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タイトル名 |
悪人 |
レビュワー |
まりんさん |
点数 |
5点 |
投稿日時 |
2010-09-26 16:34:03 |
変更日時 |
2010-09-26 19:48:15 |
レビュー内容 |
原作は未読です。映画全体は冗長で、全編グジュグジュと煮え切らない様を延々見せられ、人物表現に多少、見られた陳腐さも気になり、最終的には『何だかなぁ・・』と複雑な印象になりました。まず『悪人』の妻夫木演ずる祐一の殺しの動機の真相は、どう見ても『元々悪いのは被害者の娘、佳乃。こうなるのも仕方がなかった』というような感じで、祐一のおばあさんを恐喝する業者をはじめ、被害者・佳乃の本来の相手の増尾のような『悪人』として描かれるキャラとはまるで違う一線を引いて『祐一は他とは違って悪人ではない』と見せてますが・・・でも祐一は佳乃の正気を失った行動に激情して殺害に走ったと言ってもやはり自分の意思で身勝手に殺したのだから、やっぱりどう同情的に表現しようとも彼もまた『悪人』なのです。フェアじゃないよな・・いいじゃない彼も元々『悪人だった』でその為の深津絵里演ずる光代がいる訳です。彼女の存在で彼は灰色の人生に潤いを与えられ変っていくと描写している訳なのにねぇ・・。でも光代が祐一を悪人呼ばわりする妹に対し『彼は悪人じゃない』と電話で言いますが、最終的に祐一に娘を殺されひどい心の傷を付けられた家族の姿を見て『理由はどうあれ、彼は世間的には悪人でしかない』と言うような感じで終わるのは何とか良かったと思います(色々な解釈の余地はありますけど)。あとはこの映画の仕組みは被害者と加害者とその家族の描写が主軸ですけど、特に樹木樹林のおばあちゃんのエピソードは何か繋がってないような浮いている感じがしましたね。樹木樹林の存在感で何か重点を置かれてる気がしますけど、実はあまり関係がなくね?と・・。そしてさらに気になったのはそれを追っかけるマスコミの描き方・・あれって『誰も守ってくれない』と同じで本来、事件に関係のない加害者の家族を執拗に追い詰めるようなマスコミの姿に閉口。しかも老いた普通のおばあちゃんに対して・・現実にあり得る?かと、こういう所はガッカリしますね。もちろんそれぞれの役者陣の演技は素晴らしいと思いましたし良かった所はありました。でも、諸々の散漫さと展開の冗長な感じがどうしても否めず作り手が強く伝えたいであろうテーマが薄ぼけてしまったような作品でした。 |
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