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タイトル名 |
大阪物語(1957) |
レビュワー |
鱗歌さん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2009-07-15 23:04:03 |
変更日時 |
2009-07-15 23:04:03 |
レビュー内容 |
めくるめく展開する、ドケチ・ワールド。その名も『大阪物語』。あの世界に名だたる『東京物語』に対して、こちらは『大阪物語』ってんだから、頼りないというか何というか(例えば、“東京ディスニーランド”と聞けば何だかゴージャスな感じがするけど、“大阪ディスニーランド”と聞けば、途端にチープな匂いがプンプンするでしょ)。そんでもって、『東京物語』の監督が、あの世界のオヅであるなら---本当に『東京物語』が小津監督のベストワークと言って、いいのかねえ、とは思いつつも---こちら『大阪物語』は何と、世界のミゾグチだぜ、という訳ではなくて、何とその代役だぜ、とほほほ。こうも頼りない条件が重なると、天下の市川雷蔵サマまでが、何となく「よく見りゃ似てなくもない“自称・そっくりさん”」ってな感じの、ニセモノに見えてきちゃう。ま、それはともかく、本作の魅力は何といっても、目を三角に釣りあげて、これでもかとドケチぶりを発揮する中村鴈治郎。いや、私も大阪で生まれ育った身、彼の言動の7割くらいは特に違和感を感じないけど(えー!)、さすがにここまで徹底されると、呆れ返り、舌を巻き、もはや痛快と言えるほど。ストーリーもキャラ設定も明快で(勝シンのヌルヌル感がこれまたスゴイ)、観てる間は何とも楽しい映画なのですが・・・ちょっと余韻に乏しいかな、という気も。「映画って、こんな表現ができるのかー」みたいな感動が、あまり感じられず、やや一本調子、セリフもやや過剰か。これなら、映画として観るよりも、名人芸の落語で味わってみたい内容だなー。そんな訳で、やっぱり何だか頼りない映画なんだけど、うん、だからこその“大阪”、なんだと思う。永遠の二流感。私はそこに、愛着を感じるよ。 |
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