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61. ウディ・アレンの重罪と軽罪 報われない努力と失望、後悔、罪悪感等、マイナスな、でも現実的な感情が溢れ出てくる。それでも後味の悪さはあまり無かった。それがなぜかは分からないけど。8点(2004-05-24 05:33:48) 62. 二十日鼠と人間(1992) 最高。完璧。寂しい男たちの繊細さ、ちょっとした喜びや悲しみ、小さな夢。その全てを台無しにする、財産目当てで牧場の息子と結婚したくせに話相手がいないとグチをこぼす自己中クソ女。喜怒哀楽全ての感情を刺激される。ラストの苦しさ、重さ、哀しさ、寂しさは涙が止まらない。9点(2004-05-24 05:31:45) 63. エド・ウッド 映画が大好きで、行動力があって、弁が立って、仕事が速い。成功の要因は揃ってるはずなのに、一番必要なセンスが悪過ぎた悲劇の映画監督。のはずなのに、本人も周りのスタッフも何だかやけに楽しそうだった。多分、実際にも楽しかったのだろうと思う。「こんなに面白いのに、なぜウケないんだろう」という疑問が解けないまま死んでいったかと思うと、気の毒な反面やはり笑ってしまう。ベラ・ルゴシとの友情も素直に胸を打つ。9点(2004-05-24 05:31:15)(良:1票) 64. スモーク(1995) 男の繊細な面に焦点を当てた傑作。これと言った大きな事件も起きず、淡々と流れる日常生活。その中で生まれる、男たちの細やかな部分の感情の揺れ。一つ一つのエピソードがいいのはもちろん、作品全体に流れる空気に身をゆだねたい。8点(2004-05-24 05:30:44) 65. シーズンチケット 《ネタバレ》 一切の甘い希望を排除した後に残る絶望。その絶望の中に偶然できた一筋の光。その光を発見した時の感情。ラストシーンを見た時の形容しがたい温かさはこんな感じだと思う。親父が死んだ時の笑い、最後老人の家に入る時のわざとらしい愛想笑いがこの映画を素晴らしいものにしている。作品の根底にある最底辺の人々の諦観が心地よい。8点(2004-05-24 05:30:19) 66. マンハッタン イヤミなくらいシャレた大人の恋愛映画。クラシカルな音楽からNYの風景まで、ウディ・アレンの美学が指先まで浸透している。どうしようもない現実にあきらめるラストの多いこの監督の映画にしては、珍しく希望が見えるラスト。教訓としては、やたら理屈ばっかり述べるくせに不倫という理屈に合わない行為をしている女は、やはり幼児的な依存心を持ち続けていて信用できないなと。9点(2004-05-24 05:29:08) 67. ロスト・チルドレン 出てくる大人がほとんどブチ切れてて、子供は至ってクール。最高にかっこいい。ワンの純朴さとミエッタの妙な色気の対比が良い。どうでもいいけど、ドミニク・ピノンはあれだけやってもギャラ一人分なのかと気になった。9点(2004-05-24 05:28:36) 68. シービスケット 結構金も手間もかかってそうな映画なのに、肩に力を入れずにあくまで優しく柔らかく描いている。原作を馬鹿正直に起こすだけでなく、挫折から立ち上がる馬と男たち、という一点にしぼったのが大成功している。ラストは滂沱の涙でした。8点(2004-05-24 05:28:02) 69. ザ・ロック 数え切れないほどのツッコミどころやご都合主義。そんなものが全く気にならない快作(気にしてますが)。意図はただ一点。いかに観客を楽しませるか。小さい頃、ドキドキしながら映画を見ていた感覚を久しぶりに思い出した。例え目指す頂きが低くても、中途半端にならずに潔く登り終えることが最高にかっこいい。9点(2004-05-24 05:27:27) 70. アメリ 《ネタバレ》 「見終わったら幸せな気分になれる?そんなバカなことが・・・ホンマや!」という感じ。アメリが他人とは思えなかった(私は男ですが)。アメリだけでなく、出てくる人たちが皆どこか病んでますが、言い方を変えれば自分を持っているということで、少しうらやましかった。一つ難癖をつければ、アメリは幸せのために自分の世界を飛び出して行動したように見えますが、行動したのは7割くらいニノであり、アメリは受身です。女性が受身というのは恋愛の鉄則なのでしょうか。女は楽でいいよなーとひがんでしまいました。9点(2004-05-24 05:26:47) 71. ラブ・アクチュアリー そんなに目新しいことをやっているわけではないのに、なぜかとても新鮮な映画を見た気になった。恋愛モノらしく、女が思わせぶりに待ってて男が行動する、という基本は変わってないのにイヤミが無い。その原因の一つには、失礼ながら美人と呼べる女性がキーラ・ナイトレイしかいないところでしょう。そして一人で苦悩したり浮かれたりする場面や、面と向かったらぎこちなくなってしまう、誰もが持つ不器用な一面を自然に描いてる。共感の勝利だと思う。あと、ローワン・アトキンソンはおいしいとこ一人で持っていきすぎで、ずるいなと。9点(2004-05-24 05:25:46)(良:2票) 72. 青春群像 《ネタバレ》 大人の世界に飛び出そうとしつつも、なかなか思うようにいかなかったり、大人になることから逃げ出したり、揺れる若者の心がとても細やかで爽やかでリアル。ずっと主張も意思もなく流されて生きてきた男が一人旅立つシーンがたまらなくいい。9点(2004-05-24 05:25:08) 73. マルホランド・ドライブ 《ネタバレ》 現実に絶望した女の、自殺間際の妄想だろうか。全部理解するのはあまりに難しい。6点(2004-05-24 05:24:31) 74. ザ・ロイヤル・テネンバウムズ 《ネタバレ》 設定が極端だからこそ、どこの家庭にもあるような感情のしこりがはっきり際立つ。心理描写も細やかで丁寧。監督の性格がシャイなのかは分からないけど、一番の泣かせどころであるラストで最高に笑かされてしまった。ジャージが・・・。9点(2004-05-23 02:12:27) 75. アメリカン・ヒストリーX 《ネタバレ》 一見内面的な内容のように見えるけど、かなりトリッキーな映画だと思う。お笑いで言うところの「スカし」というか、ドキドキさせておいて実は何も無い、という展開が多かった(昔の仲間の復讐とか、ありそうで無かった)。で、ラストは「お前が死ぬのかよ」というプチドンデン返し。本当に人種差別や人間心理に心を込めて作った映画なのか、とても疑問だ。4点(2004-05-23 02:07:03)(良:1票) 76. ラリー・フリント 何かこう、誰が見ても分かる社会における行動をつぶさに追っただけという感じでつくりが薄い気がした。ポルノ業界にいる息子達に対する親の反応とか色々あるだろうに。映画よりよっぽど面白い人生を送った人って、逆に映画にしづらいんじゃないかと思った。5点(2004-05-23 02:01:10) 77. 晩春 《ネタバレ》 いい年して嫁に行かないのも困るが、いざ行くとなると寂しい、複雑な親父心。その父親の寂しさを、最後の最後までとっておいてラストでドカン。泣いてしまったじゃないか。9点(2004-05-23 01:55:46) 78. デリカテッセン 登場人物が皆どこかイカれたところのある人ばかりで、画面は陰気。なのになぜか雰囲気は明るい。趣味の悪いサーカスのような映画。終わり方がやけにさわやかで「これも笑うとこ?」と疑いたくなってしまう。8点(2004-05-23 01:45:55) 79. ハモンハモン 脱ぎまくりで大活躍のペネロペ2号もさることながら、全編通じて己の欲望に正直な人たちばかりで、まともな人が見つけにくい。そんな欲まみれの人たちをこれでもかというほど熱くパワフルに描いている。思考を停止してみるべき傑作。9点(2004-05-23 01:42:41) 80. リトル・ダンサー 見つけた夢に向かって走る少年ももちろん良いですが、やはり一番印象に残るのは意地を捨てて未来を息子に託す炭鉱系頑固親父と、別れの直前で素直に「寂しい」と告白する兄貴。この二人に涙腺干されました。9点(2004-05-23 01:37:59)
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