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プロフィール
コメント数 3862
性別 男性
年齢 53歳

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1481.  大列車強盗(1978) 《ネタバレ》 クリミア戦争の戦費である大量の金塊を、走る列車の中からいかにして盗み出すか。金庫の鍵は4つ。そのすべての鍵のスペアをこっそり作成しようというのが、映画前半。ショーン・コネリーが飄々としていれば、ドナルド・サザーランドも負けじと飄々としていて、その掛け合いがユーモラス。しかし鍵のコピーを作り上げ、いよいよ作戦実行というところで、狙いがバレてしまい、警戒が厳重になってしまう・・・と言いながら、大して厳重にもなっておらず、なんだか普通の警備、何となく普通に金塊を盗み出せてしまうのが、少々張り合いの無いところではありますが、しかしこの金塊を盗み出す場面、(スタジオ撮影の合成映像ではなく)ホントに走る列車で撮影しています、というシーンをたっぷり準備し、しかもそれをショーン・コネリー本人が列車の屋根にへばりついて演じているらしい。こういうところは、単なるユーモア映画では終わらせない、なかなかの緊迫感です。逆に言えば、そこを除けばなんともアッサリした映画なのですが、こういう軽妙さもまた、悪くはないですね。[CS・衛星(字幕)] 6点(2015-11-01 16:50:00)

1482.  ミレニアム2 火と戯れる女 今回はオハナシは売春組織の追及。と思いきや、その方面には必ずしも深入りせず、一話完結型どころか、次第に、まさに前作の「続編」となっていきます。その前作とのつながり、ある意味では強引なところもあるかも知れませんが、後から無理に辻褄合わせしたような「前作ファンご機嫌伺い」型のつながりではなく、ちゃんと一連の物語として計算された強引さであるのがお見事。ただ、それでも小さくまとめてしまった印象はあるかな、とも。 前作の、皮膚感覚ともいえるあの生々しさはここでも見られますが、リスベット役のノオミ・ラパスの中性的な魅力と体を張った演技が、そこに大きく貢献しています。しかしあの大男、いちいち詰めが甘いところばかりが目立ち、あまり怪人物という感じがしないのが、ちょっと残念ですが。[DVD(字幕)] 7点(2015-10-31 18:10:13)《改行有》

1483.  博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか 世間の評判が妙に高くって、実際観て見りゃそれなりに楽しめて、でもどうしてこんなに評判が高いのかよくわからず、多分それは私が悪いんだろうもう一度観てみようと思って観てみるとやっぱりそれなりに楽しめる、結局何度見ても、楽しめつつも何でここまで評判が高いのかよくわからない、そんな作品なのです。間違いなくハチャメチャなんだけど、どこか理屈っぽさが鼻についてしまう。こういうブラックな笑いを理解できないなんてダサいよね、という無言の圧力を感じつつ、でも笑えんもんは笑えんのです。 変に長回ししてみたかと思えば変にカット割りしてみたりする気まぐれさが、なんだか気持ち悪い。一方でペンタゴンのシーン、えらく気合いを入れて撮影しているようですが、そのせいかアングルが変に固定されてしまった感もあり、これも妙な気分にさせられます。また一方、リッパー将軍立てこもりの場面の戦闘シーンの、まるで実戦映像のような描写、プライベート・ライアンなんかもここから影響受けたのかな、とも思わせるリアルさが、これまた唐突な感じがして。ピーター・セラーズの一人三役、特にストレンジラヴ博士のテンションにもついていけないものがあるけれど、ジョージ・C・スコットの一人一役の方がさらに激しく暴走している。 要するに、なーんとも、観てて居心地が悪いんですな。で、きっと、こういう居心地の悪さを感じさせた段階で、この作品はきっと成功した作品なんだろうし、私は今後もまた何度か観直しては、わずかずつながらも新しい魅力を見つけ出し、でもやっぱりどうしてこんなに世評が高いんだろうかねえ、と言い続けるんでしょうなあ。[CS・衛星(字幕)] 6点(2015-10-28 22:29:59)《改行有》

1484.  日本侠客伝 花と龍 「花と竜」を日本侠客伝の世界に取り込み、一介のゴンゾウだった主人公がやがてオヤブンになっていく、大河風の内容で、このジャンルの作品としては2時間弱とちょい長め。特に下積み時代の主人公を描く前半は、コミカルで明るい雰囲気です。主人公のタマキンがやたらと出来過ぎクンなんですけれども、健さんが演じれば、何となくイヤミが無いんですね。彼を招いたゴンゾウ仲間が二谷英明っても、一見違和感があるけれど、その後の展開を見れば、なかなかうまい配役。最初は主人公をやさしく見守るような立場で、後半主人公へそっと想いをよせる藤純子、ここが演技の見せ所とばかりムズカシイ表情を見せる場面もあれど、最後は晴れやかな表情なのが、イイんですね。モテる男とモテる女の組み合わせ、ちきしょー憎いね、と。[CS・衛星(邦画)] 8点(2015-10-25 09:53:55)

1485.  セインツ -約束の果て- 《ネタバレ》 強盗一味の若夫婦が、警察に追い詰められる。投降した夫は、身重の妻をかばって罪を一身に引き受け、服役。数年後、夫は脱獄し、妻と、写真でしか見たことのない娘のもとへと向かう・・・。ボニーとクライドが、「その後」の幸せをつかもうったって、そうはいきませんわな、というお話。冒頭、妻の妊娠を喜んでいる夫の姿から一転、一軒家にこもった彼らの、警官との銃撃戦。家の中には、警官に撃たれた仲間、家の外には、妻が撃ってしまった警官、というふうに家の中と外がシンクロしているのですが、仲間は死に、警官は命を取り留めたことが、先の展開に波紋を及ぼすことになります。逮捕された夫婦が警官に引き裂かれるように別れていく姿を映画はしっかりと捉えるのですが、やがて月日が流れて娘も生まれ、母子の安定した生活が始まると、もはや昔には戻れない。睦まじい母子の姿が、それはそれで完結したものであるかのごとく、それが誰にも簡単には侵せないものであるようにも、映画はその姿を映し出していきます。しかし実際には誰も、他者との関係は避けられないわけで、彼らをとりまく登場人物たちの姿がそこにあり、単なる脇役ではない存在感で、主人公たちの姿を縁取っていきます。夫は妻のもとへと近づきつつも、結局は永遠に交わることのない「消失点」へと向かって行っているような虚しさが漂っており、それでいて、まるでそれもまたテキサスの自然の一部であるかのようなおおらかさもあり。時に銃撃戦などの激しい場面もあれど、静かな作品、しかしその静かな緊張感をはらんだ抒情性に、強く引き込まれます。[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-10-24 16:12:04)

1486.  西遊記 はじまりのはじまり 西遊記がテーマと称しながら、これほどまでに「何がどうなるのやらサッパリ予想がつかない」というのも、なかなかスゴイものがあります。冒頭からやりたい放題で、要所要所は例によって「デブ・ハゲ・ブサイク」がシメるという、何とも奔放な作品ですが、ただ、前半のこの勢いを思うと、後半、洞窟内の孫悟空との絡みの場面のグダグダ感、どうしちゃったんだろうか、と(要するに「悟空がただの小汚いオッサンだった」という、いわゆる「出オチ」なんですよね)。何でこんなに引っ張っちゃったんだろうか。いずれにしても、その後はまた、先が予想できないハチャメチャに戻り、何が一番予想できないって、この後の続編(が作られるとして)、期待していいものやらどうなのやら。[ブルーレイ(吹替)] 7点(2015-10-18 08:28:21)

1487.  プレーンズ2/ファイアー&レスキュー 前作のエアレースから、今回は山火事消火へと大きく話は変わりますが、前作が楽しめた人なら今作も楽しめるだろうし、前作がつまらなかった人には、やっぱりツマランでしょうなあ。 冒頭のクレジットは、タワーリング・インフェルノのパロディのつもりなんですかねえ。しかし、ああいう災害パニック映画の緊張感はまるでない、安心印の映画。ウチの幼稚園の息子、確かにこの『プレーンズ2』も楽しんで観てはいたけど、タワーリング・インフェルノやバック・ドラフトの方がはるかに熱中してた訳で、こんなに安心設計にしないでもいいんじゃないの、と。 いずれにしても、ラストにおいて、スティーヴ・マックィーンはポール・ニューマンと言葉を交わした後、静かに去っていき、ウィリアム・ボールドウィンも日常に帰っていった、それに比べると、この「これはハッピーエンドです、何しろ、主人公が周りから称賛されているから」というお気楽さ、正直、ゲンナリしてしまうのですけれども。[ブルーレイ(吹替)] 4点(2015-10-17 08:18:41)《改行有》

1488.  ロビンとマリアン ジジイになったロビン・フッドが(と言っても演じてるショーン・コネリーは40代半ばだけど)シャーウッドの森に久方ぶりに帰ってきて、悪代官ロバート・ショウと戦うオハナシ(いや、別に「悪」代官ではない気もするけど)。S・コネリー、A・ヘプバーン、R・ショウの3人が主役として同時にクレジットされているけれど、R・ショウはなかなか登場せず、A・ヘプバーンはさらに登場が遅れた挙句に尼僧姿に身を包んでおり、顔かたちを我々の前にはっきり見せるのは、映画も半分を過ぎるくらいになってから。と、そこまで引っ張っておきながら、彼女の髪型がいかにも「ママさんパーマ」風なので、ちょっと萎えてしまう(笑)。 そういう意味では、ロビン・フッド伝説を取り上げてはいても、地味というか家庭的というか。 ここではロビンもさほどスマートな男ではなくって(とは言え、S・コネリー、自分でそこそこのアクションをこなしてガンバってる)、『~最後の聖戦』と同じくデンホルム・エリオットとのユーモラスな組み合わせが、なんだか微笑ましかったり。 決してカッコよくは無いラストの描き方も、そういう路線にのっとったものかも知れませんが、さすがにちょっと弱いかな、と。 妻マリリンがあまり描かれていないから、妻との関係の深まりもあまり描かれず、そういうエピソードの支えがないから、要するにいかにも唐突なラストなんですね。ただ、ラストシーンを締めくくる「どこまでも飛んでいく矢」ってのは、これは何ともシャレてます。[CS・衛星(字幕)] 6点(2015-10-17 07:59:11)《改行有》

1489.  ブラック・レイン 今回観たのはずいぶん久しぶりで、あれ、こんなに面白かったんだな、と。多分、昔観た時には、作品との距離感が、今観るのとだいぶ違ったんでしょう。当時はお馴染みだった、都会系の刑事アクション映画、そしてこれまた自分にとってお馴染みの大阪の街、その2つの融合とくれば、何だか距離感が近すぎて。どうしても先に立ってしまうのは、違和感と、「あ~あ、やっぱり、やっちゃったね」という(期待通りの)失望感。しかしそれも、今となってみると、80年代アクションを観る機会も減ったし、この映画に出てくる大阪の光景も、今では見られなくなってしまったものが多くなってきて。で、今回、素直に観て、素直に楽しめちゃった。幾分は「変なニッポン」も出てくるけど、基本的には日本らしい日本が登場する、要するにその点では決してキワモノではなく、むしろ刑事アクションとしてやや変則的である点の方が、特徴的と言えるかも知れません(無論、日本を舞台にしている事がそこに一役買っているのですが)。 まず、マイケル・ダグラス演じる刑事ニック、例によってダメダメな感じで、妻子とも別居している。では映画を通じて妻子とヨリを戻すのがテーマかと思いきや、全くそうではなくって、子供のひとりをバイクの後ろに乗せ走り出した次のシーンでは、もう子供は乗っておらず、今度はアンディ・ガルシア演じるチャーリーと出会って彼をバイクの後ろに乗せるシーンとなる。要するに、チャーリーはニックにとって自分の子供と同じ可愛い存在、なんですね。で、実際、このチャーリーという男、実に実に「いいヤツ」として描かれてます。健さんとニックの関係がどうもギクシャクしている時、いつもチャーリーが間に入って、いい味出しつつ何となく間を取り持っている。だもんで、チャーリーの死のインパクトは非常に大きく、かつこれを契機に健さんとニックの間も近づいていく。一方、松田優作演じる敵役の佐藤、(広島の黒い雨になぞらえて語られるのがピンとくるかどうかはともかく)戦後に現れた得体の知れない新しい存在、しかしそれは間違いなく戦後の日本とアメリカが生み出した存在、つまり彼もまた一種の「息子」というべき存在。チャーリーと佐藤は、陽と陰を代表する「息子」たち、だからこそ、2種類の結末が撮影された本作において、最終的に採用されたこの結末、これでよかったんではないか、と思えてきます。--- それにしても、ガッツにホタテ、パチパチパンチ、みんないい顔してるじゃないですか。USJがまだ無かった頃、「ハリウッドが大阪にやってきた!」という、やっぱりお祭り映画でもある訳で。[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-10-15 23:00:16)(良:1票) 《改行有》

1490.  ブロークン・トレイル 遥かなる旅路<TVM> 前半後半に分かれたトータル3時間ほどのテレビ作品。だもんで、やや薄味で、重厚感のようなものは感じられず、もう少しうまく撮れないものかと思うシーンもありますが(夜の場面のたき火の照り返し、さすがにライト当て過ぎでは)、それでもなおここでは、雄大な自然と、穏やかな時間の流れを味わうことができます。馬の群れを連れ、草原を旅する爺さんとその甥。道中、さまざまな出会いがあり、さまざま事件に遭遇し、旅のメンバーも増えていく、そしてラストは悪漢どもとの対決、という訳で、観るものを飽きさせないようには作られているのですが、それでも魅力はやっぱりこのゆったりとした流れですね(爺さんと未亡人が心を通わせるシーンが川のほとりであるのも象徴的)。この作品を一言で言うなら、「ザ・野宿」。焚き火の横で過ごす、夜の草原。やがて寒々とした夜明けがやってくる。その繰り返し。それが何ともいいんですね。登場人物のキャラもあまり突出した者はおらず、あくまで人間関係の描き方も穏やか。無口で武骨な甥が、爺さんに付き従いつつも徐々に自分の意見をそれとなく言うようになったり、爺さんと未亡人の関係を「つかず離れず」のまま微妙な深まりとして描いたり。ロバート・デュヴァルの達観したような表情が何とも言えず、また劇中で何度も帽子をとる仕草が印象的。[CS・衛星(吹替)] 7点(2015-10-11 09:49:50)

1491.  日本のいちばん長い日(1967) よくこれだけのキャストを集めたなあ、という大作ですが、影の主人公は「時計」でもあります。玉音放送までの24時間、作中では何度も時計が映し出され、時刻が言及されます。着々と進めれらる、「敗戦」への準備。前半だけでも十分にスリリングで面白いのですが、後半は一部の軍人の暴走が描かれ物語はますます加速の一途、これほど手に汗握る緊張が漲った作品も、なかなかありません。もう、誰が正しいとか間違ってるとか、そんな事言ってられる事態を通り越して(もはや取返しがつかないにも程がある、という事態なのだから)、登場人物たちの必死さや焦りに、息を飲み圧倒されます。今の目からみたら狂気としかいいようのない暴走軍人たちも必死なら、NHKの加山雄三だって必死だし、加東大介ですらも(あの顔で一応)必死。鈴木貫太郎首相だって、笠智衆が演じるからノホホンといい味だしてるけど、やっぱり命がけには違いない。そんな中で、最も貫録を誇っている阿南陸軍大臣、演じるは三船敏郎、さんざん貫録を見せつけ、最後も壮絶な切腹を遂げるのだけど、この緊急事態を収めうる唯一の人物と思われた彼が、およそ何もせず、自殺というトンチンカンな行為に逃避してしまうその様は、何とも皮肉です。それにしても、何と多くの人たち、想像するのも困難な数の人たちが、死に追いやられたことか。これだけの犠牲を払った末に、かろうじて成し遂げられた終戦は、まさに一歩間違えば実現されなかったかも知れなかった、というのもまた、大きな皮肉。[CS・衛星(邦画)] 10点(2015-10-06 22:35:43)

1492.  日本侠客伝 チャンバラ映画ではない、任侠映画。健さんを始めとする登場人物たちは、敵をバッサバッサと斬り倒しまくるスーパーマンじゃなくって、命がけで相手に立ち向かっていく、生身の人間なんですね。で、任侠映画であると同時に、いやそれ以上に、この作品は青春映画でもあります。片思いも含めた、幾組かの男女の物語。それぞれに、相手への想いがあり、テレみたいなものがあり、その一方で信念を貫くと言えば聞こえはいいけど要するに破滅の美学みたいなものがあって。こういうのこそ、ロマンチック、というのです。[CS・衛星(邦画)] 9点(2015-10-06 21:38:58)

1493.  限りなき追跡 《ネタバレ》 主人公のロック・ハドソン、映画始まって早々、乗っていた駅馬車が悪党どもの襲撃を受け、許嫁を拉致される。彼本人も射殺され。って、それじゃあ映画の先が続かないので、とりあえず何故か、彼は死んでませんでした、ハイ。死んでなかったのでとりあえず彼は、悪党どもの追跡を始めます。というこの時点でもう、だいぶ理不尽な作品ですね。そこがスゴイところ。悪党のリーダー・スレイトンは、これはもうかなりのワルといった感じで(フィル・ケイリーという俳優さんですが、ちょっとチャールトン・ヘストンに似ていなくもなく)、お坊っちゃん顔のロック・ハドソンでは到底かなわないだろう、と思うのですが、さにあらず。主人公の方には(スレイトンを恐れて簡単には協力者が得られないにも関わらず)気がついたら妙な仲間が増えてきて、一方のスレイトンの方は仲間割れやら何やらでだんだん分が悪くなってくる。よせばいいのに、人質交換的に、主人公の許嫁を解放してしまい、逆に一度は殺そうとした元仲間を呼び戻すも、あっというまに射殺(この場面、許嫁と再会した主人公を画面が映しつつ、画面外からの銃声で表現される。これがなかなかのインパクト)。こうなりゃもう、悪党には滅びの道しか残っていない。主人公にタコ殴りにされた挙句、銃を拾い上げ一発逆転!と思いきや、卑怯にも後ろからの投げナイフ攻撃で、あわれ昇天。あの不敵な表情の悪党が、だんだんダメダメになっていって、ダメダメな斃され方で終わっちゃう、という感じ。もちろん主人公の執念の追跡劇が見どころの映画ではありますが、一方なーんかものすごく皮肉も効いている、不思議な味わいのある作品でした。[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-09-30 23:26:19)

1494.  鴛鴦歌合戦 とかく浮世はままならぬ、日傘さす人、作る人。って、なんのこっちゃですけれども、片や日傘をさしたおとみさん、片や日傘を作るお春さん、千恵蔵演じる浪人を巡って、確かに何かとままならぬ訳です。しかし、作った傘を干しているとそこに通り雨、傘が濡れては大変と、これをキッカケに男女がうまく引き寄せられたりもする。はたまた、お春さんが父親の骨董道楽を嘆いている場面、千恵蔵が「そのうち掘り出しモノでもするかもよ」と言うのに対してお春さんは「そういう夢みたいなこと大っ嫌い」と言い放つんですけど、これがラストの伏線になってる。なってるけど、でもこのラストは、衝撃的です(笑)。いやホント、みんな笑ってていいのか~と思うんですけど、いいいんでしょう、きっと。もはや一種の躁状態。時代劇ミュージカルなんていうハチャメチャな作品ですから、オチもハチャメチャでいいんです。で、音楽はというと、一曲一曲は他愛ないものですが、会話の中に歌がピタッとはまってくるのが気持ちよく、とにかく楽しさ満点です。中でも、ディック・ミネのあまりに気持ちよさそうな歌いっぷりが、何やら悟りに近いものすら感じられて(笑)。[CS・衛星(邦画)] 8点(2015-09-29 22:47:17)

1495.  宮本武蔵完結篇 決闘巌流島 完結篇はもちろん、小次郎との一騎打ち。実際の巌流島、狭い狭い関門海峡にある、ごくごく小さい島です(当然山などありません)。唐戸市場で美味しいものでも買って、行き来するタンカーでも眺めながらのんびり過ごすには悪くないんですけど、ちょっとクライマックスの決闘シーンの舞台にはなりにくいかな、と。だから本作でも、明らかに関門海峡ではないどこかの秘境のような海岸が舞台。真っ赤な朝日を背景にしての決闘、カッチョいいんです。この完結篇ではもはや又八をはじめとするこれまでの様々な登場人物がバッサリ削ぎ落され、武蔵をめぐるお通と朱美の関係にだけ結末をつけた上で、小次郎との決戦へと物語は向かいます。もちろん我々は小次郎が敗れることを知っている訳ですが、武蔵と小次郎に物語を集約し、ともに、そのどちらが負けても惜しいナイスガイとして描かれる、なるほどこういう描き方もあるな、と。それにしても、武蔵を演じる三船敏郎、横顔がカッコいいんだな。[CS・衛星(邦画)] 7点(2015-09-28 17:22:45)

1496.  エクソダス:神と王 《ネタバレ》 どうして「神と王」が複数形なのか、わかりませんでしたが、それはともかく、スペクタクル映画。前半にはダイナミックな合戦シーンがあり、後半には「十の災い」がオドロオドロしく描かれたりもするのですが、でもこの場面をパニック映画指数全開で本気で描くんだったら、まずその予兆からジワジワと見せていく方が怖いんでしょうけどね(まず音だけ聴かせて異変を匂わせるとか、カエルの数匹でも見せてから数を次第に増やしていくとか)。このあたり、本作は生真面目というか淡泊というか、工夫が無いというか。みなさんお待ちかねのクライマックスでも、海は割れません。津波の前に一時的に潮が引く、自然現象としての描写。ああ、生真面目だなあ。 しかし実際のところ、本作はあくまですべてを自然現象として描いているのだろうし、だからこそ、モーセにだってどうにもならない。そもそも、ここでのモーセは、結構普通のヒトだったりもします。巨大な脅威を前にした人間の小ささを描くスペクタクル作品。そういやあの崖崩れで無数の戦車が落ちていく場面などは、荒唐無稽なまでにゴーカイでした。そういう意味での見応えは確かにあったかな、と。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2015-09-28 16:47:30)《改行有》

1497.  プレーンズ 主人公が高所恐怖症の飛行機、という思いつきの一発ネタだけで、ほとんど物語を膨らませられなかった印象。主人公のダスティは農薬散布のセスナ機、と言っても他の連中にあれこれバカにされるほどには見劣りする外見でもないし、実力は最初から結構ありそうだし、とりあえず「いいヒト」だし。高所恐怖症という唯一の「逆セールスポイント」も物語にさほど生かせているようにも思えず、結局のところ、転機らしい転機も描けていない、平板なオハナシになっちゃってます(そんなダスティがあっけらかんと活躍するのは、正直、あまり愉快でもない)。世界一周レースということで、とりあぜず世界の様々な光景が登場するという楽しさ、それはひとつの魅力ではありますが。[ブルーレイ(吹替)] 5点(2015-09-27 10:20:04)

1498.  シュガー・ラッシュ 《ネタバレ》 ゲームの中の悪役ラルフが、ヒーローに憧れて他のゲーム機に参戦してしまったことから一騒動、レーシングゲーム「シュガー・ラッシュ」において、自分同様、他のメンバーから疎んじられている少女ヴァネロペと出会って・・・というオハナシですが、ちょっと物足りないのが、・ラルフが最初から結構「いい人」を感じさせること、・結局のところ、ラルフがたどり着いた結論とは「現状に対する納得」に過ぎないこと、といったあたりですね。一連の冒険を通じて、「シュガー・ラッシュ」は元の姿を取り戻し(それが理想的な世界かどうかはともかく)、フェリックスも理想の女性と結婚し(それが幸せかどうかはともかく)、外面的なオチだけはしっかりつけているけど、やっぱり物語における真の焦点はラルフ自身の変化にこそあって欲しい訳で、もう少し素敵なオチがつけられなかったものか、と。「悪役もゲームには必要な存在」だなんて、そんな事、アタリマエ過ぎて身も蓋もない・・・。 ただ、それでもなお本作のラストが微笑ましく感じられるのは、ただ単にラルフが現状を受け入れただけではなくって、それが「外の世界を知った」上での事だから、ですね。ゲームの外へ出ていくことで、様々な危機が発生し、しかし多くの友人を手に入れることもできる、そうすれば、退屈な日常にもまた違った魅力が生まれる、「ビルから落とされるのだって悪くない」と。ココをもうちょっと巧みに描いてもらえれば。 ところで本作、ゲームの世界を舞台にすることで、古いゲームと新しいゲームとの映像のクォリティの違いというものが、可笑しさにつながっていますが、コレ、ゲームの世界ではなく、アニメーションの世界を舞台にしても成り立つ可笑しさなんだろうか。アニメのクォリティは、時代とともに、間違いなく上がっていってるんだろうか。なんてことも思っちゃいました。[DVD(吹替)] 7点(2015-09-27 08:43:15)(良:1票) 《改行有》

1499.  サスペリアPART2 《ネタバレ》 多分、ずいぶん前に深夜放送で見ようとしたハズなんだけど、前半しか記憶が無い(あの空虚な雰囲気に満ちた夜の街!)ので、きっと途中で寝ちゃったんでしょう(カラクリ人形が迫ってくる場面を見てりゃ、ここも忘れるハズないよね)。ってなワケで、今回、完全版とやらを借りてきて観たんですけれども。まあ正直、かったるい部分はありますわな、完全版の長尺のせいなのかどうなのか。でも、不気味なイメージの数々と、殺人シーンのショック描写と、その一方で主人公と女性記者とのコミカルなやりとり、それらが雑多に配置されているようでありながら、ちゃんと最後には「犯人探し」のミステリとして収束していって、面白くなっていきます。と言ってももちろん、理詰めのミステリではなくて(むしろ内容的にはテキトー)、イメージの収束の面白さ、ですね。廃屋の壁の向こうの秘密、ミイラがあり、不気味な絵があり。不気味な絵は冒頭シーンを通じて、ミイラは『サイコ』を通じて、事件の真相のイメージに繋がっていきます。途中で登場する、消えてしまったダイイングメッセージなんていうのも、メッセージ自体は意味があるのやら無いのやら、ですが、結果的には「鏡」というモチーフがここで提示されていたことになります。その一方で、主人公のコミカルなやり取りなどは、どちらかというと息抜き的に挿入され、やや冗長な気もしますが、周りが騒がしく電話の声が聞き取りにくい、なんていう場面、不気味さとはまた別の「ヤな感じ」を醸し出したりもしています。 『サスペリア』とは無関係な作品で、魔女などの超自然が登場するようなオカルト作品ではありませんが、オカルト的な語法を散りばめたミステリ作品で、「納得感」と「納得いかない感」の微妙なブレンドが持ち味と言えましょう。[DVD(字幕)] 7点(2015-09-26 09:44:10)《改行有》

1500.  續 宮本武蔵 一乗寺の決斗 さて三部作の第2作は、吉岡一門との果て無き闘争、そして小次郎との出会い。ちょっと「おやっ」と思わせるのが、一乗寺における最終決戦の相手が、吉岡清十郎だということ(つまり清十郎が重傷を負う決闘は省略され、三十三間堂における伝七郎との対決が先に行われる)。この構成が意外にスッキリしていて、なるほどこういう描き方もあるなあ、と。ただし、清十郎の悲劇性(さらにはアワレさを伴った吉岡一門の「敗者の美学」みたいなもの)は、その分、薄れている気もしますが。いずれにしましても、大勢の敵を相手に一大バトルを繰り広げる宮本武蔵の姿、三船敏郎の真骨頂ですな。 さて本作、カラー作品らしさが生きていて、「かむろ」というのか、あの少女の赤い着物なんか、とてもよく目を引きますし、小次郎のイメージカラー(と言っていいのか)の青色なども印象的で、カラフルに仕上がってます。ただ、小次郎役の鶴田浩二の白塗り顔が、若干、バカ殿っぽくもありますが・・・[CS・衛星(邦画)] 7点(2015-09-24 21:07:53)《改行有》

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