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プロフィール
コメント数 615
性別 男性
自己紹介  洋画は字幕版も吹き替え版も両方観た上で感想を書くようにしています。
 ネタバレが多い為、未見映画の情報集めには役立てないかも知れませんが……
 自分と好みが合う人がいたら、点数などを基準に映画選びの参考にしてもらえたら嬉しいです。

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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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161.  エターナル 奇蹟の出会い 《ネタバレ》  ヒロインとの出会いから婚約までを描いた冒頭部分も、良質なラブコメ映画として、充分に楽しめる出来栄えですね。  けれど、この作品の真骨頂は、主人公が少年サッカーチームの監督に指名されてからの展開にこそあると思います。  「これって、もしかして……」という予感に応えてくれるかのように、チームの選手となった子供達が、超人的な身体能力で、大活躍!  そんなの全然リアルじゃないというツッコミを、完全にファンタジーな動きで吹き飛ばしてくれる様は、実に痛快です。  一刻も早く敗退してくれるように、という主人公の内なる願いに反して、チームが快進撃を続けていくのが、もう可笑しくって仕方ないんですよね。  あの手この手で監督自らチームを妨害して、子供達に薬を飲ませたり、デタラメな采配をしたり、気弱で活躍など出来そうもない子をキーパーに抜擢してみせたりするも、それが結果的に勝利に繋がってしまう不条理、もう最高です。  そして、この映画の秀逸なところは、そんな皮肉なコメディ映画というだけで終わらずに、もう一歩踏み込んだ内容を見せてくれた事にあると思います。  中盤以降、主人公の監督と、選手となる子供達の間に、家族のような絆が芽生えていく。  それを軽いタッチで、けれども大事な部分は押さえた上で描いてくれるのだから、観客の自分としても、気が付けばチームの敗北よりも勝利を願うようになるんです。  そんな願いを叶えてくれるかのように、とうとう主人公が自らの結婚よりも「この子達を勝たせたい」という想いを優先させてくれるシーンには、もう拍手喝采。  本気でチームの優勝を願って、応援させられる事になりました。  登場人物も魅力的で、主人公とヒロインだけでなく、恋敵役となる女教師と、新婦の幼馴染の男性なども良い味を出しているのですが、やはり何と言っても子供達のキャラクターが素晴らしい。  特にお気に入りなのは、キーパー役の二人。  小柄で気の強いテイルボーンは、途中でスタメンの座を剥奪されるも、さながらマネージャーのような立ち位置に収まって、ゴールの度に監督に抱き付いたりハイタッチしたりして喜びを表してくれるのが可愛いし、気弱な秘密兵器ダリクが魅せるスーパーセーブの数々は、観ているこちらの心をも鷲掴みにしてくれます。  ストリートチルドレンである選手達の塒も、妙に童心を刺激するというか、ちょっと住んでみたいなと思わせるような魅力ある造形だったりして、とにかくもう何もかもが好みな映画なんですよね。  決勝戦の前夜、主人公が子供達みんなと寄り添うように寝そべって、一緒に空を見上げるワンカットなんて、溜息が零れちゃうくらいに素敵。  面白いとか、笑ったとか、泣いたとか、そういった感情よりも何よりも「この映画、好きだな」という想いを強く抱かせてくれる。  そんな、特別な映画です。[DVD(吹替)] 10点(2016-05-02 17:54:05)《改行有》

162.  Dearダニー 君へのうた 《ネタバレ》  「ジョン・レノンからの手紙」というと、何だかそれだけを主題にして一本の映画が作れそうな魅力を感じますが、本作に関しては、決して彼からの手紙だけで終わる映画ではありませんでしたね。  手紙は確かに劇的な効果を齎してくれますが、それはあくまでも主人公ダニーの意識を変えて、行動を起こさせてくれたキッカケに過ぎないというバランス。とても好みでした。  それにしてもまぁ、アル・パチーノという人は本当に演技が上手いなぁ、としみじみ実感。  往年のロックスターだが、若い妻は浮気しているし、息子との関係は断絶中。  麻薬も手放せなくて、もう何十年も曲を書かずに、往年のヒット曲「ベイビードール」をツアーで歌い続ける日々を送っている男。  こんな具合に文章で列挙してみれば、幾つもの要素が絡み合った複雑な役柄のはずなのに、非常にシンプルな人間であると感じさせるほど、スッキリと演じきっています。  序盤に、ジョンからの手紙を読んで衝撃を受ける件も良かったですし、妻とその愛人とに別れを告げて、豪邸を後にする姿も、何だか妙に格好良い。  宿泊先のホテルにて、若い従業員達と小粋なジョークを交えた会話を繰り広げたり、お堅い女性従業員を口説いてみせたりする様が、観ているだけで楽しい気分にさせられるのですよね。  確かなスターのオーラを感じます。  終盤にて、苦労の末に完成させた新曲のバラードを歌おうとするも、客に要求されるのはいつもの「ベイビードール」。  迷った末に、寂しげな笑みを浮かべながらも「分かってる。皆が聴きたいのは、この曲だよね」と、望まれた通りの曲を歌い出す姿には、実に深い人間味を感じられました。  この主人公の選択に関しては、作中でハッキリと否定的に描かれており、実際に後になってから、新曲を楽しみにしていた女性従業員に非難されたりもしています。  それでも、何処となく「自分の理想を追い求めるよりも、客が望むものに素直に応えてみせたプロとしての姿」という切なさ、悲しさのようなものを感じさせてくれたのが、パチーノの演技が生み出す深みというものなのかも知れません。  その後の、長年の友人であるマネージャーが「ダニーは凄く良い奴だ」と彼の息子に語り掛けるシーンも素晴らしかったですし、ラストシーンにて、吉報を表すジンクスの「やぁ、トム」という息子の名前を呼びかける台詞で終わる構成も、凄く気持ちが良い。  実話を元にしたがゆえか、色々と煮え切らない部分もあり、主人公が一度は辞めたはずの麻薬に再び手を染める展開など、少し劇中との距離を感じてしまう瞬間もありましたが、総じて満足度高めの時間を過ごせましたね。  冷たい現実を内包しながらも、なお温かい映画だと思います。[DVD(吹替)] 7点(2016-04-27 06:01:40)《改行有》

163.  親愛なるきみへ 《ネタバレ》  アクションではなく恋愛物のチャニング・テイタム主演映画は、これが初体験です。  こういった設定の映画では、どうしても主人公がナヨナヨしくて軍人には見えないというパターンが多くなってしまいそうなのですが、本作に関しては心配無用。  見るからに筋肉質で厳つい彼だけど、繊細な心情も丁寧に表現する演技を見せてくれて、違和感なく楽しむ事が出来ました。  さぁ、これからどんなストーリーが展開されるのだろうと期待が膨らむ序盤。  そして、中盤以降は……正直、王道過ぎるというか、何処かで観た事があるような展開に収まってしまったように思えて、残念でした。  遠距離恋愛をテーマとして扱っている以上、それは外せないのかもしれませんが「男が留守にしている間に寂しさに耐えかねて他の男と結ばれてしまう女」なんてものを、まさか終盤で堂々と見せられる事になるとは予想がつかず。  自閉症の父との絆、そして別れに関しても真面目に描かれていたとは思うのですが、それだけに優等生過ぎて面白みに欠けるように感じてしまいました。  一方、冒頭のシーンにて(あぁ、これは死ぬ間際の主人公が過去を回想するという形式なのか)と安易に考えていたところで、それを裏切ってくれる形となったのは気持ち良かったですね。  死の床にある父に向って、主人公が読み上げる手紙。  その文中にある「俺はコインだ」との言葉に象徴されるように、ストーリーの主軸は「コイン」と「父と子の絆」であって、恋愛要素はオマケに過ぎなかったのではないかな、とも思えてきます。  両方の要素を備えているからこそ魅力的なのかも知れませんが、自分の好みとしては、家族を主題にした映画か、恋愛映画なのか、どちらかに絞って描いて欲しかったところ。  色々と気になる点も多かったのですが、最後は主人公の男女が再会してハッピーエンドで〆てくれた辺りなんかは、何だかんだで嬉しかったです。  回り道はしたけれど、収まるべきところに収まったという形で、安心感がありました。[DVD(吹替)] 5点(2016-04-20 21:44:02)《改行有》

164.  ムーンライズ・キングダム 《ネタバレ》  どこか見覚えのある作風だなぁ、と思っていたら「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」の監督さんだったのですね。納得。  あちらも出演者が豪華で、かつ自分好みな顔触れだったのですが、こちらの品でもそれが共通しているみたい。  自分としてはエドワード・ノートン目当てで観賞したもので、本当に脇役扱いである事に驚かされました。  作風としては上品でセンスの良い、大人のファンタジーといった趣きですが、意外と性的な表現もあったりする、際どいバランス。  それも直接的でドギツイ代物ではなく、まだ性知識の無い子供でもドキドキしそうな作りになっている事には、感心させられましたね。  狭いテントの中で、半裸の女の子と二人きり生活を送る様を描いてくれたりして、ある種の願望を叶えてくれる映画としても評価出来そうです。  それと、劇中で女の子が初めてピアスを付けるシーンがやたら色っぽく描かれていた気がするのですが、あれはやっぱり「穴を開ける」という事で、性行為の諷喩なのかな? とも思えるのですが、真相や如何に。  そういった意味で、子供同士の恋愛映画としては満足だったのですが、大人側の描写には少し不満もあったりします。  ノートン演じるウォード隊長と、ブルース・ウィリス演じるシャープ警部を、今一つ応援する気持ちになれなかったのですよね。  理由としては、この二人が主人公達の人格を理解し、尊重し、彼らを好きになった上で行動しているというよりも、単に「少年収容所に送るのは可哀想だから」という、同情心ゆえの行いに思えてしまったのが大きいです。  彼らは主人公達に味方してくれる「良い大人」代表なのでしょうし、もう少し両者の心の交流というか、相互理解を示す場面が欲しかったところ。  心中オチも有り得るかと思われた展開の中で、最後はハッピーエンドに着地してくれた事は、素直に嬉しかったです。  まだまだ前途多難な恋路のようだけど、それもまた発展途上である子供達の物語としては相応しい結末かな、と思えました。  劇中の二人にとっても、この子供時代の思い出は、素敵なものとして胸に残りそう。  奇妙な安心感を与えてくれる、独特の映画でした。 [DVD(吹替)] 6点(2016-04-20 14:12:01)(良:1票) 《改行有》

165.  2ガンズ 《ネタバレ》  デンゼル・ワシントンにはコミカルな印象が無かった為、この映画には驚かされました。  どちらかといえばマーク・ウォールバーグのファンであるだけに、彼よりも笑わせてくれるシーンが多い事には、素直に感服です。  特に好きなのは銀行強盗を終えた後、周りを見回して「あれ? 何で警察が来てないの?」と戸惑う姿ですね。  覆面越しで表情は見えないはずなのに困惑が見て取れて、上手いなぁと感じます。  主人公二人がどちらも「悪の組織に潜入捜査している善人」という設定に関しては、今一つ活かし切れていないようにも思え、残念。  中盤にて互いの正体が分かった時にも「お前、裏切り者だったのか!」って具合にショックを受けて喧嘩になっていますし、それならどちらか片方は元々悪側の人間で、改心する展開でも良かったのではないかと。  ラストの「これで俺ら、ファミリーだ」という台詞に関しても、元々二人は同じような立場、どちらも国家権力側の人間であった訳だから、垣根を越えて分かり合えたというカタルシスが乏しかったですからね。  「3で同時に放そう」の件といい、二人を徹底的に似た者同士として描く為だったのかも知れませんが、もう少し何か「この設定ならではの利点」を感じさせてもらいたかったところ。  上述のように気になった点もあるけれど「そんな細かいこと、ツッコむ方が野暮だぜ!」と思えるような魅力があるのも確かですね。  冒頭の「ドーナツが美味い店」でのやり取りも良いのですが、最後の銃撃戦にて、互いに背中を預けて円を描くように撃ちまくるシーンなんかも、お気に入り。  リラックスして、お気楽モードで楽しめる映画でした。[DVD(字幕)] 6点(2016-04-16 13:22:52)《改行有》

166.  パラノーマン ブライス・ホローの謎 《ネタバレ》  導入部の短い時間の中で、主人公に感情移入させるのが巧いなぁ、と感心。  「幽霊が見えて、話す事が出来る」という能力の持ち主が、周囲からは如何に奇怪な存在に思えるか、という点をテンポ良く説明してみせる親切さが心地良いんですよね。  学校でのイジメも陰鬱になり過ぎない範囲で、同情を誘うように描かれており、この後に彼が周囲に理解され、立場が改善される展開になる事を願わされます。  他にも、変人のように描かれていたお婆ちゃんが「実は幽霊である」という最初の種明かしの時点で、これは自分好みの映画だと直感的に覚る事が出来ましたね。  主人公を見守るお婆ちゃんの霊というと、性格的にも分かり易く優しかったり、あるいは窮地を救ってくれる助っ人的なポジションだったりするのを予想するところなのですが、この映画では本当に孫を見守っているだけで、出番すらも僅かで、直接的に役立ってはくれないんです。  それを作劇として不誠実と感じる向きもあるでしょうが、自分としては何となく、その「すっとぼけ」具合が好ましく思えました。  一番面白かったのは、中盤のゾンビが町を訪れるシークエンス。  目の前にゾンビが迫ってきているのに、自販機で買ったお菓子が出てくるまでは逃げ出す事が出来ずにいる市民の姿なんかが、妙にツボでした。  ただゾンビ映画のテンプレをクレイアニメでなぞるだけでなく、こういった独自のユーモア感覚が全編に散りばめられているから楽しい。  格好良くショットガンを取り出して「頭を吹っ飛ばせーっ!」と叫ぶ金髪のオバちゃんの姿なんかには、こちらのテンションも大いに高まりました。  「ゾンビよりも人間の方が怖い」というのは、これまでにも何度か描かれてきたテーマではありますが、この作品くらいハイテンションに、かつギャグの色も濃密に描いたパターンというのは、初めての体験でしたね。  ゾンビが人間を襲うのではなく、人間がゾンビを襲っているというアベコベな風景を、途中までは笑って観ていられたのに、段々と「魔女狩り」の色合いを帯びてくる集団の姿に、ゾッとさせられるという二段仕掛けの構成も秀逸。  狂気とは笑いにも恐怖にも通じるものなのだなぁ、と実感させられました。  一方で、終盤の展開に関しては少し不満というか、期待していたのとは違う方向性に話が進んだように思えて、残念な気持ちに。  まず、一度は弟を見捨てたはずの主人公の姉が味方になってくれる展開が、どうにも唐突に感じられてしまった事。  そして騒動の根源となっている魔女との対決が、似通った境遇の少年と少女の対話によって解決されるという展開に「えっ? そんな道徳的な話になるの?」と戸惑ってしまった事が大きいですね。  後になって思い出せば、冒頭のお婆ちゃんの台詞「ちゃんと落ち着いて話し合えば、違う結末になる」が伏線になっていたのだと分かるのですが、観ている最中は?マークに頭を占められてしまいました。  個人的好みとしては、中盤までの悪ノリとブラックユーモアに溢れた世界観で突っ走って欲しかったという思いがあるのですが、終盤の感動的なシークエンスによって、この映画に「誰でも安心して楽しめるような優等生的作品」という長所が生まれたのも確かですね。  主人公の友達となってくれるニールや、その兄など、脇を固めるキャラクター陣も魅力的。  ラストシーンの、それまで頑なに息子を否定していた父親が、ようやく幽霊の存在を受け入れて亡き母に語り掛けてくれるという、静かなカタルシスを与えてくれる終わり方も良かったです。  一家揃って仲良くホラー映画を観る姿には、憧れを感じさせるものがありました。[DVD(吹替)] 7点(2016-04-13 09:47:05)《改行有》

167.  トランスポーター イグニション 《ネタバレ》  てっきりストーリーも第一作をなぞる形かと思っていたので、全く新しいストーリーが繰り広げられる事に吃驚。  とはいえ、脚本はリュック・ベッソンが担当している為か「あぁ、またこの展開か」と思ってしまうくらいに、観ていて安心感がありましたね。  謎のブロンド美女集団なんて如何にもといった感じで、相変わらずだなぁと嬉しくなってしまいます。  主人公フランクに関しては、クールでスタイリッシュな印象。  前シリーズのジェイソン・ステイサムに比べると、紅い唇が印象的なエド・スクラインは黒スーツが良く似合っており、冒頭のアクションにはエレガントさすら漂わせているのが、独特の魅力だと思えます。  一方で、あのスーツ姿とは不釣り合いな野性味、何をやらかすか分からない危なさが薄れているように感じられるという、後発ならではの弱みもあるかと。  それと、やはり目立つのは父親の存在ですね。 「これは孤独なプロフェッショナルという主人公のタイプには似合わない、恐らくは途中で殺されて復讐を誓う展開なのだろうな……」  という安易な予想を裏切ってくれたのは、素直に嬉しい。  序盤から「親父さんの職業に秘密があるな」と勘付かせて、そちらの期待は裏切らずに、元スパイという設定が中盤で判明する辺りなどは、好みのバランスでした。  ところが一転、終盤になると少し期待外れというか、テンションが下がる展開に。  まず、親父さんのキャラクターが目立ち過ぎた結果、主人公フランクの存在感が薄まってしまった事。  そしてストーリーの中核を担うのがヒロインのアンナであると判明し、フランクが単なる「アンナを手助けする相棒ポジション」にしか思えなくなってしまったのには困りました。  一番の難点は、父親が誘拐されてしまう流れを二度続けてやられた事で、これには思わず「またかよ!」と声が出てしまいましたね。  それにラスボスは主人公と因縁のあるキャラクターなのだし、アンナの手助けによって決着が付く展開にするのではなく、実力で気持ち良く勝って欲しかったところです。  恐らくはシリーズ第一作にて、ヒロインが拳銃で主人公の危機を救う結末へのオマージュなのでしょうが、それならラスボスを倒した後、満身創痍で端役に追い詰められた後に救われる展開でも良かったかな、と。  上記のように不満点もあったりするのですが、そういうものだと予め知った上で、割り切って観れば、主人公達の親子関係は微笑ましいものがありましたし、充分に楽しめる内容だと思います。  特に、カーアクションの面白さは折り紙付き。  路上の消火栓を破壊して道路を水浸しにする事によって追っ手を足止めする件や、空港でのジャンプなどは見応えがありました。  今回は「事前に期待した内容とは違っていた」という意味で、今一つ盛り上がれませんでしたが、また時間を置いて再見し、その魅力を確かめてみたくなる。  そんな一品でした。[DVD(吹替)] 6点(2016-04-12 07:37:21)《改行有》

168.  東京島 《ネタバレ》  無人島が舞台で、しかも男達の中に女性が一人だけ、これは絶対に面白いはず! と期待して観た品なのですが……  「面白くなかった」「期待外れだった」とまでは言わないけれど、物足りないものがありました。  元ネタであろうアナタハン事件に比べると「女を巡って男達が殺し合いする」という殺伐さもあまり感じられず、どこかノンビリした空気が全編に渡って漂っているんですよね。  それが心地良い、お気楽漂流ものとして楽しめる、という側面もあるのでしょうが、自分としては肩透かし。  主人公となる女性が「サバイバル」していると感じさせる場面が、冒頭で蛇を捕まえる部分くらいしかなかったのも残念でした。  ラスト、島を脱出するのを諦めた男達が「王子」を崇めて、平和に暮らしている姿なんかは、皮肉が利いていて良かったですね。  これはこれで一つの幸せの形なのだなぁ、と思わされたりもしました。  それに対し、脱出に成功した主人公の女性は、窪塚洋介演じるワタナベと結ばれた……のかな?  だとしたら、何とも少女漫画的な顛末。  「口が悪くて何かと自分に突っかかってくるけど、本当は自分の事が好きだったイケメン」だなんて、如何にもといった感じですからね。  女性として感情移入して観たら、また違った感想になるかも。  ハッピーエンドという意味では文句の付けどころが無いし、観客が求めるものに応えようとした映画ではあった、と思います。[DVD(邦画)] 4点(2016-04-08 12:26:56)《改行有》

169.  ハリケーンアワー 《ネタバレ》  これは設定の勝利でしょう。  自然災害によって隔離された病院。  亡き妻の忘れ形見となった赤子の命を守る為、小型発電機で医療機器に充電し続けながら、何とか親子揃って生き延びようともがく主人公。  非常に孤独で、なおかつ斬新な戦いが描かれていたと思います。    とにかく主人公に与えられた制限時間が短過ぎて 「これ、もう三分以上が経過しているんじゃないか?」  と思えてしまう場面もあるのは難点ですが、それゆえに緊迫感の濃さも、折り紙付き。  中盤になって訪れる、短過ぎる制限時間の更なる短縮というイベントが、もう本当に衝撃的で「せめて二分は与えてくれよ!」と叫びたくなりましたね。  終盤、銃で武装した火事場泥棒の連中が病院内に出現した際には「最後の最後で長々とした銃撃戦になるのか?」と思ってしまったものですが、そんな観客の疑念を一蹴するかのように、主人公は不埒な闖入者を瞬く間に撃退してしまう。  その恰好良過ぎる姿には「父は強し」なんて言葉を思い浮かべずにはいられませんでした。  ラストシーンでは 「二人とも助かって欲しい」「バッドエンドなんかにしないで欲しい」  と切実に願わされただけに、その願いが叶って、心からホッとさせられましたね。  ポール・ウォーカーは好きな俳優さんですが、そんな彼の出演作の中でも異彩を放つ内容である本作。  勿論これ単独でも充分に楽しめる品なのですが、他の映画作品における「明るく気の良いアンちゃん」としての彼を知った上で観賞すれば、一本の映画を通して「強き父」へと生まれ変わっていく彼の姿に、更なる感動を抱く事が出来そう。オススメです。[DVD(字幕)] 8点(2016-04-03 06:10:28)(良:2票) 《改行有》

170.  映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 はばたけ 天使たち 《ネタバレ》  これは思い出深い一品ですね。  子供の頃に原作漫画を夢中で読み、アニメも楽しんでいた「ドラえもん」。  とはいえ僕にとって「ドラえもん」といえば原作漫画の存在を指し、アニメ版は「ドラえもんをアニメ化したもの」という、一歩引いた目線で観ていた記憶があります。  そんな考えに揺らぎが生じたのが「恐竜2006」であり、それは旧映画版どころか原作漫画よりも面白く感じられて、本当に衝撃的でした。  そして、決定的に魅了されたのが、この「新・鉄人兵団」。  以降、僕にとってのドラえもんは原作漫画であると同時に、アニメ版を指すようにもなりました。  戦闘シーンが如何に素晴らしいか、主題歌が如何に名曲であるかなど、語り出したらキリが無いけれど、やはり本作はピッポの存在に尽きると思います。  そんなキャラクターは、原作漫画には存在していません。元はジュドであるとしても見た目も中身も境遇も違う「ピッポ」に生まれ変わった以上、それは新しいキャラクターです。  何の積み重ねもない、観客である自分にとって、この映画で初めて出会う事になるキャラクターに、こんなにも心が揺さぶられる事になるとは。  ボロボロになったザンダクロスボディを操縦して、戦場で撃たれそうになったのび太を庇ってみせるシーン、友達になれたのび太の腕の中で、新しい名前を大好きだと笑顔で伝えて消えていくシーン、そして束の間の夢、幻のような切ない再会シーンなどなど、あまりにも名場面が多すぎる。  原作において「天使のようなロボットになりたい」と願ったリルルに対しては、心から「なれると良いね」と感じさせられましたが、ピッポに対しては「奴隷ロボットでもヒヨコでも鳥でも天使でも何だって構わない、とにかくピッポが大好きだ」という思いで一杯です。  原作漫画を描いてくれたF先生には勿論、この映画を生み出してくれた寺本監督にも、本当に「ありがとう」と伝えたくなる素敵な品でした。[映画館(邦画)] 10点(2016-04-01 19:04:32)《改行有》

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