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Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 1446
性別 男性
自己紹介 初めてこちらのサイトに投稿させていただいたのが2004年の1月。間もなく15年目の節目を迎える事に。
何かきっかけだったのかなあ・・・と思い返してみると、モンゴメリー・クリフト&エリザベス・テイラー主演「愛情の花咲く樹」(1957)が、なんで作品登録されてないんだ!って義憤(?)に駆られ投稿を始めたことを思い出しました。
レビュー数、今日現在1337本。自分が投稿した作品のレビュー読み返してみると結構気恥ずかしいことをつらつらと、とりとめもなく書いてるなあと反省しきり。
でも「冷たい熱帯魚」(2点)と「パッセンジャーズ」(6点)「3時10分、決断の時」(8点)なんか我ながら良くこんな文章書けたなと感心。
これからも宜しゅうお願いいたします。

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【製作年 : 1950年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  たそがれ酒場 《ネタバレ》 面白かったですね~、これ。たそがれ時から酒場に集ってくる多種多様な人間たちを最初は俯瞰でスケッチのように映し出す。来ては飲み、そして去っていく客たち。きっと連日連夜こんな夜が繰り返されているのだろう、何が店内で起こってもたいして驚かない客や従業員。徐々に特定の何人かの人物にフォーカスしていく。モヤモヤと得体の知れない混沌としたエネルギーが湧き上がってくるような、戦後十年目、大衆酒場の雰囲気、最高です。ほんのチョイ役でも、役者それぞれの個性を引き出す演出の妙。中でも加東大介、東野英治郎は別格。若き日の丹波大先生、殆どワンシーンのみの登場だけどやっぱり光っていました。生活に疲れた津島恵子の踊り子(ストリッパー?)役、意外な配役だがこれもなかなかの適役。天知茂はどこに出てたのか見つけられず。下戸だが食いしん坊万歳!な自分は、途中から壁にデカい文字でベタベタと貼り付けてある、どれもこれも旨そうなツマミのメニューとお値段が気になって仕方なかった。今なら幾らくらいでオーダーできるのかなぁなんて。[DVD(字幕)] 8点(2024-05-08 07:54:16)

2.  マックィーンの絶対の危機(ピンチ) この手の50年代の手造り問屋制家内工業感満載のB級SF映画大好きです!『蠅男の恐怖』とか『ボディスナッチャー/恐怖の街』『惑星アドベンチャー』とか。その諸作と比べても、これは明らかに低予算でお手軽にこしらえた一篇。マックィーンが出てなかったらおそらく日本公開はされてなかったと思われるレベル。突然空から降ってきた、謎の人喰いスライム?アメ―バ?(どっちでも良いけど)に、街中総出でわちゃわちゃ右往左往する登場人物の中、彼だけは既にスターのオーラを放っていたのは流石。[DVD(字幕)] 6点(2024-01-09 08:30:07)

3.  老人と海(1958) 《ネタバレ》 ヘミングウェイ原作の映画化って「キリマンジャロの雪」や「陽はまた昇る」「誰が為に~」といい、「豪華キャストを揃えて無難に映像化しました」的な作品がホント多いですよね・・・。これは当時新鋭だった、秀作「日本人の勲章」(9点)をこしらえたJ・スタージェス監督作、しかも登場人物が非常に少ない点で、何か野心的実験的な試みの作品になっているのかと思いきや・・・残念ながら、やはり他作品と同じ轍を踏んだ極めて「無難な」原作映画化作品に。大体↑のスタッフ一覧の監督欄、ノンクレジットとはいえ、ヘンリー・キングやフレッド・ジンネマンという大監督のお名前が連なっているのは一体何なんでしょう?撮影中、何かしらのトラブルがあって、降板やら色々ゴタゴタがあったんでしょうか?上映時間、製作規模から言えばこれは小品なのに。僕は逆にそっちの方が興味があります。スペンサー・トレイシーの老境に達した孤高の存在感にプラス1点。[DVD(字幕)] 6点(2024-01-08 08:36:03)

4.  妻(1953) 《ネタバレ》 成瀬巳喜男監督「めし」「夫婦」そしてこの「妻」、「夫婦もの三部作」の一本。鑑賞は一番最後になったが、製作順序的にも「めし」⇒「夫婦」⇒「妻」の順との事。大阪が舞台で色々とゴチャゴチャ動きがあった「めし」は別格として、後の二作はとにかく類似性が高い。煮え切らない夫役がどれも上原謙、訳アリ同居人がどっちも三國連太郎。解る方には解って頂けると思うが、ハワード・ホークス監督「リオ・ブラボー」と「エル・ドラド」を連チャンで観た時の感覚になんだか似てる。しかし相手役は替われども、上原謙さんっていっつも同じ演技、同じ表情しかしていないように見える。同じ成瀬映画の常連森雅之氏と比べ、この方の演技についての評価は聞いたことが殆どないが、妻役が誰であれ、それを受けて立つ度量の深さ、もしやこの方は稀代の「女優輝かせ名優」だったのではないかと思えてきた。妻役原節子、杉葉子、高峰三枝子は、それぞれ自身のキャリアの中でも特に深い爪痕を残した好演技。そう考えると成瀬監督がこの方を繰り返し起用し続けた理由が何となく解る。それにしても若き日の三國連太郎が間借り人の自宅に、奥さん一人っきりで残して外出なんて危険極まりないってつい思ってしまうのは自分だけでしょうか(笑)?[インターネット(邦画)] 7点(2024-01-06 08:41:32)

5.  不死身の保安官 「コメディウエスタン」なんてジャンル、あるのかどうかは定かではないですが(すぐ思いつくのは「テキサスの五人の仲間」とか?)面白かったですね~、これ。冒頭からして最早ウエスタンらしからぬ展開。ヒロインJ・マンスフィールドもデビュー作「女はそれを我慢できない」より更に活躍の余地を与えられ、伸び伸びとコメディセンスを披露してすこぶる好調。ただし唄は吹き替えっぽい。当時、演技派路線に徐々にシフトしはじめたマリリン・モンローの後釜に彼女を据えようと、20世紀FOX社としても彼女の売り出しに必死だったんでしょうね、きっと。『不死身の保安官』たるケネス・モア氏も、その英国的地味キャラが巧く生かされていました。ヒーローとは到底思えない、彼のアンバランスな体型が一番おかしかったです。2023年は紅白も観ず、この映画で年越しを迎えました。[CS・衛星(字幕)] 8点(2024-01-04 22:58:03)(良:1票)

6.  無頼の谷 「砂塵」「大砂塵」「白昼の決闘」しかり、たとえ伝説の大スター、ディートリッヒ姐御が主演だとしても、全面的にヒロインがやたらしゃしゃり出てくるウエスタンに傑作なし!という持論はやはり覆りませんでした。監督がフリッツ・ラングという事で、一風変わった作品なのかなと期待したんですが。私が観たのは地上波の吹替版でしたが、↓評価が高い方のレビューを拝見すると、どうやら本編89分が更にカットされたバージョンだったと思われます。えっ、そんな面白いハナシだったっけ?みたいな。[地上波(吹替)] 6点(2023-08-28 21:40:59)

7.  浮草 大映専属だった山本富士子に「彼岸花」(10点)へ出演してもらった返礼として、翌年小津監督が大映に赴き撮った唯一の作品及び唯一の自作リメイク。妖艶になる、あと一歩手前時期の若尾文子がなんとも可愛らしい。いや、京マチ子にせよ野添ひとみにせよ、女優陣みんなそれぞれにいい。大映現代劇特有の、あのねっとりしたカラーが小津監督タッチによって若干浄化されたようなイメージ。小津監督の他社作品「小早川家の秋」(宝塚映画)「宗方姉妹」(新東宝)を観ると、松竹作品全般に感じられる、窮屈な「縛り」みたいなものから、ほんの束の間解放されたかのような自由な空気感を感じます。もちろんその「縛り」が21世紀になっても評価が全く衰えない小津作品の真骨頂だとは思いますが、この作品とか観ちゃうと、息抜き的に他社でこしらえた作品をもっと観たかったなあとも思います。流石に東映とは合わなかっただろうけど。[DVD(字幕)] 7点(2023-08-26 07:53:34)

8.  白夜(1957) 《ネタバレ》 自分の中でヴィスコンティ監督が「世界名作全集御用達監督」のイメージを決定づけたのは、暇と時間だけはあった大学時代、懐かしの名画座「三鷹オスカー」三本立て(ニーノ・ロータ特集)で観た、この作品の印象が強く影響していると思います。恋人をひたすら待ち続けるヒロインを見守る主人公という、ストーリーそのものはどうという事もなかったかなあと。でも、今でも記憶ありありと浮かぶのは橋に降り積もる吹雪描写の凄さ。若き日のマストロヤンニもカッコ良かったなあ・・・。[映画館(字幕)] 7点(2023-08-22 16:05:54)

9.  細雪(1950) 《ネタバレ》 最近観た鴎外原作の「雁」(8点)とは非常に対照的。こちらは長編小説である原作の粗筋を追うのに手一杯、表層的になぞっただけのダイジェスト映画になってました。「こいさん」高峰秀子を筆頭に、配役が豪華なので退屈はしないという程度の出来栄え。昔、谷崎原作を読んだ時、自分が一番記憶に残ったのは、本筋の三女雪子の縁談話より、関西地方を突如襲った大風水害の描写でしたが、ここでは何となく演出もおざなりな感じで物足りず。無論、この時代だとスペクタクルな特撮を求めるのは無理だったのかもしれませんが。市川監督のリメイク(9点)でも、この挿話は省かれていたものの、作品全体に原作が持つ、贅沢な上方風俗の美意識スピリットが巧みに生かされていた故、不満は全く感じませんでした。原作ファンにも目配せが必要だと思うし、名作文学の映画化ってホント難しいんだなって思いました。こうなったら、島耕二監督の大映カラーリメイク版も機会があったら是非観てみたい。京マチ子や山本富士子は関西ご出身だし、いかにも華やいで役柄にハマってそうなイメージ。[ビデオ(邦画)] 6点(2023-08-09 23:31:39)

10.  雁(1953) 《ネタバレ》 高峰秀子が小金持ちのジジイに囲われているお妾さんという役どころ・・・、ええぇっ!!彼女のキャラクターには全くそぐわない受動的な役柄やなあと思っていましたが、きちんと物語の中に溶け込んでいて、彼女の存在感と演技力に改めて感服した次第(←一体これまで何回感服したことか)聞けば、大映から何か企画をとヒアリングされ、彼女自ら「たとえば「雁」のような映画を」と申し出た結果、そのまんま映画化された経緯との由。こういう、明治時代の裏街の女性の役も演ってみたかったんだな、きっと。それ以上にインパクトを受けたのは、彼女がひっそりと棲む長屋前の、緩やかな下り坂道セットの精緻っぷり。これは美術を担当された木村、伊藤両氏に拍手!おハナシの展開にはそれほど感銘を受けなかったものの、この坂道の佇まいが高峰秀子演じるお玉さんの心の揺れ動きと連動し、いつまでも記憶に残る作品となってます。たいていが原作の表面をなぞるだけに留まってしまう名作文学の映画化としては、かなり秀でた良作だと思いました。[インターネット(邦画)] 8点(2023-08-08 08:05:16)

11.  現金に手を出すな 《ネタバレ》 私が鑑賞したDVDのジャケット表紙には、渋いギャバンと若きリノ・ヴァンチュラご両人が、思わせぶりで怪しげな笑みを浮かべるツーショットのシーンが。少し前鑑賞した「地下室のメロディー」(8点)では、ギャバンとアラン・ドロンがほぼ同格主演、丁々発止のやり取りを繰り広げていたので、この映画でもそういう展開になるのかな~と、期待していたのですが・・・。この時期のヴァンチュラは見事なる脇役。ギャバンとの絡みも僅かワンシーンかツーシーンのみ。完全な肩すかし。フレンチノワールものとしては面白かったんですが、最初のハードルを高くし過ぎたせいか少々物足りず。この時ギャバンってまだ50歳?!マジで?!貫録十分だけれど、成熟した男の色気ムンムンですね。昔の50代ってオトナだったんだなあ・・・。[DVD(字幕)] 7点(2023-08-07 22:04:25)(良:1票)

12.  殺人鬼に罠をかけろ 《ネタバレ》 フランス警察小説を代表するメグレ警視、ジャン・ギャバン主演でシリーズ映画化されたこれが第一作。パリ市内のある地区内で頻発する女性ばかりを狙った連続殺人、犯人検挙に乗り出すメグレ氏。偽の容疑者や、覆面女性警官を囮に使って、真犯人に罠をかける、という展開。ギャバン扮するメグレ警視の執拗な容疑者への追及シーンが見どころ。神経衰弱状態の容疑者にも全く手を緩めないあたりは、凄いというかタフというかなんというか。ヒロインアニー・ジラルドが魅力的。入り組んだ迷宮みたいなパリ下町の風景も面白い。残念ながら推理小説的犯人当て要素は殆どナシ。そういう意味では次作『サン・フィアクル殺人事件』の方が、探偵映画趣味的には面白かった。そもそも、ジャン・ギャバンとリノ・ヴァンチュラ御両人が雁首揃える警察署なんて、裏でギャングかマフィアと繋がっている悪徳警官にしか見えない・・・、というのは冗談で、ここではまだ職務に忠実な刑事役。でもこのお二人って、裏街道を突き進む役どころを演じてる時の方がずっと生彩あるよね。[DVD(字幕)] 7点(2022-09-04 21:23:36)

13.  裁きは終りぬ 《ネタバレ》 陪審員制度なんて遥か遠い異国の裁判制度だと思っていたであろう、公開当時のニッポン人がこの映画を高く評価したのは頷ける。しかし、様々な角度切り口でこの制度を描いた、後年の同種作品群を観た後では、実際観て感銘を受けたかどうかといわれると・・・それほどでもなかったというのが正直な感想。でも裁判映画ジャンルの中では、歴史骨董品的な価値はあると思う。陪審員同士の公判中の自由過ぎる交流にも「えっ、そんなん有りなん?!」って驚かされたし。執行猶予なし5年の実刑判決という、極刑でもなく無罪でもない中途半端な判決結果が、却って何かスッキリしないというかモヤモヤして色々考えさせられる。このモヤモヤ感を観客に抱かせる事が、監督のそもそもの狙いだったとしたらお見事。[DVD(字幕)] 6点(2022-08-30 21:38:13)

14.  サン・フィアクル殺人事件 《ネタバレ》 小説のメグレ警視ものって、多分一作くらいしか読んだ事ありません。ドルリー・レーン氏やポアロとは違い、小説で描かれたメグレ警視の人物像に魅力を感じなかったせいかも。へえ~、メグレ警視ってこういうヒトだったんだって、この映画を観て初めて知った次第。クライマックスで、容疑者を集め各々を執拗に追及し白状させるのが、メグレ警視お得意の捜査方法なんですね。コロンボと同じ倒叙ミステリーかと思いきや正統派の推理物。ギャング役や過去に罪を犯した陰のある男が似合うジャン・ギャバンが警視役=正義側っていうのが最初ピンとこなかったけれど、流石名優、渋みのある正義派役も十分に守備範囲、カッコいい。パリ郊外の大邸宅が舞台の古風な探偵小説的ミステリー。メグレ警視の少年時代の憧れの女性が教会で怪死するのが事件の発端。私が好きなお膳立てという事もあるけれど、謎解き映画としてもなかなかの面白さ。真犯人も意外で、登場人物はそれほど多くもないのに、鈍感な自分は土壇場ギリギリまで犯人解らなかったです。これは毎度毎度の事ですが。[DVD(字幕)] 7点(2022-08-29 22:08:47)

15.  戦略空軍命令 《ネタバレ》 『甦る熱球』(8点)『グレン・ミラー物語』(9点)に続く、J・スチュアート&J・アリスンコンビ三部作の最終作。ずっと観たかった作品ではありますが、果たして観てよかったかどうかとなると・・・・、正直う~ん・・・と、返答に困ってしまう、そんな映画でしたね。出来としては前二作よりぐっと落ちる。良かった点、何点か。このお二人のツーショット、やっぱり画になります。前二作とは異なり最初っから仲睦まじい夫婦役。コンビ三作目ともなると同じような展開だと観客も飽きますからね。にしても、どこか既視感を感じたのは否めない。イーディス・ヘッド女史の衣装は毎度のごとくセンス抜群で古き良き50年代の雰囲気を漂わせてくれます。悪かった点、まず全編通じてドラマが殆ど起こらなくて退屈。戦闘爆撃機マニアならともかく、内部の紹介にやたら時間を費やされても困ってしまう。無事に横田基地に辿り着けるのかどうかがクライマックスだけれど、手に汗握るほどの緊迫感はナシ。空軍のPR映画としての役割を担っていたに違いないが、それにしても付随するドラマに起伏がなさすぎ。第二次大戦中、実際に空軍大佐だったJ・スチュアートをこの役に持ってきたのもPRとしては意義があったと思われるが、映画の出来とはまた別のハナシ。やけに勇壮に流れまくるV・ヤングの音楽も、空々しく聞こえて仕方なかった。数多くの話題作を残したアンソニー・マン監督とJ・スチュアートとのコンビ作としても、これが結局オーラスになってしまったが、有終の美を飾る作品にならなかった事は残念無念。[DVD(字幕)] 6点(2022-08-24 17:31:32)

16.  雲ながるる果てに(1953) 《ネタバレ》 戦争の記憶がまだ癒えぬ、終戦後八年経過したこの時期でなければできなかった秀作だと思います。鶴田浩二さんが亡くなられた時、自分はまだ十代でしたが、葬儀の際、軍歌が延々と流れる模様がワイドショーで中継され、少々「奇異」に感じたことをよく憶えています。鶴田さんが特攻隊くずれだったとか、いや特攻隊員を見送る整備兵だったとか、映画の宣伝でそういう事実をでっち上げただけとか色々な説があるみたいです。御本人はすべての説を否定も肯定もしなかったとの事。でも彼がこの映画で、空の彼方に消えゆく一特攻隊員を、決して英雄化する事無く真摯な態度で演じられたのは事実。それは誰も否定できないはず。黄門様西村晃はじめ、この映画に出演された役者さん達は、きっと敬虔な気持ちと使命感で撮影に臨まれたことと思う。独立プロ勃興の時期だから出演料も安かっただろうし。ラストシーンのナレーション、それまで感傷を極力排して描いていたせいか、一気にいろんな感情が噴き上がってくる効果を上げています。『よっちゃん、リンゴのほっぺただ』泣けました。ただただ、泣けました。もう一人の主役、繊細キャラの木村功も良かった。『ひめゆり』は結局何度も再映画化されて質が落ちていったけど、願わくばこの作品だけは安易にドラマ化やリメイクはしないでもらいたい、強く心からそう願います。[DVD(邦画)] 8点(2022-08-15 21:21:10)

17.  トコリの橋 《ネタバレ》 う~ん・・・なんかもったいないなぁ・・・。こんな後味悪い作品をこしらえるなら、いっその事、東京が舞台のグレース・ケリーと淡路恵子を巡って、東洋人大好きホールデンとF・マーチ、ミッキー・ルーニーが火花を散らす軍隊コメディにしちゃえば良かったのに・・・っていうのは冗談ですが。あまりにグレースがお美しいので、途中退場がもったいなさすぎ、つい愚痴が出てしまう。おかしなニッポン人描写は、当時としてかなり抑えられている方。それほど国辱的な描写はなかったような。ただ、軍艦を港に出迎える女性たちは、振袖キモノ姿かパンパン風かどっちかのいでたち。極端すぎてくすぐったくなる。衣装担当イーディス・ヘッド女史に、グレースのお衣装だけでなく、わがニッポン女性の衣装デザインも監修一任させれば良かったのにね。戦争映画としては、盛んにタイトル『トコリの橋』が、いかに戦況作戦的に重要で複雑な造りの橋なのか何度も説明されてはいるけど、遠景のみの描写に留まる為、観てるこっちは一向にピンと来ない。だもんだから、盛り上がるはずのクライマックスの空中戦(技術的には良く出来ていると思う)にもそれほどノレない。常に「危険外」に居るF・マーチ提督の、含蓄あるようなないような、もっともらしい発言もこの悲壮なラストに至ってはなんだか癇に障ってくる。いろんな意味も含め、ちょっと困った映画。グレースは『裏窓』より、もっとここではキレイに撮られているかも。キッスも情熱的。そこだけはホント一見の価値あり。[DVD(字幕)] 6点(2022-08-02 22:45:07)

18.  拳銃の報酬(1959) 《ネタバレ》 自分は十代の頃『誇り高き男』での、保安官役を観て以来のロバート・ライアンのファン。善人役でも悪人役でも、脇でも主役でも、このヒトは常に抜きん出た存在感を魅せてくれるオールマイティーな曲者役者。どちらかと言えば、あの不敵な面構えから悪人役のが多いような気もするけど。この作品でも見事に私の期待?に応え、寄る年波への諦念とまだやれるという葛藤の中懊悩する、真のワルになりきれないアンチヒーローを演じてます。クリーニング済の、女性用ドレスを雑踏の中持ち歩く姿だけでもなんか粋でカッコ良く見えてくる。よーく考えたら、無職のヒモ男なのに。鑑賞途中、これって、もしや前年製作『手錠のままの脱獄』が高評価された為、その時流に乗って企画された映画なんかなあとも思ったけれど、面白かったから文句ナシ。うんうん、クライマックスの銀行強盗シーン、内側からドアチェーン外させるのは俺もあの方法がベストだと思った。いつか何かの機会に試してみたい(←どんな機会やねん)流れるモダンジャズや音楽の使い方も巧みで次作『ウエストサイド物語』で、大ホームランをかっ飛ばす、ロバート・ワイズ監督の面目躍如といったところ。渋過ぎる二大女優も含め、脇役も地味だけれど見応えある佳作。ここではホンのチョイ役なのにグロリア・グレアムがモノクロ画面に登場すると、途端にフィルムノワールって雰囲気になるのが不思議。先日観た『重役室』も面白かったし、ワイズ監督の大作主義以前の作品群もっと観たくなりましたね。↓あの小ウサギを撃つのに躊躇するシーン、そんな意味が含まれていたとは![DVD(字幕)] 7点(2022-08-01 20:01:32)

19.  イタリア旅行 《ネタバレ》 私が観たDVDの解説にはゴダール監督の「男と女、一台の車、そしてキャメラがあれば映画が撮れる」という発言が掲載されていました。これはこの作品に対する、おそらく賛辞というか、きっと誉め言葉なんでしょう。だとしたら、映画は撮れるかもしれんけど、面白い映画が撮れるわけじゃないと、ハッキリ反論させて頂きたい。ヨーロッパ国内のロードムービー、破綻寸前のマリッジピープル、というとオードリー・ヘプバーンの『いつも2人で』を、どうしても思い出してしまう。自分、この映画には満点つけてます。しかしこちらは・・・見事につまらなかった。互いに傲慢で身勝手な夫と妻のイタリア旅行。実業家らしい夫がどういう人物なのかも不明瞭だし(、金銭的に恵まれてるのだけは解る)奥さん側にも何の共感も湧かない。描き方にユーモアの欠片もない。ラスト群衆ではぐれそうになり、唐突に愛情が復活したかのように描かれているが、数分後にはやいのやいのとまた大喧嘩始めそう。んでもって、二人揃って脇見運転しすぎ、危ないぞ、あんな運転してたら、いまにきっと人轢くぞ。こんな美しくもなく魅力がないバーグマンの映画、初めて観ました。私はロッセリーニ監督の代表作は未見の為、偉そうなことは言えませんがこういう演出のタッチが、いわゆるイタリアンネオリスモ?なるものなんでしょうか?それにしては、アメリカからジョージ・サンダースというスターを招いてゲージツ性と商業的成功、両方に目配せしているようでイヤラシイ。まだこのコンビの前作「ヨーロッパ一九五一年」(5点)のが良かったです。[DVD(字幕)] 3点(2022-07-29 00:01:25)

20.  グレン・ミラー物語 《ネタバレ》 功成り名を遂げた人物の伝記映画として、ごくオーソドックス且つウェルメイドな作品だと思います。楽曲の挿入方も実に的を射た場面で流され申し分ない。脚本の要所要所での「省略方」も巧い。首の後ろをさする仕草の伏線も効いている。でも、何よりこの映画の魅力を二割増し三割増しにしているのは、『甦る熱球』(8点)以来の、ジェームズ・スチュアート&ジューン・アリスンコンビの、呼吸の合った素敵な夫婦っぷり。このお二人が揃って画面に登場すると、もはや役を演じているように見えない。これってホント凄い事だと思う。小柄な彼女がノッポの彼を、顎を上げじっと見上げるシーンだけで、一幅の絵になるというか、特に悲しいシーンでもないのに、自分は眼がウルウルしてくる。何故だろう・・・不思議。主演作が数多いJ・スチュアートと、特にお似合いだった相手役は誰だったんかなあと、ふと考えてみた。私見では、ジーン・アーサー(スミス都へ行く、我が家の楽園)ドナ・リード(素晴らしき哉、人生!)そして栄えあるナンバーワンは、誰がなんと言おうとこのJ・アリスン!このお三方ではないかと勝手に決めてみる。異論は大いに結構。決してグレース・ケリーやキム・ノヴァクではなく(映画としての評価は別)彼女たちの共通点は、揃ってアメリカの女優にしては小柄な事、ハスキー寄りの変わったヘンな声質の持ち主だという事。今一本、同監督作『戦略空軍命令』というコンビ最終作があるようなので、これも機会があれば近々鑑賞してみたい。♪ブギウギだけが俺のララバイいい夢みるぜ~ピカピカのパラダイス~キラキラのパラダイス~♪←『瀬戸内少年野球団』テーマ曲「イン・ザ・ムード」より。結構好き。[DVD(字幕)] 9点(2022-07-26 22:46:06)

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