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自己紹介 ハリウッドのブロックバスター映画からヨーロッパのアート映画まで何でも見ています。
「完璧な映画は存在しない」と考えているので、10点はまずないと思いますが、思い入れの強い映画ほど10点付けるかも。
映画の完成度より自分の嗜好で高得点を付けるタイプです。
目指せ1000本!

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121.  グランド・ブダペスト・ホテル 《ネタバレ》 ペルシャ猫の運命が象徴するように、人生はあまりに理不尽で過酷だ。冤罪と遺産相続に巻き込まれたコンシェルジュは結果的に遺産を手に入れ、ベルボーイも家庭が持ててめでたしめでたし……ではない。物語が終わっても彼らの人生は続き、コンシェルジュはすれ違いで銃殺刑になり、ベルボーイの妻子も流行り病で亡くなる皮肉さよ。それでもベルボーイは自分達が存在した証を残すために、国営化したホテルを遺産で買い戻し、彼の話を聞いた作家が本を書き、物語として第三者の記憶の中に残っていく。如何なる結末であれ、歴史に名を残さないコンシェルジュとベルボーイを知り、老婦人を知り、殺し屋を知り、ペルシャ猫を知った。彼らが存在した証は『グランド・ブダペスト・ホテル』という物語の中で生き続ける。ウェズ・アンダーソン監督の映画を初めて見た。クラシックなミステリー・コメディ風を装いながらもアドベンチャー要素が強く、ガーリーな美術と雰囲気の中にブラックな毒を仕込ませるえげつなさがあるため、好き嫌いが分かれそう。しかも、ミステリーとは言え、3つの時代が大きく関わることがないため、どんでん返しを期待した自分には物足りなさが残る。エンドロールのパラパラアニメは世界観を象徴して良きアクセント。[映画館(字幕)] 7点(2015-01-17 20:23:37)(良:1票)

122.  スーサイド・ショップ 《ネタバレ》 "自殺専門店"という特異な設定と監督がパトリス・ルコントということに興味を持った。いや~、これほどなまでにブラックな笑いに満ち溢れ、躊躇することもなく次々に人が自殺していく。しかもミュージカルが時々挿入されるため不謹慎さが倍増。日本で似たようなものを作ったら間違いなく問題になっただろう。表現の自由を第一に考える自由主義のフランスならでは。やがて次男のレジスタンス活動により、家族も心の奥底では分かっていた生業に違和感を持つようになって、生の歓びがネガティブな空気と対比して際立っていく展開が痛快。それでも「人生は素晴らしいけど強制はしないよ」というスタンスで、最後の毒入りクレープで死んでいく男と死んでも救われなかった亡霊を見るに、フランスならではの苦みと皮肉を感じるハッピーエンドだ。これを見たらある意味で自殺する気になれないかもしれない。ちなみに元になった"ミシマ"は名字であって、"ユキオ"が正しいんじゃないの?[DVD(字幕)] 7点(2015-01-17 11:06:09)

123.  ブルージャスミン 《ネタバレ》 ウディ・アレン初体験。コメディと銘打つ割にはシリアスドラマに見えるが、軽快なジャズ音楽とシニカルな展開により、高慢ちきなケイト・ブランシェットの振る舞いが滑稽に見えるのだから不思議。底辺だがエネルギッシュで強かで、最後まで見捨てなかった義妹をも振り払い、独りでぶつぶつと呟く主人公はこれからどうなるんだろう? 努力もせずに絶頂を体験したセレブが没落して、身の丈に合った惨めな生活だなんて耐えられないでしょうし、堕ちるところまで堕ちていくしか想像できない。山月記を思い出しました。 [DVD(字幕)] 7点(2015-01-07 23:02:00)《改行有》

124.  ウルフ・オブ・ウォールストリート 《ネタバレ》 救済と破滅をもたらす"お金"という矛盾した生き物の真理を描いた、ある意味道徳的な映画。全編凄まじいハイテンションでこれが3時間続くなんて狂気の沙汰。やろうと思えば4時間も5時間も延ばしていそう。70歳前後で"若い"映画を撮ったスコセッシも凄いが、ディカプリオの周りを巻き込むマシンガントークもクズっぷりも凄まじく、マシュー・マコノヒーと主演男優賞を分けても良かった。あんな醜態を見せられたら、二人の奥さんも逃げるだろう。ラストの主人公の自業自得な破滅と再生、そして彼の自己啓発セミナーに群がって「自分もできる」と自惚れている貧民層の対比に、「お金の奴隷になってはいけないが、お金がなくちゃ何もできない」という複雑な感情が残る。生まれつき素質も勝機もない人はどう生きれば良いのだろうか?[DVD(字幕)] 7点(2014-12-20 23:57:07)

125.  スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム 《ネタバレ》 前作鑑賞は必須としても、他のMCU作品とも連動しているため、 アイアンマン=トニー・スタークが故人なのは劇中で分かるものの、 エンドゲームを見ていないと少々置いてけぼりを喰らうのは確か。 MCUでマルチバースの概念は既に知られていたが、それを利用した中盤のどんでん返しは上手かった。 ヴィランとしてミステリオが中心でありながら、かつて職を追われた者たちによるチームプレイで、 現実と非現実を揺さぶりスパイダーマンを追い詰める見せ方が良い。 ファクトチェックが当たり前になり、目の前の情報が真実とは限らない現代において、 これからディープフェイクが濫造されていく世界への抗い。 殺人犯として汚名を着せられてしまったピーターはどうなるのか期待を寄せる。 でも、エンドロール後のもうひと展開にスパイダーマン以外の映画を見ないといけないのは如何なものかと。 作品によってはTVシリーズにまで裾野を広げてしまい、近年のMCUの勢いが衰えた話も聞く。 フェーズ1の『アベンジャーズ』くらいの展開が限度で、純粋にスパイダーマン単体で完結させてほしいのが本音。[インターネット(字幕)] 6点(2024-01-17 20:38:14)《改行有》

126.  バード・ボックス 《ネタバレ》 演出と演技が上質なため、低予算ならではのチープさがあまりない。 "何か"を見たら自殺するという序盤の大混乱を見せることによって、外への行動と視界が制限され、 映画のほとんどを占める室内シーンと山林シーンを受け入れることができるからだ。 2年後のコロナ禍で"鳥かご"の中に閉じ込められてしまったことを予言しているみたいに。 過去と現在を交互に見せるため、退屈さはあまり感じられず、伏線回収が上手い。 主人公を気に掛ける男性がいつか本性を表して襲い掛からなかったのは意外。 この手の不条理パニックもので言えることだが、最後に謎が明らかにされるわけではない。 既に精神を病んでいる人ほど自殺に陥らず、目隠しなしで健常者に襲い掛かる新たな設定すら、ただの脅威で終わっている。 盲学校に辿り着いて、今後もここで生きていくにしても食料や衣類はどうするの?という疑問が湧く。 そういう意味でオチは弱いが、見て損はないと思われる。[インターネット(字幕)] 6点(2023-12-05 23:24:00)《改行有》

127.  陽なたのアオシグレ 《ネタバレ》 男子小学生版『アメリ』に近いように見えて、男から見た夢想にある種の気持ち悪さを感じる意見は分からなくはない。 ラッキースケベ演出が直球でパステルカラーの可愛い絵柄に惹かれるほど人を選ぶだろう。 監督のフィルモグラフィには少年少女のアレを何かと入れてくるので完全に趣味だよね。 スピッツの壮大なプロモーションビデオとして見るなら優れている、救われている部分はあるが。 ここまで来ると、この話の全てすら主人公の妄想じゃないの?と勘ぐってしまう。 雰囲気は好きなのに万人受けしない、だからと言って万人受けしまくっても物足りない。 その匙加減が難しいがこの突き抜け感は大事にして欲しい。[インターネット(字幕)] 6点(2023-11-10 23:59:48)《改行有》

128.  スイス・アーミー・マン 《ネタバレ》 物語の8割は二人芝居で占め、それも死体に下ネタという奇妙な作りなのに心に残る。 何もできない死体から徐々に生を取り戻していく難役を演じたダニエル・ラドクリフと、 過去のトラウマから逃げ続けていたポール・ダノの二人の曲者俳優が作品の強度を支えている。 メニーという死体が何者なのかは最後まで分からない。 虚実を入れつつも、ハンクの抑圧された自己を投影したイマジナリーフレンドかもしれないし、 森の中の一連のオブジェが現実に向き合おうとする通過儀礼にも思えた。 現実ではただの頭のイカれた変態にしか見えないハンクには厳しい現実が待ち構えている。 それでもメニーに別れを告げた彼はこのどうしようもない世界と折り合いをつけていく意思を感じた。[インターネット(字幕)] 6点(2023-03-31 23:43:39)《改行有》

129.  エクストリーム・ジョブ 《ネタバレ》 期待しすぎたかな。 前半までがピークでちょっと長く感じてしまった。 かつての香港映画でお馴染みのおバカな警察コメディを彷彿とさせながらも、 リアルで痛そうな暴力描写は韓国らしい。 チキン屋が予想以上に繁盛しちゃって、本筋から脱線しかける展開はなんとも可笑しいが、 後半はチキンに絡む要素が少なくなって寂しい限り。 まあチキン屋で不祥事が発覚して、チェーン化でさらなる問題が発生しちゃったから、 ラストで警察辞めてチキン屋やると少しは期待していた自分が悪い。 (高い失業率の韓国では敷居の低い飲食店で食い扶持を稼ぐしかない笑えない事情がある)。 序盤で犯罪者に盗られそうになった車を奪還するオバさんの件が一番笑えた。[インターネット(字幕)] 6点(2023-03-21 21:57:40)《改行有》

130.  猿の惑星:創世記(ジェネシス) エピソード0なので『猿の惑星』感は少なめでツッコミどころは少なくない。 ただ、CGが凄いと全面に押し出している印象をそこまで感じず、シーザーをしっかりと感情移入させるあたり、 アンディ・サーキスの演技とルパート・ワイアットの演出の勝利だろう。 シリーズ誕生から43年経っても人は何も変わらず、楽するため上に立つため狡猾になっただけで愚かだなぁ。[映画館(字幕)] 6点(2022-05-27 23:45:37)《改行有》

131.  象は静かに座っている 《ネタバレ》 タル・ベーラを師事し、29歳の若さで自らの命を絶ったフー・ボー(胡波)監督の初長編映画であり遺作。 監督自ら感じる絶望感と閉塞感を投影するために4時間の長さが必要だったに違いないが、 興行として成り立たないとファイナルカットを巡り、プロデューサーからの激しい罵倒の末の死だった。 それだけにこの映画で綴られている物語は極めて陰鬱で気持ちの行き場のなさを被写体以外ぼかした長回し撮影で表現している。 誰もがささやかな希望を求めながら第三者の自己保身で裏切られ続け、やがて諦めていく。 誰もが自分勝手で余裕すらない社会。 その果てしない心の闇を色の少ない寒々しい映像とシルエットが突き刺さる。 居場所も帰る場所もない者たちが逃避行の末、新しい家族を築こうとするラスト、 希望の象徴である象の姿も見えないまま雄叫びだけが轟く。 意図的にカタルシスを排した終わり方で現実に帰る。 そう、その先に希望があるとは限らない。 ただ、最低最悪の世界でも人知れず自分の人生を紡ぐしかないのだろう。 皮肉にも監督の死がなければ注目を浴びることがなかった、その後味の悪さが残る。 死ぬこと以外に希望はないのかと言わんばかりに。[インターネット(字幕)] 6点(2022-04-16 01:12:52)《改行有》

132.  ザ・ライダー 《ネタバレ》 頭部に後遺症を負った或るロデオライダーの現代の西部劇。出演者は家族を含め全て本人で、『ノマドランド』でも描かれていたフィクションとドキュメンタリーの境目を突いた演出手法は既に確立している。ときどき差し込まれる大自然を捉えた画が主人公の心の揺れ動きを代弁する。死と隣り合わせで生きてきた男にとっての唯一の生き甲斐が奪われてしまう重大な変化。それはブラジャーを嫌がる自閉症の妹も、父によって売られてしまう愛馬も、自分より重い後遺症の兄貴分も同一である。だが、その現在がいつまでも続くとは限らない。一つの領域にまで突き進んだ者にしか見えない孤高にリンクしたそれは、理不尽さの中でどう折り合いをつけて日々を生きていくかに真実味を与えている。この無常さは欧米では出せない味だろう。[インターネット(字幕)] 6点(2021-07-24 21:12:20)

133.  ピーターラビット 《ネタバレ》 原作の版権管理団体は長年にわたり映像化を頑なに断っていて、実写映画化がコレなので、原作には毒があって道徳的ではないことを言いたかったのかもしれない。それとも現代に合わせてアップグレードしたかったのか。描かれる物語は善悪もなく、お花畑なヒロインをめぐる殺し合いと言っても良い。そこらへんが面白いところだとは思うが、変に良い話に無理やり着地しちゃうのには違和感(それも狙いか)。任侠映画みたいと聞いたので、もっとはっちゃけても良かった。[地上波(字幕)] 6点(2021-06-29 18:48:47)

134.  KUBO/クボ 二本の弦の秘密 《ネタバレ》 CG全盛の時代に敢えてストップモーション撮影した姿勢と労力に敬意を表する。同時に日本の伝統文化を徹底的に研究し、美意識と心情を余すことなく汲み取っている(時代考証に詰めの甘さがあるが、ファンタジーとして目を瞑ろう)。世界観の作り込みでは完成度が高いが、全体のストーリーが弱く、序盤で村が滅ぼされる割に村人全員が生きていたり、仲間のサルとクワガタの正体も途中で予想できたり、(上映時間的に仕方ないが)伝説の武具も簡単に見つかってしまったりと、枚挙に暇がない。"物語"に対する考察と家族に関する個々のエピソードがすこぶる良かっただけにそこが気になってしまった。[地上波(字幕)] 6点(2020-08-14 12:16:58)

135.  名探偵ピカチュウ ポケモンを知らなくても映画としての水準は保っているため気軽に楽しめるが、キャラ映画として振っている要素が強いため、ポケモンに思い入れがあるか否かで評価が変わってくる。ただ、製作スタッフのポケモンに対する愛情が本物であるということは伝わるし(特にエンドクレジット)、元の造形を崩さずに現実世界に上手く溶け込んでいる辺り、それが見て取れる。ポケモンから離れて堅実に生きていた主人公が、かつてポケモンに触れていた当時の子供たちと重ねている部分からして目配せしている。ストーリーに対する練り込み不足はあるが、童心に帰れるという意味ではよく出来た作品だったと思う。[地上波(吹替)] 6点(2020-05-28 13:44:37)

136.  ある過去の行方 《ネタバレ》 二番目の夫が始末をつけるために元妻のいるフランスに到着する冒頭からの演出、 お互いに何を喋っているのか、その空白が不穏な空気と意識のズレを作り出す。 根幹となるのは三番目の夫となる男の前妻が何故自殺未遂を図ったのか。 その過去を調べれば調べるほど、全員が不幸になっていくスパイラルに陥るのは、他のファルハディ映画と同じ。 過去と未練に縛られて誰もが面倒臭くて被害者意識が強い。 酔っているとさえ思えてくる、演出上の作為が透けて見えてしまうのは欠点か。 フランスが舞台なのだから、もっと自由に撮れば良いのに。監督は本当に生真面目なのだろう。[DVD(字幕)] 6点(2020-05-19 01:04:09)《改行有》

137.  セールスマン 《ネタバレ》 性暴力を描いた作品。だが、アスガー・ファルハディ監督だけあって、そういう描写は一切描かず、悲惨な状況に滅入る暇もなく、病院のシーンに切り替える。直接的な表現も用いらず、常に台詞が遠回し。確かに力量は高いと言えるが、正しくは"描きたくても描けない"のだ。一見、西洋化が進んでいるようで、イスラム教国家イランならではのしがらみが全編を支配する。恥の観念が強く、被害を公にされることを恐れる女性の立場の低さや貧困が表面では浮かばないように描いているし、劇中劇でも検閲が入る。常に息苦しく緩慢な展開が続く。終盤で犯人が見つかったときから物語は急変する。夫は加害者の老人の家庭を破壊するような方法で復讐をしようとするが、病気持ちの老人の容態が急変したタイミングで家族が駆けつけてくる。幸福な家庭を持つ老人と泣き叫ぶ家族により、完遂しようにもできない宙ぶらりん状態。皮肉にも復讐を望まぬ妻との関係に亀裂が広がっていく。何て後味が悪いのか。あのとき~していればの後悔が、劇中劇の『セールスマンの死』とリンクする。この作品も非情な資本主義に呑まれていく男の悲劇を描いていた。そのアメリカ的資本主義にイラン社会がついていけていない不安と苛立ちが付きまとう。[インターネット(字幕)] 6点(2020-05-19 00:36:41)

138.  コンテイジョン 《ネタバレ》 新型コロナウィルスが猛威を振るわなければ、ずっと見ることがなかっただろう。淡々と山場も情緒的なシーンも排除され、次々と増えていく感染者と死者、その恐怖に暴力と混沌が拡散していく。描かれていることはまるで現代を予言しているような不気味さ。主役級のスター俳優もあっさり殺し、リアリティに寄与している。今日、ツイッターを始めとするSNSを俯瞰すれば、怒りと鬱屈で無知な人々を扇動し、世論誘導させようとする目論見もあれば、だからといって政府の対応に不満だらけの日々を過ごしているのも事実。映画は一旦終息して、感染源の遠因は他でもない人間という因果応報な終わり方だが、現実はもっと酷く無関心だ。いつの時代も、パンデミック→大恐慌→戦争がセットである以上、歴史の転換点を体験しているわけであり、コロナ終息で本作をひとときの流行で終わらせるものではない。そこに都合よく作られた人間の業が垣間見える。[インターネット(字幕)] 6点(2020-04-27 23:31:57)(良:1票)

139.  ゾンビランド:ダブルタップ 《ネタバレ》 10年ぶりに監督も脚本も主演4人も続投で、さらにスケールアップ! と思いきや、そこまで肩肘を張らず、いつも通りゆる~いサバイバルライフを可笑しみたっぷりに描き出す。『リトル・ミス・サンシャイン』の頃から体型に片鱗のあったアビゲイル・プレスリンの変貌ぶりをよそに、10年前から全く変わっていないジェシー・アイゼンバーグの対比が面白い。ゾンビは出てもあくまで背景に過ぎず、ファミリー崩壊の危機も最後は大団円に終わる安心感。一見、変化していないように見えるが、その面白さを維持させるのが難しいからこそ、如何にマンネリに陥らせないか。途中からキャラの被る二人組が登場したり、死んだと思ったアホの子がなんと生きていたり、誕生日プレゼントの使い方もそうで、あらゆる小ネタも演出もスマートに決めていく。キャリアを重ねた彼らが成せる業だろう。難しいと思うが、10年後に3作目は如何ですか?[DVD(字幕)] 6点(2020-03-26 23:05:42)

140.  1917 命をかけた伝令 アカデミー賞大本命と謳われながら期待しなかった。案の定、ワンカット風撮影が売りで、それ以上の驚きは感じられなかった。確かに綿密に計算され尽くしたワンカット風の演出に、制作陣の執念深さ、圧倒的な力量と労力は伝わってきた。だが、その凄さが面白さや感動に繋がるかは別の話。技巧を優先させすぎて、登場人物に血が通っていないように感じられるのは何故だろう? どこかビデオゲームを見せられているようで中途半端にドラマを挿入するから違和感がある。オスカーに受けそうなベタベタな戦争ものなら尚更。一応、最後まで見ることができたので悪くない映画だと思うが、作品賞を取れない理由が分かる気がした。「新鮮味がなさすぎる」。[映画館(字幕)] 6点(2020-02-17 19:34:29)(良:1票)

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