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十三人の刺客(2010) - ロカホリさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 十三人の刺客(2010)
レビュワー ロカホリさん
点数 9点
投稿日時 2010-10-06 00:57:50
変更日時 2010-10-06 00:57:50
レビュー内容
オリジナルは未見。役所は命を預けるに相応しい存在感があったし、伊原は剣豪浪人って雰囲気が抜群だった。そんな中でも松方弘樹は張りのある声と滑舌の良さ、鬼気迫るずば抜けた殺陣の切れをしていて凄かったなぁ。いまだ健在ですね。 観る人を選ぶ三池得意のグロ演出ですが、将軍の弟である松平斉韶の残忍で鬼畜な暴君ぶりを増幅させるのに大きく貢献しましたね。行いを諫める訴状を出し切腹した臣下の残された家族を縛り上げ弓で射殺すわ、藩士の息子の嫁を手篭めにし嫁の目の前で息子を惨殺し何度も刀を振り下ろして首を切断し、「山猿の骨は硬いのう。」と言い放つ、その後に嫁も自害。とどめに親兄弟を皆殺しにされ、舌を抜かれ四肢を切り落とされ弄ばれた娘。その娘が口惜しそうに血の涙を浮かべ筆を咥えて書いた「みなごろし」は物凄くインパクトがあった。ここまで悪行の限りを尽くし嫌悪させる殿様も、病的で封建的な社会で生まれ好き放題の毎日で感覚が麻痺し、ある意味では被害者であったのかもしれないし、史実ではもっと残酷な行いをしていた人もいる。が、「こいつは生かしては置けん」と、完全に憎悪の対象としか見れなくなったな。その殿様をスマップ稲垣が感情が死んでいるかのような演技で好演しているが、トップアイドルと殿様で通ずるものがあったのかもな。完全に狂っていると理解しながらも、武士として忠義を重んじ主君を守るべく奔走する半兵衛を演じた市村も良かった。 どうでもいいけど、封建的で絶対だった身分制度は今の世の中じゃ考えられないが、「キレる」「逆ギレ」などと誰かれ構わず簡単にしてしまう今時の人がいたら島流し、市中引き廻しの上磔獄門、お家取り潰しなど各種を食らうだろうな。今もしちゃえば良いのに。 狂った殿様を世のために暗殺するという密命を帯びた男たち。残虐非道な斉韶に弄ばれた民の仇討ちでもあったが、太平の世に死にきれぬ思いをしていた侍に相応しい場所だった。斉韶に宣戦布告し、四肢を切られた娘の書いた「みなごろし」を見せつけ、「斬って斬って、斬りまくれ~っ!」は心が震える思いがしましたね。男気というか日本男児の壮絶な武士道、侍魂を見せて頂きました。
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