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戒厳令(1972) - S&Sさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 戒厳令(1972)
レビュワー S&Sさん
点数 5点
投稿日時 2021-08-15 22:13:31
変更日時 2021-08-15 22:13:31
レビュー内容
コスタ・ガヴラスのいわゆる三部作の一作、南米ウルグアイで起きた事件をもとにしているが、政治的映画というよりもまさに政治映画そのものといった方が相応しいでしょう。“架空の国での出来事”とした『Z』の設定とは対照的に、登場人物たちは仮名になっているみたいだがはっきりウルグアイの出来事として撮っています。全編ロケですがさすがにウルグアイでは撮影できず、街並みはチリで撮られたものだそうです。つまり時おり映り込む海は、ウルグアイが面している大西洋じゃなくて太平洋ということです。 全編がドキュメンタリー調というか淡々としたタッチのストーリーテリングなので、緊迫感には満ちているがまったく盛り上がるところがないお話しです。冒頭が誘拐されたモンタンの葬儀でいわゆる倒置法(『刑事コロンボ』方式ともいう)なのもその一因かもしれません。製作者や監督自身がいわゆる主義者なので狙っているのは確かですけど、娯楽色はいっさいありません。誘拐をする組織は実在の南米最強と呼ばれたツパマロスなんですが、なんせ監督が主義者なので徹底的に善玉という位置づけで描かれています。冒頭や各所で挿入されるドキュメンタリー調の政府側の検問や街頭での取り調べシーンは緊迫感満点で、この種の映画のお手本といって良いでしょう。ウルグアイ政府に弾圧のコーチをする本来悪役であるはずのCIA(?)の工作員みたいなモンタンですけど、堂々とした覚悟のある人物として描かれており“自分の処刑がツパマロスの終わりの始まりなんだ”と腹をくくって死に臨む姿はカッコよくさえあります。撮影時は判らなかったことですが、この映画の公開翌年にはツパマロスは軍事政権によって壊滅させられます、なんか近未来を予言していたみたいです。 ガヴラス三部作の中で他の二作の舞台とされたギリシャ・チェコスロヴァキアと並べると、いちおう議会は開かれているし記者は割と自由に活動している風にも見えますし、ウルグアイは割と生ぬるい感すらあります。さすが昔は“南米のスイス”と呼ばれたこともあった国、80年代には国民投票で軍事政権から民政にスムーズに移管したぐらいですからね、つまりツパマロスが目指した暴力革命は間違っていたってことではないでしょうか。“世界一貧しい大統領”と近年マスコミに持ち上げられたホセ・ムヒカはツパマロスの指導者だったそうで、こういう立場の人が殺されずに政治活動をして大統領になるなんてウルグアイは面白い国なのかもしれません。
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