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1681. スペース・カウボーイ 前半、じーちゃんたちがはっちゃけてるあたりはとても楽しい。宇宙へ出てから予想外のトラブルに見舞われて~以降がちと強引で雑。つまりは旧ソ連のばかやろーっていう安易さもなんか乱暴だなあ。でも革ジャンにジーンズにサングラスをこんなに着こなせるじーさんたちってそうはいない。さすがのかっこ良さ。ロマンスを挿入しても違和感ないだけのことはあります。[地上波(吹替)] 6点(2012-06-03 15:01:22) 1682. ハモンハモン もう観終わって開いた口が塞がらないよ。スペイン人の情熱の濃さには驚いちゃうな。砂埃が舞い上がる乾いた空気と、ほぼ下着みたいなペネロペのドレスが太陽の熱さを伝えてくる。かと思えば降ってくる雨は大粒のどしゃ降りなんですな。光も影も濃い、スペインの風土。人間がモラルを必要とする文明社会以前の半野生に戻るのもわかるってもんです。いやわかんないけど。[CS・衛星(字幕)] 5点(2012-06-03 14:50:10) 1683. ラウンド・ミッドナイト 《ネタバレ》 作中で語られる、天才について。“毎晩創造することは、出来上がったものは美しくとも、その作業は死ぬほど苦しい”。ひとりの天才プレーヤーの孤独を、物語をあえて作ったりせず、そこにぽん、とあるだけのように描きます。彼を信奉するイラストレーターはそれこそ献身的に支えるのだけど、“天才”の孤高の領域を分かち合うことは不可能でした。家族が集まっての少女の誕生祝いの席で、全く身の置き所を感じられないデイル。そりゃそうでしょうね。アーティストと、社会に順応した幸福感というものは何光年も隔たりがあるものです。孤独を描いてはいても、朴訥と話すデイル役のD・ゴードンは悲壮感が少なく、担ぎ込まれた先の病院で医者を相手に「心のお悩み相談」と丸め込んでうまいこと出てきたり、とどこかユーモラスで素敵な人でした。時折挿まれる海岸や少女と歩くパリの道など映像も美しく、もちろんサックスの音は絹のように滑らか。滑らかすぎて若干眠たくはなりますが。[映画館(字幕)] 7点(2012-06-03 02:00:14) 1684. アパッチ(1990) この映画で印象強かったことといえば、T・L・ジョーンズが夜中に眠れず起きてきて食べてるのがなんでチョコのアイスバーなのかなーと。台詞のたびに歯が黒くて、そういうどうでもいいことのみ気になったのでした。[地上波(吹替)] 4点(2012-05-30 00:52:48) 1685. ルームメイト(1992) 《ネタバレ》 邪悪な女に振り回されるサスペンスの型をきちっと踏襲していて安定感のある(?)怖さ。さして新味は無いけど、J・J・リー演じるサイコな女の“ヤバイ感じ”が私の抱いている危険人物像とちょこちょこマッチするのでけっこうなリアリティがあった。①一見無難で良さそうな性格に見える。大人しい。②・・で、すごく“良い人”な割にイキナリ驚きの行動に出る。この場合は犬を勝手に飼いだす。③誠実さに欠け、約束を微妙に違える。邪気の無い表情は変えない。④服装が地味または少女趣味。・・書いてて気分悪くなってきた。終盤B・フォンダが消えてリーがパニックになるでしょう、泣きながら「怖いわ」って。怖いのはお前だあ。[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-05-30 00:12:42)(笑:2票) 1686. ブラック・サンデー 《ネタバレ》 全編渋くてストイック。ドキュメンタリーな手触りのせいもあって人の死がリアルで恐ろしい。ダーツ爆弾をテストする場面、あれが一番恐ろしかった。人の狂気も蜂の巣のように穿たれた無数の壁穴から差し込む光線も、もう強烈で忘れがたい印象を残しました。あ そしてこの年代の映画には珍しく、女をピンナップ・ガール扱いしていないのが斬新。きゃーという顔ひとつせず、さくさくと任務を遂行する彼女もまた美しいけど恐ろしい。[ビデオ(吹替)] 7点(2012-05-29 23:50:19) 1687. カサブランカ 男はダンディで女は美しく、愛し合う二人が社会情勢に翻弄されて・・、ってこれは主演二人がボガートとバーグマンだから見られるメロドラマ。100%ハードボイルドなボギーの渋いこと。正面切って吐かれたら赤面もののクサイ台詞もこの人が言うと言葉が宙に浮かずにすむ。これでもかと美貌を強調のバーグマンのアップの多いこと。つー、と頬を流れる一筋の涙、こらえきれずにふいっと後ろを振り返る演技。いやあクサいのなんの。しかし見入っちゃうんだな。ボギーの低い声に酔い、バーグマンキレイだあっと伝説級の美貌にくらくらするんだな。スターが手の届かないほんとのスターだった時代の、スターの資質を全て備えたおふたり、見事です。[地上波(字幕)] 7点(2012-05-23 14:14:04) 1688. 薔薇の名前 《ネタバレ》 難解なことで有名な原作に近づく気はなく、もちろんタイトルの意味もさっぱりだけど、映画が見せる世界観に圧倒された印象のある作品。陰気で暗い雰囲気が中世の暗黒っぷりをあますことなく伝えてくる。魔女にせむし男。人を拒絶するかのように石壁はひんやりと冷たくスペインの冬は荒涼として寒々しい。禁じられた蔵書庫は迷宮のようでおどろおどろしい舞台効果満点。死体も期待に応えて(?)グロい。謎解きに加えてキリスト教の宗派争いにも巻き込まれるS・コネリーが毅然としているうえに渋い。陰気パワーに負けない存在感。だけどもあの彼女、食べ物にも事欠く下層民の女があんなに肉付きの良いプロポーションなのはヘンだよなあ。我ながら「そこ?!」とは思うけど気になったので記しとく。[映画館(字幕)] 7点(2012-05-23 00:36:25) 1689. ドリームガールズ(2006) 《ネタバレ》 なるほど、このようにしてバンドないしグループは栄枯盛衰をたどるのだな。メンバー間のいざこざとかプロデュースの方向性の違い等、お話に目新しさは特に無いけども。そしてこれでもかと膨大な質量で押してくるR&Bが洪水の如し、お腹いっぱいだあ。特に心情を歌い上げるJ・ハドソンがこぶしきかせてひっぱることひっぱること。彼女のせいで、計らずもビヨンセが大して歌上手くないことが明るみになってしまった。良かったんだろうか、この映画に出て。彼女の美貌は大変よくわかったけれど。卵型の輪郭に、配置に無駄の無い目鼻といった精度の高い美人顔。加えて迫力のある身体つき!細けりゃいいと思ってる日本のモデルがミニスカートから棒っきれみたいな脚出してるのとは大違い。J・ハドソンすら(すらって)「このドレスじゃ身体の線がキレイに出ないわ」って言ってる。“女子力”なんてお子様なワードが吹っ飛ぶ女っぷりのドリームガールズに畏れ入りましたわ。[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-05-22 00:27:10) 1690. ふたりのイーダ 《ネタバレ》 子供心にくっきりと刻まれた忘れがたい一本です。映画館で衝撃を受けた、初めての経験だったと思います。イーダを待ちながらことこと独りで動くイスが哀れで泣きたくなったし、15日で止まったままの日めくりカレンダーの意味するところを知って辛かった。スクリーンから暑い陽射しが伝わってきてあの日の広島はこんなに晴れていたんだろうか、と後々になっても史実と映画の記憶が混ざってしまうほど鮮やかな映像でした。イスの最後が映画ではとても悲しいのだけど、友人から借りた原作ではラストはだいぶ趣きが違っていて、「あ こういうのもありなんだ 良かった」とちょっと救われたのを覚えています。[映画館(邦画)] 8点(2012-05-22 00:02:20) 1691. その土曜日、7時58分 《ネタバレ》 この事態の悪化するスピード感といい、「うわあ どうしよう」と身のすくむような精神的重圧のしんどいことったらもう・・。一体私は誰に共感してるのか分からないまま、ひたすら「どおしよ、どおしよ、ドラえもーんっ」的な脂汗たらたら状態になってしまった。ちょっとした愚かな思いつきが坂道を転がる雪玉のようにトラブルを抱えてふくらんでゆく。スタートは小さなことだった・・と思わせて実のところ惨劇の火種はずっと前から燻っていたのだとわかってくる。父子の確執、寝取られていた嫁、横領、ドラッグ。アンディの人生は初めからゆるやかに確実に破滅へ下っていた。弟を巻き込んで実家強盗を企てた、そこから下り斜度は一気にきつくなってゆく。抱えたトラブル玉はもう手に負えないほど大きい。うわあぁぁっ ドラえもーんっ。[DVD(字幕)] 6点(2012-05-13 00:52:30)(良:1票) 1692. A.I. 《ネタバレ》 この映画、私にとっては子供いじめてるようにしか見えないんだが。生命を創造できるようになった現代科学への警鐘とでも言いたいんだろうかスピルバーグは。子供の代替ロボに知能を与えて「愛」を感知させるのはイエスかノーかってノーに決まってんじゃんか。分かりきったことをえんえんと流すなあ。テディとJ・ロウがいなかったら点数はさらに下がったとこだ。掃除機だろうが子供型ロボットだろうが森に置き去りにしてはならんのだ。かわいそすぎるわ。[CS・衛星(字幕)] 3点(2012-05-13 00:25:31) 1693. コピーキャット 《ネタバレ》 はて、一体どこがダメなんだろうこの映画。猟奇殺人のおどろおどろしさも描写しているしシガニーの切迫した演技は上手いしハリーなんかあんなにルックス崩して熱演したるのに全く怖さが伝わらないのは何故なんだ。何度かTV等で観賞したけど、ホリー・ハンターのいい年して女学生みたいな厚ぼったい前髪のせいだ、と思うに至った。[地上波(吹替)] 4点(2012-05-09 11:35:13) 1694. 安城家の舞踏会 《ネタバレ》 台詞回しの古さとか屋外のセット等に時代を感じてしまうけれど、観終わって後じわじわと余韻がきた。もはや絶滅言語のような日本語を話す原節子。なんとまあたおやかな。それでいて賢くて芯が強くて、もう安城家の姉兄方は家の今後のことは敦子さんに丸投げだ。どうしようもなく不安なくせに強がるばかりの長男に、特権階級プライドが富士山より高い長女、やんごとなき殿様育ちで人を疑うことすら上手くできない当主。そんな中敦子さまはひとり顔を上げ、前を向くのだった。「安城家の美しい思い出」を刻むために催した舞踏会だったけれど、この家の真の美しさはゴシップ乱れ飛ぶ虚ろなパーティーなどに無く、ラストのダンスシーンに結晶している。お父様と敦子さんが踊るダンス。上質な暮らしに守られてきた上品な二人が踏むステップのしなやかで美しいこと。ついに長男の虚勢が削がれ、彼が号泣するに至るのもわかるってもんです。下々な私に別世界の輝きを見せていただいた、そんな気持ちになる作品。[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-05-09 11:23:14)(良:1票) 1695. 月の輝く夜に 《ネタバレ》 特濃な主人公二人の顔に慣れるのにちょっと時間かかったけど、それはそれとしてお話はけっこう面白い。コメディーの段取りをきちんと踏襲しているし、笑いの質がほのぼのと丸っこいのが良い。意外や上手いこといってる展開なのに、婚約不履行を相手から言われるとそれはそれでムカッときちゃう女心、いやあわかりますよ。成就するもしないも色々あれど、ちょこっと恋に落ちちゃう皆さん。まあこれは満月のせいということで。アカデミー受賞の大看板はこの作品には無い方がいいかも。そっと名画座あたりで上映されるべきテイスト。あ、シェールのくるぶしまであるロングコートがこの時代っぽくてとても懐かしかった。[ビデオ(字幕)] 7点(2012-05-09 11:03:23) 1696. サブウェイ・パニック 《ネタバレ》 これ面白かった。この無骨な雰囲気、この音楽(ど、ど、ど、どん、ぱらら~)ああ70年代サスペンスのわくわく感!W・マッソーがいい味出してること。ヘンなチェックのシャツに冗談みたいな黄色いネクタイ下げて、犯人に泣きついたり悪態ついたり。「現金到着!」とかましたのにはシビレた。おやじぃっ。CG不使用のカークラッシュの迫力も満点だし、余興で出てきたみたいな日本人団体もちょっと笑わせてくれるしで見所満載。そしてなんといってもラスト。「ぶぇっくしょん」「お大事に」がちゃっ。うわーっ粋だなーっお見事![CS・衛星(字幕)] 8点(2012-05-09 00:56:41) 1697. サイダーハウス・ルール 《ネタバレ》 微妙です。孤児院からとび出した主人公が遭遇する外社会が、とんでもなくえげつない。不倫を皮切りに、近親相姦だ殺人事件だ、あげく戦争から帰還した旦那は下半身不随だ、ととんだことになってるのにこんなにさらっとしてていいのか?トビー・マグワイアひとり「世間を勉強してきたぜ」って成長した風になってますけどええーそんな。黒人の娘さんはあの後どうなったのだろう。すっかり脇にやられてる。この監督、いつも私にとって大事なことを枝葉末節扱いするんだよな。いつでももやもやする。トビーの経歴を詐称して理事相手にしれっとしている院長が一番良かった。なんと卒業証書まで・・そんなヒマあったんだ。[地上波(吹替)] 5点(2012-04-28 18:36:22) 1698. がんばれ!ベアーズ スポーツコメディーの定番な展開ながら、ダメチームが数々の障害を乗り越えてガンバル姿はやっぱり楽しいな。口のへらないアメリカのガキどものキャラ立ちが見事。なかでもやっぱりテータム・オニール!“持ってる”子はなんだか纏う空気まで輝きが違う。12歳の子にすっかり魅了されてしまった。大人どもがマジになって大人気ないのも洋の東西問わないんだなー、と可笑しい。よし、みんなー、野球やろうぜ。バイクを捨ててバットを握るんだ。[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-04-28 17:22:25) 1699. ニュー・シネマ・パラダイス アルフレッドと幼きトトの友情に心があったまります。映画を観る幸せがあふれ出してきそうな映画館の描写も好き。点数はすべてこの前半に。どうも私は育ちが悪いせいか他人のノスタルジーに引っ張られない性質なので、おっさんが郷愁に浸っているのを見てもぴんと来ないのでした。運動会で小さい子が走ってるとすぐ泣くんですが。[ビデオ(字幕)] 7点(2012-04-28 17:05:00) 1700. ゾディアック(2007) 《ネタバレ》 知らなかったもんねゾディアック事件。うっかり事件解決のカタルシスを期待したがために大変つらい思いをした150分。ラストが面通しで終わった時は桂三枝みたく椅子ごと後ろにひっくり返りそうになった。未解決ものジャンルでは韓国映画にアウトラインもそっくりなのがあるけれど、あちらが手がかりひとつひとつに謎解きの緊張感を持続させ、ラストシーンにまで余韻を持たせたのと比べれば米国版のこちらはドラマとして数段劣っていると感じる。小難しい顔を延々並べられても客としてはついて行きづらい。[CS・衛星(字幕)] 4点(2012-04-25 01:49:53)
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