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タイトル名 |
宮廷画家ゴヤは見た |
レビュワー |
こっちゃんさん |
点数 |
10点 |
投稿日時 |
2016-05-21 11:01:23 |
変更日時 |
2017-12-29 20:09:36 |
レビュー内容 |
ゴヤの絵には、どこか冷ややかなものや 嘲笑の気配を感じます
自らの欲望や恐怖や暴力を覆い隠そうと 権威や宗教や群衆、正義という醜悪な欺瞞を掲げる人々を 淡々と冷静に見ているような
欺瞞にまみれた本人だけでなく その欺瞞に気づかずに それが正しいことで 時には美しいものだとまで捉えてしまう民衆の弱さも 静かに見つめている
人はどうしようもなく醜く愚かで この世は虚構に満ち溢れている
それでもゴヤの視線は常に冷静です
聴力を失うことで より研ぎ澄まされたゴヤの感性が捉えた人間の姿が 晩年の住居とした家に描いた12枚の絵だったのかもしれません
意味を理解するわけでもなく盲信する民衆 正義の名のもとに首を落とす女 甘言に集う人々 神でさえ、己の保身のために自分の子を食らう
描かれた人々は、愚かで浅ましくて醜い これらの人々に囲まれた空間が ゴヤが見続けてきた世界だったのでしょうか
本作の、フォアマン監督は、両親をナチスドイツによって殺され 自らは母国であるチェコは改革運動による共産党政治の弾圧を逃れ、アメリカへと亡命しました ゴヤが見てきた時代と、今、何か変わったのでしょうか? |
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