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プロフィール
コメント数 615
性別 男性
自己紹介  洋画は字幕版も吹き替え版も両方観た上で感想を書くようにしています。
 ネタバレが多い為、未見映画の情報集めには役立てないかも知れませんが……
 自分と好みが合う人がいたら、点数などを基準に映画選びの参考にしてもらえたら嬉しいです。

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【製作年 : 1990年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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61.  名探偵コナン 時計じかけの摩天楼 《ネタバレ》  冒頭にて、十分近くも掛けて「このシリーズのお約束である『眠りの小五郎』の場面」「あらすじ」「コナンが装備しているメカの説明」まで披露してくれるという、実に親切設計な一品。  予備知識が無くとも楽しめるように……という、作り手側の配慮が感じられました。  「ボク、子供だから分かんないよ。何かヒント教えて」という甘え声での台詞など、コナン(=新一)が自らのハンディキャップを逆手に取って、犯人から情報を引き出す件も面白かったです。  蘭とのロマンスも含め、ちゃんと「子供になってしまった高校生探偵」だからこそ出来るストーリー展開にしているのですよね。  作中には「新幹線大爆破」や「ジャガーノート」など、過去の名作映画から拝借したネタも多いのですが、こういったコナンならではの魅力も忘れずに盛り込んである為、観客としても抵抗無く楽しめる感じです。  モリアーティ教授をモデルにした怪し過ぎる建築家が、そのまま犯人だったのには笑っちゃいましたけど、作劇として「犯人は誰か?」より「どうやって爆発を食い止めるか?」に重きを置いた結果なのだろうなと、納得出来る範囲内。  記念すべき映画第一作だから、犯人にはビッグネームが元ネタの人物を配したいという考えもあったのかなぁ、と推測する次第です。  電車ではなく、線路の方に爆弾が仕掛けられていると見抜く件や、爆弾解体のシーンにてモノクロ画面にし、赤と青の配線のどちらを切ったのか分かり難くする演出なんかも良かったですね。  特に後者に関しては、初見の際にかなり感心させられたのを憶えています。  難点としては、立て続けに事件が起きる構造上、テレビの数話分を繋げてみせた「総集編」めいた色合いが濃い事が挙げられるでしょうか。  それと「赤い糸が無い」「コナンのままじゃ駄目」という独白で終わる形なのも、ギャグ描写とはいえ、少し後味が悪かったです。  この作品の特性上「たとえ見た目が変わっても中身が同じだから蘭とも愛し合える」あるいは「歩美ちゃん達と一緒に過ごすコナンとしての人生も悪くない」なんて結論にはならず「何時かは新一に戻りたい」という願いをコナンが抱き続けるのは当然なのでしょうが、ハッピーエンドの後にそれをやられちゃうと、やっぱり寂しい。  後は……コナンの仲間である少年探偵団の活躍が無かったとか、気になるのは精々そのくらいですね。  娯楽作品として、バランス良く纏まっている映画だと思います。[DVD(邦画)] 6点(2017-05-28 16:45:12)(良:2票) 《改行有》

62.  タイムクラッシュ・超時空カタストロフ<TVM> 《ネタバレ》  なんたる後味の悪さ。  普通、こういった歴史改変を扱ったタイムマシンネタでは「より良い未来に変わる」「結局は元通り」のどちらかになるのですが、本作では徹底して「主人公の行いによって未来がどんどん悲惨になる」という内容になっているのですよね。  飛行機や地下鉄の事故から人々を救った英雄的行為が「億単位での人口の変化」「原発事故によるカリフォルニアの消滅」などの未来に繋がってしまうという、皮肉過ぎる展開。  しかも息子を救う事が出来てハッピーエンドかと思われた空気の中で「歴史を変えた大犯罪者」と主人公が断罪される形で幕を下ろすのだから、本当にもう「そこまでやるか」と呆れちゃうくらい。  細かい矛盾点というか、気になる点も沢山あって、例えば冒頭で重要人物かと思われた「黒服の時間旅行者」が中盤にてアッサリ死亡する場面なんかは「えっ、何でもっと抵抗しないの?」「何で暴走する列車の先頭車両に立ち尽くしたままなの?」と感じるし、リセット云々の作中の専門用語の説明が足りていないように思えるしで、観賞後にモヤモヤが残ってしまうのは残念。  それでも「過去にあった災厄の数々の現場写真に、いつも同じ顔をした男が映っている」という不気味な導入部、事故を止めようと奔走する主人公の姿など、観賞中は飽きさせない魅力と勢いがあり、不満よりは満足度が高い内容だったと思います。  正直、こういう後味の悪い映画は苦手なのですが、ここまでやられると「参りました」と脱帽する気持ちも大きいですね。  九十四分という上映時間の分だけ、しっかり楽しめた一品でした。[DVD(字幕)] 6点(2017-04-27 20:56:02)《改行有》

63.  羊たちの沈没 《ネタバレ》  この手のパロディ映画の中では、結構良く出来た品じゃないかなと思います。  笑いが下品過ぎなくて、観ていて不快になるシーンが皆無というだけでも安心させられるものがありましたね。  他のパロディ映画では、放屁だの嘔吐だのといった下ネタが多かったり、視覚的にキツい場面が頻出したりする事も珍しくないだけに(おぉ、意外と上品だな……)と感心させられたという形。  元ネタの作品を露骨に馬鹿にする笑いが皆無だったのも良かったと思います。  細かい不満点やら、目に付いた欠点やらを論ったらキリが無いだろうけど、それでも幾つかクスっとさせられる場面はあったし「腕時計」や「電話ボックス」の件なんかは、感心させられるものがありました。  「犯人は、アルフレッド・ヒッチコック……に変装した別人」というオチも、実に馬鹿々々しくて、憎めない。  ちょっと疲れている時とか、映画なんて単なる娯楽だろうと再確認したい時には、丁度良い一本かと。[DVD(吹替)] 6点(2017-03-19 19:10:47)《改行有》

64.  キャンディマン(1992) 《ネタバレ》  最後のオチありきの映画ですね。  作り手側も、あそこの部分をやってみたくて制作に踏み切ったんじゃないかな、と思えました。  しかも、そこをあっさり描かないで「鏡の前でヘレンの名前を何度も呟いてしまう」というシーンを適度に勿体ぶって描いているから(あっ、これもしかして……)と観ている自分も気が付けたし、キャンディマンの代わりにヘレンが出てきた時には(ほぉら、やっぱり!)と、予想が当たって嬉しくなったのを憶えています。  基本的なストーリーラインとしては、主人公のヘレンが酷い目に遭い、最後は都市伝説の中の怪物になってしまうという悲劇なのですが、それほど後味は悪くなかった点も好み。  これに関しては作中で「人質に取られた赤ちゃんを救う事は出来た」という救いが示されているのが大きいのでしょうね。  わりと良い人そうだったヘレンの元彼氏が殺されてしまう件に関しても、作中で何度も「ヘレンが入院する前から実は浮気していた」という伏線が張られていた為(可哀想だけど、まぁ自業自得な面もあるか)と納得出来る感じに纏められており、脚本の巧みさが窺えます。  その一方で「本当にキャンディマンは実在するのか?」「全ては精神を病んだヘレンの妄想ではないか?」と思わせるような展開もあり、これが中々迫真の展開ではあるのですか(いや、明らかにキャンディマンの仕業でしょうよ)と思わせる情報が事前に多過ぎたので、何だかチグハグな気がしましたね。  例えば、冒頭にてキャンディマンの声で「血は、流す為にあるのだ……」なんて観客に語り掛ける演出がある訳だから、彼女の妄想の産物であるとは、ちょっと考えにくいんです。  このような展開にするなら、もっと序盤でキャンディマンの実在性をボカす演出(インタビューで聞いた話の中でのみ登場する、など)にしておいた方が良かったんじゃないかな、と。  あとは主人公のヘレンの存在感が強過ぎて、怪物役のキャンディマンの影が薄くなっている点なども気になりますね。  とはいえ、全体的な印象としては程好いサプライズが味わえた、中々面白い映画でありました。[ブルーレイ(吹替)] 6点(2017-02-28 07:43:20)《改行有》

65.  白い嵐 《ネタバレ》  海洋学校を舞台とした青春ドラマ、嵐による遭難、船長の責任を問う裁判と、大まかに分けて三つのパートで構成されている本作。  何やら詰め込み過ぎな印象も受けますが、配分としては「青春ドラマ」が主である為、落ち付いて観賞出来ましたね。  確認してみたところ、映画が始まって九十分以上経過してから、ようやく嵐に遭遇し、残り三十分程で完結する形となっており、作り手としてもメインに据えたのは「嵐に遭遇する前の日々」である事が伝わってきます。  自分としては、海洋学校のパートは楽しかったし、嵐のパートも迫力や悲壮感があって良かったと思うのですが、ラストの裁判に関しては、ちょっと納得いかないものがありましたね。  無言で鐘を鳴らすというメッセージ、生徒側の弁護、船長の毅然とした態度など、きちんと見せ場は用意されているのですが、結論が「免許取り消しは保留された」「だが、船長が海へ戻る日は来るだろうか?」なんていう、実に曖昧な代物だったので、どうにも反応に困ってしまいます。  ハッピーエンドの爽快感も無いし、バッドエンドの重く沈む気持ちも味わえないし、何だか観ているこちらの心も宙ぶらりん。  この辺りは、実話ネタならではの歯痒さでしょうか。  その他、意地悪な見方かも知れませんが「自分が米国人だったら、もっと感情移入出来たかもなぁ……」と感じさせる描写も多かったですね。  宇宙開発やら冷戦やらについてのラジオ放送が、劇中で頻繁に流れる演出なのは、作中の時代背景を伝えるという以上に、米国人のノスタルジーに訴える効果を狙っていそう。  それと、イルカを殺した件をあんなにも重大事のように扱う辺りも(確かに可哀想だ)と思う一方で(外国の人達って、本当にイルカが好きだよな)なんて考えが浮かんだりもして、ちょっと作中人物に距離を感じてしまった気がします。  前述の冷戦やら何やらの放送にて「アメリカの正義」を主張されていたせいか、途中で「キューバの魔の手から、毅然とした態度で少年達を守るアメリカの船長」なんて場面がある事にも、少々鼻白むものがありましたね。  序盤にて「船からの飛び込み」という適度な山場を用意し、観客を映画の世界に招き入れる巧みさなんかは、流石リドリー・スコット監督という感じだし、あんまり褒められた事じゃないだろう「飲酒」「買春」などのパートを爽やかに描いて「これも少年達の成長に繋がる、青春の一ページ」と感じさせてくれる辺りは、良かったと思います。  タイトルに反し、嵐に出会う前の、主人公達が生き生きとした姿を見せてくれる場面の方が面白く感じられた一品でした。[DVD(吹替)] 6点(2017-02-27 06:06:27)(良:1票) 《改行有》

66.  ディスクロージャー 《ネタバレ》  主人公が窮地を脱するのが「間違い電話の録音」「盗み聞き」などの偶然によるイベント頼みである事。  「自分を陥れようとした悪女に証拠を突き付けて、見苦しい言い逃れをする相手に勝利する痛快さ」を二度続けて描いている事。  上記が難点となっているのですが、それを差し引いても面白い映画でしたね。  何といっても、配役が絶妙。  マイケル・ダグラスは如何にも好色そうで、周りから「セクハラしたんじゃない?」と疑われてしまうのも納得だし、それだけに彼が「家族」を選んで誘惑に打ち勝つ姿が光って見えました。  デミ・ムーアの方も性的魅力に満ちていて、中身は「嫌な女」なのに、観ていて全く不快に思えないから不思議。  本作の主人公からすれば紛れもない悪女な訳だけど、本人なりに「男性社会で苦労して出世してきた」という矜持のようなものはあったんだろうな……と感じさせる辺りが、役者さんの上手さなのでしょうね。  そもそも会社側が隠蔽工作の為、主人公をクビにしようと画策していた訳だし、彼女の誘惑は「彼と再び関係を結んで弱みを握り、仲間に引き込んで守ってあげる」のが目的という、歪んだ愛情表現だったのかも知れないと考える事も可能だと思います。  作中のあちこちにて「女性が世に出て働くようになった事を警戒する男性」が描かれているのも、特徴の一つですね。  「その内に精子を提供する者だけが少数残されて、残りの男は滅ぼされる」なんて際どいジョークが飛び出すのだから、当時の世相なども窺えるようで、興味深い。  女性が働いて出世するのが当たり前になった現代すると、何だか滑稽にも感じられるのですが、それでも当人達にとっては深刻な問題だったのだろうな、と思えます。  男性側の目線で描かれた作品であり、偏った世界観となってしまいそうな中で「最終的な勝者となったのは、副社長に就任した女性」となっている辺りも、上手いバランスだったかと。  結局、主人公の出世は叶わずに「Friend」の正体が明かされるというオチについては(まぁ、そんなものか)という程度で、さほど感銘を受けなかったのですが、その後に「家族からのメール」で〆る構成には、唸らされましたね。  思えば事前に「どんなに悪い噂を立てられても、子供達は父親の無実を信じている」という伏線が張られていた為「パパ、早く帰ってきて」というメッセージと、手描きのイラストの威力が倍増しているという形。  出世する喜びなどではなく、家族と一緒にいられる幸せを感じて笑う主人公の姿が、実に恰好良かったです。  「セクハラ問題」「会社内の権力闘争」と、ドロドロした内容が続いていただけに、気持ちの良いハッピーエンドでした。[DVD(字幕)] 6点(2017-02-10 18:25:42)(良:1票) 《改行有》

67.  ブッチャー・ボーイ 《ネタバレ》  冒頭、大人になった主人公が子供時代の過ちを振り返る形式で映画は進んでいく訳ですが「僕とジョーの友情に首を突っ込んだ夫人が悪い」って、全然反省していない辺りが凄い。  この主人公、殺人の被害者となった夫人以外にも、他所者を「田舎っぺ」「ブタより醜い」と見下していたりして、とかく感情移入を拒む存在なのですよね。  そんな彼に呆れかえっていたはずなのに、観ている内に段々と感情移入させてしまうのだから、作り手の上手さを感じます。  父母を失うだけでなく「血の兄弟」「唯一で最高の友ジョー」と語り、大切にしていた親友からも絶交されてしまう主人公。  そんな彼は八つ当たりのように凶行に至る訳ですが、それが完全な狂気によるものとは思えず、一応主人公なりに理屈は通っているなと納得させられてしまうのだから、これはもう恐ろしい映画です。  少年愛嗜好があると思しき神父に、性的悪戯を受けそうになるシーンでは、逆襲してみせた彼にスカッとさせられたし「ジョーにウソを言わせた」事が何よりも許せないと怒るシーンでは、ついつい彼に肩入れしてしまう。  そんな具合に、巧みに感情移入させた上で主人公に「人殺し」をさせてしまう訳だから、観ているこちらまで罪悪感を抱いてしまうのですよね。  「エイリアンの侵略」「原爆による世界の終わり」「父母の美しい思い出を否定する現実」など、彼が殺人を犯したキッカケを大量に用意してみせて、その凶行に説得力を持たせているのも上手い。  上手いんだけど……それによって「殺人犯になるまでを疑似体験出来る映画」という形になっている訳だから、後味の悪さは折り紙付きです。  上述の通り、主人公には反省の色が全く窺えません。  ラストにおいても「もう悪党ではないで賞」を取ったから釈放された、としか感じていないのです。  「トラブルは、もう結構」という独白からするに、今後彼が犯罪に手を染める可能性は低いと思われます。  それでも、彼は許されるのだろうか、自分が殺した夫人に対して「悪い事をした」「可哀想だ」と考えたりする事は無いのだろうか、と非常に悲しい気持ちに襲われましたね。  聖母マリアが彼に渡した花、スノードロップの花言葉は「希望」そして「慰め」。  果たして彼に「希望」を与えるべきなのか、彼を「慰め」るのが正しい事なのか、と観る者に考えさせてくれる。  様々な意味で、問題作と呼ぶに相応しい一品でありました。[ビデオ(字幕)] 6点(2016-12-15 22:48:18)(良:1票) 《改行有》

68.  四十七人の刺客 《ネタバレ》  とにかく展開が早い早い。  なんせ冒頭いきなり「大石内蔵助は既に藤沢を出て、鎌倉に潜入していた」とナレーションで語られるくらいですからね。  大石内蔵助とは何者なのか、何故鎌倉に潜入したのか、などの説明は放ったらかしにして、どんどんストーリーが進行していくという形。  忠臣蔵映画には上下巻に分かれている代物も珍しくない為、もしや下巻に相当するディスクから再生してしまったのだろうかと、確認してしまったくらいです。  全体的に「観客の皆は、忠臣蔵のストーリーくらい当然知っているよね?」という前提で作られているようであり、予備知識が備わっていない人にとっては不親切な作りにも思えましたね。  せっかくナレーションで色々と説明してくれているのに、それも「コレはこういう役職であり、この人はこういう人で~」と理解を促すような内容ではなく、あくまでも状況説明に留まっている感じ。  大石側と色部側の謀略戦にスポットが当てられているのは面白かったのですが、どちらかといえば宮沢りえ演じるヒロインとの恋模様が中心となっているのも、ちょっぴり不満。  幾らなんでも男女の年齢差があり過ぎて、アンバランスな組み合わせに思えるのに、描き方はといえば「普通の男と女」といった感じでスタンダートに仕上げられているのが、観ていて居心地が悪かったのですよね。  ラストシーンといい、ともすれば宮沢りえのアイドル映画と言えそうなくらいの登場比率なのですが、自分としては彼女は脇役に留めておいた方が良かったんじゃないか、と思えてしまいました。  その一方で「襲撃者に足音を消されぬよう、屋敷の周りに貝殻を敷き詰めておいたりして、入念な準備を整えた上で敵を返り討ちにする大石親子」などの場面は、実に良かったですね。  切り裂く時の音が空振りしているようにしか聞こえない点など「えっ?」と思わされる瞬間もありましたが、ハードボイルドな高倉内蔵助の魅力が堪能出来たワンシーンでした。  終盤にて、黒尽くめの刺客が吉良邸の門前に集い「四十七人」と総数を読み上げられる場面もテンションが上がりましたし「握り飯と水を補給する」「刃毀れに備えて替えの刀を用意しておく」といった兵站面を重視した描写も良い。  吉良屋敷に迷路が拵えてある点などは、冒頭で知らされた際には「えっ、何それ」「そんなコミカルな忠臣蔵だったの?」という戸惑いの方が大きかったのですが、それも実際に戦う場面では、予想していたよりもシリアスな見せ方で「殺し合い」という空気を決定的に損なってはおらず、上手いなぁと感心。  いざ討ち入りになってから、唐突に「実は吉良屋敷は迷路になっていたのだ」と種明かしされる形だったら、流石に「なんだそりゃ!」と衝撃を受けてしまい、テンションだだ下がりになっていたでしょうけど、この場合は映画が始まってすぐに「迷路になっているよ」と観客に教えておく事により、自然と消化されるのを待つというテクニックが用いられているのですよね。  それが効果を発揮してくれたみたいです。  ラストの大石の一言「知りとうない」に関しては、色々と解釈の分かれそうなところ。 「武士の意地を見せる為に決起したのだから、本当は真相など、どうでも良い」 「最初は真相を知りたいという気持ちもあったが、もはや自らの死も覚悟して討ち入りした以上、真相究明などは些事に過ぎない」  などと考える事も出来そうな感じでしたね。  以下は、自分なりの解釈。  「討たれる覚えはない」「いきなり浅野が喚いて、儂に切り掛かってきたのだ」「二人の間に遺恨などあろうはずがない」という吉良側の証言を信じるなら、恐らく真相は「浅野が乱心した」というものであり、吉良を含めた幕府側が口を噤んでいたのも、浅野の名誉を慮っての事だったのではないでしょうか。  つまり、大石が「知りとうない」と言い放ったのは「真相に興味がない」ではなく「真相を知りたくない」という意思表明。  吉良の口を永遠に塞ぐ事こそが、討ち入りの目的の一つだったのではないかな、と。  そもそも大石は情報戦の一環として「浅野内匠頭は賄賂を行わなかった正義の人である」という噂を流すなど、主君を美化しようとする意志が窺える男です。  内心では薄々「殿は乱心めされたのだ」と勘付きつつも、序盤で仲間に語り聞かせた通りの「優しい殿」であって欲しかったという願いゆえに、吉良の口から真相を聞かされる事を拒み、浅野のように派手に刀を振り下ろす事なく、冷静に突き殺してみせたのではないか、と感じられました。  もし、本当にそうであったとすれば、何とも切ない映画だと思います。[DVD(邦画)] 6点(2016-12-06 19:47:57)(良:1票) 《改行有》

69.  耳をすませば(1995) 《ネタバレ》  何といっても印象深いのは、図書カードの件。  自分と全く同じ好みをした異性がいるだなんて、正に運命。  天沢くんに惹かれる主人公の気持ちも分かるなぁ……と思っていたら、それは運命でも偶然でも何でもなく、単に「好きになった女の子が読みそうな本を、男が片っ端から借りていただけ」だったと判明して、もう吃驚です。  主人公もコレには引いちゃうんじゃないかなと思っていたら、頬を染めて、ときめいている様子だった事には、更に驚かされましたね。  昔の恋愛映画って、現代の観点からすると「これってストーカーでは?」とツッコミたくなる展開が多いんですが、本作もその一例として挙げる事が出来そう。  監督は近藤喜文ですが、脚本や絵コンテなどは宮崎駿が担当している為か(相変わらずのロリコン映画だなぁ……)と思わせてくれる事にも、何だかほのぼの。  本当に、拘りを持って「如何に主人公の少女を可愛く描くか」を突き詰めたのが伝わってきて、恐らくは性癖的に近しい要素を持っている自分としても「あざとい」「不道徳」と思いつつも、惹かれるものがありました。  そして、これが大事なポイントなのだと思うのですが、本作って少女だけでなく、相手役となる少年も、凄く魅力的に描かれているんですよね。  美男子で、優等生で、特別な才能を持っていて、夢に向かって一直線でと、同性の自分からすると嘘臭く感じるくらいなのですが、そもそも劇中の主人公カップルって「女性から見ると嘘みたいな少女」と「男性から見ると嘘みたいな少年」という組み合わせで成立しているのであり、そこが男女問わず観客の心を掴む要因になっている気がします。  男友達に対し「本当に鈍いわね」と怒っていた主人公が、実は自分の方がずっと鈍感だったと分かる流れも面白かったし「人と違う生き方は、それなりにしんどいぞ。何が起きても誰のせいにも出来ないからね」という父親の台詞も、胸に沁みるものがありました。  もう一つ印象深いのは「自分よりずっと頑張っている奴に、頑張れなんて言えないもん」という台詞。  主人公が天沢君に対して引け目を感じていた理由が、この一言に集約されている感じがして、とても秀逸だと思いましたね。  そもそも本作って、天沢君は典型的な「王子様」キャラだし、そんな彼と、ごく普通の女の子が結ばれるという、極めて少女漫画的なストーリーなんです。  にも拘らず、男である自分が観ても共感を持てるのは、具体的に「彼に見合うような人間になる為に、主人公も頑張る」という姿が描かれてるからなんですね。  だからこそ応援したくなるし、そんな「頑張り」が暴走して、勉強の方が疎かになってしまい、しっかり者な姉との口喧嘩にて、つい強がって「高校なんて行かないから」と言っちゃう辺りも、痛々しいくらいにリアルに感じました。  この辺り(ちゃんと彼の事を家族にも話した方が良いのでは?)と、大人になった今では思ってしまうのですが、子供の頃って、こういう不思議な意固地さがありましたからね。  何だか懐かしい気持ちと、恥ずかしい気持ちを、同時に味わう事が出来ました。  クライマックスの、まだ薄暗い夜明け前。  自転車に二人乗りして「オレだけの秘密の場所」に向かうシークエンスなんか、本当に素晴らしく、それと同時に面映ゆくて、観ていられないくらい。  「それじゃ寒いぞ」と彼女に上着を渡す仕草。  「私も会いたかった」と彼の背中に頭を添えて呟く主人公の姿など、青少年が憧れてしまうシチュエーションが「これでもか!」と詰め込まれているのだから、もう圧倒されちゃいます。  上述の「彼に一方的に幸せにしてもらうだけの女の子ではありたくない」という想いが、坂道での「共同作業」にも表れており、これには(良いカップルだなぁ……)と、素直に祝福したい気持ちになれましたね。  最後には、結婚の約束までしちゃう事すらも、この二人ならば、自然に思えます。  万が一結ばれなかったとしても、一連の出来事の数々は、素敵な初恋の思い出として、いつまでも心の中に残りそう。  脇役であった杉村君と夕子ちゃんの恋の顛末を、エンドロールの中でサラリと描いてみせるのも、御洒落でしたね。  天邪鬼な自分からすると、主人公カップルが眩し過ぎて、まるで幻みたいで、どうにも感情移入しきれない部分もあったりしたのですが……  それを差し引いても、良い映画だったと思います。[DVD(邦画)] 6点(2016-10-06 04:50:57)(良:1票) 《改行有》

70.  プリシラ(1994) 《ネタバレ》  冒頭のシーンにて、主人公の衣装や化粧よりも「えっ、口パクなの!?」と、その事に吃驚。  男性が女性の扮装をしている事も併せ「本当は女性の歌声を出したいけれど、出せない切なさ」を表現しているのかも知れませんが、自分としては (たとえ下手でも良いから、自分の声で唄って欲しいな……)  と思ってしまい、作中の口パク歌唱ショーに対して「凄い!」と感じる事が出来ず、残念でしたね。  せっかくクライマックスのショーは盛り上がっていたのに、何だか映画を鑑賞している自分だけが、置いてけぼりを食らったような気分。  脚本に関しては、非常に凝っており、観客を油断させない作りになっていたと思います。  例えば…… 1:酒場で主人公達が白眼視される。 2:飲み比べに勝利したりして、何とか友好的なムードになる。 3:ところが翌朝になると、主人公達の車には「エイズ野郎」との落書きが……  という三段仕掛けになっている場面なんて、意地悪だけど上手い。  その他、移動中の車内にて生い立ちについて話す際にも「幼児期に性的悪戯を受けていた過去がある」と思わせておいて、実は「悪戯しようとした不埒な大人をこらしめてやった」痛快譚だったと種明かしする流れにも、大いに感心させられました。  また、同性愛者を過度に美化しておらず、等身大の「ズルい」人間として描いている辺りも好印象。  母親に対し「旅に出たら異性愛者になれるかも」と騙す形で、一万ドルの車を買ってもらった件は流石にどうかと思いましたが、仲間が過去に女性と結婚していたと知って「気味悪い」と言い出す辺りなんかは、非常にリアルであるように思えましたね。  アジア人女性の「ピンポン玉」の芸を下品と思って嫌がる描写があったのも「主人公達は迫害される側の人間ではあるが、そんな彼女達だって下品なものを嫌う感覚は、当然持ち合わせている」と悟らせる効果があり、非常に人間らしい存在である事が伝わってきました。  終盤「キングスキャニオンにハイヒール姿で立つ」という長年の夢を叶えた後に、真っ先に思う事が「うちへ帰りたい」というのも、何だか切なくて良かったですね。  あそこの件は「夢を叶えてみせた達成感」と同時に「夢を叶えてしまった喪失感」とも言うべきものが感じられて、実に味わい深いものがありました。  ガイ・ピアース演じるフェリシアが、幼い少年に懐かれて兄貴分(姉貴分?)のようになっている姿も、とても微笑ましくて好み。  この組み合わせが終盤にしか登場しない事が、寂しく思えたくらいです。  最初の内は、登場人物達への戸惑いが大きく、距離を感じていたはずなのに、エンドロールが流れる頃には愛着が湧いてしまって、彼らと離れ難い気持ちになる。  そんな切なさを秘めた、不思議な映画でありました。[DVD(字幕)] 6点(2016-10-02 10:49:05)《改行有》

71.  バウンス ko GALS 《ネタバレ》  中盤におけるヤクザとコギャルとの問答シーンの緊迫感は凄いですね。  結果的には意気投合して「見逃してもらった」形となる訳だけど、殺されるなり殴られるなりしても全くおかしくない雰囲気だっただけに、息が詰まるような思いがしました。  今となっては古臭くなっているかも知れませんが、当時における「コギャル」の生態を描いた品としても、凄く貴重。  コギャル当人に言わせれば「私ら、こんなんじゃないし」という答えが返ってくるかも知れませんが、年代も性別も異なる自分の目線からすると、極めてリアルに描かれているように思えます。  援助交際を行っているグループの中でも、すぐに身体を許す子は「サセ子」と呼ばれて見下されてしまう辺りなんかも、非常に興味深い。  こういった場合、第三者の目線からは「コギャル」と、ついつい一括りにしてしまいがちだけど、彼女達の中にも差別やら区別やらが存在するんだなぁ……と、しみじみ感じました。 「別に自分達が特別な訳じゃない」 「常識ある大人が少なくなったんです」  などの台詞によって「援助交際とは、そもそも大人側の需要が存在しなければ子供側の供給も存在しない」という真理を突いてみせるのも、実に上手いですね。  男性であるヤクザ目線でも、女性であるコギャル目線でも、互いの言い分に一定の説得力があるというか、観ていて肩入れ出来るような感じに仕上げているのは、監督さんの力量なのだと思われます。  こういった世代差や性別を越えた「対話」を扱う際に、どちらか片方を貶める事なく描いてみせるのは、中々出来ない事かと。  「どうして子供が売春なんてするんだ?」という観客の疑問に対し「子供の内は捕まっても罪が軽いから、悪い事をするなら今の内。二十歳になったら悪い事は止める」と語る少女を作中に登場させて、一つの答えを示している辺りなんかも、色々と考えさせられましたね。  それまで大人の「欲望」を利用して金稼ぎしていた少女達が、終盤にて大人の「善意」によって救われる構造なども、面白かったと思います。  ただ、自分としては最後の最後で、妙に綺麗にまとめてみせたというか、ちょっと終盤の展開だけ映画の中で浮いているようにも感じられて、そこは残念。  あの終わり方だからこそ、青春映画としての魅力も強まっているのかも知れませんが、もう少し苦みを含んだハッピーエンドでも良かったかも知れませんね。  それまでの展開がリアルであっただけに、爽やか過ぎて非現実的に思えてしまいました。  エンドロールの最後に流れる笑い声が、凄く怖かったりもしたのだけど、あれの演出意図も気になるところ。  大人目線による「子供の得体の知れない不気味さ」を表したにしては、劇中でその「不気味な子供」を好意に近い目線で描いている訳だし、どうも不可解。  全体的にクオリティは高いのですが、最後まで謎や違和感も残るという、後味爽やかとは言い難い映画でありました。 [DVD(邦画)] 6点(2016-08-10 10:11:46)(良:1票) 《改行有》

72.  顔(1999) 《ネタバレ》  喪服のままで強姦されて、純潔を散らす事となった主人公の正子。  そんな彼女が相手の男に対し「これ、あげる」と香典を渡すシーンが印象的でしたね。  流石に気味が悪かったのか、突き返そうとする男を罵倒するように「取っとけ!」と啖呵を切る姿なんかも、妙に格好良くて、惚れ惚れする思い。  美しい妹を殺してしまったがゆえに、逃亡犯としての旅に出る事となった正子だけど、本当の意味で「生まれ変わった」「旅する決意をした」のは、この瞬間であったように感じられました。  その妹との確執に関しても、短い尺の中で巧く描いており「お姉ちゃんの存在が恥ずかしかった」と言わせた辺りなんかは、大いに感心。  他人ならば何ともないのに、家族だからこそ「その存在が恥ずかしい」という感情が湧き出てくる訳で、それを的確に表現している台詞ですよね。  全体的に、暗い作風とも明るい作風とも言い難いものがあって、暗いというにはあっけらかんとしているし、明るいというには陰鬱過ぎるという、不思議なバランス。  この独特の空気感を心地良く感じる人もいそうですが、自分としては、ちょっと苦手だったりもしました。  妹殺害のシーンなども「直接殺した光景は描かないで、まず主人公が風呂場で自殺未遂を起こす姿を描く」→「その後に旅支度を始める主人公の足元で、妹が死体となって倒れているのを、サラッと映し出す」という演出になっており、上手いなぁと感心する気持ちと、ちょっと回りくどいよなと思う気持ちが半々になったりして、どうも素直に褒められない、肌に合わない部分が目に付いてしまったのです。  作中で最も悲劇的に描かれていた「流産」に関しても、主人公が信じる「輪廻転生」に共感が持てなかったりしたもので「あぁ、彼女なりに妹を愛していたんだなぁ……」と冷静に考える程度で終わってしまい、感動にまでは至らず、残念でした。  その代わりのように、主人公が成長するロードムービーとしての魅力は感じ取る事が出来て、そちらに関しての満足度は高め。  旅の中で、周りの人達と交流し、自転車の乗り方を習い、泳ぎ方を習い、それが結果的に「土壇場で逮捕の手を逃れる手段」に繋がるストーリーが、実に皮肉で面白いんですよね。  主人公のモデルになった、ホステス殺人事件の犯人と思しき女性と、喫茶店で会話を交わしていたと判明する瞬間なども、観ていて驚かされ、印象的な場面でした。  また、本作においては、実際の事件と違って「整形」という要素を用いなかった辺りも、良い判断だったかと。  何せ主演の女優さんが演技巧者なものだから、最初は生気を失った顔だった主人公が、段々と生き生きして魅力的になり、まるで別人のような「顔」に変わっていく様を、説得力満点に演じてくれているのですよね。  全体のストーリーラインをなぞれば、非常に胡散臭い話であるはずなのに、不思議なくらい真実味を帯びて感じられたのは、やはり彼女の存在が大きかったからなのだろうな、と思えます。  お世話になった女性の律子さんに電話を掛け 「ごめんなさい」「ありがとう」  という想いを伝える件なんかも、凄く良かったですね。 「死ぬぐらいやったら、逃げて」「お腹が減ったら、ご飯食べて」  という励ましの言葉を、手首に傷のある律子さんが口にするのだから、何とも切なくて、情感溢れる名場面。  恐らく、本作の主人公は「逮捕されてしまえば罪悪感に耐え切れず、留置場や刑務所で自殺してしまう」と分かっているからこそ、懸命に逃げ続けているのだと思われます。  そんな事情を加味したとしても、現実逃避、罪から逃れるという行いは、間違いなく悪い事なのでしょう。  それでも、たとえ悪だとしても死よりはマシだ、前を向いて走って、逃げ続けて生きるべきなんだ、というメッセージが窺える、味わい深い映画でありました。[DVD(邦画)] 6点(2016-08-01 09:04:31)(良:1票) 《改行有》

73.  コンゴ 《ネタバレ》  こういった冒険物は好きなジャンルなので、楽しく観賞する事が出来ました。  なんといってもマスコット……いやさヒロインとさえ呼べそうなエイミーの存在が魅力的でしたね。  手話をするゴリラというだけでなく、特殊な機械の音声によって、人間の言葉を話せるようになっているという設定が、可愛さに拍車を掛けています。  飼い主の男性に甘えて、抱っこされたり、くすぐったりされるのが好きな性格。  そして、彼に人間の女性が近付いたら、すぐにヤキモチを妬いちゃうような辺りも、何とも愛らしい。  人間の言葉を憶えてしまったがゆえに、同じゴリラからは忌避されてしまった際に浮かべる表情なども、切なさを感じられて良かったです。  欠点としては、そんなエイミーとの別れのシーンが、やや唐突に思えてしまった事。  そして、敵となる「番人」達が小柄なゆえか、恐怖感や緊迫感が伝わってこなかった事が挙げられそう。  また、本作は「エイミーを故郷のコンゴに帰してあげる」のを目的とした男性の他にも「現地で遭難した元恋人の男性を救出する事」を目的とした女性主人公も存在しているのですが、そちらには感情移入出来なかった点も残念。  何せ彼女の上司が、絵に描いたように嫌な奴であり、実の息子の安否よりも「レーザー兵器の材料となる特殊なダイヤモンド」の入手を優先する性格だったりするもんだから、作中で彼女のモチベーションが上がらないのと同じように、観ているこちらとしても、応援する気持ちが薄れちゃうんですよね。  本来の目的である「元恋人の救出」に関しても、冒頭の映像で死んだ事が示唆されており、案の定、終盤にて死体を発見する展開なので「あぁ、やっぱり……」としか思えない。  それらの要素は「最後の最後で、上司の命令を無視する爽快感を与える為」「実は死んでいたという落胆を与えない為」なのでしょうけど、やはりスッキリしないものが残りました。  飛行機からパラシュートを付けてダイブしたり、急流の河をボートで下ったり、キャンプしてテントで眠ったり、登山したりと「冒険旅行」のツボを押さえた作りであった事は、素直に嬉しかったですね。  月夜にボートを漕ぐシーンなんかも、幻想的な美しさを味わえて、お気に入り。  命の危機が感じられない作りである事に関しても、裏を返せば「安心して、驚いたり緊張したりせずに楽しめる」という長所に成り得るんじゃないか、とも思えてくる。  そんな憎めない一品でありました。[DVD(吹替)] 6点(2016-07-31 07:57:44)(良:1票) 《改行有》

74.  渚のシンドバッド 《ネタバレ》  これほど赤裸々に同性愛を描いた内容だったのか、と吃驚。  それなりに耐性は出来ているというか、同性愛者が主人公の映画でも意外と楽しめてきた経験があるはずなのですが、本作に関しては生々し過ぎて、ちょっとキツいものがありましたね。  (邦画なので、洋画よりも身近で現実的に感じられて、物語として割り切れないのかも……)と途中までは思っていたのですが、終盤にて(いや、やはりコレは、この映画が特別なんだ)と確信。  何せクライマックスとなる浜辺のシーンが「男を愛せない男を徹底的に詰る」という内容だったりしますからね。  男を愛してしまう男が詰られるシーンなら何度も観てきましたが、その逆というのは珍しいし、何よりこの件だけで二十分近くも尺を取っていたりするものだから、もうお腹一杯。  長回し演出ならではの緊張感も相まってか、ラスト十分くらいは神経が擦り減ってしまい、観ているのが辛かったです。  終わり方に関しても、不思議な爽やかさがあり、好みな演出のはずだったのですが(でも、結局は明確な答えを出していないよなぁ……)という考えも頭をチラついてしまい、残念。  好意的に解釈すれば、観客に自由な解釈の余地を与えてくれる結末。  意地悪を言うならば、答えを出す事から逃げてしまった結末であるようにも思えました。  作中で最も印象的だったのは「優しいフリ」という言葉。  主人公が「自分は同性愛者である事」「キミを好きだという事」を親友の吉田君に告白した際に、彼は優しく受け入れてあげようとするのですが、抱き付いてキスされたりすると、最終的には主人公を拒否してしまうのです。 「本当に優しいなら、ちゃんと告白を断るべきだった」 「相手は親友だから傷付けたくない、などと遠慮するべきではなかった」  等々、色んなメッセージが込められているように感じられて、非常に興味深かったですね。  吉田君は、それまで基本的に「良い奴」として描かれていただけに、終盤にて本性が明かされるというか、その優しさが「フリ」でしかなかった事を暴かれてしまう流れが秀逸。  主人公の前では色々気遣っていても、当人のいないところで何気なく「あいつは変態」と言い放ってしまうシーンなんかは、特に衝撃的でしたね。  結局のところ「自分は同性愛者を差別するような人間ではない」と相手にアピールして、曖昧な反応をするだけでは、本質的に優しい人間とは言えないのかも知れない……と、身につまされるものがありました。  自分に告白してきた吉田君を無下に扱うヒロインに「私が女だから好きになっただけ」「ヤリたいだけなんだよ」と言わせた辺りは、本当に思い切ったなぁ、と感心。  ただ、これに関しては、ともすれば「同性愛者=肉欲に囚われない精神的な愛を求める人」という極端な美化に繋がってしまうというか、さながら「男を愛せない男は酷い奴だ」と言われているかのようで、やはり抵抗がありましたね。  そりゃあ同性愛を否定するのは間違っているけど、だからって異性愛を否定するかのようなメッセージを込めるのは、ちょっと違うんじゃないかなと。  他にも作中のアチコチにて、女性蔑視というか「男に比べて女は醜い」と訴えているかのような表現が目立ったのも気になりました。  主役の三人に負けず劣らず、脇役も個性が光っていたのは、青春群像劇といった趣があり、嬉しかったですね。  落ち込んでいる女子生徒を元気付ける為に、男子生徒が宙返りを披露するシーンなんかは、特に素敵。  後者の男子に関しては、第四の主人公とも言えそうなくらいにスポットが当たっており、作中で最も共感出来た人物かも知れません。  些細な誤解から、友達の自転車を川に沈めてしまうという間違いを起こした後、思い直して自転車を川から拾い上げる姿なども、何だか憎めない。  そんな具合に、好きなシーンと、嫌いなシーンとが綯交ぜになっており、非常に判断の難しい一品。  正直「良い映画だった」とは思えなかったのですが……  観ていて圧倒されるような、力強い映画であったのは間違いないと思います。[DVD(邦画)] 6点(2016-06-28 10:46:35)(良:1票) 《改行有》

75.  フォーエヴァー・ヤング/時を越えた告白 《ネタバレ》  あらすじは承知の上で観賞したのですが、冷凍保存されるまでに二十分以上も掛かる構成には驚かされました。  主人公が軍人という事も相まって、どうしても「フィラデルフィア・エクスペリメント」を連想する内容となっているのですが、あちらの品とは異なり、元の世界で一緒だった女性への一途な純愛モノとして仕上げた事に、独自の魅力を感じられましたね。  途中、現代で出会った女性も交えた三角関係に発展する事を匂わせるミスリードもあったりしただけに、主人公が初志貫徹してくれたのが嬉しかったです。  ラストシーンまで辿り着けば、上述の「元いた世界」の尺が長い事にも納得がいくのですが、それでも「序盤と最後だけ別の映画みたい」という印象も拭えなかったりして、そこは少し残念。  その分、過去からやってきた主人公と、現代で出会った少年との交流部分に関しては、凄く良かったと思います。  ツリーハウスに主人公を匿ってくれて、食べ物や飲み物なんかを届けてくれる辺りも、幼少時の「秘密基地」感覚を刺激してくれて楽しかったし、幼くして父と別れた少年との間に、疑似的な親子のような絆が育まれていく様が、とても微笑ましかったのですよね。  好きな女の子に対してどう接するべきかと恋愛相談してくれる辺りも可愛かったし、何と言っても一緒に「飛行機の操縦ごっこ」をしてみせる場面が最高。  それが終盤の「実際に二人で飛行機に乗ってみせる」展開に繋がる流れには、そう来たかぁ……と感心させられました。  ラストシーンにて、愛する女性と再会して抱き合うだけで終わりではなく、駆け寄って来た少年を彼女に紹介してみせる姿も描かれていましたが、どんな風に話してみせたのかが気になるところです。[DVD(吹替)] 6点(2016-06-22 03:32:28)(良:2票) 《改行有》

76.  星に想いを 《ネタバレ》  数学というテーマを扱ってはいるけれど、作りとしては王道なラブコメ映画ですね。  「相手のハートを射止める為に嘘をつく」→「嘘がバレそうになるけど何とか頑張って誤魔化す」→「相思相愛になる」→「でも嘘がバレる」→「相手が怒って喧嘩になる」→「仲直りしてハッピーエンド」というパターン。  そんな本作の個性としては、やはり作中にアインシュタインという大物を登場させている事に尽きるでしょう。  ウォルター・マッソーが飄々とした演技を披露しており、お茶目で憎めないお爺ちゃんっぷりを見せてくれています。  映画の中盤辺りで気が付いた事なのですが、ティム・ロビンス演じる主人公のエドよりも、むしろ彼の方に感情移入する場面が多いのですよね。  シンポジウムで演説する彼を見守る件、知能テストで答えをジェスチャーしてみせる件、そしてクライマックスで二人が結ばれるかどうかを望遠鏡で見守る件など、監督さんも意図的に彼を観客と同じ立場に置かれているのではないかな、と思えました。  最後にキスする二人を覗き見して、嬉しそうに微笑む姿は、正に観客の心情そのものかと。  ただ、それは裏を返せばエドに感情移入出来ないという事でもあり、映画はアインシュタインが主導する形となっていて、本来の主人公が状況に流されるままの人物としか思えなかった点は残念。  ヒロインのキャサリンが「天才の子供を産みたい」と考えている人物ゆえか、恋敵となるジェームズも知性以外の長所が窺えない人物として描かれており、ちょっと興醒めでしたね。  こういった場合、容姿も頭脳も完璧だけど性格に難ありとか、そういった設定の恋敵の方が「大切なのは互いのハートである」という結論に、自然に繋がったのではないかなと思う次第です。  ヒロインのキャサリンを演じるメグ・ライアンに関しては、流石の貫録というか、流石の可愛らしさ。  エドが一目惚れする展開にも、全く違和感が有りません。  そんな彼女と、星空の下で無事に結ばれるエンディングを目にすれば、多少の不満点などは吹き飛んでしまうのだから、これは凄い事だと思います。  やっぱり、こういった「安心して楽しめる映画」というのは必要なのだな、としみじみ感じました。[DVD(吹替)] 6点(2016-06-05 20:01:20)(良:1票) 《改行有》

77.  うつしみ 《ネタバレ》  間違えてメイキングビデオの方を再生してしまったかと、思わず確認してしまいましたね。  そのくらい型破りというか、メタフィクションな作りでした。  扱っているテーマがテーマなせいか「物凄く凝って作られたマニア向けAV」という印象もあったりする本作。  さながら「走る」という行為に性的昂奮を覚える人達の為に作られたかのようでしたね。  主演の二人を追いかける際に、ドアを開けるカメラマンの手が映り込む演出や、クライマックスにおける農薬散布のような「血しぶき」表現など、少々やりすぎではないかと思える部分も幾つか。  画面が「手ブレ」の状態になってしまう事が多いのも、それが苦手な自分としてはキツかったです。  けれど、それ以上に力強いメッセージ性には、大いに背中を押されるものがありました。  実に分かりやすくて恥ずかしい表現となってしまいますが「観た後に自分も走り出したくなる映画」だなぁ、と。  途中、二人が勢い余って家屋の窓を突き破ってしまう件などは「あれ? もしかしてコレって脚本通りじゃなくて、アクシデント?」と思わせるような迫力があり、好きな場面。  一方で「コーヒーカップが云々」「花瓶が云々」というメッセージに関しては、それ単独ならば詩的で良い言葉だと思うのですが、ちょっとオシャレ過ぎて、映画のメインであるはずの二人には似合っていないようにも感じてしまいましたね。  そのミスマッチ感こそが良い、と捉える事も出来そうですが、自分としてはもっと飾らずに突き抜けて欲しかったです。  とはいえ、考え付いた「良い要素」を、何でもかんでも詰め込んでしまうのが監督さんの魅力なのでしょうから、そこは譲れない部分なのかも知れません。  女性にとって走る事は現実、男性にとって走る事はロマン。  終盤にて、そんな両者の違いを描いておきながら、二人が別れるでもなく、ちゃんと結ばれる事で終わる形だったのは、とても好みでした。  この二人、当初は女性側が男性側に片想いしていて、必死にアプローチして追いかける展開だったのに、終盤にて関係性が逆転する辺りなんかも興味深い。  「愛のむきだし」や「地獄でなぜ悪い」など、好きな品々が多い園子温監督作品。  観賞後は、また一つ、好きと呼べそうな映画が増えてくれて、嬉しかったです。[DVD(邦画)] 6点(2016-05-23 12:19:53)《改行有》

78.  ジャイアント・ベビー 《ネタバレ》  子供達が小さくなってしまう映画の続編として「今度は大きくなる!」という内容を持ってきたのは面白いし、その子が幼児である為に、大人達がひたすら翻弄される事になるというのも、ユーモアが利いていて良かったと思います。  ただ、自分としては前作の家族ドラマの延長のようなものを期待していたので、長女のエイミーの扱いや、魅力的だった隣家の人々に出番が無かった事に関しては、ちょっと残念でしたね。  最後の最後まで「彼らが応援に駆け付けてくれるのでは?」なんて勝手な期待を抱いてしまい、それが肩透かしな結果になってしまったのは、やや消化不良な感じです。  その一方で嬉しかったのは、小さな子供だった長男のニックが立派なティーンエイジャーに成長している事。  部屋でギターをかき鳴らしている姿なんて、もう見ただけで頬が緩んでしまいます。  今作ではベビーシッターの少女との恋模様まで描かれており、幼かった頃の姿を知る身としては、とても微笑ましい気持ちにさせられました。  正直、赤ん坊が車の中や家の中に収まるくらいのサイズの頃は、あまり楽しめなかったりもしたのですが、ラスベガスにジャイアントベビーが襲来する終盤に突入してからは、観ているこちらも大いに満足。  怪獣映画めいた非現実感と、巨大な存在を退治するするのではなく保護しなければいけないという斬新な感覚が混ざり合い、不思議な気持ちに浸る事が出来ましたね。    作中にて語られた「(赤ん坊にとって)パパは遊び相手、ママはママ」という台詞が、妙に心に残る映画でもありました。[DVD(吹替)] 6点(2016-05-08 05:01:59)《改行有》

79.  ルームメイト(1992) 《ネタバレ》  思っていた以上にレズビアン的要素が強い内容で、驚かされました。  同性愛とは「自分と違う存在」を愛せないがゆえの、自己愛の延長なのだという説を思い出しますね。  確か中学生くらいの頃、クラスメイトの女子が髪型を変える際に「同じにしても良い?」と友達に訊いたり、筆箱を買う時に「同じの買っても良い?」と確認を取ったりしている場面に遭遇して(女子って変な事するなぁ、特許がある訳でもないんだから、勝手に髪切って勝手に買えば良いのに)なんて思っていたものですが、この映画を観た後では、とてもそんな呑気な考えは浮かんでこなくなります。  それくらい「ルームメイトが同じ髪型になる」シーンには、精神的にゾクリと来るものがありました。  ジェニファー・ジェイソン・リー演じるヘディに関しては、とことん病んだ女性なのですが、恐怖だけでなく同情も感じさせる辺りが、女優さんの上手さなのでしょうね。  ブリジット・フォンダ演じる主人公のアリーに対し、歪んだ形ではあるけれど、確かに愛情を抱いているのが伝わってきました。  相手を縛り付けておきながら、退屈はしないようにとテレビを付けて、リモコンも手元に置いてあげるという彼女なりの優しさ。  それが仇となって計画を狂わせてしまうのが、何とも皮肉です。  愛する相手を殺してしまったと悲しみ、別れのキスを交わすシーンも印象深かったのですが、個人的に感心させられたのが、その後のヘディの行動。  「死体」となったアニーを運ぶ姿には、先程までの悲しみなど全く窺えず、後始末しなければいけない腹立たしさゆえ、忌々しそうに死体を引きずっているように見えたのですよね。  一応、上着で顔を隠すという配慮(?)もありましたが、その後に実はアニーが生きていたと分かった際にも、喜びではなく混乱をきたしている辺りに、異常性が窺えます。  彼女なりの愛情は存在したのだろうけど、それは決して真っ当な形ではないし、報われるようなものではないのだな、と自然と納得させられるものがありました。  その後の主人公アニーの逆転劇に関しては、本来は盛り上がるところなのでしょうが……少々アクロバティック過ぎて、違和感を抱いてしまいましたね。  アクション的な見栄えの良さを重視したのかも知れませんが、別にヘディの腕っぷしが強い訳でもないはずですし、もう少し大人しめの演出でも良かったのではないかな、と思えます。  クライマックスと呼べる部分であるだけに、そこで映画の世界から現実に引き戻される気がしたのは、とても残念。  ラストシーン、たった一人で部屋の中に佇むアニーの姿からは、彼氏のサムだけでなく「友達」のヘディを失ってしまったという悲しみも感じられました。  双子の姉が死んでしまったトラウマゆえに「生きている自分が許せなかった」というヘディに対し、アニーは「死んでしまった彼女を許す」という形になっているのも興味深い。  そしてヘディと同じ道を辿らぬよう「生きている自分も許そうと思う」というアニーの独白で、物語が終わる。  綺麗に纏まった映画です。[DVD(吹替)] 6点(2016-04-17 20:24:39)(良:2票) 《改行有》

80.  スクリーム2 《ネタバレ》  作中の台詞にある通り「続編はオリジナルを超えられない」を体現しちゃってるとしか思えない仕上がり。  初代より面白い続編も色々あるのは間違い無いんですけど、残念ながら本作は該当しなかった気がしますね。  一応、良い所も幾つかあるんだけど、それらは大体「1」の時点で存在してた要素だったりするので(映画オタク的な続編論議の面白さとか)目新しさが無いんですよね。  冒頭の映画館での殺人も中々ショッキングなんですが「1」の冒頭に比べると見劣りしちゃうなって、つい思っちゃいました。  それでもあえて「2独特の魅力」を探すとすれば……前作で投げっ放しだった要素を色々拾って、決着を付けている点が挙げられそうかな?  「冤罪をかけられたコットン」が、その後どうなったか描いたり、デューイとゲイルのロマンスの続きを描いたりしてるので、観ている側としては(そうそう、そこが気になってたんだよ)って、嬉しい気持ちになれるんです。  それでいて、新たに消化不良な要素を生み出すような真似はしてないし、その辺りは「1」より綺麗な作りだったと思います。  前作で描かれた「現実」に比べると「スタブ」ではシャワーシーンが追加されてるのもニヤリとしちゃったし、作中映画の「スタブ」の使い方も上手かったですね。  「この話が映画になったら、シドニー役はトリ・スペリング」という会話が前作にて行われてましたが、それが実現している辺りも面白い。  また、今回の黒幕となる「ビリーの母親」の存在は前作の時点で示唆されてたんですが、その場面を「スタブ」で再現し、自然にヒントを与える形になってるのも良かったです。  で、悪かった点はというと……やっぱり、観終わった後にスッキリしない点が挙げられそうですね。  ラストにて、主人公シドニーを救ってくれるコットンが嫌な奴なので、どうも爽快感に欠けるんです。  しかも彼がヒーローとして祭り上げられる事を示唆して終わるもんだから、折角のハッピーエンドに水を差された形。  シドニーの新しい彼氏であるデレクは良い人だったのに、犯人と疑われつつ死んでしまったって件も、後味の悪さを倍増させてた気がします。  作中にて「ショーガール」を揶揄するような台詞がありましたが、正直これも大差無い出来栄えというか……  個人的には「ショーガール」の方が面白かったくらいなので、なんか凄く恰好悪かったですね。  やっぱり、映画の中で他の映画を否定的に語るのって、あんまり好きになれないです。[DVD(吹替)] 5点(2021-11-03 09:00:58)(良:2票) 《改行有》

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