|
タイトル名 |
グラン・トリノ |
レビュワー |
つむじ風さん |
点数 |
10点 |
投稿日時 |
2009-05-15 02:25:41 |
変更日時 |
2009-05-15 02:25:41 |
レビュー内容 |
うぅ。。。ハリーだったら蜂の巣にされても立ち上がり、鬼神のごとく悪党共を殲滅したのに・・・ウォルトは2度と起き上がる事はなかった、優しい表情のままで・・・ 切なさと清々しさをスクリーン一杯に湛えた名作です。ストーリー自体は極めてシンプルですが、近年のイーストウッド監督作が描いてきた戦中・戦前の「家族愛」「人種の壁」を、病める現代アメリカを舞台に、強烈に更に重く訴えかけてきています。 家族にも持てなかった絆を、人種を超えて手に入れられた喜びとその裏腹にある危うさ。すべての価値基準がモノと金になった殺伐としたアメリカ社会において、人間同士の心の交流の可能性を求めて止まない監督の姿が見えます。 超大国となった代償に失ったモノ。ビッグスリー凋落の今、輝けるアメリカイズムを引き継げる者は、名車グラン・トリノを操る移民の少年なのか・・・と。 現代日本にも通じる警鐘です。 |
|
つむじ風 さんの 最近のクチコミ・感想
グラン・トリノのレビュー一覧を見る
|