|
タイトル名 |
大空港 |
レビュワー |
飛鳥さん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2015-05-04 21:20:27 |
変更日時 |
2015-05-04 21:21:36 |
レビュー内容 |
群像劇としてよくできている。さまざまな人間模様があり、キャラも立っている。特に、常習犯の無銭乗客の老婆。なんとも食えない婆さんだが、憎たらしくも面白い。保険金のために機内の乗客を道連れにする爆弾犯は、自分勝手でとんでもないヤツ。死ぬなら勝手に一人で死ねと思うが、そんな夫を愛する妻の姿が哀れで切ない。不倫の機長とスチュワーデスのラブストーリーの裏で、無事を喜んで出迎えた妻の姿も痛々しい。着陸に成功してめでたしめでたしばかりではなく、悲喜こもごものドラマが交錯している。
一つ疑問に思ったのが、関係者が爆弾犯と断定するのに勘がよすぎた点。そこへ辿りつくのには、もっと根拠があったほうが良かったように思える。でも、脚本は無駄がなくてとてもうまい。群像劇で人物をしっかり描きながら、いくつもに張られた伏線を収束させる手腕はお見事。『タワーリング・インフェルノ』『ポセイドン・アドベンチャー』と並んで、パニック映画の古典としてお手本的な出来栄え。ただし、演出にユーモアと余裕のようなものがあるので、航空機事故のパニックの緊迫感は薄れている。そういった生々しい緊迫感だけでいえば、『アフターショック』のような近年のパニックものには到底及ばない。 |
|
飛鳥 さんの 最近のクチコミ・感想
大空港のレビュー一覧を見る
|