えるだけ。ハーレイ君はブルースにそうしてる。凄く優しくて大人な子です。先生が「生徒に教えられる」という話はよくありますが、セラピストと患者の関係も、一方が支えるだけではなく双方が支え合い助け合う関係だったりするのかも。事故渋滞の車の中での母親との会話は、二度目でもやっぱり泣けますね。[映画館(字幕)] 9点(2010-05-19 04:02:58)

53.  ローマの休日 子供の頃にテレビで2度ほど観て、ゲラゲラ笑い、ラストで切なくなったのを覚えている。今どきの子供の鑑賞に耐えられるのかという興味で小学生の息子に見せる目的と、いい大人になった自分が今どんな感覚で観れるのかという思いでDVDをレンタルした。息子も小学生だった頃の自分と同じ反応を見せていたし、自分自身も素直に「いい映画だな~」とあらためて思った。ライター型のスパイカメラは、僕が子供の頃は似たようなものが雑誌によく紹介されてたけど、あれは子供に説明が必要だった。物語の出来は「素敵なさよなら」で決まると、ある作家の談を聞いた覚えがあるけれど、それを思い出すとき必ずこの映画のラストがセットで思い出される。白黒映画なので古いということは最初から分かっていたけれど、具体的にいつ頃なのかと今回初めて確認してビックリ。自分が生まれる約10年も前に作られて、今観ても充分に鑑賞に耐えられて素直に「良い」と思えるのはスゴいことだと思う。オードリー・ヘプバーンの奇麗さ可愛さは言うまでもないが、同時にグレゴリー・ペックも良く、これが今どきのジャニ系や軽くイケメンとはやされる男たちじゃドッと冷めてしまうだろう。[DVD(吹替)] 9点(2010-01-07 18:07:31)(良:1票)

54.  スノーマン<TVM> 《ネタバレ》 自分の場合「空を飛ぶ映画」といったら、真っ先にコレ! ウィマさんのおっしゃる通り、トトロやピーターパンと空飛ぶのとはわけが違う。セル画とは違う色鉛筆やパステルあたりで描かれた絵が動くのは、まさに「芸術」だし、BGMの楽団の演奏がトーンを変えて、澄んだボーイソプラノの歌にバトンタッチされる運びは、わけもなく涙が出ても不思議はない。これが絵や音楽という芸術の力なんだなと素直に思う。オープニング以外はセリフなしで言語の壁はないし、子供にも理解しやすい。けれど、よくよく考えてみればオープニングに語りを入れて画面を歩いていくのは、いい年したおっさんなのである。たくさんのオモチャに囲まれて満足できたり、大切なオモチャが壊れたら新しいのを買ってもらえたりする子供のうちは、この作品のラストは本当には分かるまい。「新しいの作ればいいや~ん」て気持ちにだってなれる。代用や買い替え不能な、かけがえのない友人や恋人を失った経験のある大人にこそ、グッと迫るものがある。少年の体験が「単なる夢でした」とはなっておらず、少年にとっては確かに体験したと信じられる証拠がポケットから確認されるのもgood。[レーザーディスク(字幕なし「原語」)] 9点(2010-01-07 16:53:38)

55.  カラーパープル(1985) 今のところスピルバーグ監督作品では最も好きな作品です! というか同監督作品ではダントツに好きな作品です! これ以降のスピルバーグ作品はどうでもいい感じしかしないけど、この作品だけはもう・・・感情が正常に反応できて心が揺さぶられます。常人では到底真似できない、反吐が出るほどの良い子ちゃんの話しでもなければ、冷徹すぎる悪人の醜行を淡々と映すよな、感情が擦り切れた感じもなく、わざとらしくギャーギャーわめくだけのバカ生意気ガキが終始進行をぐちゃぐちゃにすることもありません。人間の愚かさや温かさの描き方が適切なレベルを保っている感じです。要するにこの頃はまだ監督が映画ファンをナメ切っていなかったと思えます。この映画が全くオスカーを穫れなかったことがアカデミー賞の七不思議と言われたのもうなづけます。本作は原作者の熱い勧めでウーピーがデビューを飾った作品ですが、僕個人はテレビ番組の司会者オプラ・ウィンフリーのソフィア役の演技も強く印象に残しています。またジョン・ウィリアムズが音楽を担当しなかったスピルバーグ映画というのも珍しく、クインシー・ジョーンズの音楽もなかなかでした。とくにカミソリのシーンの音楽と妹の手紙のシーンの音楽は強く印象に残ってます。 【追記】オスカー狙いだとかよく言われるみたいですが、どこかで読んだ情報では、監督はこの作品を作ることにかなり躊躇していたそうです。それまで自分がSFやファンタジーの路線で走ってきた人間であることを十分承知していて、そんな自分が全く毛色の違うこの話を監督できるのか戸惑いもあったとか。音楽を担当することになるクインシー・ジョーンズが監督の背中を押したそうですよ。スピルバーグ今は嫌いですが、これを作った後の言われようだけは、監督を可哀想に思います。レズビアンたちからもかなりバッシングされたとか。この作品を周囲がまともに評価してたら、監督はもっとマシな大物になってくれたのではと思って仕方ないです。彼はきっとこれ以来感情を擦り切らしたのだと思います。自分だったら、ふてくされるだろうし、作品作りが怖くなるだろうと思う。それを乗り越えて「どうせ好き勝手しか言わないんだから、そいつらからテキトーに金出させりゃ良いんだ」となってしまった気がしてなりません。[映画館(字幕)] 9点(2009-12-26 06:27:11)(良:1票)

56.  レナードの朝 《ネタバレ》 「ビッグ」のあと本作を監督して、ペニー・マーシャルに非常に注目したのだけど、その後あまりパッとしないのが残念です。これはとても好きな作品なので、またこんな作品見せて欲しい。ロバート・デ・ニーロの演技で評価したいのは病気の姿の演技力ですが、彼の役所として最も印象に残すのは、目覚めてから、この世に生きていることの素晴らしさを興奮しながらロビン・ウィリアムスに喋りまくる場面です。あの場面がとても好き。そしてロビン・ウィリアムスが看護婦さんをコーヒー飲みに誘うシーン。デ・ニーロ演ずるレナードが短い目覚めの中で、セイヤー医師の心に温かい波を立てて残したことが伝わる、良質なラストだと思います。[映画館(字幕)] 9点(2009-12-23 02:42:31)(良:1票)

57.  マグノリアの花たち 《ネタバレ》 実話が元になっていると知って「へぇ!」と思いました。最初は舞台劇として美容室内での会話だけで進む物語だったそうです。シャーリー・マクレーン演じるウィザーおばさんの実在モデルに興味津々です(笑) トム・スケリット演じるパパの実物はやはりウィザーおばさんとよくケンカしてたのかな? お互い良いケンカ相手で、あれなら歳とっても元気でいられそうです。この映画はじめて観たとき、すごい涙が出ました。葬式直後、ダリル・ハンナの優しいけど優等生的発言になんかシラーとしてしまうのは映画の作戦で、コレが良い引き金となって、サリー・フィールドの「Wh~~~y????!!!」の叫び。これがこの映画の一番の見所! 書きながら思い出すだけで涙が出そうです。あの演技は素晴らしい!! そして、湿っぽく泣かせたままにしない変化球が好きです! 多分、映画で泣き笑いしたのはコレだけかも。[DVD(字幕)] 9点(2009-12-18 13:37:46)(良:1票)

58.  激突!<TVM> 《ネタバレ》 昔はトラックの運ちゃんって、親切で男気ある感じだったけど、今時のトラック運転手はほんとにこの映画みたいな人いますね。ものすごくムカついて、時間が許すならとことん着いていって車降りたところを殴ってやりたいと思ったことがあります。そういう体験をして初めてこの映画を見ました。「ジョーズ」と一緒に見たのですが、「ジョーズ」より格段に良いです。ドライバーの姿が見えないことと、ジョーズの姿が見えないことをよく取り上げられますが、この作品でドライバーの姿が見えないことは恐怖を増幅するだけではなく、正体がバレないことをいいことにイタズラ電話したりネットで荒らしをする連中と同じイラつきとムカつきを演出できてる気がします。窓から出る手の憎たらしいこと。大型トラックとしょぼい自家用車の戦いは「ターミネーター」に似た絶望感。それでも大型トラックが不利になる「坂道」って味方があった。なのに、そこでアクシデント。よく出来た脚本だと思います。[DVD(吹替)] 9点(2009-08-08 02:43:46)(良:1票)

59.  キャリー(1976) 《ネタバレ》 「ファントム・オブ・パラダイス」でもやっていたコミカルなシーンはちょっとシラーとしてしまいますが、キャリーがプロムクイーンに選ばれてバケツの血をかぶるまでのスローモーションと音楽のシンクロは秀逸です。拍手の中ステージに向かうキャリーを美しい音楽が飾るのですが、いじめっ子が隠れている階段を上るカットでは断頭台の序曲みたいな音楽に変わります。キャリーへの罪滅ぼしをしようとしたスーは先生に疑われ、階段でもめるスーと先生を壇上で観ていたキャリーは先生もグルだったのかと疑ってしまったようで、そうした悲しい誤解が一気に重なり合って、ハッピーになるはずの進行が最悪の事態に。「殺しのドレス」のエレベーター・シーンの「Boy!」とともに、この作品でのバケツの血の直後の「What's that !」と声(音声)なしのセリフが役者の口の動きだけで表現されるところも印象的。「13日の金曜日」のラストが話題になった時、デ・パルマ監督は何を思っただろう。【2011.2.28追記】もう何度観てるか分からないほどなのに、今日まで気づかなかった。もともとスーのアイディアに懐疑的だった先生のこと、プロム会場にスーを目撃した先生が「カップルじゃない独り者のあんたが何しに来てんのよ、キャリーもバカじゃないんだから、あなたが目の前に現れちゃ気まずいものになるでしょ! それに何その怪しげな動向?」と思ってるんだろうなぐらいで観ていたけれど、もっと細かい。バケツ付近からヒラヒラ落ちる紙テープがキャリーの頭上に落ちたのを見た瞬間、スーはこれからキャリーに起きる事態を確信して表情が凍るけど、先生はそのスーの凍った表情をばっちりキャッチ。そしてスーの視線の先を見る。スーの視線の先には、ボーイフレンドのトミーとキャリーがまさにキスをする瞬間が! 先生の目には「ブスのキャリーにトミーを奪われる心配などない」と確信していたスーが、かわいくなったキャリーにトミーを奪われショックを受けているかのように映ることになり、先生の誤解が決定的になる!! ああ、ほんとに悲しすぎるタイミング。[DVD(字幕)] 9点(2009-06-20 22:19:23)(良:2票)

60.  ミスト 《ネタバレ》 あんまりなラストなので「こんな気分になるために金払ったんじゃな~い!」と叫びましたが、将来自分が自殺なり心中なりしそうになったら、この映画のラストを思い出して「もうちょっと待ったら、いいことあるかも」とか思うかも?? 人が殺されて(カルトおばさんズドン)「やった!」と喜ぶ自分を発見させられた映画も初めてで、その点では優れていると思いました。しかし、あのラストに向かうなら「そうするしかないよねー」と説得させるだけの絶望感をもうちょっと演出してほしかったです。僕なら怪物に襲われる直前まで決行しないなぁー。外に出たら誰も無事でいられないかのような内容を延々と見せながら、あのおばさんが外へ出て行きのびたのを見せつけるラストは気づいてない人も結構いるし不親切。どうせならスーパーに残った人々があの軍の車に乗ってて「なんでじっとしてなかったのー?」みたいな顔見せた方が、よほどショックだろうに。【追記】初めて観た時はラストにかなり腹立たしい気持ちになったのに、この作品のバッドエンドは時間が経つと許せるようになったのが不思議です。たとえばイーストウッド映画のバッドエンドなんか僕は絶対許せないのに、この映画はそれ以上に後味悪いのに許せる。なんでだろうと考えてみると、悪人が健気な善人をダメにして平然と過ごすような終わりではないし、自殺を美化もしてないからだと思う。この映画のバッドエンドは自分の手で引き起こしているから、自分の気持ち次第で運命を変えられるというのが大きいのだと思う。この話には宗教が強く絡んでいるけど、キリスト教は自殺を認めないんですよね。それまでどんなに懸命な生き方をしていたとしても。ずいぶん昔、体に損傷が起きたのに医者にも原因が見つけられず見捨てられた。歩けないうえに苦痛に苦しむ生活を終わらせるために自死を考えたことがある。それを一日延ばしてダメ元で行った最後の病院で、ようやく原因を発見され、僕は今こうして生き続けている。この映画のラストはものすごく後味悪いけど、意地悪なのではなく「早まるな! 一寸先に希望がないって誰に言い切れる?!」って呼びかけてる良心があると思います。だから許せるんだと思う。もしかしたらこの映画で命拾いした人がいるかもしれない。というわけで7から9点に変更。[DVD(吹替)] 9点(2009-01-31 06:08:29)

0213.23%
1243.69%
2385.85%
38312.77%
47010.77%
57711.85%
613120.15%
7639.69%
88212.62%
9396.00%
10223.38%

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