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タイトル名 |
パッドマン 5億人の女性を救った男 |
レビュワー |
みんな嫌いさん |
点数 |
5点 |
投稿日時 |
2025-05-15 14:23:13 |
変更日時 |
2025-05-15 14:23:13 |
レビュー内容 |
7年前劇場で鑑賞
当時鑑賞した際は、インド映画独特のテンポの良さに飲まれて(普段は、インド映画はほとんど観ない)、なんとなくふーんと思って観たのだが、7年ぶりにプライムビデオで見直して、もやもやが形になった
①主人公は、こんなおっさんになってはじめて、当時のインドの女性が生理の際にどのような行動を強いられていることに気が付いたらしいが、それはありそうなことなのか(それだけ男には隠していたということなんだろうか?)
②主人公の試作した生理用品はインド社会(貧困層)では珍しいはずなのに、なぜインド女性は見た瞬間に、「それ」と分かって顔をそむけるのだろうか?
③主人公は当時の伝統的な生理への対応を絶望的なものとして受け取っているが、それでは当時一般的な生理への対応のやり方はどの程度不衛生で、腹膜炎や不妊症といった具体的な問題をどの程度引き起こしていると理解していたのか、さらに女性のQOLをどれだけ阻害しているという理解だったのか?(そこが描かれないままに、信念だけで行動する姿が、今一つ理解できない。現代の先進国の人の視点で理解しようとするのはエスノセントリックにすぎるのでは)
④社会的因習にもとづくものとはいえ、妻を筆頭にあれだけ女性たちが強烈に強い不快を訴え「女にとって恥ほど重い病気はない」と言っていることを、全く顧みないというのは一体どういうことなのだろうか 自分の信念にもとづくものとはいえ、他人の感情をそこまで踏みにじるのは暴力的なのではないだろうか 先進国の人間の視点では、因習に縛られる女性のほうをなんとかしたくなるが、それこそエスノセントリックに過ぎる視点で、妻や周囲の女性たちからすれば主人公はとんでもないモンスターなのではなかろうか
⑤55ルピーの生理用品が贅沢といっているが、2000年の円換算で55ルピーは130円ほどの値段 生理用品が贅沢なのことだけが問題なのではなく、インドの貧困のほうが解決されるべき問題なのではないだろうか?
⑥ソーシャルビジネスという観点でいうと、単に安く製造すれば、広く流通するわけではない。すばやく投資や流通を呼び込むためには、少なくとも当初は一定の価格以上で売れることが重要のはず。実際に主人公の「革新」によって、インドの生理用品市場は革新が起こったのだろうか?またそんなに革新的な技術であれば、当然、リバースイノベーション的な影響が先進国にあってもしかるべきではないのか?
⑦社会的な評価だけで手のひらを返したように歓迎する人々を、主人公は、なぜにこんなに簡単に受け容れられるのだろうか 社会的な評価だけで、インドの貧困女性たちの因習が終わったかのように描かれていたが、それは本当だろうか |
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