みんなのシネマレビュー |
|
661. コーラス 《ネタバレ》 音楽って素晴らしい!そう思わせてくれる映画です。モランジュ少年(本当に美声です!)を初めとする少年達の合唱は素晴らしかったです。 それと、先生役のジェラール・ジュニョがいいですね。音楽家崩れのしがない中年教師が奮闘努力していく姿は非常に身近に感じられて親しみを覚えました。 ストーリーについては、非常に現実的です。特にコンクールに出て賞を取ったとかそういう結末ではありません。ただ、そういった予定調和的なハッピーエンドが無い分、静かな感動を呼び起こしてくれる作品でした。 [DVD(字幕)] 8点(2006-04-16 22:22:16)《改行有》 662. ミュンヘン 《ネタバレ》 非常に良く出来た作品です。スリリングな展開、アクションもハリウッド仕様でとても迫力がありました(爆発シーンは心臓が止まるかと思いました。)。 しかし、これが現実に起きた話を基に作られた作品であり、ここで描かれているパレスチナの問題はあまりにも惨たらしく、そして今なお殺し合いが続いている事を考えると、非常に恐怖を感じてしまいます。スピルバーグは自らの出自がユダヤ系であるにもかかわらず非常に中立的に描いており、逆にそれが双方が加害者であり被害者であり、また正義であり悪であるという救いようのない現実を浮き彫りにしています。 [映画館(字幕)] 8点(2006-04-16 22:10:41)《改行有》 663. ノー・マンズ・ランド(2001) 《ネタバレ》 非常に辛辣な作品です。かつて同じ国の中で共存していた民族同士が殺しあうことがいかに愚かで馬鹿馬鹿しい事であるかを描いています。また、ボスニア紛争に欧米諸国がいかに身勝手かつ無責任に関与していたか、そしてマスコミもいかにこの殺し合いを、一つのソフトとして無責任かつ興味本位で取り扱っていたかを皮肉っています。 見終わった後非常に苦々しい感情が残る作品です。ただ、ストーリーは非常に面白いですし、いろいろな事を考えさせてくれる良い映画だと思いました。 [DVD(字幕)] 8点(2006-04-16 21:50:45)《改行有》 664. この素晴らしき世界 《ネタバレ》 非常に感動しました。正直、途中で「いくら生きるためとは言え、それは・・・・」と思うところもありましたが、それでもやはり生き抜くことが大事なんだと痛感しました。 [ビデオ(字幕)] 8点(2006-04-16 21:49:11)《改行有》 665. ジンジャーとフレッド 《ネタバレ》 非常に心温まる映画でした。 しかし、ジュリエッタ・マシーナは年取っても雰囲気や存在感が全然変わらないですね。本当に素敵な女優さんだと思いました。そして、マルチェロ・マストロヤンニがこれまた哀愁漂う初老の男を見事に演じています。 しかし、テレビの世界が本当に意地が悪いくらい薄っぺらでいい加減な世界として描かれています。そして、いろんなそっくりさんや奇人変人がたくさん出てきますのでその人たちを見てるだけで飽きませんでした。やはりあの80年代の軽薄さっていうのは半端ないですね[ビデオ(字幕)] 8点(2006-04-16 21:47:54)《改行有》 666. カイロの紫のバラ 《ネタバレ》 フレッド・アステアの「チーク・トゥ・チーク」が今も耳から離れません。本当に映画って素晴らしい!と思わせてくれる作品です。 映画という夢の世界と、現実の世界がつながるという設定で、映画の登場人物がスクリーンから飛び出してきたり、逆にスクリーンの中に主人公が入っていったりして非常に面白かったです。(スクリーンに取り残された映画の登場人物たちの様子は笑えます。) ただ、現実があるから夢があるわけで、夢の世界の住人にとって見ればその世界は夢では無く現実な訳で、むしろスクリーンから飛び出してきた登場人物にとっては、現実世界こそが夢の世界だったりするんですよね。そして、やっぱりいつかは夢から覚める瞬間というのがやってきて、それぞれの現実世界に戻っていかなくてはならない・・・・非常に切ない気持ちになりました。 でも、やはり夢を見ることが出来るというのは素晴らしいことなんですよね。どんなに厳しい現実でも夢があるから生きていける。そう強く思いました。 [ビデオ(字幕)] 8点(2006-04-16 21:44:38)《改行有》 667. 甘い生活 《ネタバレ》 美しい映画です。映像も、音楽も、出てくる役者さんも全てが退廃的で美しく、約3時間非常に素敵な雰囲気に浸ることができました。(アヌーク・エーメいいですね。) 心の中ではそこから脱け出したいと思いながらも、退廃的・享楽的な生活を送っている主人公の姿には惹かれるものがありました。(マルチェロ・マストロヤンニの演技が素晴らしいです。) [ビデオ(字幕)] 8点(2006-04-16 21:40:02)《改行有》 668. Kids Return キッズ・リターン 青春の終焉と挫折を描いた秀作です。なんか、身にしみますね・・・・・。 非常に切ない話なんですが、北野作品特有の乾いた雰囲気が上手く作用して変にドロドロせず、とても爽やかな作品に仕上がってます。 あとは、久石譲の音楽が本当に素晴らしいです。 [ビデオ(邦画)] 8点(2006-04-16 21:38:48)《改行有》 669. es[エス](2001) 《ネタバレ》 恐ろしい作品でした。人間の嫌な部分を思いっきり見せてくれる作品です。正直見終わった後ちょっとダウナーな気分になりました。 見る前は、もっと実験を淡々と描き出すのかと思ってたんですが、想像以上にアクションシーンが多かったですね。ただ、正直このテーマをドキュメント風に淡々と描かれていたら、答えの見えない問題だけに、非常に嫌な気分だけ残っていたと思いますので、個人的には良かったです。(途中から完全に囚人役側に肩入れして見てたので、最後のアクションシーンは結構スカッとしました。)。 しかし、このテーマは考えてみると非常に難しいですね。自分が同様な立場になった時に、最後まで理性的に行動できるかというと自信がありませんし・・・・・・。 考えさせられる作品でした。 [DVD(吹替)] 8点(2006-04-16 21:37:01)《改行有》 670. ジョゼと虎と魚たち(2003) 《ネタバレ》 とにかく、ジョゼ役の池脇千鶴が良かった。この作品の感想はこれに尽きます!なんというか、凄く強さを感じました。 まあ、主人公の男はしょうもない奴ですけど、実際ああいう状況になったら逃げてしまう気持ちもわからんでもないですね。 [DVD(邦画)] 8点(2006-04-16 21:35:20)《改行有》 671. ジョニーは戦場へ行った 《ネタバレ》 非常に衝撃を受けた作品です。 すべての感覚を失い、死ぬことも許されず、人間として生きることも許されず、医者の研究材料のために、生命を持った肉の塊として放置される主人公の姿はあまりにも痛々しいです。 最後に画面に出てくる言葉が非常に寒々しく感じました。 [ビデオ(字幕)] 8点(2006-04-16 21:31:21)《改行有》 672. 恋愛小説家 《ネタバレ》 とても、面白かったです。 ストーリーは、偏屈で口の悪い嫌なオヤジが、馴染みのレストランのウェイトレスに恋をして、紆余曲折の上告白するという至極シンプルなものなんですが、ジャック・ニコルソンとヘレン・ハントの演技が凄く良くて最初から最後までずっとひこきまれるように見てしまいました。(犬の演技?も非常に良かったです) まあ、でもやはり金を持っている人間は強いなともちょっと思ってしまいました。 [地上波(字幕)] 8点(2006-04-16 21:30:20)《改行有》 673. ガール・ネクスト・ドア まあ、アホな話ではありますが面白い作品でした。しかし、高校生っていうのは根本的には日本もアメリカも大差ないですね。(最後までどういう展開になるのかわからないので、予備知識は無しで見たほうが楽しめます。) QUEENとデビッド・ボウイの「アンダープレッシャー」やVERVE、WHOなどバックに流れる音楽が良かったですね。一番、「おっ」と思ったのはエコバニのキリング・ムーンでしたけど・・・・懐かしい・・・・。 [DVD(吹替)] 8点(2006-04-16 21:05:12)《改行有》 674. リリイ・シュシュのすべて 見終わったあと、厭世的な気分になりますね。中学生の日常生活に潜む救いようの無いダークな世界と、非常に透明感のある美しい映像と音楽がとてもマッチしていて惹きこまれていきます。 この作品の映像は、我々の中にある心象風景に非常に近い感じがしてとても心地良いですよね。特に最後のエンドロールのところは素晴らしいです。 [DVD(邦画)] 8点(2006-04-16 21:00:58)《改行有》 675. トップガン 《ネタバレ》 上映当時はあまりのアメリカンな内容に正直バカにしてた部分もありましたが、今改めてて鑑賞すると、その道のプロたちが全力で我々を楽しませようとしていたんだなあと感慨深く感じてしまいました。特に音楽は当時この映画のサントラを聞かなかった(聞かされなかった)若者はいなかったんじゃないかと思うぐらい、耳にしていたのでこちらも懐かしかったです。[DVD(吹替)] 7点(2023-02-05 01:20:54) 676. 星の王子ニューヨークへ行く 《ネタバレ》 いろいろとツッコミどころ満載ではありますが、細かいことは言わずにひたすら楽しむのが正解な映画。 「大切なのは金や権威じゃない愛なんだ!」という王子の青さと、周囲のアンバランスさが何とも言えず面白かったです。 床屋のシーンも冗長なように思えて、最後には「すげえ!」と唸らせます。[地上波(字幕)] 7点(2022-12-29 09:14:33)《改行有》 677. ビー・バップ・ハイスクール(1985) 《ネタバレ》 大人気作品の映画化とは言っても、キャストは演技力未知数の人気アイドルと若手俳優、そして本物の不良少年たちばかりで、ハチャメチャかと思えば中途半端に映画的で・・・という感じなんですが、そういった事を凌駕する不思議な熱力があって、駄作とは言い切れないんですよね。 地井武男の存在感は流石という感じでしたが、それ以外でいえば「演技力?何それ」って感じなのですが、逆に作品を引き締める演技のできる役者をできる限り排除した結果、若者たちの勢いとパワーが原作の世界と相乗効果を生み出しています。 縦社会の任侠の世界とは違う自由気ままな不良の世界(ファンタジーですが)を描くために任侠映画のプロットを使い、そのズレをユーモアに結びつけているのですが、その大人の巧妙な手口に騙された不良少年予備軍も多かったんだろうなとも思います。[インターネット(邦画)] 7点(2021-08-24 00:35:57)《改行有》 678. ソルジャー・ブルー 《ネタバレ》 昔話ではなく今も続くアメリカという国を描いた作品だと思います。また、私たちの目には「虐殺」という文字でしか伝えられない事象について、そこで何が起こっているのかを伝えられるのは映画にしかできないことだなと感じました。 内容については、意外にコメディタッチな面もありながらも、アメリカという国が抱える矛盾点を提示してきます。[DVD(吹替)] 7点(2021-07-11 12:21:45)《改行有》 679. ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド 《ネタバレ》 クエンティン・タランティーノの映画、そしてそれに関わる人たちへの愛情の深さがわかる作品でした。 観る前は、あの「シャロンテート事件」をどう描くのか興味深く、そして事件が事件だけに恐ろしさも感じていたのですが、観終わった後は、タランティーノ監督の、ハリウッドという夢の世界の陰で不遇な状況に陥り、そのまま消えてしまった人たちへの鎮魂歌的な作品であると感じ、「映画って素晴らしいな」と思いました。[DVD(吹替)] 7点(2021-05-22 22:54:42)(良:1票) 《改行有》 680. ノマドランド 《ネタバレ》 クロエ・ジャオ監督が中国系だからなのか、全体的に東洋的な無常観のような空気が漂っている印象を受けました。 おそらく、ケン・ローチがこの作品のテーマを扱ったなら、弱者を冷淡に切り捨てるアメリカ社会の闇の部分や、大企業の弱者に寄り添う体を装った貧困ビジネスの偽善を徹底的に糾弾するような作品を作っていたと思います。しかし、クロエ・ジャオは、ただ、ノマドたちの姿をリアルに映し出すことにより、まず、「可哀想な弱者の彼らを何とかしなきゃ」というような観客の同情を拒絶します。それにより、アメリカ社会の問題だけでなく、人生いろいろな問題がある中でどう生きるべきかという問題提起にまで観客の心に問いかけてきます。この禅問答のような深みがおそらく西洋人には新鮮で、この作品がオスカーに選ばれた要因なのかなと思います。(ただ、東洋に生まれ育った者としては、そこまで新鮮ではなかったですが) フランシス・マクドーマンドの演技も素晴らしかったです。[映画館(字幕)] 7点(2021-05-03 21:31:56)(良:1票) 《改行有》
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS