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プロフィール
コメント数 2251
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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1201.  首都消失 《ネタバレ》 雲の内側の描写を一切排除することで不安を煽る。たった一羽の鳩の生還に、(雲の中の人たちの生存の)希望を見出すしかない。雲の中のパニック状況という分かり易い“見せ場”の描写の放棄には勇気が必要だったと思います。しかしそれは蛮勇だった気がします。物語の主軸は外部からのレスキュー。この部分でドラマを見せないといけません。ところが、著しくリアリティを欠きました。危険な雲という設定なのに、防護マスクを付けている人が一人もいないのは解せません。まさか役者の顔を映したいから?雲を排除するための作戦もその効果の説明も不十分です。緊張感を高めるのに最も有効な“時間の制約”を使わないのももったいない。申し訳ないけど、しょぼい。非常時における人間性の描写もこの手の作品の大きな魅力のはずです。しかしこちらも芳しくありません。人間の冷酷さを描くのはいいです。自分と関係ない不幸には、人はとことん鈍感になれるもの。無責任な野次馬の数々、災害を千載一遇の商機と捉える者。ただし主人公には、そうであって欲しくありません。渡瀬には、妻と息子がいます。家族を守るために命を賭けられるのが父親。仮にそれが離婚間際の妻とコミュニケーション不足の息子であっても。技術者としての誇りと2000万人の命を救いたい気持ちは分かります。でも一人の父親としての顔を見たかったです。もう一人の主役、名取裕子のほうも似た様なもの。挿入される恋愛要素がとても軽薄に思えました。名取裕子の手に触れて渡瀬恒彦が言う「ボクは今ひどく凶暴で危険な男になっています」でズッコケました。[CS・衛星(邦画)] 2点(2011-11-29 22:25:31)

1202.  呪怨 白い老女 《ネタバレ》 驚きに感情が付帯するメカニズムを考えた場合、「笑い」と「恐怖」は実は近い関係にあることが分かります。ご指摘のレビュワー様もおられるように、物語の体裁はギャグ・コメディと酷似しています。例えば老女が手にするアイテムが“包丁”“蝋燭”“日本人形”であれば、判り易く「恐怖」サイドに寄りますし、“へちま”“カツ丼”“週刊大衆”ならば「笑い」で問題ないでしょう。匙加減一つで、ホラーにもコメディにも化ける。そういう意味では、“バスケットボール”を選択したセンスは悪く無いと感じました。とりあえず観客は戸惑います。純粋に意図が分からない。いわゆる、不条理です。『呪怨』は、この不条理を恐怖に転化することを基本様式とした作品だったと考えます。第1エピソード、「は~い。今手が放せないの。すぐ行きますから」は、条理が次第に不条理へと変化していくパターン。上手いし、怖い。ただし不条理描写に特化した結果、奥行きの無い恐怖しか生まなくなったのが『呪怨』の弱点でもありました。本作では“白い老女”の役割についてあまり考慮されていないのが難点です。単なる驚かし要員に見えてしまう。本当は違うのに。老女は孫を気に掛けていました。一度ロリコン男から少女を救っています。その思いをちゃんと観客に届けられれば、老女の登場場面に付加価値が出ます。痴呆による徘徊と見紛うのは、あまりに不憫な話。バスケットボールにしても、ロリコン男の所有物、切断した頭部のメタファー以外に、もう一つ観客の心動かす意味づけが欲しいところ。ワンランク上のホラー目指すなら、物語で観客を魅了する必要があると考えます。[DVD(邦画)] 6点(2011-11-27 19:25:02)(良:3票)

1203.  ステキな金縛り ONCE IN A BLUE MOON 《ネタバレ》 三谷幸喜といえば、やはり脚本。ストーリーの面白さを期待したワケですが、少々あてが外れました。幽霊のハーモニカ答弁、シナモンの使い方、心温まるラスト。良いシーンは随所にあります。でも一本の物語としてみると、間延びしているような。お話の密度が薄いのです。ただし、つまらなかったワケではありません。豪華俳優陣の見事な演技は堪能できました。喜劇俳優、西田の面白さは鉄板。深津のハツラツさは高感度抜群。中井は文句なく上手かった。端役に至るまで有名俳優をそろえ、お得感は満点です。劇場スクリーンを前にした2時間半、楽しい時間を過ごせました。どんな手法、かたちであれ、楽しめればそれでOK。自分的にはアリです。ただし、新作映画とはいえ本作を「三谷幸喜最高傑作」と呼ぶのはちょっと寂しい気がします。次回作は本物の傑作を、脚本家三谷幸喜の本領発揮を期待します。[映画館(邦画)] 6点(2011-11-24 21:51:49)

1204.  案山子男(OV) 《ネタバレ》 さて質問です。本作は、本当にジ・アルバトロス品質の“トホホ映画”という認識で問題ないのでしょうか…?  「不気味な案山子」「トウモロコシ畑」「深刻なイジメ」「役名ジュディの豊満過ぎるエロバディ」「親子不和」「役名ジュディの豊満過ぎるエロバディ」と、数多くのキーワードが浮かんでくる本作。物語を読み解く上での鍵は、「役「トウモロコシ畑」であると考えます。劇中最多の(数えていないが)1069シーン(トウモロコシーン)に登場した玉蜀黍。「とんがりコーン」と「ブラザーコーン」以外のトウモロコシを知らない自分は、まずウィキでトウモロコシを調べてみました。みんな大好き甘味種(スイートコーン)に、ポップコーンに使う爆裂種。家畜用飼料の馬歯種、硬粒種。ワックスのような糯種(何って読むんだ)。子実が軟質澱粉により形成されている(何のこっちゃ)軟粒種。その他ポッドコーンやジャイアントコーン。沢山あります。勉強になりますね。ところが、本作で案山子男が手にする“殺人凶器種”は何処にも載っていないのです!念のため広辞○、現代用語の基礎知○、生活笑百○も調べたのですが、やはり無い!!これはもう遺伝子操作の新品種としか考えられません。おそらく軍事目的に開発されたのでしょう。アメージング!制作年当時であれば最新のテクノロジー。ズバリ本作は、軍事マーケット用の兵器プロモーションビデオであると推測します。なるほどトウモロコシを手にした案山子男が無敵なわけだ。こんなレアなブツを買い付けてくるなんて、アルバトロス恐るべし! ちなみに冒頭の質問の答えは「問題ない」で問題ないです。[DVD(吹替)] 3点(2011-11-23 00:19:17)

1205.  その男は、静かな隣人 《ネタバレ》 (ネタバレあります。ご注意ください。)  床に落ちた銃弾を拾う主人公を同僚が探す場面が2度ある事から、その間の出来事は主人公の妄想と見て取れます。つまり一躍ヒーローになった事件や出世、女副社長との恋愛等、物語の大部分は現実では起きていません。彼が撃ち殺した銃撃犯は、彼自身の願望が作り出した幻だと思います。ただ気になるのは、前述のシーンが全く同じではないこと。主人公の服装やクリスマスデコレーションに差異がある。これをどう捉えるか。病んだ心は、自分を殊更惨めに、そして他人を幸福に見せてしまうもの。彼の瞳には、有りもしないクリスマスの飾りが映っていたのではないか。“クズどもがクリスマス気分で浮かれやがって”。ここで重要なのは現実か否かではなく、彼に見えているかどうか。それは彼の“体験”にも言えることです。単なる妄想で片付けられない。恋愛の日々は彼の心を癒しました。たとえ空想の中であったとしても、彼を変えました。だから同じ場面でも、1度目と2度目は同じじゃありません。その結果、愛する彼女を含む5人に命中するはずの銃弾は、放たれずに済みました。これは避けられぬ悲劇における救いです。彼にとってのクリスマスキャロルだった気がします。彼女の笑顔が言わば精霊。でも、彼自身に向けた引き金までは止められませんでした。空想は薬になります。上手く使えば、自分を救う手助けをしてくれます。でも効果があるのは軽症のうち。すでに彼の心は瀕死の状態にあったのでしょう。心が流している血に本人は気付けないもの。  そのシャツの染み、本当にケチャップですか?[DVD(字幕)] 6点(2011-11-23 00:09:58)

1206.  スマグラー おまえの未来を運べ 《ネタバレ》 シネコンにて。2時間待って『ミッション:8ミニッツ』か、すぐに観られる本作かで迷いました。決め手となったのは、『闇金ウシジマくん』と同じ原作者であると知ったから。本原作は未読ですが真鍋氏の描く裏社会なら面白いだろうなと。事実面白かったのですが、予想とは少し違いました。『ウシジマくん』が物語のリアリティで勝負する作品なら、本作はバイオレンス描写の迫力がウリ。刺激的な暴力シーンの数々に面食らいました。『カイジ』と同じようなノリで、予備知識なく劇場へ足を運んだ方はお気の毒です。特に主人公を拷問する場面。直接的な暴力描写は回避しているものの、拷問の手法が具体的なので想像だけで十分にキツい。思わず目を背けました。地上波ゴールデン枠での放送はまず無理でしょう。破天荒な設定と展開、ハードでリアルな描写に終始惹きつけられましたが、ラストが頂けません。今までの妻夫木の熱演が茶番になってしまう適当さ。せめて足くらい引きずらなくては。後味の良さを考慮したものと思われますが、いらぬ気遣いです。妻夫木、永瀬、安藤、満島ら優秀な俳優を数多く集めた本作。真に迫る演技を皆披露してくれましたが、一番印象に残ったのはやはり高島兄。もうノリノリで“イっちゃて”くれました。役者として一皮も二皮も剥けたというか、剥け過ぎて骨まで見えてる大怪我というか、とにかく凄かったです。見直したよ、ブラザー。芸能界の良心「高嶋ファミリー」的に大丈夫なのか、ちょっと心配ですが。[映画館(邦画)] 7点(2011-11-21 18:23:07)

1207.  アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事! 《ネタバレ》 ド派手なカーチェイスとポリス映画お馴染みの“イカした台詞(言い回し)”で、まずツカミはOK。“主役”刑事の見事な死に様に大爆笑し、これは自分好みのコメディだと確信しました。(ちなみに、イケてる刑事の最期は個人的に大変ツボでして、コメディタッチの刑事ドラマの最終回は、すべからくこれを採用して欲しいとさえ思いました。宙に舞うタカとユウジ。最高じゃん…)バカ過ぎる展開としょーもない小ネタの数々、これぞアメリカンコメディ。爆発炎上シーンも欠かせません。主役の脇役2人が、最後まで脇役(アザー・ガイズ)であり続けた一貫性も良かったと思いました。ただし、エンドロールには疑問符が付きます。意図は理解できるものの、ここに来てのインテリ臭は不要です。バカ映画の価値が下がってしまいます。バカはとことんバカであってこそ輝く。このあたりは『みんな~やってるか!』の精神を見習って欲しいと思いました。[映画館(字幕)] 7点(2011-11-18 18:54:46)

1208.  神様ヘルプ! 《ネタバレ》 今更なのですが、自分はジロリアンです。ラーメンじゃなく俳優の方の。佐藤二朗。アクが強すぎてキャスティングバランスを崩してしまう劇薬俳優ですが、ハマったときの爆発力は他に類を見ません。本作ではプチ爆発といったところですが、これくらいで十分面白い。基本設定はシリアスなので、ジローでコメディテイストを付加するのは戦略としてアリだと思いました。トリックのネタはミステリー映画好きなら、もはやお馴染みと言っていい例のヤツ。1回目の鑑賞よりも2回目の検証の方が面白いかもしれません。ちゃんと整合性が取れていて良かったと思います。タイトルは『神様ヘルプ!』というよりは『学園天国!』かも。[DVD(邦画)] 6点(2011-11-15 18:48:47)

1209.  矢島美容室 THE MOVIE ~夢をつかまネバダ~ 《ネタバレ》 『とんねるずのみなさんのおかげでした』発音楽ユニット『矢島美容室』は、蒸発した父を探しに母娘が米ネバダ州から日本にやって来たという設定。本作はその前日談となる、言わばエピソードゼロです。もっとも、そんな設定など知らなくても鑑賞に何ら問題ありません。自分も最後まで観て、そういえばそんな設定だったと思い出した程度。久しぶりに目にしたとんねるずのコントが懐かしく、ミュージカルが意外なほど真面目に作られていた事に驚きました。完成度は妙に高い。観て損は無いと思いますが、得も無いのはご愛嬌。驚くべきは、世界観に完全マッチしていた黒木メイサと、水谷豊の無駄遣い。[CS・衛星(邦画)] 6点(2011-11-12 21:42:41)(良:1票)

1210.  七瀬ふたたび 《ネタバレ》 原作小説は昭和50年刊行。NHKドラマ版の主演は多岐川裕美。超能力の概念及び作品世界観は、不惑手前の自分にとっては懐かしいと感じられるものでした。少年少女向け小説の香り。好きです。物語のポイントは、藤子の能力であるタイムトラベル。“やり直し”の是非です。藤子は言います。過去に戻ったとしても、起きた悲劇が無くなる訳じゃない。パラレルワールドが生まれるだけだと。七瀬もその事に同意します。だからこそラスト、困難に立ち向かうために再び北海道の地へ赴くことを決めるのです。でもこの決意に感動はありません。何故なら、今後もあの中の誰かが死ねば、彼女たちは過去へ飛ぶ選択をするはずだからです。きっと何度でも。リセットは禁断の果実。一度口にしたら止められない。七瀬たちは不幸を回避する魔法を手にした代わりに、時空を彷徨う罰を与えられました。彼女たちは“もう何処にも辿り着けない”。虚しさだけが残ります。これは逆説的に言えば、やり直しが効かない人生に対する賛歌でもあると考えます。原作未読ゆえ配役に対する注文は特にありませんが、芦名のテレパスは雰囲気が出ていて良かったと思います。サトエリはちょっと見ない間に随分上手くなりました。もうちゃんと女優さんですね。『キューティーハニー』の頃が懐かしいです。[DVD(邦画)] 6点(2011-11-09 20:55:15)(良:1票)

1211.  ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲 《ネタバレ》 もはやゼブラクイーンのための映画。ただし仲里依紗では申し訳ないけど物足りないです。もちろんエロかったし、十分頑張っていたとも思いますが、彩度の低い画の中では視覚的に埋もれてしまいます。顔立ち、バディともに、田中直樹の台詞を借りるならもっと“エゲつない”個性が欲しい。例えば小向美奈子あたりはどうか。話題性十分。エロさ十二分。ボンレス度百二十分。どうです?小向ZQ。いや、そういうのが観たいのなら『花と蛇3』を観ればいいのか。自分は観ませんが。嘘ですが。ギャグというよりは悪ふざけが目立った本作。ストップエイズの件は遣り過ぎでした。というより、融合ならばスキンは使わないでしょうに、と真面目に思います。田中の役どころは、1作目の主人公そのもの。でもあまりに扱いが悪すぎて、ちょっと可哀想でした。[CS・衛星(邦画)] 4点(2011-11-06 20:18:46)

1212.  教祖誕生 《ネタバレ》 原作ビートたけし。出演ビートたけし。強烈な“たけし色”を放つ作品ではあるものの、北野武監督作品とはまた赴きが異なるのが面白いです。準主役というオイシイ役どころの芸人たけしが、小悪党を嬉々として演じています。世間で言うところの“チョイワル”とは違う意味の“ちょっと悪い奴”がたけしは好きなのでしょう。下手を打ち教団を追われ、素寒貧で腐れ縁の偽教祖と出直し。そんな情けなさが、愛おしいのでは。たけしが小悪党だとすれば、岸部は中悪党。でもそれを上回るのが教祖様。この世の中で最強なのは、勘違いした馬鹿ということです。納得。世に数多実在する新興宗教団体の実態のほどは知りませんが、このような教団も存在するのではないかと思わせるリアリティが素敵です。[DVD(邦画)] 7点(2011-10-28 19:50:51)(良:1票)

1213.  THEM ゼム(2006) 《ネタバレ》 プロットは至極単純。オチも分かってしまえば、大したことありません。けれどこれだけ恐がらせてもらえるとは、ハッキリ言って驚きです。身を硬くして画面を見入りました。監督の手腕は確かだと思います。現代人の性質を熟知しています。暗闇、物音、気配…普段疎かにしている感覚を研ぎ澄ませました。恐怖の源が分からないのは確かに怖いことです。けれど本当に恐れるべきは、勇気を持たないことだと知りました。敵の正体を見極める勇気、立ち向かう勇気。もしこの夫婦が勝手知ったる我が家を砦に、地の利を活かし冷静に相手と対峙していたら、結末は全く違うものになっていたことでしょう。相手の正体判明後のこと。慈悲を乞う眼下の敵に、持ち上げた瓦礫を落とせない女。教師としては正しい。大人としては正しい。でも生き物としては間違っていたと言わざるを得ない。ここは修羅場。相手を殺さないまでも、一撃は加えなくては。逃げても構いません。しかし、戦う意思だけは最後まで捨ててはいけないのだと思いました。権利というよりは、もはや生を望む者の義務として。そういう意味では、2人が助からなかった結末は、摂理だと感じます。救いは無く、後味は最悪。ゆえに反発を覚える方も多いかと思いますが、そこはひとまず置いておいて、純粋に恐怖を味わっていただきたいと思います。自分が主人公ならどうするか、と自身に問いかけてみてください。ちなみに「実話」との触れ込みですが、物語冒頭でアナウンスするのは勿体無い。エンディングで明かす方が、より衝撃度は増したと思います。[DVD(字幕)] 8点(2011-10-25 22:25:30)

1214.  死霊のはらわたII 《ネタバレ》 『死霊のはらわた』のセルフリメイクだと思うのですが、続編の『キャプテンスーパーマーケット』と併せた新規2部作と捉えるほうがしっくり来ます。それなりに纏まりのあった前作と比較すると、本作はしっちゃかめっちゃか。ほとんど物語の体裁を成していません。でもその分ディテールは凝りに凝ってます。切り落とした自分の手との戦いとか、チェーンソー装着とか、監督ノリノリです。嬉しそうな顔が見えるよう。[DVD(字幕)] 6点(2011-10-22 19:57:44)

1215.  秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE3 ~http://鷹の爪.jp は永遠に~ 「俺たちは後世に残る名曲に興味はない。楽曲は使い捨てで結構」とは電気グルーヴの言葉(違ってたらゴメンナサイ)。自分はこの考えが好きです。鮨屋の心意気。この握り、今はご馳走だけど明日になったら生ごみよ。そんな潔さに痺れます。本来「笑い」(電気の場合は音楽だけど)の真髄は即時性にこそ在る。ですから、ギャグ漫画が短命なのも、お笑い芸人に一発屋が多いのも当たり前。時代は移ろうのだから。『鷹の爪』からは、廃れることを恐れない覚悟を感じる。徹底した話題づくり、劇中コマーシャルの浅ましさ。足の早い「もう中学生」ネタなんて、日持ちを考えたら使えない。刹那の笑いに全力を注ぐ姿は、愚地克巳VS花山薫、あるいはアイアン・マイケルVS柴千春を彷彿とさせます(byグラップラー刃牙)。凄まじくカッコイイ。たとえ数年後、本作が世間から忘れ去られたとしても、今この瞬間、心動かされた事実は決して消えません。それで十分なのです。本作は100%名作には成りえません。でも後世の人々を惑わす珍作にはなるかもしれない。生ゴミだって化石になればお宝です。ですから、遥か未来の人類に向けて、この映画を理解するためのヒントを残しておきたいと思います。★ジョン・ジョローリン…FOXドラマ『24』ジャック・バウワーのパロディ。★もう中学生…本当はもう大人。ダンボール業。★ばんどうえいじ…ゆで卵を主食とし、忘れた頃に野球の話をする。天敵はクロヤナギ。★ドウマリコ…堂真理子。テレ朝の女子アナ。8代目Mステ。右投げ右打ち。★スーザン・ボイル…歌の上手いおばさん。茹でられてはいない。★オババ大統領…オリジナルはオバマ。アメリカのジャイアン。アメリカは世界のジャイアン。[DVD(邦画)] 8点(2011-10-17 21:30:27)(良:2票)

1216.  シーサイドモーテル 《ネタバレ》 良い演者を揃えているため、それなりに観られる作品に仕上がってはいますが、この脚本は戴けません。全くと言っていいほど仕事をしていません。コメディにそぐわない痛々しい描写や、アクシデント(交通事故)という作話上の“禁じ手”を2回も使うセンスを疑います。雰囲気は悪くありませんが、雰囲気だけではダメです。このような邦画が増えると本当に困ります。[DVD(邦画)] 3点(2011-10-13 19:48:31)(良:1票)

1217.  カラフル(2010) 《ネタバレ》 『ドラえもん』『クレヨンしんちゃん』等の演出、監督で高い評価を得てきた原恵一監督。完成されたパッケージを離れて挑んだオリジナル作品『河童のクゥと夏休み』は、“原恵一とは何者か”が垣間見える映画ではありましたが、一作品としての完成度は十分なものではなかったと考えます。そこで本作。原作本はあるそうですが、冒頭に上げたシリーズ作品と比べれば制約は無いに等しい。“原恵一色”がどれほど出せるものか、興味を持って拝見しました。まず気付いたのは、作画部分が改善されたこと。アクの薄いキャラクターデザインという点では変わらないものの、洗練された印象を受けました。また、『クゥ』ではある種の苦味として認知されたリアルな描写(例:血飛沫など)が、本作では物語と遊離することなく表現出来ていたように思います。感心したのは真がひろかをラブホから連れ去る場面。2人が息つくまで、実に20回近くカットを割ります。それは長い。しつこい程に。でも、この長さは主人公が現実から逃げた距離。ちゃんと意味があります。そしてこれが原映画のリズム。“原恵一アニメのかたち”を本作でしっかりと打ち出せたことは、素晴らしいと思います。メインキャストに非声優を起用しながらも、違和感なく仕上げたキャスティングセンスも評価させてください。みんなオカシクて当たり前。いろんな自分が居ていいんだ。自身を肯定することが、生きる力になる。良い映画でした。[CS・衛星(邦画)] 8点(2011-10-10 21:26:01)(良:2票)

1218.  パーフェクト・ゲッタウェイ 《ネタバレ》 空撮を多用し、ハワイの素晴らしいロケーションを存分に披露してくれます。忘れ物を届けてくれる島民の善良さ、電話一本でポリスが飛んでくる防犯面の素晴らしさ。まるで観光プロモーションビデオ。実際「行ってみたい!」と思えたので、この面では成功していると思われます。人生最良の時、ハネムーン。旅の開放感と幸福感の中、忍び寄る黒い影。コンセプトが明確なので観客もノリ易いです。ただミステリーとして出来はイマイチでした。容疑者の数が少ないオマケに、如何にも怪しげなキャラクター設定。サスペンス慣れした観客にとって、このどんでん返しは想定の範囲内。むしろ主役交代劇の方が面白いと感じました。善悪、敵味方、主役脇役が裏返る爽快さ。指輪のエピソード一つ挟むだけで、一気に観客とカップルの距離が縮まります。人物の背景を描くことの重要性がよく分かる。折角掴んだアドバンテージを安易に放棄して、窮地に陥るサスペンス映画の“あるある”は頂けませんが、きっちりハッピーエンドに纏めたので良しとしましょう。死なない男と肉屋のお姉ちゃん、お幸せに。[DVD(吹替)] 5点(2011-10-07 18:47:17)

1219.  監督・ばんざい! 前作『TAKESHIS’』が今までの監督人生の集大成とするなら、本作は人間、北野武の原点回帰。氏の本質、アイデンティティは、“芸人ビートたけし”なのだと思います。爆発オチなんかお笑いウルトラクイズと同じ。世界的な映画監督、大御所タレント、文化人、コメンテーター。どんな呼ばれ方をしようとも、結局オイラはおいら。ペンキ屋の小倅がたまたま芸人として売れただけ。大した才能なんか持ち合わせちゃいねえよ。そんな心の声が聴こえるよう。ただ、それなら『みんな~やってるか!2』でも良かった。あえて小津作品やALWAYSを揶揄するようなパロディにしたのは、映画関係者及びファンから非難されたいが為ではないかと。巨匠扱いは御免。もう一度、お笑い芸人タケちゃんの軽いスタンスで映画を撮りたい。その前フリとして、世間が持っている監督イメージの破壊を狙ったものと想像します。だからツマラなくて正解。コケて本望な気がする。『監督ばんざい』は、もうお手上げということ。そう考えると、たけし“らしい”と思います。爆発炎上でさら地となった大地に、今度はどんな花を咲かせてくれるのか。今から楽しみです。[DVD(邦画)] 5点(2011-10-06 22:49:54)(良:2票)

1220.  [リミット] 《ネタバレ》 「黒先黒生き」という形式の詰め碁問題があります。これは「指し手は先手(黒番)で、この局面で生き残ってください」というもの。本作もそういう趣向の映画かと思っていました。が、違いました。本作は「黒先白死」。それも主人公は先手番ではなく後手の白番。死ぬ事が前提なのです。通常の対局であれば、負けを自覚した時点で投了するのが潔いのですが、本当に命が懸かっているのなら、そうはいかない。命が取られるその瞬間まで足掻きます。相手がミスするかも知れませんし。しかし残念ながら“持ち時間”も“手筋”も、少な過ぎでした。あの結末で仕方が無い。主人公は頑張った方です。ただ、自分はやっぱり「黒先黒生き」の問題を解いてみたいです。そうじゃなきゃ、虚しい。[CS・衛星(字幕)] 5点(2011-10-01 19:28:56)(良:1票)

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