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アントニー・ジマー - ポッシュさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 アントニー・ジマー
レビュワー ポッシュさん
点数 7点
投稿日時 2017-07-27 11:49:00
変更日時 2017-07-27 11:49:00
レビュー内容
「ツーリスト」(2010)のオリジナル版。冒頭のお御足ショットからしばらくは同じ演出で、そっくりコピーされちゃったのか?と思いきや、だんだんテンポの違いがはっきりしてきて、「ツーリスト」とは全く演出の意図が違うことが分かってきた。あちらの作品ではジョニデが屋根の上を逃げ回ったりアンジーがボートで現れちゃったりと画(え)的には派手派手ながら、どこかノンビリムードで追っかけっこも緊張感がなく、とても現代のオハナシには見えなかった。舞台もヴェネツィアだし、なにやら浮かれ観光客気分、ジョニデのすっとぼけ演技も手伝ってコメディ・タッチなところがあり、リメイクと聞いた時は古いハリウッド映画にあったかなぁ?なんて思い違いをしたものです。内容的には愉しかったけど映画としてはあまり出来が良くなかったかなぁ。あるべき画がなくてカットの繋ぎが明らかにおかしいってシーンがあったり・・・。
で、こちらの作品ではサスペンス・タッチを生真面目に演出しつつ、派手さはないものの、荒唐無稽な「映画らしい」場面展開もあり、随所でニヤリとさせられました。私が気に入った場面は、主人公が非常階段を使って逃げてた時に転んでポケットの薬をぶちまけてしまい、階段上に這いつくばってバラまかれた薬を見てると、目の前で薬が跳ね出す・・・上から追手が階段を降りてきた振動で揺れてる・・・って演出ですね。ジュラシック・パークみたい!(笑)
ズバリ、この映画の肝は「こじんまり感」ですかね。非常にタイトにまとまっている。お話自体は、フィクションらしく大風呂敷広げた、いい意味でアホくさい、とっても映画らしいお話。これを、あくまでもソリッドな演出に徹して、余計なエピソードをそぎ落として(説明不足な感じもするけど)、早口で語りきって突っ込むヒマを与えない(笑)っていう、なかなかしたたかな作風が個人的には好ましかった。「ツーリスト」と観比べると、より愉しめると思います!
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