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タイトル名 |
シェイプ・オブ・ウォーター |
レビュワー |
ちゃかさん |
点数 |
5点 |
投稿日時 |
2025-05-21 14:38:15 |
変更日時 |
2025-05-21 14:45:36 |
レビュー内容 |
パンズラビリンスが好きだったのと、アカデミー賞4部門受賞した作品という事もあり、遅くなってしまったがかなり期待して鑑賞したのだが、想像したものよりは、浅いかなと思った。 声を発することが出来ないヒロインと半魚人が出会い、ゆで卵と音楽だけで急激に距離を縮める。「彼は私の欠点を知らずに受け入れてくれた。」相互理解に言葉は必要ない、だからそこのプロセスは至ってシンプルだ。 そしてマイノリティとかダイバーシティとか流行りの心的傾向を持ち出したかと思ったら、さほど大きく刺さるものもなく、そこは雰囲気なんだよという姿勢だとしても物足りなさを感じる。 ハードボイルド風なソ連のスパイや、憎たらしいけど中間管理職みたいな悪役は中途半端。マイケルシャノンは好演だったと思うが。 半魚人はグロテスクでどこか哀愁漂う、ちょっと仮面ライダーアマゾンを思い出させる(?)精巧さで、記憶に残る造形ではあるが、弱ったり不死身のように回復したり、設定自体が定まってないような。 半魚人を愛したイライザが、そもそも強めの性欲を持つ女性だという事も最初から表現されているが、だからと言って異種間性交はさすがに引いた。それさえなければまだ理解できた関係だったのだが。ジェスチャーでの表現だったが、尚更その仕草が脳裏に残ってしまったではないか。グロい・・・。エロとグロは共存させてはならない、少なくとも私のモットーにしようと思う。
全体的に緑色を基調とした画面で統一され、ずっと水の中にいるような錯覚を覚える。その雰囲気はとても良かった。そんな「水の中」で、血が流れだす。 一つの小さな水槽の中に色んな種類の魚や海洋生物を放ってみたら、環境に合わないものは死に、縄張り争いや餌の奪い合いが起こる、みたいな話なのかなと思えば、このこじんまり感もちょっと納得だ。 自然界では生命力の強いもの、つまり繁殖力の高いものが生き残る。種を多く残したものがやっぱり結局は凄い。イライザの性欲の強さは生命力の賜物か。相手が半魚人では成立しないとは思うが。 最後の「えら」は元々ではなく、半魚人のパワーで後天的に授かったものと捉えた。そこは声帯を直してやってくれよとも思ったが、二人の間にそれは不要なもの。声帯よりも、えらだ。そしてイライザは徐々に半魚人に変貌したとすれば・・・、成立するではないか! |
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