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【製作年 : 2020年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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2. ブレット・トレイン よく出来てる映画だな~と感心してしまった。 「チェーホフの銃」という言葉があって、「ストーリーに持ち込まれたものは、すべて後段の展開の中で使わなければならず、そうならないものはそもそも取り上げてはならない」という。 作中に出てくる小物・ギミック、全てが無駄なく活躍し組み合わさって使われていて、使われまくっていて、もう脱帽。 特にキャラクターは、その過去・能力・性格、全てがよく作り込まれていた。無駄なものが無い。 日本の描写がアレだったけど、気にすることないかもしれませんね。 だって、メキシコNo.1の殺し屋が出てきた時、背景はサボテンの半砂漠で、メキシカンハットやらメキシカン・カウボーイ風のお衣装だらけだったけど、私はそれを見て「メキシコ文化の一つだな」としか考えず、違和感も覚えなかったから。今時メキシコがこんなんだとは思わないというのに。 外国人がこの映画の日本を見る時に感じるのも、同じようなものかもしれませんね。 築地で17人の殺人事件とか、笑ってしまった~。日本人は「これ、ホントにあったら数年間大騒ぎだよね」って分かるけど、ガイジンさんには違和感なんて無いでしょうね。 そんなんが、サラっと、映画の千分の1って要素として出てくる。濃密だー。 もう一回見たくなった。こんなに濃密なんだから、一回じゃもったいない。[映画館(吹替)] 8点(2022-10-11 21:17:36)(良:2票) 《改行有》 3. アキラとあきら いやー、物凄く!面白かった。ビックリした。ドキドキして涙してワクワクして感動した。 失敗から這い上がり、更に大きくなって、しかも全然スレずに帰ってくる山崎瑛(竹内涼真)の様子にドキドキした。普通多少はスレて小汚くなるものなのに、信念を抱く男は違った…。 父親の負債の経験で痛い目を見てから、有能だけど汚くてつまらない男になってゆくようなお話は、この世にはごまんとあると思う。ましてや銀行もの。そういうお話を書く方がラクだと思う。 けれどこのお話は、神父様(塚地武雅)や、過去に出会った理想の銀行員(満島真之介)や、「宿命」という言葉が、ドラマを優しいものにして、人間を肉厚にしていた。 誰も死なないのに、悲劇だって無いのに、何回も泣いてしまった。感動した。 10点満点中何点だろう? と考えた時「あれ、減点が無い……」と驚いた。 でも映画館を出る時、後ろにいた3人組女子(推定年齢20歳)が無言で歩いてて、一人の「面白かった?」の問いに二人が「難しかった…」と…。 そっかー…。会社員経験が色々あるほど、人生が長いほど、この話は刺さるのか、と気付いた。 山崎瑛が夜遅くまで仕事に打ち込む姿。顧客のために知恵を絞って考え抜いて提案資料をつくる様。何回も何回もピンチを迎える様。上司が粉飾じみた事をする姿。そして、成功した時・喜んでもらえた時の、胸に湧き上がる喜び、誇り。 どれも自分の会社員経験で経験してきたことに少し似ていて、だからどっぷりとハマったのかなと。 こんなドラマを100%楽しめるのなら、年取る事・会社で揉まれることには意味があったな、とすら思った。 というわけで、会社員生活のそれなりに長い方には、特にオススメです。[映画館(邦画)] 10点(2022-10-11 18:54:27)(良:2票) 《改行有》 4. 花束みたいな恋をした 《ネタバレ》 私も若かりし頃は、ポップカルチャー大好きだったので、好きなものに二人の恋が彩られるさま、共感しました。 ただ、ドキドキの引力は、他の青春映画に比べると弱めのような……。 うまくいきそうで、いかないカップルっているものですね。 二人とも、親がかりで生きていた時はキリギリスだったんですよね(決してアリではない)。 「好きな事の技能で生きていくぜ!」な気合の入ったキリギリスではなく、ふわふわなキリギリスちゃん達。 パズルがうまく組み合わさるようなカップルとして、一生の思い出に残る恋をした。 このシーンは見ていて楽しかったなぁ。 だけど男の方は途中でアリ君にジョブチェンジし、女は多分一生ふわふわキリギリスちゃんのまま。 私の知っている、ふわふわキリギリスちゃんは、殆どが結婚していないし、それで楽しそうに生きている。 結婚しても、旦那も大抵ふわふわキリギリス君で、だから結婚したし、うまくいきもする。 でも、このカップルは、男が見事なアリ君にジョブチェンジしてしまったから……うまくいかないのはしょうがないのかもしれないですね。 となりの女子高生の二人は、始まる前までは楽しそうにおしゃべりしていたのに、終わった後は一言もなかった。登場人物とひとつも共通点がなく(多分)、また恋愛模様もこれから経験するであろう世界だから、感想も出なかったのかな。 大学生~30代の方々にお勧めしたい映画かな、と思いました。 私は、出てきた小説家たちが全く分からずビックリ(漫画はわかったけど、小説家は全滅)。昔はよく本を読んだものだけど、あの当時の作家たちは今どうしてるんだろう…。 また本を読んでみたいな、と思いました。[映画館(邦画)] 6点(2021-03-17 21:21:29)《改行有》 5. すばらしき世界 《ネタバレ》 10~20代の時に見たら、多分この映画の本質の半分も理解できなかったかなと思う。いや、30代もあやしい……。 映画館からの帰り道からずっと、あの人の人生を考えずにはいられなかった。 短気であまり頭の良くない、挫折を繰り返す男。でも優しいし一本気で、子供のような男。 あの人はきっと、あのままじゃ長生き出来ない人だったと思う。 あの時。弱いものを嬲っていた男たちを、心の思うがままに暴行して痛めつけていたら、彼の体はストレスをためることなく、いまだ生きていたかもしれない。でも、支援してくれた人々をまた悲しませ、落胆させ、失望させていた。 だから死に物狂いでその衝動に耐えた。結局、彼の体はそれに耐えられなかったけれど。 綺麗できっぷの良いイカす元妻から、娘と一緒に会おう、楽しみ! なんて言われて。 きっと神様は最後に御褒美をくれたんだと思う。 最後に、花の香りを嗅ぎながら、彼は思ったんじゃないかなぁ。 ・優しい坊主、守れなくて悪かった、我慢せずやっちまいたかった ・でも、やっちまってたら、スカっとしたけど、あの人達を失望させた ・だから、これで良かったんだ、これで良かったんだ すばらしき人生って言っていいのだと思う。 運のない人だったけれど、死んでから泣いてくれる人がいるだなんて、うらやましい。 個人的には、六角精児が演じたスーパーの人には一番頭が下がる。あの人は凄い。本当に凄い。 人生は人との繋がり、なんだなぁと、自己を顧みてつくづく反省した。 多分一生頭の片隅にこびりつく映画。[映画館(邦画)] 8点(2021-03-16 01:07:23)(良:3票) 《改行有》
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