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無法松の一生(1958) - 目隠シストさんのレビュー
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タイトル名 無法松の一生(1958)
レビュワー 目隠シストさん
点数 8点
投稿日時 2025-05-29 01:13:48
変更日時 2025-05-29 01:13:48
レビュー内容
原作小説は昭和13年発刊。劇中の舞台設定は明治30年。実に100年以上前のお話です。当然ながら常識や価値観は現代日本と異なります。とはいえ「時代劇」と呼ぶほどかけ離れてもいません。まだ当時から地続きにあるのが現代です。ゆえに(私を含む)年配者の口からは「あの頃は良かった」「古き良き」といった感想が漏れがち。顕著な例が芝居小屋の一件です。松五郎は親分さんに詫びを入れた事で騒動を不問とされています。今では考えられない決着でしょう。でもこれが心地良いのです。理由は明快。私たちが幼い頃最初に叩き込まれた「悪いことをしたらごめんなさい」に他ならないから。もちろん言われた方は「もういいよ」許すのがお約束です。超基本的な対人ルールが厳密に適応されている点が心地よく感じる所以かと。逆に言えば、現代日本では謝ったくらいでは許されない厳しい社会になったとも言えます。とはいえ当時の価値観を無条件に肯定したり、現代を簡単に否定したりするのも違います。あくまで「あの頃はあの頃」「今は今」です。
決して成就しない恋に一生を捧げた松五郎。最期は野垂れ死に。現代で置き換えるならアイドルにガチ恋の挙げ句、勝手に失恋して引きこもりになったオタクってところでしょうか。どちらも憐れには違いありませんが、受ける印象はまるで違います。前者が「切ない」後者は「アホか」です。この違いはまさに時代の価値観に紐付くもの。当時の価値観に照らし合わせれば、松五郎の生き方を否定する者等いないでしょう。もちろん傍から見れば奥様以外の誰かと所帯を持つ方が幸せだったと思いますが、夫を亡くした奥様を支え続けた松五郎は讃えられて然るべき。でも、あまりに不器用で報われぬ献身に胸が締め付けられる訳です。一方、現代の引きこもりオタク君の場合はどうでしょう。同情心など一切湧きませんよね。ただのアホです。当時と現代の社会背景で大きく異なるのは、人生の選択肢の数、教育の質と量、そして多様な幸せのかたち。極論すれば、あの時代の松五郎にはあの生き方しか出来なかった(考えられなかった)ということ。如何に現代の私たちが恵まれていることか。ですから「あの頃は良かった」はピンポイント事例に対する心証に過ぎず多分に思い違いであり、客観的に、あるいは総合的に考えれば今の世の中の方が良いに決まっています。少なくとも今を生きる私たちは「そう言わなければいけない」義務があると考えます。でなきゃ、ご先祖様に申し訳ない。
最後に。「松五郎にはあの生き方しか出来なかった」と書きましたが、もし奥様が松五郎を頼らなければ話は変わります。それこそ奥様が再婚話を受け入れてさえいれば松五郎は自由になれた訳で、野垂れ死ぬ事も無かったかもしれません。奥様が松五郎の好意を利用したのは間違いなく、そういう意味で奥様は罪深い。ただし一人息子を育てるために必死だった奥様の「母としての強かさ」を責めるのも酷な話です。当時の社会情勢を考えれば尚更のこと。やはり今の世の中の方がいいですよ。
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