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タイトル名 |
エリジウム |
レビュワー |
かたゆきさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2014-04-29 19:00:25 |
変更日時 |
2025-07-09 11:28:46 |
レビュー内容 |
ここは、人口爆発により社会秩序が著しく荒廃した未来の地球。一握りの富裕層は宇宙空間に建造した巨大な宇宙ステーション〝エリジウム〟に移り住み、何不自由ない豊かな生活を謳歌していた。反対に地球に残された人々は、ロクな医療も受けられない、ゴミと瓦礫と犯罪がはびこる世界で虫けらのような生活を強いられている――。元犯罪者のマックスもそんなごみ溜めのような街で、鬱屈した思いを抱えながら巨大企業の工場で働いていた。ある日、いつものように作業に従事していたマックスは不慮の事故により有害物質を全身に浴びてしまうのだった。「残念ながら君の命は5日ともたないだろう…」と告げられ、絶望に打ちひしがれるマックス。さらには厄介払いするかのように、唐突に解雇を通告されてしまう。理不尽な仕打ちに怒りに燃えたマックスは、凶悪な犯罪者の力を借りてそんな会社の社長を誘拐する計画を立てるのだった。図らずもそれは理不尽なこの世界を変えるきっかけとなってゆく……。『第9地区』という、社会の貧困や理不尽な格差や差別を真正面から描きながら、内容はあくまで良質のエンタメSF映画(ちょっぴりB級っぽい)という、かなり斬新な作品で鮮烈なデビューをかざったブロムカンプ監督。満を持して放つ新作は、巨大予算&有名俳優陣を存分に使って製作したSF超大作でした。冒頭から、見渡す限りバラックが建ち並ぶスラムで懸命に生きる人々の隣に普通に銃を持ったロボットが闊歩していたり飛行船が飛び交っていたりという、この監督らしいハイブリッドな世界観に否が応にもテンション上がっちゃいました。いやー、良いですね~、このシニカルでスタイリッシュな世界観。社会の底辺で暮らす人々のエネルギッシュな描写や細部にまで拘り抜いたSF愛、そして一癖も二癖もある個性的なキャラクターたちが織り成すスピーディーなストーリー展開、うん、充分面白かった!特に社長誘拐シーンでのスローモーションを多用した銃撃戦描写とかかなり格好良くて大変グッド。ただ、さすがに気負いすぎたのか、後半から若干散漫な展開が続き、いまいちクライマックスが盛り上がらなかったところが残念でした(特にジョディ・フォスターの見せ場があんまりなかったとこが不満爆発!)。でもまあ、新鋭監督の次回作に期待を込めて7点! |
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