みんなのシネマレビュー |
|
81. グリーンマイル 「ショー・シャンクの空」と同じ監督が作った映画とは思えない.テーマも今ひとつはっきりと絞れないので、歯痒い印象.CG を使ったことで安易な印象を否めない.でも、役者陣では、M. クラーク・ダンカンが好演していたと思う.(フライド・グリーン・トマトのビッグ・ジョージみたいに善良さが身体から滲み出ていた.)5点(2001-11-07 22:24:43) 82. 千と千尋の神隠し まっくろくろさんのコメントとても好きです.旧き日本と中国四千年と時代不明のヨーロッパをかき混ぜたような豪華絢爛な背景.目眩く色彩や空間の、のしかかり方がまず印象的.その中で小さくて細っこい千尋が、得体の知れない魑魅魍魎とクロスしながら生き抜いていく様が描かれる.背景の重量感が観ている者の身体にずしりと感じられるほどの迫力なのが、さすがだ.そしていやがおうにも観客は千尋になる.豆粒が主張し始めて、だんだん大きくなっていく心地よさを味わう.力作です.そして木村弓さんの唄も清冽.9点(2001-11-07 22:15:02) 83. ライフ・イズ・ビューティフル 構成がとても緻密なのですね.前半で彼がとても上質な人間であることが判ってきていて、後半へほとんど心の準備がなく突入していく.後半の親子の科白の積み上げが、愛らしく哀しく強い.この世でもっとも護り抜きたい子供を完璧にゲームの世界に引き入れること、その大目的のためだけに後半の彼が存在する.そして護りきった後、目と目で合図をして最後まで子どもを喜ばせて命をまかせる.心を打たれずにおれない.9点(2001-11-07 21:58:20) 84. ベン・ハー(1959) 当時としては大迫力だし、スケールが壮大. C. ヘストンの旬の映画でしょうね.ガレイ船をひたすら漕ぐときの彼の目が底知れず青かったことをはっきり憶えています.流れ星が落ちるところの、「ちゃちさ」には目をつぶろう.最後の騎馬シーンは、当時スクリーンで観た口としては、手に汗握る(怪我人も出そうなくらいの)ド迫力でした.8点(2001-11-02 19:15:26) 85. ペーパー・ムーン オニール父娘の絶妙な絡みが楽しくって、大好きな映画です.モノクロなのもタイトル曲もぴったりのハマリ方.T. オニールの、これでもかと繰り出す、こまっしゃくれた達者な演技には、舌を巻くのみ.おとーさんも彼女の存在があって光ってます.楽しい映画って、こういうのをいうんじゃないだろうか.10点(2001-11-02 19:03:35) 86. 華麗なるギャツビー(1974) ミア・ファーロウ(美しい!)演ずるデイジイと、彼女に惹かれてしまうギャツビーと、人が人を恋することは本当に理屈ではない(恋は盲目とはよく言ったもの)と思ってしまう映画.個人的にはデイジイのような計算高い人は「蛇蝎のごとく」嫌いですが・・・.7点(2001-11-02 18:52:12) 87. 風と共に去りぬ 大作とは思うのですが.大味なので何回も観たい映画とはいえない.が、原作に忠実な作りだったとは思います.ヴィヴィアン・リーは美しいのですが、顔に険があるし、レット・バトラーも深い演技をしていたとは思えない.ただ、南北戦争前後のアメリカ南部の様子や、黒人の扱われ方を知ることができたと思う.7点(2001-11-02 18:44:17) 88. 愚か者 傷だらけの天使 真木蔵人、いいですね.阪本監督の遊び心が感じられる箇所もあります(いやに色っぽい大家さんとか).私は坂上サンがあまり演技の冴えがなかったのが残念.最後の豊川悦司の存在感はさすがです.7点(2001-11-02 12:36:50) 89. 男と女(1966) アヌーク・エーメって、どの角度から撮っても美しい.ボサノバの香りのする主題曲は言うに及ばずほんとに綺麗.映画の中にもボサノバの巨匠の名前が出てきたりします.あまりものを考えず、ゆったり観られる映画だと思う.8点(2001-11-02 12:32:41) 90. アメリカン・ビューティー 不幸せな人間と幸せな人間が微妙な色合いで塗り分けられている.不幸の代表は、同性愛を否定することで自らを否定し続け、自分の家族もその巻き添えにし、その結果自らも幸福になれず、家族にも幸福を与えられなかった隣人の元軍人.人様の目に映るイタリアン・シルクのソファや丹精した薔薇(アメリカン・ビューティ)が生き甲斐の主人公の妻(A. ベニングいかにもの演技).対して、なんとか自分らしく生きる場を見つけようとする娘とリッキー.そして、幸福の中で死んでいった主人公.全てあり得る生き方であり、アメリカに限ったことでもないような気がする.映像的には、娘とリッキーが観るビデオの、風に舞い上がる袋とその音楽のシーンが印象に残った.スペーシーは、突出した演技でないところが、ただ者ではない感じ.9点(2001-11-02 12:24:15)(良:1票) 91. アンブレイカブル シックス・センスと比べちゃいけないと思いつつ、やはりどうしても・・・.伏線もどうでもいい感じだし(あってもなくても)、カメラの構図も凝っていたけれども・・・.5点(2001-11-02 10:27:41) 92. 愛と哀しみのボレロ 突き上げてくるような感情を覚えたのは、シモン(フォリー・ベルジュエールのピアニスト)とアンヌ(同・ヴァイオリニスト)の二人の軌跡.シモンはアンヌの目前でガス室に入れられて処刑されるが、アンヌのほんとうの哀しみは、彼女が収容所を出た後にシモンの安否を問われて、「シモン?」とつぶやいて微笑むところで、観る側に痛いほど伝わる.人は極限の哀しみの中では、決して泣けないのだと.ストーリーが同時進行するし、一人二役を演っているので、1回観ただけでは構造上の理解がむずかしいかもしれないが、音楽が洗練されている上、バレエの神髄(ジョルジュ・ドンの踊るボレロ)も観られるので、味わい深いと思う.ルルーシュ渾身の作品.9点(2001-11-02 10:21:05) 93. 愛がこわれるとき ジュリアが海岸で貝を掘っているシーンが、美しいのだが、どこか異常でもある含みを持たせてはじまる.DV の実態は意外とこのようなものじゃないかと思わせる怖さはあった.終盤はストーカー・ホラーのようになってしまって、心理的な掘り下げがストップしてしまった感があるのが残念.5点(2001-11-02 09:59:21) 94. 運命の逆転 グレン・クローズって不思議な存在感がありますね.この映画では被害者なのですが、複雑で、奥行きのあるな演技でした.閉塞感のある世界の住人の役を演ったら、ほんとに巧い.8点(2001-11-02 09:50:38) 95. 奇跡の海 「ダンサー・イン・ザ・ダーク」同様、好き嫌いの分かれる映画かと思います.主題は「善」なのでしょうが、それでは何か物足りない感が強く、「絶対愛」なのだと自分なりに解釈.そして、そこは精神病も宗教も介在できない領域なのだと思う.E. ワトソンがベスの魂が乗り移ったたような演技で(この人は目の動きなどに特有の癖があるので、ちょっと敬遠していた.)、感情移入してしまった.ラストの CG は、それまで徹底的に写実で進行してきているので、逆効果で残念.8点(2001-11-02 09:44:54) 96. ウエスト・サイド物語(1961) 主人公の N. ウッドと R. ベイマーの絡みよりもジェット団とシャーク団のあか抜けた群舞にゾクゾクきます.振り付けも音楽もダンサーの技量も素晴らしい.リタ・モレノと J. チャキリスのプエルトリコ風の(衣装がド紫)ダンスもシャープだった.N. ウッドの声の吹き替えは「マイ.フェア・レデイ」の M. ニクソンで(たしか)、可憐で透明な歌声が成功していました.全てがバーンスタインによる素晴らしい名曲で、ミュージカル映画の頂点を作り出したように思えました.9点(2001-11-01 22:47:53) 97. 海の上のピアニスト ティム・ロスの、スッコーンと抜けた青空のような、空洞のような表情がよけいな感情を廃していて、巧いなと思った.ピアノを弾くシーンがやはり圧巻で、あの演技には敬服.あそこにもっていくまでの彼の努力にも敬服.共演のP. ビンズも(瞳孔が微妙に揺れるんですね.)底抜けのいいヤツで、泣かせる.滅びの美学を毅然と見せるんだろうな、と思いつつ映画は進行していくが、「陸にあがって海を見」せたかったな、とも思う.ラストの爆発シーンは要らないと思ったので8点.8点(2001-11-01 22:24:42) 98. 裏窓(1954) 暗闇に光る煙草の火にゾクゾク.主人公が動けないというハンディを、観る者がいつのまにか体感しながら観ているので、怖さが増幅するんですね.怖がらせの天才、ヒチコック!9点(2001-10-24 21:56:20) 99. ホーホケキョ となりの山田くん 封切り前から、大丈夫かなあ?という感じはあったんですが、画期的だと聞いていてもバックが白なのはどうも居心地が悪く.違和感がありました.観終わった後、全体の印象のバラバラ感があって、頭の中でまとまらない感じでした.入院したおばあさんの友人の話で、“山頭火”を出してきたところが一番印象的だったかな.5点(2001-10-21 00:19:43) 100. おもひでぽろぽろ 時々挟まれるエピソードがいいんですね.例えば農村の風景を見ながら、一見自然にみえる風景には全て人の手が入っているんだとか、分数の掛け算にまともにぶつかっちゃうとか. ただ、宮崎作品と比べてわくわくするような華がないのですね.6点(2001-10-21 00:07:34)
|
Copyright(C) 1997-2025 JTNEWS