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プロフィール
コメント数 519
性別 男性
自己紹介 60代のおっさん

好きな言葉

期待はあらゆる苦悩のもと(シェークスピア)

人間には不幸か、貧乏か、病気が必要だ。でないと人間はすぐに思いあがる(ツルゲーネフ)

座右の銘にするのはどっちだ

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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  男はつらいよ お帰り 寅さん 《ネタバレ》 恒例の夢のシーン、しかし、ああ夢かと呟くのはくたびれた満男だ。夢の内容も重い。現実に戻ると、亡き妻の法要が待っている。集まったのは、年老いたさくらに博、元気のない源公、なによりも柴又駅が新しい。時の流れを感じざるを得ない。久々に登場する泉も、世の中の不幸を一身に背負っている不幸な設定だ。リリーさんもオシッコが近くなっている。しかし救いはあった。そうです、時々挿入される満男の回想シーン。元気いっぱいの寅さんが笑わせて、そして泣かせてくれる。何度も見たはずの名場面に、また思わず見入ってしまう。ああ、これはある意味寅さんの法要のようなものかも知れない。集まった人たちが思い出話に花を咲かせているような。まあ、違うかも知れないが。という訳で、感無量でした。ちなみに、「お帰えり寅さん」という題名は、やや違和感がありますね。内容からすると「満男もつらいよ 助けておじさん」かな。[映画館(邦画)] 10点(2020-01-12 09:31:13)(良:1票)

2.  スター・ウォーズ/最後のジェダイ 《ネタバレ》 もし、レイア役がキャリー・フィッシャーでなくジョディ・フォスターだったらSWシリーズは全く別のものになっていただろう。もし、キャリー・フィッシャーがレイアのイメージを壊すような役を他の作品で演じ続けていたらSWシリーズの世界観や作品イメージを変えざるを得なかっただろう。この役はこの役者、この役者はこの役。そのファンと映画界の期待に応え続けた名優に惜しみない賛辞を贈りたい。ありがとうキャリー・フィッシャー。[ブルーレイ(字幕)] 10点(2019-07-21 16:41:37)(良:3票)

3.  沈黙 ーサイレンスー(2016) 《ネタバレ》 幕府がキリシタンを弾圧したのには当然に理由がある。一番の理由は西洋の侵略を恐れてのことだろう。当時のカトリック教会は異教徒の奴隷貿易を認めていた。彼らにとって信徒以外は人ではなかったのだ。多くの日本人が奴隷として連れ去られた記録もある。そのような宗教を日本で広められることに幕府が危機感を持つのは理解できないことではない。現在でも、イスラムに関係する紛争やテロが多発して宗教が純粋な信仰の問題だけでなくなっている。そう考えると、この映画で繰り広げられる悲劇は、決して日本側だけが引き起こしたのではないことが理解できる。しかし、少なくともこの映画の信徒らにとっては内なる信仰の問題であることには変わりがない。もう一つ。キチジローの弱さは、違う意味の強さに結びつく柔軟性につながっていることだ。信念や意地を捨てることが生き残るための方策であることを示している。生き延びたキチジローは勝者であるという側面も感じる。原作読後に感じた宗教の意義への問いかけと味わい深い余韻は鑑賞後に同じように感じた。[DVD(字幕)] 10点(2019-01-10 21:46:49)

4.  ハドソン川の奇跡 《ネタバレ》 何でしょうかこの邦題は。歴代ワースト10に入るほどの悲惨な邦題だ。原題は「サリー」ですよ。少なくとも「奇跡の機長サリー」でしょう。いや、「川着水を選んだ機長サリー」かな。まあ、それはともかくとして、人の仕事にケチをつけて粗探しをする連中の醜さがよく描かれている。どこの世界にもいますよね、こういう批判しかしない連中。結果論や第三者的な立場からなら何でも言えますよ。瞬時の判断が生死を分けるような緊迫した現場の状況で、最善の方策を見事に成し遂げた機長を中心とした搭乗員は素晴らしかった。この状況で一人の死者も出なかったのだから。奇跡のような救出劇がハドソン川で起こっていたのだな。これ事実ですよね。うーん、まあ、結構良い邦題かな。[DVD(字幕)] 10点(2018-07-01 16:23:19)(良:1票)

5.  ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー 《ネタバレ》 その昔、ブルース・リーの遺作「死亡遊戯」をしてラスト10分の映画だとする評価に納得したことを思い出した。SWシリーズに流れる冒険活劇のエンターテイメント要素が薄いこの作品にあって、そこに不満を持つ頭の固いオールドファンであっても、ラストに用意された「新たなる希望」へ繋がる10分間には思わず魂がくすぐられたに違いない。そう、そういう意味ではこの作品もラスト10分間の映画と評されても私はあえて反発はしない。あの映画史を変えたエピソードⅣに感激しSWマニアになった者であっても、その感激の中身は決して同じではないのだ。ましてや映画人となるほどの感性を持った者は独自のSW感を持ち、幸運にも夢の監督に抜擢されれば、最大限自分の世界を追求するだろう。例えるなら、これはという美味しいお酒に巡り合っても、1合で満足する者もいれば一升でも足りない者がいるように(何か違う)。と、とにかく監督のギャレス・エドワーズの感激の質はこういうものだ。まあ、シリーズの主流作品監督ではなくとも、盲腸みたいなはぐれ作品でも満足だというように(これも違う)。とにかく、そういうことなのだ(どういうこと?)。[映画館(字幕)] 10点(2017-04-13 22:38:24)(良:1票)

6.  シン・ゴジラ 《ネタバレ》 リオ五輪の閉会式で登場した東京のPR映像に、ドラえもんやキャプテン翼など日本を代表するキャラクターが登場したが、なんか足りないなあという思いが微妙に残っていた。それが、この映画を観てピンと来た。あの映像にゴジラが一瞬でも登場していたら完璧だった。もちろん、登場していただくとしたら初代の御大でしょうけど。と言うわけで、これは映画のタイトルそのままに、新しいゴジラ映画ですね。何が新しいかというと、まず過去のゴジラ映画を引き継いでいないという点。最初に登場するのは何かわからない生物で、徐々に進化するにつれゴジラっぽくなるが、少なくともテラノサウルスみたいなカッコ良い恐竜が原型ではない。そして、無表情で何を考えているのか不明な不気味な容姿に、やたら強くてというか危険極まりない暴れっぷり。キレた時の破壊力は半端ではない。プロレスごっこしていた先輩たちの面影は微塵もない。世界最強の米軍の爆撃機もあっという間に撃墜される。いやあ、怖い。こんな化け物をどうやって退治するのか、と思ったら、血液凝固剤注入という地味な方法。しかも口から入れるというもどかしさ。ああ、これは事故を起こした原発の廃炉という作業も、地味に時間をかけてやっていかなければならないというメッセージだろうな。放射能を撒き散らす原子力という得体の知れない怪物に人類はどう立ちむかっていくのか、日本はどうなんだという問い。この点、初代ゴジラ映画が放った警告と怒りはしっかり引き継いでいる。[映画館(邦画)] 10点(2016-09-09 17:08:42)(良:3票)

7.  スター・ウォーズ/フォースの覚醒 《ネタバレ》 まあ、エピソードⅣを公開初日に劇場で鑑賞した者として、これは何なんだと言いたい。ルーカスのあの熱い情熱が、随所に張り巡らされた細やかな感性が、完璧な構想が泣いている。ところで、エイブラムス監督が会社の上層部(背後にルーカスの存在があるかも)から示された条件を見たんですが、気になった条項がありまして。例えば、フェミニスト団体とか小うるさい連中から批判が出ないように配役はマイノリティーに配慮すること、エピソードⅣを尊敬していることを示すためストーリーは極力同じものとすること、新しいキャラクターを作ってもいいがオリジナルのものより少しダサくすること、SWのシリーズらしく今までのスターやキャラクターを随所で出すこと、ハリソン・フォードは歳なのでハン・ソロだけは死ぬ設定でもいい、間違ってもエピソードⅣを超える傑作にはしないこと。うーん、エイブラムス君、完璧な出来上がりではないか。[ブルーレイ(字幕)] 10点(2016-07-08 19:02:43)(笑:2票) (良:1票)

8.  マネー・ショート 華麗なる大逆転 《ネタバレ》 金融の詳しい仕組みがわからなくても、「空売り」の意味だけでも理解すればけっこう内容に入っていける。株などの金融商品は、安いときに買い値上りしたら売って利益を得るのが一般的だが、空売りはこの逆をする取引だ。値下がりすると思われるような商品を、まず借り受けて売ってしまう。そして、実際に値が下がったら買い戻して、その差額の利益を得るのだ。バブルで実態をはるかに超えて高い値となっている商品は、バブルが弾ければ必ず下がる。そう見込んだ、あのリーマンショック前の金融ブローカー達の欲とモラルの葛藤が描かれている。だが、ただ儲かればいいというものではない。そのことで被る国家的損害は膨大で、その穴埋めには、国民の税金が投入されるのだ。欲に駆られた連中の放蕩三昧の尻拭いを、善良な国民が知らないうちにさせられる。儲けたはずの当事者達が苦悩する姿に、資本主義の矛盾と限界が重なる。結果を知って観るほろ苦さや、反省を促す過剰と思われる演出も、確かにそうだったという歴史の裏付けがあるから不自然さがない。バブルを経験した日本では、余計にそう感じる。[映画館(字幕)] 8点(2016-03-29 23:06:50)

9.  東京家族 《ネタバレ》 リメイク物の宿命というか、定石というか、案の定評価が低いようですね。それはなぜか。観客は、ほとんどがオリジナルを見て、そのイメージを持ったままこれを観ています。そうすると、ここがおかしい、これは無い、と思うところがどんどん出てくる訳です。監督自身はオリジナルをリスペクトしているため、ここは変えてはいけない。ここは現代に置き換えないと不自然だ。と、彼なりにこだわりがあって作るけど、当然、観客と一致することはまれです。例えば、父親はもっと穏やかな坊主頭で母親はふくよかな容姿。長女はもっといやみなおばさん。次男はなんかで死んでいないと。そういうところが私の印象です。そうは言っても、映画の出来としては良いのではと思いますね。世代のギャップと家族のかたちへの問いかけは、オリジナルに負けないくらいに明確に表現されていた。[地上波(邦画)] 8点(2016-03-19 19:34:42)

10.  アーティスト 《ネタバレ》 芸術というか、文化を形成している多くの精神を刺激する分野において、例えば音楽、絵画、文学とかなんですが。もちろん映画もそうです。これらは時代の推移により、技術が進歩すると影響を受ける分野は特に、大きく変わっていくわけです。映画史の場合は何と言ってもトーキーの導入なんですね。革命的な変化・進歩であると思います。もちろん、じゃあ明日からトーキー、という訳にはいかないのであって、そこは旧勢力と新勢力、既得権益勢力と後進勢力、保守派と革新派といった対立が起こるわけです。結局、需要層の、つまりは観客のおもいに従った方向に勝敗が行ってしまいます。その結果、勝者と敗者が生まれます。そして、そこに数多のドラマが生まれるのです。この作品は、それをあえて敗者のツールで描いたところに新鮮さがある訳です。基本的にサイレントで、負けたサイレントスターとトーキー新スターの愛のドラマを描いたところに、観客は思わず引き込まれる。まあ、そういうことかなぁ。それにしても犬の演技は素晴らしい。[ビデオ(字幕)] 8点(2016-03-19 18:38:30)

11.  ブリッジ・オブ・スパイ 《ネタバレ》 米ソの冷戦の危険度はかなり高かったという認識を持っている。というのも、小学生の頃だったがキューバ危機のときに「米ソによる核戦争が起こりそうだ」という普通の大人たちの会話を聞いていたからだ。その記憶が蘇って、実話ということも加わり、歴史の一こまがリアルに迫ってきた。アベルを演じるマーク・ライランスが秀逸である。ふと、彼はこういう人で何も演技していないのでは、と思いたくなるほどに自然な動きだ。そのアデルが少しずつドノバンを信頼していく演技が泣かせる。どういう立場であれ、どのような関係であれ、相手は信頼できるのか、自分を信じてくれたのか、そこに人と人の結びつきの全てがかかっているのかも知れない。この前半の法廷劇から、後半は敵国の本音を探りながらのスリリングな交渉劇が展開される。ポイントは、こちらと相手の双方が望む結果をいかに作り上げるかなのだろう。勝者と敗者が出来たり、誰も満足しない結果であれば、結局は禍根を残して最終的な解決にはならない。外交交渉とはこう有るべきなのかも知れない。ドノバンがアメリカに戻ってきてからのシーンが余分に感じた。エンドロールに使うぐらいであれば満点にしたんだが。まあ、でも円熟のスピルバーグを感じた。[映画館(字幕)] 9点(2016-01-16 18:22:31)

12.  ゴーン・ガール 《ネタバレ》 前半はサスペンス風の心理劇が展開される。この夫婦に何があったのか、主人公の夫も行方不明の妻も、そして妻の両親さえも何かを隠しているがそれは何なのか。それに加え、マスコミの過熱報道に歪められていく真実と、悲劇のヒーローが一夜にして悪役になるような気まぐれな視聴者の暴走が描かれる。そして、真実が徐々に明かされてからの後半は、うって変わって夫対妻の心理戦が描かれていく。マスコミを通じて、いかに視聴者を味方に付けるかの戦いである。正攻法の夫に反則を繰り返す妻、そういう展開で結局は引き分けか。いや、妻の完勝かも知れない。いやはや恐ろしい映画である。が、しかし、我々はこういう世界に住んでいるのである。警察の捜査も影響をうけるのであれば、真実がどうであるかなど、あまり意味を持たないのかも知れない。世間がどう思うかが重要になってくる。実際、ちょっとしたことでネットで炎上する芸能人や袋叩きにあう有名人が後を絶たないではないか。この原作もアメリカで起こった実際の事件に基づいている。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2015-12-31 16:04:53)

13.  最強のふたり 《ネタバレ》 テレビで放送される身障者を扱った番組で時々感じるのは、製作者側である健常者の視点からの遠慮や気遣いだ。弱者への思いやりと言えるのかも知れないが、本音を押さえた上辺だけの偽善の行為とも感じられる。義務感だけで、あるいは善人としての満足感を得るためにやっている、と見えてしまう。そんな私からすると、映画ではあるものの、しかもコメディーではあるが、この主人公の言動は衝撃的だった。身障者への気遣いがない。相手のハンデをそのまま露骨に言葉にする。自分が良いと思ったことはそのまま相手に勧める。例えて言うなら、そう、自分と身障者の違いを、あたかも、年齢や性別や人種の違いと同列に扱っているのだ。「お前は若いからそう思うのも仕方が無い」というような感じで「お前は全身麻痺だからそう思うのも仕方が無い」とあっさり言うような感覚。相手の状況はそのまま受け入れるが、言うべきことは遠慮なく言う。良かれと思うことはとことん勧める。おそらく、本来、人が対等に付き合うとはこうあるべきなのだろう。何よりすごいのはこれが実話ということだ。それゆえ、感動が半端ではない。[CS・衛星(吹替)] 8点(2015-11-15 21:56:02)(良:1票)

14.  ゼロ・グラビティ 《ネタバレ》 まず、宇宙空間にいるという前提にこだわっているのが良い。ここは、無重力なのだ、という映像を追求している、という気概が伝わってくる。体が重力を感じていないように、更に、周りの小物やその他付属物が無重力で浮いていることを自然そうに見せている。涙の水滴や傷からでる血が浮いている映像は感心した。こうした中で閉塞感と絶望感を追求して、少しずつ希望を持たせて、最後の開放感に持っていく手法は、やはりハリウッドの熟練した技を感じた。主人公のセクシーさをさりげなく描いているのも、個人的にははまった。最後、実際は、無重力状態に長い間いては、あんなに簡単に立ち上がれないようだが、そこはそこで映画ですから。[DVD(字幕)] 8点(2014-12-28 22:21:26)

15.  GODZILLA ゴジラ(2014) 《ネタバレ》 クモンガが良かった。蜘蛛に見えないところもあったが、間違ってもギャオスには見えない。羽?そうか、飛んでいたから、ギャオスにも見えるか。でも、二匹のうち、羽が無いのはクモンガにしか見えない。クモンガがムトーと言われると、世間の武藤さんは混乱するだろうな。何の落ち度もない武藤さんなんか怒るぞ。そんでもって、主役のゴジラがなかなか出てこない、のが良い。のかどうか。もっと見たい気もする。エメリッヒ版も良かったが、これは別の意味で良い。第一作の放射能の化身となった恐怖の怪獣であり、二作目以降の正義の味方であり、憎っくき人類の敵を倒すヒーローであるゴジラを全て見せている。口から火炎放射で武藤さんをやっつけるところなんか涙ものだ。正体が不明で不気味な雰囲気が、どっちつかず、つまり悪役なのかヒーローなのかいまいちわからず、良い。良いというのか、それによって次作への期待と本作の余韻が高まっている。とにかくゴジラ復活がうれしい。[映画館(字幕)] 10点(2014-08-24 22:41:59)

16.  風立ちぬ(2013) 《ネタバレ》 退屈で感情の欠片もない画が延々と続く。台詞は棒読みの見本のように右から左へと流れる。結核を患っているとは到底思えぬ、明るく健康的なヒロインが唐突に登場する。平成生まれの現代っ子よりもモダンだ。美しい飛行機とは程遠いカプロー二の飛行機がこれでもかと飛んでくる。そして、主人公たちにより、サバの骨にヒントを得たぼってりした爆撃機が作られていく。せめて鳥の骨じゃないのか?飛ぶんだから。だめだこりゃ。しかし、もうすぐ終わりだと誰もが諦めの境地になった途端、最後に、奇跡のような画面が登場する。何と、あのゼロが編隊で飛んでくるのだ。とにかく美しい。贅肉を一切取り払い、無駄を全て削った、当時世界最高の完璧な戦闘機が我々の目の前を通り過ぎる。そうか、監督はこの最後の一場面のために、延々と醜い画面をつなげたのか。ブ○○クな女達を何十人、何百人と見続けたあとに、最後に、最高の美女を見たような気分だ。感動は何倍にも膨れ上がるよ。シンプルだが最高の演出だ。[映画館(邦画)] 10点(2013-10-08 22:44:12)

17.  The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛 《ネタバレ》 アウンサンスーチー女史と軍事独裁政権との壮絶な戦いと、それを支えた家族の物語である。話がそれるが、2011年のノーベル平和賞は中国の人権活動家劉暁波である。中国政府の露骨な妨害と脅しに屈しなかったノルウェー政府とノーベル賞委員会の勇気に比べ、日頃人権を叫ぶ欧米諸国の対応が何と頼りなかったことか。世界の文化人、特に映画人は何をしているのかと思っていた。そして、この作品である。ミシェル・ヨーが映画化を計画したのが2007年、当然ミャンマーでの撮影は不可能で、タイでの撮影となったらしい。最後のクレジットで身の危険を顧みず多くのミャンマーの人々が協力してくれたことがわかる。特にリュック・ベッソンよ、見直した。最初は制作を依頼されたが、自ら監督を希望したとか。先輩チャップリンも拍手しているよ。「ガンジー」に匹敵する感動と、「独裁者」に迫る感銘を受ける。少し、ほめすぎかな。[映画館(字幕)] 10点(2012-07-23 22:01:29)

18.  奇跡(2011) 《ネタバレ》 JRからの持込企画、鉄道もの、家族が新幹線の始発と終点の鹿児島と福岡に分かれて住んでいるなど、製作者側の不純な動機と強引さが強く漂う。ところが、観始めると、子供達の純粋さと自然な演技が、こうしたマイナス要素を忘れさせてくれる。もっともらしい話でもないのに奇跡が起こると単純に信じ込む子供達。しかも、奇跡として考えていることは、家族が一緒に住むこと、死んだペットが生き返ること、芸能人になることなど。まさに、小学生の考えることだ。妥協や挫折の人生を重ねてきた大人たちの感覚とは、まるで違っている。だが、彼らの置かれた立場を考え、彼らの会話を聞くにつけ、笑うどころか、思わず、そうか、頑張れと応援したくなるのだ。子供達の世界観で、真剣に考えて、一所懸命に行動している姿はいじらしい。彼らは6年生か。やがて、中学生になれば、大人の世界に一歩近づく。このような経験は、ほろ苦い思い出となるに違いない。[DVD(邦画)] 7点(2012-05-30 22:26:36)

19.  幸せの教室 《ネタバレ》 おそらく、トム・ハンクスは、ジュリア・ロバーツのファンだ。なぜなら、自分が主役で監督なら、キスをしたり、バイクの後ろに乗せる女優は、自分の好みにするはずだ。意識しなくても、そうなる。背景は、リストラや離婚だが、描いているのは、新たな出会いや明日への希望だ。コミュニケーションの大切さも伝わってくる。物語は町のなかだけで完結して、こじんまりとしているが、その分、ほのぼのとしていて、特別な悲劇や事件もない。幸せは、日常の生活にある。それは、誰にでも手に入れることのできるもの。ちょっと努力をし、少し生活を変えて、新たな一歩を踏み出せば、昨日までと違った明日が、必ず待っているのだ。どちらかと言えばコンプレックスになっていた今までの人生も、誇りを持って他人に語れるし、何故か輝きを増すことにもなる。映画は、そう語っている。それから、もう一つ。おそらく、トム・ハンクスは、「ローマの休日」のファンだ。[映画館(字幕)] 7点(2012-05-27 22:39:21)(笑:2票)

20.  SUPER8/スーパーエイト(2011) 《ネタバレ》 映画好きな少年達にとって、8ミリなどのホームビデオは夢に近づけてくれる魔法の道具だ。大好きな監督や俳優の真似をして、感動した作品を模倣している時間こそが、夢中になれる何にも変えがたい時間だ。どんな辛いことも悲しいことも忘れさせてくれるものだ。また、そのときの友人はかけがえのないものになる。軍の秘密や宇宙人が絡んでくれば、益々特別な体験になる。一方、このような少年時代の体験を題材にした作品を観た大人たちは、過去に観た自分達の感傷に浸れる作品のイメージと比べてしまいがちだ。宇宙人は人間を襲ってはいけないとか、たいした冒険をしていないなどと、つい、思ってしまう。しかし、そんな先入観のない少年達にとっては、まさにこの作品こそが、後に、自分達の少年時代と重ね合わせることができる、思い入れの一本になるはずだ。仲間と夢中になったこと、淡い恋、家族の絆、誰にでもかけがえの無い思い出はある。[DVD(字幕)] 9点(2012-05-22 22:56:09)(良:1票)

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