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プロフィール
コメント数 1617
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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1281.  屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ 《ネタバレ》 『ハウス・ジャック・ビルト』も極めて醜悪な作品だったが、それでもあちらは随所に一種のスタイリッシュさや女優の美しさ等の「虚飾」を纏っていたのに対し、本作ではそういう取り繕った要素はほぼ完全に徹底的に排除され、本当にひたすらに醜悪で、そして混沌と老醜・汚穢・悪臭に満ち満ちた作品となっている。何つーか、主演男優に限らず登場人物の大半に、人間性(は少し言い過ぎかもだが)・理性とか衛生観念であるとかを全く感じられないとでも言おうか。 フリッツ・ホンカは(本作での描かれ方も、また実際の殺人者としても)典型的な「無秩序型」のシリアルキラーで、その衝動的な殺人動機の根本的な部分は満たされない過剰な性欲、およびアルコール依存に依拠するものであり、真に精神異常系の殺人者とまで言えるかどうかは微妙かと思う(頭が足りないのと精神を病んでいるのは全く違うのだし)。しかしそれでもやはり、あれほどまでに衝動的に「女だったら何でもいい」的に行動するホンカの有様、そしてそんなホンカにヒョイヒョイついていく婆さん娼婦達も含め、そこにはもはや「狂気」としか言い様の無いものしか感じ取れないのが正直なトコロ。実話なことも含めてこれも非常に強烈な映画だが(ある程度は誇張だと思いたい)、見応えは文字通り抜群。この手の(グロ)映画に興味がある人にとっては、観て損は絶対に無い。[映画館(字幕)] 7点(2020-07-24 00:08:12)《改行有》

1282.  プライベート・ウォー 《ネタバレ》 シリアで亡くなった女性従軍記者の伝記映画。悲惨な現実がPTSDに陥る程に彼女の心身を蝕みながらも、なお戦地に赴くことを止めなかった勇気・毅然たる意志には素直に感服する(その現実が悲惨であればあるほど、それを世界に伝えなければという使命感は強くなっていったのかと思う)。 戦闘・戦場描写には冷徹なリアリティに加え、映画としての見応えを効果的に高める凄惨さを兼ね備え、で在りながら、随所に非常に工夫された斬新で興味深い映像表現が盛り込まれている点でも良い仕事をしていると思う。そして主演のロザムンド・パイクは文句無しに出色の出来(最期の中継シーン、抑制しつつも感情の入った迫真の芝居には震えた)。観ることの意義もだが、色々と良く出来ている映画でもあると思う。オススメ。[映画館(字幕)] 8点(2020-07-24 00:05:36)《改行有》

1283.  ワイルド・アパッチ 《ネタバレ》 『ロンゲスト・ヤード』や『カリフォルニア・ドールズ』は熱闘とはいっても命の遣り取りではないし、『何がジェーンに起ったか』は女の映画だ。アルドリッチなら、やっぱ主役は漢だろ!とくれば(前時代的でスイマセン)、『北国の帝王』『特攻大作戦』『合衆国最後の日』とかよりは、私は本作の方が好きなのですよね(か、異色だが『飛べ!フェニックス』もかなり好き)。 アパッチVS騎兵隊という構図自体は非常に一般的な西部劇であるとも言えるが、展開は極めてリアルで深刻・シリアス全開で少し疲れる程の見応えが有る。ウルザナとマッキントッシュはいずれも、感情を表情に出さない。殺し合わざるを得ない互いの運命と、それがもたらす悲惨な現実の全てを「達観」し、目的に向かって淡々と仕事をこなしてゆく様は正に正真正銘の熟達したプロフェッショナルであり、両人とも実に格好好い。代わって怒りを前面に出してゆく若い指揮官が視聴者の感情を代弁する構図も、ありがちだが感情移入を容易にする優れたつくりだと感じる。西部劇としては文句無しに傑作の域。[DVD(字幕)] 8点(2020-07-24 00:04:02)《改行有》

1284.  リング0 バースデイ 《ネタバレ》 なんつーか、日本版『キャリー』てな感じ。ただ、展開運びにはかなり無理繰りな感があるのと、前半が矢鱈と内容が薄くて退屈なのと、ショック描写がこれも非常に地味なのがとにかく大きな減点要素。仲間由紀恵はビジュアル的にはこれ以上無い程に適役だが、意図的な演出とは言えいくら何でも「貞子」感(霊的な感じつーか)が無さすぎて、個人的にはイマイチ。[DVD(邦画)] 4点(2020-07-24 00:03:13)

1285.  インファナル・アフェア 《ネタバレ》 かなり面白いアイデアだとは思うが、粗さも目立つ。 ①10年の潜伏(埋伏)というのはリアリティ的には非常に微妙 (刑事側なんて確実に犯罪を犯さざるを得ない筈で、それであの頼り無さげなヤンが(ラウはともかく)10年もやってけてるのが想像できない) ②ラウは成り行き上善人になろうとしただけで、10年間の行状も含めて全く「正義」ではない (なのに、最後は勝ってしまう…完全に「正義」なヤンは良い所無しなのに) ③半年後にヤンの身分が明かされたなら、それを殺したラウが無事で済むのは何故なのか 等、疑問は多い。 正直ラウのカッコよさ(と悪さ)に引き込まれるようでないと(ヤンに同情しているようだと)疑問の方が勝ってしまうような気がする。アクションは在って無い様なもんだし、個人的には実は割と微妙。 あと序盤、ヤンもラウも俳優が若手から本チャンに目まぐるしく切り替わるので、ちゃんと観てれば分からなくもないが正直言って相当分かりにくい(ちゃんと観てなかった初見では「何何何?」だった)。[DVD(字幕)] 6点(2020-07-24 00:02:33)《改行有》

1286.  デビルシャーク 《ネタバレ》 これは彼の『ジュラシック・シャーク』よりも更に酷いかもしれない。ストーリーは皆無に近く、サメの襲撃シーン(しかしサメのCGはただ単独で泳いでるだけで人と映ってるシーンは何と無い!という究極の手抜き)+よく分かんない憑依シーン(血糊被ってのたうち回ってるだけ!という至高の手抜き)の単調な繰り返しのみという何ともアホな構成。女優が妙にたくさん(無駄に)登場して水着までは見せてくれるが(せめてオッパイ出せよ)、揃いも揃って微妙なルックスという残念さ加減(タトゥー入れまくりな所を見ても到底プロには見えん)。私はこの映画に何を期待したのだろう。紛う事無き最低映画。[DVD(字幕)] 1点(2020-07-24 00:01:46)(良:1票)

1287.  ゾンビプーラ 《ネタバレ》 ことホラーに関して言えば、時折ドマイナー国産の作品も輸入されるというのが結構楽しみなのだ(むかし『パキスタン・ゾンビ』とかゆーのすらありましたよね?本サイトで登録されているパキスタン映画は『パキスタン・ゾンビ』のみのようです)。気のせいかも知れないが、その手のはなんかゾンビ映画が多いよーな気もする(まあ説明不要だからかね)。 シンガポールを舞台にした映画は、多分観てはいるのだろうが、シンガポールに焦点を当てた作品というのはあんまし観たことが無く、本作を観たところ勉強になることが多々あった。 ①シンガポール人て、中国人より見た目が日本人に少し近い気がする(まあ、モロ中国人て人も多いけど)。これを見ると、日本人と言うのは黒潮に乗ってやってきたマレー系の縄文人と、大陸系渡来人とのハイブリッドなのだ、という事が少し理解できるような気もする。 ②シンガポールは言語が特殊。英語なんだけど、全く英語に聞こえない。調べると、どうもこれは"Singlish"というものらしい。ビジネスではこのシングリッシュが主流とのことだが、人口構成は圧倒的に中華系が多いので、彼らの普段使いは中国語であろう。海外輸出も視野に入れてシングリッシュで製作しているのかも知れないが、これは英語話者にも字幕なしだとハッキリ言って無理ですね。 で、内容はと言うと、非常にシンプルかつ局地的なゾンビ・アウトブレイクもの。軍事施設でゾンビが発生し、そこからの脱出がメインとなる話だが(どうも軍事施設の外は安全らしい)、そもそも一番ゾンビの発生に強靭であるべき軍事施設がこの体たらくというのはどうなのだろう(発生前もなんか色々とゆるーい雰囲気で、それもかなり気になるし)。まあ正直あまり観るべきモノの無い作品だったかなあと。 少し前にベトナムでも初のゾンビ映画が撮られたらしいが、日本では配給しないのだろうか。期待。[インターネット(字幕)] 4点(2020-07-24 00:01:15)(良:1票) 《改行有》

1288.  サムソンとデリラ(1949) 《ネタバレ》 聖書の有名なお話。ただこの話は、中盤の展開が中々に無理筋で(聖書の話だからイジリようが無いし)、映画的には良い見せ場もモチロンあると言えるのだが、すんなりと納得のいく脚本づくりは相当に難しいかなあ、という印象。本作も色々とそんなに悪くは無いのだが、まあまあの域は出ない。 難しいのは百も承知だが、個人的には『ベン・ハー』をリメイクするよりこっちをリメイクして欲しい(ラストシーンは現代の技術で本気でつくったら相当な名シーンに為り得ると思うのだよね。サン=サーンスのオペラ版でも、話は決してつまらなくはないけどラストは抽象的になってどうしても拍子抜けしちゃうところだし。一度本気でつくったのを見てみたいコンテンツ)。[DVD(字幕)] 5点(2020-07-24 00:00:30)(良:1票) 《改行有》

1289.  チャップリンの黄金狂時代 《ネタバレ》 ナレーション付版で鑑賞。冒頭、冒険家として(雪山で)出てくるのがいつもの格好のチャップリンなのが、まず笑いドコロ(個人的にはこの時点でツボ)。あと好きなのが、ロールパンにフォークの名シーン。『Mr.ビーン』の大好きなクリスマスの回で、人形を手で動かすコントを思い出した。チャップリンやアトキンソン、一流のコメディアンは、モノを使って(自分が動かなくても)面白さを同じ様に創り出す。「笑い」の根本に対する深い洞察と理解が窺える。女優もチャーミング、かつ程よく世慣れた感じがチャップリンとはアンマッチでそれも面白い。人類の宝という映画ですね。[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-07-24 00:00:00)

1290.  獣道 《ネタバレ》 前半は完全に伊藤沙莉の話だが、後半からはサブキャラの話も出てきて、群像劇の様相を呈する。生きていくための居場所を求めて藻掻く人々を描くことがテーマであるが、ひとつ引っかかるのは、今作が明確にコメディを意識してつくられていることである。この手の「どん底」を描く作品として、リアリティを犠牲にして笑いを挿入することに意味はあるのだろうか。個人的には不良絡みのシーンはどれもコメディにしか見えなかったし、あと深い意味でのリアリティという意味では、例えば愛衣が一般家庭に受け入れられ、そして拒絶されるシークエンスの諸々はどれもかなり嘘くさい(そこまで言わないとしても、少なくとも表面的だ)という印象を受けた。率直に、今作は演出のコンセプト面であまり共感できない、というのが私の結論。 ただそうは言っても、鑑賞中はかなり引き込まれて観ていたのも事実(特に前半。私はこの手の『カビリアの夜』とか『マル秘色情めす市場』ぽい話は大好きなのですよね)。そしてそれは確実に、俳優陣の演技の出来の良さがあってのことだと思う(言うまでも無く、伊藤沙莉は出色の出来だったかと)。観れるか観れないかでいったら、確実に「観れる」レベルのクオリティは整っており、更に共感に至るかは、個々人の好み・ポリシー次第かという映画に思う。[インターネット(邦画)] 5点(2020-07-23 23:58:12)《改行有》

1291.  パキスタン・ゾンビ 《ネタバレ》 パキスタンのホラーという物珍しさ(質感はインドの低予算映画的な感じ)。ゾンビも少しだけ出てくるが(どうも河の汚染が関係しているらしい)、基本的な内容はまんま『悪魔のいけにえ』で、キチガイ殺人親子が通りがかった若者を襲う、という話。レザーフェイス的な奴がブルカで身を隠し(どうみても男だが、母親的には「娘」らしい)、モーニングスターをブン回しているというのが特徴的。ファイナル・ガールはエキゾチックでまあまあ可愛い上に、ラストは有刺鉄線を棍棒に巻き付けてブルカ男を撲殺&杭でメッタ刺しというアグレッシブさ(叫びっぷりも中々)。低予算なのは否めず、総じて超チープ&剽窃的な作品だとも言えるが、チープ故に逆に手加減の効いていない生理的嫌悪を催す気色の悪さを十分に備えており、ホラーとして全く観れない作品でもないかと(一応、輸入されたワケである所のクオリティは、伝わらなくもない)。[DVD(字幕)] 4点(2020-07-23 23:57:50)

1292.  怪談(1964) 《ネタバレ》 個人的に一番印象に残ったのは『黒髪』。元がシンプルな話ではあるが、特に夫と妻のシーンに関しては様々な面の「無駄」を徹底的に排除し(セットや衣装等の美術面、音の使い方、演技面でも所作・表情・台詞に至るまで)、エッセンスを抽出して洗練し尽くしたその仕上がりには、まるで「能」を観ているかの様な感覚を覚えた(その意味では、ラストの大騒ぎは少し私の感覚とはズレていたが)。 もう一点言及しておきたいのは『耳無芳一』の平家琵琶である。正直、浄瑠璃的な芸能に関して、その趣向を感じ取るということが今まで経験出来ていなかったのだが、本作で初めてその素晴らしさの一端を体感することが出来た様に思う(もちろん、優れた映像演出のアシストがあってのことだとは思っているものの)。 総じて本作には、日本ならではの、日本映画でしか実現できない「文化の粋」とも言える純粋なクオリティがつくり込まれていると感じる。その意味で、真に傑作と言える作品だと思っている。[DVD(邦画)] 9点(2020-07-23 23:56:33)(良:1票) 《改行有》

1293.  沈黙の達人 《ネタバレ》 セガールが仕事を選ばない故、極端に当り外れの大きい近年の『沈黙』シリーズ(外れと大外れしかないじゃんか、とか言ってはいけません)、今作は間違い無くアタリである。とは言え、ごく終盤までかなりモタモタした展開運びや(脚本もセガールなのだから、無理を言ってはいけません)、よく見ると大したことはやっておらず共演のルイス・ファンと比べると雲泥の差なセガールのアクション(セガールは70近いのだから、無茶を言ってはいけません)等、文句の付け所が無いとは言わない。しかし、地味にセンスの良いスタイリッシュな映像面の工夫とチョコチョコ入り続ける小アクションのおかげで、ギリギリ退屈し切っちゃわない程度には観てゆける、とも言えるし、ラスト10分は率直にまあまあ出来が良い(セガールも最後はしっかり格好良くキメてくれるし)。エンドロールではセガールが歌まで披露してくれるサービス満点ぶりには、確実に(このシリーズとしては)満足できるだろう。[インターネット(字幕)] 5点(2020-07-23 23:55:39)

1294.  メガ・シャークvsグレート・タイタン 《ネタバレ》 日本のB級映画ファン垂涎の『進撃の巨人』コロッサスの登場に加え、女科学者パートと女アジアンCIAパートの両面進行という、前作までからすれば空前絶後にシナリオに内容の有る豪華なつくりになっている。が、だから何だという程度のグレードアップではある(ハッキリ言うが、これでも別に「面白い」とまでにはなってはいない)。 コロッサスのCGに金を使い過ぎて、全体的なCGの出来は『VSメカ・シャーク』の方が微かに上にも思う。特に、サメに体当りされると船がキロ単位でスッ飛ばされて行くという演出に関しては、これはいくら何でも(例えアサイラムとは言えど)荒唐無稽・やり過ぎが過ぎて極度にチープでハッキリ興醒め。とは言え、全体的には間違い無く4作では出来は頭抜けている(個人的には今作だけ観る、で良いと思うし、死ぬ程暇でも『VSメカ・シャーク』だけ追加で観る、で問題ないかと。1・2作目は書くべきことが全く見当たらなかったので、レビューはスルーしました)。[インターネット(字幕)] 4点(2020-07-23 23:52:42)《改行有》

1295.  ゲームの規則 《ネタバレ》 描かれる上流階級の生活は、正に虚構に満ちている。愛の無い結婚、ただ続く怠惰な娯楽、表層的な煌びやかさと上っ面の感情を取り繕うことに無駄骨を折り尽し、人生に真なる目的というものがある様には到底見えない虚ろな彼らは、少しでも真実味を帯びた感情に直面すればたちまち戸惑い、いわゆる「間違い」を犯してゆく。この映画において候爵夫人と関係しようとするアンドレやオクターブが少なからず「マトモ」に見えること自体が、集合全体としての彼らの深刻な倫理観の欠落を逆説的に表わしている様にも思われる。ゲームのルールを破ったのがどの個人か、が問題なのではない。そんなルールがルールとして社会的規範になっていること自体が、最も愚かしい過ちなのである。 終盤はかなり派手に喜劇的かつ悲劇的に描かれる物語ではあるが、彼らに救いの無いことはこれを喜劇と見るには悲惨すぎるし、また感情移入が困難なことでこれまた悲劇というには滑稽すぎる。確実にユーモアとペーソスを両構えで備える作品ではあるが、感じられるのはやはり根の深いシニカルな成分、そしてそれは、結局彼らがその後の歴史の中でその社会構造もろともに滅んでいったという厳然たる事実をもって、一つの大いなる真実と類稀な先見性を本作に埋め込んでいる。色々と、実に含蓄の深い映画だと思う。[DVD(字幕)] 9点(2020-07-23 17:44:20)《改行有》

1296.  ブライトバーン/恐怖の拡散者 《ネタバレ》 言うて、自分の子供が「悪」だったら、というのは、結構普遍的でかつ強力なホラー素材と言えるだろう。なんつっても一番怖いのは、人間の「壊れた」やつなのだから、とゆーこともあるし。 ただ、その方面での一番ネガティブな展開、というのは、自分(親)の所為で子供が完全なる悪になってしまったら、という状況に思える。その意味では今作は、肝心のガキというのが所謂「貰い子」で、かつ最初っから「壊れて」いました、というのであるから、私が気にしているよーな話にはなっていない。あくまで今作は『オーメン』の系統である(ホラーとしては)。 しかしこの映画、その一方で『スーパーマン』を代表とするアメコミ映画のアンチテーゼとしての側面を明確に有しており、中盤以降、自分の能力に気づいたガキがそのスーパーなパワーでひたすらおイタを致しまくる、という非常に単純な話になってしまっている。加えて、映画の質感もあまりホラーという感じでもなくなっている。スーパーなパワーによるショック描写の質感とゆーのが、とりわけホラー的ではない、ということのよーにも思える(同じ「超常現象」といってもホラーとヒーローもののそれではやっぱ違うよね、とゆーか)。 結局、ホラーと言うには「怖い!」という感じでもないし、ダーク・ヒーローだと言うてもいくら何でも主役のガキに魅力というか、感情移入の喰い込む隙が無さすぎるでしょ、という感じだし(見た目が子供なだけで、完全に人外ですよね)、どこに観る価値を見出せばいいのかがかなり難しい作品に思える。グロ映画好きな私としては、終盤盛り上がってゆくグロ展開はそこそこ悪くないかとも感じたが、これも些末なことだし。[インターネット(字幕)] 4点(2020-07-23 17:35:39)《改行有》

1297.  妖星ゴラス 《ネタバレ》 極めて奇抜な発想である。「ゴラスの軌道を逸らすか or 地球が逃げるか」そりゃ確かに二択なんだけど、地球が逃げるってのはスゴい…ただ、この辺の突拍子も無い感覚は、邦画のSFならそれこそ『シン・ゴジラ』なんかも少し近しいのかも、とも思える(ゴジラに毒を飲ませて殺そうぜい、てのも、率直に中々変わってるよねえ)。 ただ本作、その非常に奇抜な作戦を遂行してゆく部分のシークエンス、これを構成する特撮シーンと人間ドラマについて、特に人間ドラマの方がかなり陳腐で、かつなーんか暢気だなあ、という感じなのがちょっと痛い(おいら宇宙のパイロット♪とか歌ってる場合じゃないでしょ、と)。ここに幾分かの(例えば政治的な)リアリティを纏わせるべくシンゴジラを見倣って「マジメ」に考えれば、人類皆兄弟、とかいう絵空事は一旦置き、米ソの水面下での暗闘、人口の半分くらいは切り捨てることも覚悟で物資をブースター建設に集中させるという非情な展開、巻き起こる反対運動、崩壊寸前になる文明社会…なんていうシリアス全開のドラマが展開されることもあり得たのではないかと(まあ、そーなってくると完全に青少年向け映画じゃなくなっちゃうケド)。 かたやの特撮部分は、その規模感やミニチュアセットの豪華なつくり込みなんかが率直に素晴らしいんだけど(ショボい怪獣はまあどーでもいいとして)、前述の人間ドラマのイマイチ感のせいで正直言って中盤から終盤までだいぶん長いことやや退屈なのだすね。最終盤はまた特撮の出来が良くてかなりスリリングに観れるけども。 結論、個人的にはそこそこ好きな作品ですけどね(気楽に観れるヤツね)。キャストも結構豪華で、ちょいちょい見た顔も出てきてお得感あるし。[DVD(邦画)] 6点(2020-07-22 00:30:25)《改行有》

1298.  劇場 《ネタバレ》 芸術家というヤツは、なんでも「芸の肥やしにする」という言い訳が通用してしまうので、才能が中途半端でなおかつ自立・自律の出来ない人間には向かない職業だ。その上に、純粋なクリエイターとしては自分のやりたいように勝手気儘に創作するべきで、だからある程度意識的に「狭量」であるべきなのだし、その結果なおさらダメ人間に陥りがちだ。更にそこに加えて男でかつ面構えが美しかったりすると、これはもう常にヒモに為らない様に「努力」する必要があるホドだろう。本作では異なるが、これで「実家が金持ち」とかだったら正に数え役満、太宰治の出来上がりである(まあ太宰は、才能は中途半端というレベルではないケド)。 本作、基本的には、上記のダメ芸術家野郎の発端から破綻(ラストは取って付けの再生?)までを描く極めてシンプルな作品だと言って過言ではない。そのダメっぷり・クズ人間な有様はまずまず痛烈であり、率直に言えば途中からこいつの人生などはどーでもよく、母性的包容力に溢れた松岡茉優がどーなるのかだけを個人的には気にして観ていたと言える。その意味では、その松岡茉優が自らの秘めた心情を(悲しみを湛えつつも)朗らかに発露するラスト直前のシーンが、私にとっての本作のハイライトである。 このシーンの他にも、青春映画と言うより恋愛映画としては観てそこそこ面白いシーンも散見される。しかし総じて、特に青春ものとしては(あとそーは言っても恋愛ものとしても)前述どおり非常に単純で在り来りな内容だと率直に感じる。その最大の理由が、主人公が心血を注ぐ演劇という要素のコアな部分への掘り下げが全く存在しないことである。決して観れなくはないが、好く言ってそこそこ程度の出来かと。ただ、主演2人の演技はそこまで悪くない(前述の茉優ちゃんのシーンに免じて1点アップしておく)。 下北沢、渋谷。若者の街だよね。人生うまくいってないと、住んでるだけで年々居心地が悪くなる。その焦燥感も、ハッキリ感じられるなあ、と。[インターネット(邦画)] 6点(2020-07-20 22:41:40)《改行有》

1299.  マイレージ、マイライフ 《ネタバレ》 正直、残り40分くらいまでは、J・クルーニー演じるライアンがあまりに人物として完成され過ぎていて、これは物語にはなっていない、と感じていたのですね(主人公がナタリーならまだ話は分かるのだけど、くらいに)。しかし、残り30分はある意味怒涛の展開で、ライアンの人生に転機が訪れ?ます。普通に考えれば、1000万マイルを達成することにも、それを達成する程に飛び回ってする人切りの仕事にだって、人生を託すに足る意味があるとは思えません。それに気づいたナタリーは、さっさと仕事を辞めて人生を変えにゆくのです。 しかし、それはナタリーが若いから意味のあることで、50絡みのライアンに可能なこととも思えません。人生の何に意味を見出すか、なんて宗教みたいなもので、万人が共有できる答えなんて無い、とも言えます。ここまで来てしまったら、もはやそこは今までのそれを貫き通してゆくしかないのだ、という様なラストは、悲喜劇的でもあり、教訓である様にも思えます(もちろん、私がライアンよりもまだ多少若いからこの話を教訓と出来る、ということだとは思いますが)。 映画としては一点、ライアンの心変わりにあまり説得力のある必然性が感じられないのが少し痛い所だと思います(まあアレックスがイイ女過ぎた、ということかも知れませんが)。ただ、ラストのほろ苦い感じと、それでいて肝心な所は人・世代によって受け止め方が変わるだろう玉虫の色合いには、中々悪くない旨味がある、とも思いましたが。[インターネット(字幕)] 6点(2020-07-19 15:45:36)《改行有》

1300.  スガラムルディの魔女 《ネタバレ》 スガラムルディはスペイン・バスクの実在の地名で、実際に魔女伝説で有名な村とのこと。ここに迷い込んだボンクラ連中が魔女集団に襲われる、というホラーではよくあるお話(ただ本作はホラーと言うよりはダーク・ファンタジーに近いが)。魔女どもは、人喰いということもあり、端的なイメージとしては吸血鬼かゾンビにも少し近い感じ。まあ、実際の魔女伝説を現代を舞台に一発やったりました、という作品なのだろうと思われる。 で結局、映画としては、コメディとしてもファンタジーとしても(加えて謎にロマンス要素も含むのだけど)非常に大雑把でイマイチ中途半端(描写の色々は結構派手めなんだけど)。ラテン系人種よろしく、おバカで適当でノリの軽い人々しか出て来ないのも要因の一つだろうと率直に感じる。だったらせめてもうチョイ笑える風に仕上げてくれないと、正直キツいっす、てな感じ。[DVD(字幕)] 4点(2020-07-19 15:38:55)《改行有》

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