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親切なクムジャさん - パブロン中毒さんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 親切なクムジャさん
レビュワー パブロン中毒さん
点数 5点
投稿日時 2006-07-02 00:10:35
変更日時 2006-11-25 20:56:19
レビュー内容
これはこれは。なるほどそういう方向へ行くのかあ。
もっと絞って短くしたほうがよかったな。たとえばクムジャさんのアップは、ひとつの映画の中で1回まででしょう。繰り返すほどどんどん驚きがなくなる。あと無駄に長いシーンがけっこうある。最初のほうはかなりテンポよかったけど、小学校に集まって以降は、もっとカットしてテンポよく。惜しい。
ペク先生のチェ・ミンシクさんは、体を張っていてすごい。大ケガ必至のシーンによく耐えたものだ。役者魂。女優の演技開眼とかおおげさなの嫌いなのでクムジャさんの演技がどうとかあんまり興味なし。
ところでこの作品は、日本でもアメリカでも作ることはできなかったでしょう。復讐場面のことをいっているのではなくて、さらった子供の虐待テープを見せるところね。あれは韓国以外の国では決して撮られない場面と思う。
ミンシクさんが「善と悪が対決し、是と非が衝突する」ことが葛藤を生み、映画を面白くすると、インタビューで言っていましたが、これ、日本人が全然持っていない考え方で、どっちかていうと、キリスト教をはじめとする一神教の考え方ですね。見た目は似ているけれど、韓国の人は、中身は全く別物です。(日本人なら「鬼の目にも涙」に流れていくところ)「悪者が悪いほど葛藤が深まってよい作品になる」そうですから、なかなか普通の日本人からは出てこない発想です。
さて、近頃日本でも子供がさらわれてひどい目にあうことが多いのですが、「クムジャさん」鑑賞後の日本の皆さんは、こういうものを見せられて、何を思ったでしょうか。
先日最高裁で差し戻しとなった母子殺害事件のご主人ですら、ひとまずは「法による復讐」を求めておられます。彼の望みがかなわなかった後の事は予想がつきませんが。
理不尽なひどい目にあった場合、人はどのように行動すればいいのでしょう。これまでの日本人の常識からいうと、「時の流れに身をまかせて、亡くなった家族を悲しませないように前向きに生きる」が正解でありました。でも、こんなにひどい犯罪が起こるようになっても、それは変わらないものでしょうか。いつか日本にも「何か」が起こるかもしれないな、なんて少しは思ったりします。
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