みんなのシネマレビュー |
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1261. 炎のランナー うわっ、皆さん(特に最近の)評価手厳しい・・・。ヴァンゲリスのあのテーマ曲、その後あまりにいろんな場所で使われ過ぎちゃったのが、今となってはこの映画自体の価値を貶めているんじゃないかって、少々残念な気がします。怠け者で自堕落な自分には到底真似出来ない彼らの信念の強さに思わず背筋を伸ばし、襟を正したくなるような端正な映画です。毎月購読してた「ロードショー」の読者評がオール100点だったの思い出すなあ・・・。(追記)たまたま昨日BSにて放映してたんで、久しぶりに鑑賞。実は、ここ最近何を観ても「感動する」機会がめっきり減ってしまい、このままだとそろそろこのレビューも引退せにゃあかんのかなあ・・・って思ってたんです。でも公開時や、ひたすら学校のグラウンドで走り続けていた大学時代に再見した時と同じ感動を時の流れにも全く色褪せず、この映画は呼び覚まさせてくれました。まだまだこれからも映画とは長く付き合っていきたいですね。格上げして10点にします。[映画館(字幕)] 10点(2005-01-02 23:54:18)(良:1票) 1262. セルロイド・クローゼット ドキュメンタリーとしても興味深いが、クラシック映画ファンにとっては話には聞いた事あるけど・・・程度でなかなか観る機会に恵まれない映画史上の名作、大作、野心作の名シーンが続々と登場して来るので正に垂涎ものの作品となっている。特に貴重なのは「噂の二人」(ウィリアム・ワイラー監督)で潜在的レズビアンを演じたシャーリー・マクレーンの作品に対する冷静かつ客観的なコメント、「フィラデルフィア」(ジョナサン・デミ監督)エイズに冒されたゲイの弁護士を演じたトム・ハンクスの同性愛に関する自身の率直な意見。「去年の夏突然に」(ジョセフ・L・マンキウィッツ監督)のクライマックスゲイ惨殺シーンに「フランケンシュタインの逆襲」のフランケンシュタイン(怪物)殺害シーンをなぞらせた演出には瞠目。収録シーンの中には、正直同性愛映画カテゴリーに当てはめるには強引というか少々こじつけに思われ、抵抗を感じさせる部分もあるけど、とにかく自分は豊富な映像資料に圧倒されました。個人的にはドリス・デイの「シークレット・ラブ」をフルコーラスで聴けたのが嬉しかったです。 収録作品一部「つばさ」「クリスチナ女王」「レベッカ」「マルタの鷹」「赤い河」「ロープ」「情熱の狂想曲」「カラミティ・ジェーン」「大砂塵」「理由なき反抗」「紳士は金髪がお好き」「熱いトタン屋根の猫」「お茶と同情」「夜を楽しく」「恋人よ帰れ」「ベン・ハー」「野望の系列」「スパルタカス」「お熱いのがお好き」「明日に向かって撃て!」「真夜中のパーティ」「バニシングポイント」「日曜日は別れの時」「キャバレー」「サンダーボルト」「クルージング」「ハンガー」「カラーパープル」「テルマ&ルイーズ」「トーチソング・トリロジー」「氷の微笑」「マイ・プライベート・アイダホ」「フライド・グリーン・トマト」等々。 9点(2004-12-31 21:10:15)《改行有》 1263. 点と線 主役の刑事が正義派一点張りで人間的魅力に欠けるのが難点だが、松本清張のベストセラー小説を実にわかりやすくコンパクトに映像化してるのでこれはこれで面白かったです。高峰三枝子とばあや以外の女性陣が馴染みがないせいか当時のメイクアップのせいか、皆同じに見えて困りました。ドラマ「黒革の手帳」が面白かったという方、この作品も含め「顔」「ゼロの焦点」「疑惑」「張込み」あたりの映画の秀作も是非!(中には駄作もあるんで要注意)7点(2004-12-31 19:16:22) 1264. マイ・ボディガード(2004) 《ネタバレ》 デンゼル・ワシントン、ダコタ・ファニング、母親役の女優、音楽、全て良し。ストーリーも途中からの緊迫感は水準以上。なってないのは邦題と相変わらずの独りよがり映像耽美派トニー・スコットの監督っぷり。それでも同じダコタ誘拐ものの「コール」よりは数段面白い。ラスト、ワシントンはああなるしかないよなって途中でわかってはいたが、やっぱ「ミスティック・リバー」然り、アメリカ映画じゃ「眼には眼を」的しか復讐の解決方法はないのかと空しくなった。ウォーケンは後半もう少し見せ場があっても良かったのでは。ミッキー・ロークは・・・、哀れをとどめるばかり。[映画館(字幕)] 6点(2004-12-31 18:25:40) 1265. 僕の彼女を紹介します 後半あたりから最近の韓国映画や韓流ドラマ最大の悪しき慣習がモロに露呈。他人やテメーの、親からもらった大切な命粗末に扱うんじゃない!俺がこの映画と監督に言いたいのはそれだけ。天気雨に打たれてはしゃぐシーンあたりまでは今年の中で傑作の予感がしてたんで怒り倍増。 3点(2004-12-26 22:36:57)(良:2票) 《改行有》 1266. バージニア・ウルフなんかこわくない 主要人物4人ろくにツマミも食べず、何時間もジンのストレートをガブガブ飲み続け。これはもう、基本的に我々日本人の胃や肝臓とは強靭さやスタミナが違うと思われる。だからこそ泥沼状態の結婚にも長期間耐えられるわけで。ダーティワードの連発で公開当時はセンセーションを起こした作品らしいが、刺激に慣れすぎた今の観客にとってはどうって事もない。引きの構図が多い中、時たまサンディ・デニスの吐きそうになった表情とか、バートンのキレた瞬間の顔の大写しが挿入されるのが観ていて異常に怖い。エリザベス・テイラーはいつもの、聴きようによってはかなり耳障りな声質を極力押さえ、役作りに相当苦心したであろう跡が窺える。「バターフィールド8」はともかくこの作品での受賞なら大いに納得。ところで冒頭の会話にあったべティ・デイヴィスとジョセフ・コットン主演の映画のタイトルって何なんですか?(追記)かーすけ様、いつもフォローありがとうございます!8点(2004-12-24 18:01:45) 1267. バターフィールド8 女房の留守中モーテル代を浮かそうと、自宅にコールガールを呼んでコトに及んだ男のセコさが全ての事件の元凶。テメエ勝手な男の思考回路にイライラしまくり、かといってヒロインにも同情出来ない困った映画。自分もアカデミー賞はこの映画より「愛情の花咲く樹」か「熱いトタン屋根の猫」あたりでの演技のほうがふさわしかったように思う。リズの顎あたりの弛みが気になりだしたのはこの映画から。5点(2004-12-23 14:01:39) 1268. 阿修羅のごとく これはストーリー云々ではなく、旬の役者たちの演技のアンサンブルを愉しむべき映画。大竹しのぶや桃井かおりの巧さは当然として、40代代表小顔クイーン黒木瞳との2ショットに果敢に挑んだ木村佳乃の意外な好演と勇気に百万点。この二人が対峙するシーンはこの映画最大のサスペンスとスペクタクルだ!7点(2004-12-23 13:11:26)(笑:1票) 1269. 緑園の天使 言うまでもなくエリザベス・テイラーの子役時代の代表作。まず「ナショナル・ベルベッド」を「緑園の天使」とした邦題が秀逸。最近の「シー・ビスケット」等の競馬映画を見慣れた眼にはクライマックスのレースシーンは多少かったるく映るかもしれないが、クラレンス・ブラウン監督は極力ごまかしのない正攻法で折り目正しく描いているので好感が持てる。テイラー自身、自分のお気に入り作品を「バージニア・ウルフ」とこの映画を挙げている(何という両極端!)のにも観たら納得。歯列矯正器を親の目を盗んで、すきあらば外そうとするベルベット・ブラウンという少女は正に当時の、早く大人になりたくて精一杯背伸びをしていた彼女自身そのものであったろう。後に「クリスタル殺人事件」で犯人役として対決するアンジェラ・ランズベリーとは、既にこの映画で姉妹として共演してたんですね。「総天然色」映画という呼称がぴったりくるファミリーピクチャーの佳作! 7点(2004-12-15 16:33:34)《改行有》 1270. 奇跡の人(1962) 姫川亜弓の「雷に打たれたかような」、北島マヤの「はじけた風船のような」(炎のエチュード編参照)ウォーター演技の方が凄いと思ったけど(漫画と比べてどうする)いやあ直球勝負ド真ん中、ストレートに感動しましたよ、これ。腹違いのお兄さんの一歩退いた冷めた態度に自分は共感しました。 [DVD(字幕)] 8点(2004-12-15 10:10:43)《改行有》 1271. 家族ゲーム 俺ね、これ初めてテレビ放映されたバージョン(クライマックスのシーンを丸々カット した事で物議をかもした)しか観てないんですよ。それでもかなり面白かった記憶があります、この映画。友達の部屋に遊びに行ったら、エレベーターからエレベーターへ乗り継ぎとかあったり、近所の奥さん(戸川純)がもし葬式になったらマンションのドアは棺桶が出せないからどうしたらいいんだって由紀さおりに訴えるシーンとか、何か奇妙な感じがして。森田監督の都会的感覚の良い部分がうまく出てましたね。6点(2004-12-11 16:06:32)《改行有》 1272. シカゴ(2002) 何を隠そうミュージカル初体験は手塚治虫のアニメ「ワンサくん」だった自分、歌って踊ってワクワク出来るこの手の映画は理屈抜きで好き。「シカゴ」が画期的だったのは、ストーリーとミュージカルの境目部分でどうしても生じてしまう違和感を物の見事に払拭した点。2点減点分はオープニングシーンを見る限りじゃレニーとキャサリンのWヒロインでも全然おかしくなかったのに、レニーを賞レースの主演女優、キャサリンを助演女優の枠に収めたいが為に、意図的にキャサリンのシーンを削ったとおぼしき製作者側の小賢しい作為が見え透いてしまったせい。 8点(2004-12-11 15:55:42)《改行有》 1273. モーターサイクル・ダイアリーズ いい映画でした。ロードムーヴィーとしても青春映画としても。ただ自分は映画を観て感動したというより、「世界ウルルン滞在記」を見てて、不覚にも泣いてしまった時の気持ちと似てるんですよね。これはどういう事なのか、まだ自分の中で咀嚼しきれずにいます。7点(2004-12-10 19:17:03) 1274. 哀愁 ヴィヴィアン・リーの伝記を読むと「風と共に去りぬ」は当然としても「欲望という名の電車」などに比べ、この作品についての言及があまりに少ないのには驚かされる。おそらくアメリカじゃこの映画はあまり高い評価を得ていないのが原因かとは思うが、それにしてもなあ・・・。公開当時「人工甘味料の甘さではなく白砂糖の甘さ」と評した方がいたそうだが正に言い得て妙、俺も同感です。だとすれば馬鹿デカいだけの、ただただ大味なケーキを好むアメリカ人より、繊細な味を好む日本人の方がこの映画に関しては正当な評価を与えているんじゃないかって自分は思ってしまうわけです。9点(2004-12-10 18:40:22)(良:1票) 1275. 野菊の墓(1981) 皮肉なモンですね、出演したご本人が自分の過去のフィルモグラフィーから抹消したいであろう映画が作品としての評価は一番高いとは・・・。しかし自分がここで褒め称えたいのはこれが監督デビュー作となった澤井信一郎監督の職人的手腕である。当時の松田聖子の凄まじい人気を考えると、どんないい加減な駄作を作ったとしても一応はヒットしたとは思うが、単なるアイドル映画に貶める事なく映画の文法をきちんと踏まえた正統派の演出は素晴しいと思います。澤井監督の今現在に至るまでのご活躍も、これを見ればうなずけます。もう亡くなってずいぶん経つけど、明治生まれの俺のばあちゃんもこれ見て泣いてました。それ以来松田聖子がテレビに出るたんびに「あの民さんがねえ・・・」とニコニコ笑って応援してましたもん。彼女がその後スキャンダル等に巻き込まれる姿を見る事無くばあちゃんは天寿をまっとうして逝きましたが、それはそれでよかったのかなあ・・・なんて考えてしまいます。(追記)澤井監督の演出術の本が出ましたよね。この作品や「Wの悲劇」等を高く評価してる自分は非常に(立ち読みですが)興味深く拝見させて頂きました。[地上波(邦画)] 8点(2004-12-04 14:03:46)(良:5票) 1276. ティファニーで朝食を 槇原敬之の「どうしようもない僕に天使が降りてきた」を初めて聴いた時、この映画の ワンシーンが脳裏をよぎりました。「トルーマン・カポーティ原作」ティファニーで朝食をとして観ちゃうと、何かとイチャモン付けられそうだけど、オードリーの「ティファニーで朝食を」として観る分にはそれなりの作品になってますよね。でも皆さん、ヒロインの職業がコールガールだってこの映画を観ててわかりました?俺にゃ彼女が何を生業にして生きてる女性なのか、何回観ても実体が掴めないんだけどなあ。そこらへんが奥歯に物がはさまってる感じで、何となくもどかしくなってしまう映画ではあります。7点(2004-11-24 19:42:39)《改行有》 1277. 風と共に去りぬ まず原作の大長編は自分の生涯の愛読書、津雲むつみ氏の漫画版も名作、そして映画はスカーレット・オハラにヴィヴィアン・リーという適役を得た事で、永遠の生命を保つ事となった。唯一の汚点は完全無欠のこの名作にいらん続編などを作ってしまった事かもしれない。恥ずかしながらガキの頃、俺はあの淡緑色のふわふわした衣装を一度は着てみたいとマジで思ってました。[映画館(字幕)] 9点(2004-11-24 16:28:55) 1278. コレリ大尉のマンドリン 映画館で観たはずなんだけど結末とか忘れちゃったなあ・・・。映画のコマーシャルで黒柳徹子が「泣いた、泣いたわ・・・おすぎに薦められてみたけど」とか言ってるの聞いて、徹子サンのノーメイク顔を思わず想像してしまったのは俺だけですか?5点(2004-11-19 16:12:51) 1279. ゴシカ 展開読めすぎ。およそ鈍感な俺ですら真相途中でわかっちゃったもん。4点(2004-11-19 12:52:49) 1280. 野性の証明 「男は誰も皆 無口な戦士 笑って死ねる人生 それさえあればいい・・・」今になってみて、この主題歌なかなか良かったんだって思えるようになりましたね。実家の近くに自衛隊の駐屯地があったんだけど、これ観た後はしばらく「こん中じゃ、人の腕とか首切り落とす訓練してんだ」って怖くて近寄れなかった記憶が有ります。でもよくこの内容で防衛庁長官からクレーム出なかったよなあ。5点(2004-11-18 15:47:31)
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