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国宝(2025) - ちゃかさんのレビュー
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タイトル名 国宝(2025)
レビュワー ちゃかさん
点数 9点
投稿日時 2025-06-15 15:10:55
変更日時 2025-06-15 15:10:55
レビュー内容
歌舞伎のことなんて、実は全然わからない。でもこの映画を観て、私はただ、心の中で「すごかった…」と呟いてしまった。
それだけで充分じゃないかと思えるほど、見せ場の連続だった。

吉沢亮と横浜流星、二人の舞踊シーンがとにかく圧巻。
『藤娘』『二人道成寺』、そして『曽根崎心中』では二通りの演じ分けがあり、ラストは吉沢亮一人による『鷺娘』。
もう、観ているこっちが力みすぎて疲れちゃうくらい、ものすごい気迫だった。

ラストの『鷺娘』は、演目の意味など知らなくても、力強く、自分の運命を噛み締めるような、そしてこれまでの人生を振り返り嘲笑うような舞にも見えた。
田中泯演じる万菊お姉さん(最高!)が俊ボン(横浜流星)に向かって言った言葉、「あなた、舞台を憎んでるでしょ。それでいいの。」
このセリフが胸に残る。
俊ボンにかけられた言葉だったけど、実はその奥にいた喜久雄(吉沢亮)に向けられたものだったのだろう。

舞台に生き、舞台に喰われる。そのどうしようもなさを知っている人間だからこそ言えるセリフだったと思う。

喜久雄と俊ボンの関係。
血筋に嫉妬する喜久ボンと、芸に嫉妬する俊ボン。
二人は最初からライバルなのだが、それでも憎しみ合うことなく、最後まで信頼し合っていたところが今風で、とても美しかった。すごく爽やかなスポ根だ。
汗と涙と努力の世界。そこに嫉妬や屈辱もあるけど、根っこにあるのは敬意と愛。だから常に温かい。

喜久雄が地方のどさ回りで観客から「このニセモノ!」と罵倒されるシーンがある。それが胸に突き刺さった。きっと彼自身が、ずっと自分のことをそう思っていたんじゃないかな。
血筋を持たない自分はニセモノ。
女形なのに女じゃない、自分はニセモノ。
子供がいても父親ではない。
一体自分は何者なんだ?そうだ、ニセモノだ! そう思ったら少し楽になる。
『鷺娘』はニセモノとして生き抜いた男の、魂の証明のように見えた。偽物だろうと、血筋がなかろうと、魂を削り、自分を閉じ込め、命懸けで演じる姿に観衆は喝采を浴びせる。

しかし役者としての体をほどいて己に戻った時、この喝采と祝祭は幻になってしまうのだろう。
何とも辛い生き様だが、そこに後悔は無い。
父親が殺された時の雪が散らつく景色、それが喜久雄の心象風景。全てはそこから始まり、それが全てなのだから。
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